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美しく言葉を紡ぐ。

言語の崩壊が騒がれて久しいけれど、あんまり実感したことってなかったんですよね。
全く意味の通らない文章を作る人とはネット上等でたまに出会いますが、
そういう人は言葉が上手く使えないのか、そもそも常識が無いのか良く分からないし…。
美しく言葉を紡ぐ。_b0112009_1363656.gif
ともあれ、今日は一人の生徒が課題の作文を添削してほしいとやってきたんです。
“Writing Centerにはもう持っていって添削済みだけど、専門的な観点から
怪我のバックグラウンドや治療コンセプト等がちゃんと書けているか見てほしい”、と。
普段から授業に実習に非常に真面目に取り組んでいる子なので、
そんなことくらい喜んで!と引き受けたのはいいのですが…。

文章を読んで、ちょっと唖然。
専門的なことが所々ガタガタなのはまだ、全然良いんですけど、
そもそも構成がしっちゃかめっちゃかで、内容が全く追えない。
こういうのって、Audienceが何も知らない素人でも読んだらある程度理解できる、という
前提で書くのが原則だと思うけど(もちろん専門用語は使わなきゃいけないけれども)
知識のあるはずの私が読んでいても混乱する文章。
物事を順序立てて説明する、ということが全く出来ていないもんだから、
文章が全く読み手のアタマに流れてこないんだな。
一言で言うなら、たどたどしい。

これがアメリカ人の文章?しかも一回添削してもらって?とちょっとびっくりです。
良く考えたら私が普段読んでいるものなんて、基本的には教科書とか論文とかばかり。
つまるところ、がちがちにアカデミックで専門的な、完璧でプロの文章。
いわゆるアメリカ人の一般学生の文章って今まで読む機会が無かったけど、
結構皆こんなもんなのかしら。
私はすごく自分のAcademic Writingにコンプレックスがあったから、
学部生時代、ひとつのペーパー提出するのに2度も3度もWriting Centerに通っていたけど、
もしかしたら、当時でもそれほど引けを取っていなかったのかも…。

でも、ここでちょっと考えてしまって。
ガイコクジンに自分の書いたペーパーを直されるって、屈辱的だったりしないかな?
私だったら、自分が苦労して書いた日本語のペーパーを、アメリカ人に添削されダメ出しされたりしたら、ちょっと、“自分日本人なのに何してんだろう…”と思うかも知れない。そ、それじゃあ、あんまり言わないほうがいいのかな…。一応Writing Centerに持っていったって言ってるし…。
…なんてぐるぐる考えてしまって、あまり細かい文法には突っ込まず、まずはこの怪我についてしっかり序盤で説明したほうが良いよ、例えば、この怪我はこういったスポーツでよく見られます。主に3つのstructureが関わっており、一つ目は…という風に、、、と、全体の流れに大きく修正を加えただけで、今日は終了。また書き直してくると意気込んでいたので、長い目で付き合ってあげたいですが。。。

Mary(うちのプログラムディレクター)が以前、
Writingも結構ひどい子がいるから、余裕があったら見てあげて、と私に頼んだことがあり、
いや、私よりひどいことはないでしょ、余計ボロボロになっちゃいますよ、と冗談で返したのですが、
彼の添削を終えた後、Maryのオフィスにそっと立ち寄って、
ごめん、私が間違ってた、と謝ってきました(涙)。
特に今回の子は、実習現場では他からズバ抜けて出来る子だっただけに、ちょっとびっくり。
普段のコミュニケーション能力と、文章力って必ずしも比例しないんだな。

こんなこと書いていると、お前の文章力も大したこと無いという声が飛んできそうなので、
もう自重しますが、ちょっと目からウロコだったので書き残してしまいました。
母国語くらいは綺麗に使いこなせるようでありたいと、密かに常々思っていましたが、
今回の件で背筋が伸びました。人の振り見て我が振り直せ、ですね。
美しい文章を書く人は、本当の意味でアタマが良い人だと思う!

  by supersy | 2010-09-30 23:00 | School

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