GA Orientation一日目。

今日はGAたちのOrientationがありました!
授業登録のことからACIとしてのイロハ、HIPAA等の法律関係の問題など散々叩き込まれて、
更にはテーピング等のAthletic Training用品の会社からお偉いさんが来て下さって
新製品の解説までしてくれました。そう、これからは予算のやりくりから商品の注文まで
私たちがやらないといけないから、GAはある意味格好の販売ターゲットなんですよね(笑)。
でもすっごくひょうきんなおじさまで、面白い商品を沢山紹介してくれました。
その後は全員でProfessional CPRの講習。
CPRの資格は一年で切れるのでその都度更新しなきゃいけません。
2月に受講した私はまだあと半年有効…なんですが、皆で一緒に受けておけば、皆同じ時期に
切れるから、大学側がまたまとめて皆で受けさせることが出来る、という理由で全員強制受講。
お金払わなくてもいいから嬉しいけど、時間がみっちりかかるんですよね、コレ…。
スタンダードな心肺蘇生や人工呼吸から、食べ物等で喉が詰まった場合の対処法、
2人でやるCPR、パンプを用いてやる人工呼吸、AEDの使い方、等をおさらいしていきます。
今日は2時間講習して、明日また2時間やって終わりです。ふーー。

8-1:30までぶっ通しのオリエンテーションが終わった後は、各自のsiteに行ってきましょう、
ということで、私はUFから車で30分近く離れた隣町の高校まで行ってきました。
私がこれから一年働く高校。初めて行く高校。どきどきわくわくしながら向かったのですが、
道中お店も何にもないあまりの田舎な風景に、“これはもしや僻地に飛ばされたと思ったけど
まさにその通りだわ…”と言葉を失いながら運転していました(笑)。
なんかすごいところに行っちゃいそうな予感。
高校に着いて、とりあえずAthletic Directorに会わねばと、道行く人に尋ねてみると、
“あー彼は今Football Stadiumのほうにいるよ”とのこと。
道を教えてもらって、また車を少し走らせて、やっと辿り着くことができました。

…。

とはいえ。
ここ、Football Stadiumっていうか全然“Stadium”じゃないですね。
均等でないボコボコ芝が広がってる脇に、観客席が並んでる、って感じ。
やっぱりもしかして、すごいとこに来ちゃいました?
しかも大勢ですごいフィールドを工事してる。生え放題伸び放題の雑草やツタや低い木をバシバシ落として、ミニブルドーザーとかでそれをごごごーって運んで捨ててるんですよ。これから始まるFootballシーズンに向けて準備してるみたいです。雨の中、大変ですねぇ。

…。

はて。
ADさんはどこなんでしょう?ちょっと歩いてみてもそれらしい部屋も見つかりません。
とことこ工事中のおじさんがたまたまこっちへやってきたので、
S: Athletic DirectorのBJさんって人知ってます?ここにいるって聞いたんですけど…
?: あー、それは俺だよ、キミは?
S: University of FloridaのSyです、
  これから一年Athletic Trainerとしてお世話になるので挨拶に来ました。
?: わー、遠いところから来たね。ははー、ごめん、さっきのはうそ。
  俺は今日ここで働いてるだけなんだ。スピード違反でチケット切られすぎてね、
  Community Serviceで働きに来てるんだよ。
  ADは知らないけど、スタッフの人があっちにいるから聞いてみよう。

…。
Community Serviceしてるってことは、裁判で有罪になったってことで…。
あそこらへん皆そう?も、もしかしてすごいとこに来ちゃいました?

その人にとりあえず着いていってみると、おーい、コーチ!と彼が声をかけたのは、
ミニブルドーザーを運転してるガタイのいいおじさん。何と彼がHead Coachだったんです。
へ、ヘッドコーチが自らブルドーザー運転してフィールドの整備!
もも、もしかしてすごいとこに来ちゃいました?

