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NATA Convention in St. Louis その3。

日付と内容に一日ズレが生じてますね。
6月28日の内容です。その3。

この日の午前中はめぼしい講義がなかったので、新吾&サトシ氏とゆっくりまったりブランチを食べた後、「時間があるねぇ…どこか行こうか」ということで、勢いでSt. Louis名物のArchを見に行くことに。この頃二日酔いから復活しつつあった慶太郎もここで合流。
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ちなみにこの日のブランチはホテル&コンベンション近くの日本食レストラン・Mizuで食べてたのですが、このレストランは私達のお気に入りになり、結局5日の滞在で4回もお邪魔してしまいました(苦笑)。チラシ寿司美味しかったなぁ~。

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さて。ここ数日のSt. Louisはまぁ~暑いのなんのって。気温も連日105°Fまで上がり(摂氏だと40℃越え)、この日も例外ではありませんでした。いや、107°Fくらい出てたかな、この日は。コンベンションセンターからArchまでは歩いて10~15分ほどの距離なのですが、暑さにやられ(しかも私はスーツを着ていた)、途中Hyattのホテルのロビーで涼んで休憩をいれつつ向かいました。
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…で、4年ぶりにやってきました、The Gateway Arch!
St. Louisのシンボルと言っても良い、ザ・観光名所。今回のNATAのSt. Louisのロゴ(↓)にもばっちり描かれていますし、どんな観光案内にも一番に載っているほど広く知られており、年間の観光客動員数はなんと400万人にも登るのだとか。
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場所はThe Jefferson National Expansion Memorial公園内で、ミシシッピ川のほとりにあります。外から眺めていても十分迫力がありますが、内部に入ることも可能です。Archの根本にあるゆるい坂を下って行くとそこには大きな地下空間が広がっており、空港さながらのSecurity check を通過すると、ミュージアムやシアターも兼ねたVisitor Centerがあります(↓写真上段)。
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今回は、このArchを登っちゃおう!ということで、Journey to the Top(費用は$10、かかる時間は30-40分くらい?)というミニツアーに参加することに。Gateway ArchはSt. Louisで最も高い建造物で、高さは630 feet (= 約192m)あります。階段ではとても無理、ということで上に登るのに使うのは観覧車のゴンドラのような小さなトラム(↑写真下段左)。オトナ4人で乗り込んだらちょうどぴったりでした。し、しかし、上に向かう最中ガタガタ揺れるし軋む音も不安を煽る…落ちるんじゃないかと皆でびくびくしていました(苦笑)。上りには4分、下りには3分かかるそうです。トラム内には窓がついていて、乗客はArch建造物の内部を見ることができるようになっており、螺旋状や切り返しの非常階段がずーっと続いているのが見えました。
一番てっぺんまで登るとゴンドラを降りることが出来、
狭い窓のある展望台(↑写真下段右)から外の景色を一望できます。
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ここが一番高い、630feet地点。旧裁判所やSt. Louis Cardinalsの野球スタジアムなども見えて景色は素晴らしかったです!ちなみに、ここでは好きなだけ時間を使って景色を見ていていいそうな。
景色に満足したら、下りのトラムに乗り込んで、またカタカタコトコト。
あっという間に地上に帰って参りましたとさ。

そんなわけで思いがけず半日観光に費やしてしまったあとは、
コンベンション・センターに戻って講義を受けてきました。

5. Movement Pattern Progression: Using the Neurodevelopmental Sequence to Address Athletic Injury
Karen Rakowski氏による講義。ベテラン教師って感じでインパクトあったなぁー。最近講義を受けていると、講義の内容だけでなく、その人のTeaching Techniqueのほうにも目が向いてしまうようになってきた…。職業病かな。ついつい目の前を歩いている人を目で追って、Gait analysisしてしまう、という癖だけでも十分annoyingなんだけど(苦笑)。

それはともかくとして、講義内容は近年益々流行ってきているDNSの根本となるセオリー。
私も慶太郎も、一緒に講義に参加した悪友・戦友・親友ケニーも、
「現場で見た経験はあるけど理論をまだ詳しく知らない」か、「理論はかじったけど、現場でのアプリケーションを見たことがない」かのどちらかだったので、その両方を補えたのは良い機会でした。

