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SWATA Annual Conference in Houston その1。

さて。前述の通り、SWATA (Southwest Athletic Trainers' Association)の学会で、
Houstonに来ています。ホテルがGalleriaという高級モールの中にあるので、ホテルから一歩でると大勢の人が行き来するモールのど真ん中!という、随分面白い状況になっています。
でも、同僚と“買い物しようね!”と言っていたのに(Corpusにこんな立派なモールはない)、
こんなに近いのに、全然歩いて回る時間が無いよー!わー。
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モールの中にはアイススケートリンク(↑)もあって、皆すいすい滑っております。楽しそう!

さて。今日が実質Annual Meeting一日目。
私が朝イチで最初に向かったのは、“The Business of Athletic Training”という講義。
ビジネスなんて言葉を聞いただけで拒否反応、という、典型的なhands-on, clinicalで現場で動いていたいタイプの私ですから、正直言ってこの講義には“他の講義には興味が全く無かったので仕方なく来た”という感じでした(同じ時間にあったもうひとつの講義はSecondary School Employmentについてだったし…)。
しかしこれが目からウロコ!とってもinspiringで、思いっきり楽しませていただきました。

トータル3時間半のこの講義は、5人のスピーカーが入れ替わり立ち代わり、アクティビティーも混ぜたりしながら聴衆も取り込んで様々なトピックについて話すのですが、このレクチャー中に何度も、異なるスピーカーが投げかけてきた質問は、“Are you in business?”でした。
最初に聞かれたときは、観衆全体の反応は“No”だったのですが、“選手を診たり、リハビリしたり、書類を書いたり、…それって、ビジネスに入るでしょう?”とは、第一スピーカーのKathy氏の弁。“私たちがしていることは皆ビジネスなのよ!だから、私たちはビジネスをしているの!”と説明して、まずはビジネスなんて関係無い、という固定観念を“自分が日常的にやっている/関わっている身近なこと”として再認識するところから始まりました。講義の最後に“Are you in business?”と改めて聞かれたときには、全員が“Yes”と答えられるようになっていました。

- Marketing you as a product(自分をどう売り込むか)
- Documentationの大切さ
- 新しくビジネスを立ち上げる、ということ
- 組織をどうmanageし、leadしていくか
- Business opportunityをどう見出し、活かしていくか

等のトピックがdiscussされたのですが、、
Athletic Trainingの日本での在り方、そのために自分がこれからどういう役割を担っていくべきか、ということについて最近よく考えるようになったので、興味深い内容ばかりでした。
中でも、心に残ったことを幾つか。
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●Think outside of the boxというけれど
この言葉が自分の中でブームだった時期があって、それが徐々に違和感に変わり、boxから出ること=良いことなのかな?なんて思い始めて、現在に至っていたのですが、その謎が今日解けました。In order to think outside of the box, you have to know what’s INSIDE of the box、だとわかったのです!己の殻を破るには、まず己を知れ、とでも言うのかな。Don’t box yourself in!というのは重要なstatementかと思いますが、今はThink outside of the box、よりも、ここまでやってきた自分に対しては、これからいかにboxを正しく認識し、boxそのものを大きく出来るか、というところに重きを置いてみたいな、と個人的には思います。
Boxをappreciateできないと、飛び出し甲斐もないでしょ!…って、思うんですよね。
ユニークでありたい、他人から突き抜けた違う存在になりたい!と思うのは良いけれど、
誰でもできることをいかに完璧にやるか、ということも私は同じくらいかそれ以上に重要だと思うし、土台がしっかりしてなきゃ、奇抜なことをやってみても(そして例えそれが正しく素晴らしいことだったとしても)誰もついてきてくれないと思うから。
箱の中だって悪くないんだニャー。
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●Recognizing opportunities and taking a risk
Risk takerであれ、と何度も講義の最中に言われたのだけれど、これは心からは賛成できなかったなぁ。Riskにも色んな種類があると思うんですよね。自分の目の前に在るのはどんなRiskか、成功した場合の利益、失敗した場合の損失はどれくらいになるのか、を十分に考え、見極めた上でそのRiskを取るか取らないかを決めるのが大事だと思う。Risk取る=すごい!ではないよね。
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でも、同じくこの講義の中で繰り返し言われたBe comfortable with being uncomfortableというのは至極賛成。そしてそういう意味のぞくぞくっとするリスクなら、いくらでも取りたいなと思う。これは、何か新しいことを始めたり、自分を一回り二回り成長させるためには、Comfortable zone, comfortable peopleを敢えて離れる必要があるし、自らをちょっと苦しい状況に置いたり、責任やプレッシャーを自らかけてみたりする必要があると思うから。
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Wolff's Lawと同じ。骨は、課せられたストレスに適応して変化する。使わなければ、脆くなる。
つまり、適切なストレスをかけなければ、強い骨は形成されない。
私の哲学のようなものですが、逆境に面したときは、“これを乗り越えられたら一回り成長できるぞ!”と自分に言い聞かせるようにしてます。そしてそういうリスクなら喜んで飛び込む。この仕事を取った時だって、日本人の私がアメリカ人の生徒たちにATを教えるなんてぶっ飛んでるなぁ、できるだろうか、と正直uncomfortableに思ったけれど、やってみたら以外に何とかなるんじゃないか、何より、この仕事を終えてここを離れる時の私は確実にワンランクアップできているはず!と信じられたから飛び込んでみたわけで。実際、この一年間その分とんでもなく成長できたと思う。これが「ぞくぞくっとする」、取る価値があると私が考えるリスクです。
でもそれが例えば、“バンジージャンプしませんか?”だったら、間違いなくその選択肢は選んでいないわけです。高所恐怖症の私にとってそれは、苦痛でしかないし、喜びも見返りも成長もないから(苦笑)。lose-lose situationでしかないPure riskは取りません。

色んな状況にOpportunityを見出すのは、訓練で培うことの出来る能力かな、とも思います。
そして、そういう能力が高い人はどんなピンチにもチャンスを見出せるようになると思う。
つまり、その人の前だと、リスクがチャンスに変わるんだよね。
そういう人は、数ある機会を逃さずむしゃむしゃ食べて、むくむく成長していく。
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例えば、講義の最中でサッカースタジアムを見せられて、“はて、ここにどんなBusiness opportunityがあるでしょうか”というディスカッションになりました。サッカーの試合場なので、当然Athletesに対してmedical coverageを提供できる、イベントスタッフや、観客用にもFirst aid stationをセットアップしたりできるかも。Medical Counselingのテーブルを設けて、簡単な問診をして健康に関するアドバイスをして、続きはクリニックで、という商売の仕方もあるだろう。試合をする上でEAPやEvacuation planningなど必要になってくるものも多いし、スポンサーやOut-reach元のクリニックの宣伝もできる。ブースを設けて、試合観戦に来る人に対して「Athletic Trainerとは」というjob promotionもできるかも知れないし、Injury Preventionのキャンプやイベントなどの宣伝もできるかも?…なんて私も色々考えました。

Opportunityは、意識していない人には見えないだけで、本当はそこらじゅうに転がっているのです。これは才能でもなんでもなく、mind-setの違い。意識次第でなんとでもなります。
私も社会でそれなりに揉まれてきて、こういう能力の重要性が分かってきました。
まだまだ、もっと磨かなければ!
そしてフットワーク軽く、Athletic Trainerの可能性を広げられるようになりたい!

●全てをコントロールはできない
自らもクリニックを経営する5人目のスピーカーのLisa氏は、リーダーシップとマネジメントについて話してくれたのですが、You have to give up some controlという彼女の言葉に非常に共感を覚えました。他人をmicromanage(細かいところまであれこれと口出しする)するのではなく、信頼を置いて任せてみる、ということ。やり方はひとつじゃない、と認めること。そして、臨機応変であること。
「Good leaders focus on each person’s strength and manage around their weakness」
と言った後、Lisa氏が“弱点を直すんじゃないの、補い合うように混ぜるのよ”と言っていたのも印象的でした。やっぱり(くどいようだけどマイブームの)“Don't force it”ってことなんだよなぁ、と妙に納得してしまったのでした。How to let things go、を知っているというか。日本語で上手く言えないけど。
リーダーというのは、肩書きで決まるものではありません。影響力のある人、ということであるとも思うし、影響されるかされないかっていうのは、本人でなく、受け手が決めること。
真のリーダーは、皆が口と声を揃えて、あの人だよ、と指差せる人なんだろうなぁと思う。

●Value Yourself!
ボス猿は、誰もが一目見て「あいつがボスだ」と分かるからこそ意味があるんだ、
と昔言われて、衝撃を受けた覚えがあります。人間にも同じことが言えるんじゃないかな。
リーダーは、内部の人間が「あの人がリーダー」と揃って認識しているのはもちろん、外部の人間が見ても、「あの人でしょ」と分かるような立ち振る舞いをしているべきだと思うんですよね。

そんなことを考えていて、ふと周りを見渡して気がつきました。
SWATAはテキサスとアーカンソーというRegionalな集まりなので、全米規模のNATAに比べてConferenceの参加者は少ないし、low-key(大人しめ)な雰囲気ではあるのですが、
それにしても身なりのルーズが人が多いこと。
具体的に言うと、基本的に学会という場所ではBusiness-casual attireが常識。
スーツ+ネクタイまでとは言わなくても、スラックスにYシャツくらいは着ていたほうがいいかな、という感じ。それに加えて、SWATAレベルだったらもうちょっと緩くても(カーキの長ズボンにポロシャツとかでも)許されるかな、という感じだと思うんです。
しかし、初日から気になっていたのですが、カーキの短パン、Tシャツにジーンズ、ビーチサンダル、さらにはこれからworkoutにでも行きそうなAthletic shortsの人や、終いにはB'zの稲葉さんばりのホットパンツを履いた女性までいて、さすがにこれにはひっくり返りそうになりました。

なんか…緩い人が多いね?と思わず同僚に漏らすと、
"They are from the middle of nowhere, they don't value themselves."と返ってきました。
あまり軽率な発言はしたくありませんが、見てみると、ルーズな服装をしている人は高校や小さな大学のATが多い。名前の通った大学や、Hall of Fame、Executive membersになるようなお偉いさんたちは、かちりとした格好をして、しゃきしゃき姿勢よく歩いています。見ていても気持ちが良い。仕事もできそうだなって、一目見て思うし!

安っぽい格好をしていたら、“自分はこの程度の価値なんです”と背負って歩いているようなもの。
You want to be over-dressed than under-dressed、と言われたことがありますが、
どういう状況でも、自分が自分自身、所属している大学、そしてこのProfessionそのものをrepresentしているのだという自覚を忘れずに、それを反映させた身なりをしていることって、とっても大事なことなんじゃないかな思います。服装だけでなく、歩き方や姿勢、話し方や笑い方も。真のリーダーは、言葉のひとつひとつに重みがあるし、仕草ひとつ取っても違うもんね!

そんなことで、人の振り見て我が振り直せ、とは昔の人はよく言ったもんだ!
と、つくづく思ったのでした。
そんなわけで、自分を売りたい方々、売れない評価されないと文句を言う前に、
自分の正しい売り方をしているか、立ち止まって考えてみてはいかがでしょう?
Do you value yourself? Are you showing that in the right way?

  by supersy | 2011-07-14 23:59 | Athletic Training

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