その大まかな理論は、「人間は、生まれて最初の2年間でmovement patternをdevelopする(=言うなれば、コンピューターのsoftwareを書き上げる)」 で、「2歳を超えてからそのpatternをhardwareを通じて使い始める」 が、しかし、「年齢を重ねるうちに、コンピューターにウィルス(外的・内的要素)が入ってきて、softwareのプログラムを書き換えてしまう(=つまり、動きにcompensationが生まれてくる)」 このcompensationは、言ってしまえばshort-term solution with long-term consequences 。ショートカットをしているようで、長い目で見ると本来の道からどんどん逸れていってしまうような解決策に過ぎない、というわけですね。で、最終的にdysfunctionが生まれたりする、と。

で、Karen氏やその他DNSの提唱者が言っているのは、
software(CNSによるプログラミング)が書き換えられているのが問題なのに、
hardware(カラダ、つまり筋肉とか腱とか骨とか)ばかりに注目してていいんですか?
ということ。つまり、functionalな運動をする前に、赤ちゃんが出来ているような
もっと基本的な動作ができてないとダメなんじゃないの?ということなんです。
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例を挙げると、赤ちゃんが地面に落ちているおもちゃを取るときなどにとる、このポーズ。
丁度スクワットをしたときのような格好です。これ、実は、
 - スタンスは肩幅
 - 膝が丁度つま先の上に来る
 - 首と胴体はまっすぐ
 - お尻は膝よりも下
 - 体重は踵に乗っている
という、完璧なスクワットの条件、全てを満たしているのです。
はて、果たして私達オトナの何割が、この完璧なスクワットを出来るというのでしょう。
私がやったら、すてーんと後ろにひっくり返ること間違い無しです。
このビデオも見てみて下さい。赤ちゃんの移動法、ハイハイ。
あなたはこんなに速く、ハイハイで移動できますか?
できると答えた人、5分ならともかく、一日中、それがもちますか?
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よく考えてみると、肩関節って実は一番最初にweight-bearingになるべき関節なのです。
足よりも先に、です。私たちは生まれてすぐに、バタバタと手足を動かしmobilityを確立させ、
それから徐々に体重を移動していってstabilityを確立しています。
物事には順序があります。私達が徐々にprogressed motor patternを生み出していくのも、たまたまではありません。タイミングに個人差はありますが、ひとりひとりの動きが成長していく順序は全く同じ。誰もが空中でバタバタと手足を動かすところから、徐々に寝返りが打てるようになり、ハイハイを始め、そして直立する、ということを覚えるのです。
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ですから、自由に4肢が動かせなければ(=バタバタと手足を動かす能力がなければ)、寝返りが満足に打てなければ、ハイハイがスムーズにできなければ、それよりも複雑でadvancedな動きにはcompensationがどうしても入ってきてしまうことになります。つまるところ、スポーツのパフォーマンス向上はおろか、美しいフォームで正しく歩く、ということすらできるわけありませんよね。だったら、まずはハイハイができるように、寝返りが打てるように、果ては寝た状態で手足が自由に動かせるように、という、初歩的なところからリハビリをしていくべきなんじゃないですか?というコンセプトです。

これについてはこれからも継続して勉強していこうと思っています…が、
今回は良い機会を頂きました。コンセプト全てが全てに100%納得しているわけじゃないけれど、
これからのリハビリや評価に色々とヒントをもらうことができました。
赤ちゃんの動き…もうちょっと注目して見てみたいな。真っさらなところに毎日どんどんデータが書き込まれているから、ものすごくピュアだけど複雑な動きをする。だって見て下さいこれ(↓)!これなんか、赤ちゃんってば教えられなくても笑顔でFMSのRotaty Stabilityのレベル2を楽々こなしてますもの。
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2歳以下の赤ちゃんが身近にいる皆様!
これからもっともっとよく観察してみて、彼らの動きから学んでみてくださいませ!

  by supersy | 2012-06-29 05:33 | Athletic Training

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