でもコーチはすごく良い人で、自己紹介をしたあとにホンモノのADのところまで案内してくれました。Athletic Directorって私は勝手に年齢のいった方を想像してましたが、実際は非常に若い好青年、って感じの人でした。しっかしやっぱり例によって、彼も作業していたので汗まみれで泥だらけ。“握手はしないほうがいいね、ごめんねドロドロで”って笑ってました。

それから彼に高校を案内してもらって、オフィスとかAT roomとか練習場とか、
これから仕事をすることになる上で知っておくべき場所を色々見せてもらいました。
最後に行ったGymであれこれ話し込んでいたら、すぐ脇でぱちゃ、という音が。
B: 今の聞いた?
S: 聞きました、っていうか見ました。ここ、天井雨漏れしてますね。
B: …。
S&B: ま、おいおい何とかしていきましょう。
もしかして、もしかしなくても、すごいとこに来ちゃいました、ね。

そんなわけでインパクトあること極まりない高校初日でしたが、
いい人たちばかりだし、ああいう環境でチカラをどう発揮するかが腕の見せ所。
ここで何が出来るか、これが全てなのだ、と自分に言い聞かせて帰ってきました。
とにかくThink positive, Stay positive!!!!!!!!
不安のほうが今は大きいですが、それでも前任がいたわけですし私も私らしくやるしかありませんね!とりあえず明日もオリエンテーションは続きますし、早速クイズもあって勉強しなきゃいけないので、今日はこのへんで。オヤスミナサイ!
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  # by supersy | 2007-08-02 23:59 | Athletic Training | Comments(0)

水分補給/脱水指針101。

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暑いですねぇ。夏ですねぇ。これからもっと暑くなっちゃうんでしょうねぇ。
テキサスからフロリダという、南部→南部の移動をした私。
5年以上もの南部生活で暑さには大部慣れてきたとはいえ、やっぱり暑いとは感じます。
でもやっぱりテキサスの暑さとフロリダの暑さは違いますね!
テキサスは日差しの強さがもうやばい。炎天下の中立っていると、肌が焦げて死んでいく
感じがするんです。あー、細胞が今またひとつその命を失っていく…っていうのが分かる(笑)。
一方フロリダは、日差しはテキサスに比べてmildなんですが、やっぱり湿気がありますね。
汗をかいてもじとっと肌の上に留まるので、べとべとします。

さて、この間テニスをしているとき、友人に、
“そういえばスポーツをしているときにはどういう飲み物を飲むのがいいの?” と質問されて、

 ・炭酸とカフェインは避ける
 ・小一時間くらいわいわいレクリエーション目的でスポーツする程度だったら水で充分
 ・でも2時間3時間も例えば炎天下でintenseな運動をするときには発汗によって失われる
  electrolytes(電解質)を補給するためにスポーツドリンクを飲むと良い

なんて話をしてました。

●カフェインはダメ
意外に知らない方が多いんですが、カフェインには利尿作用があるので、
これをスポーツ中に飲んでいると、給水しながら脱水してることになります。
何て言うんでしょう、水分がカラダに吸収されずに、そのまま流れていっちゃう、って感じ。
これじゃー意味ありませんし、運動中トイレに何度も行きたくもないでしょう?
お茶類にはカフェインが入ってます。高校の部活に久しぶりに顔を出したら、選手がパックで緑茶や玄米茶を飲んでいてびっくりしたことがありました。麦茶はカフェインレス、ほうじ茶もかなりカフェイン少なめですので、お茶を飲むのが好きな人はそっちにしましょう。
コーラやDr. Pepperなどの炭酸類にも大量にカフェインが含まれています。
pump upしたいからとenergy drink飲む人もいるかも知れませんが、
これもカフェインが大量に入っているのでもってのほか!Red Bullのカフェイン量とかやばいですよ、今度ラベル見てみてください。試合前に飲んでるathletes見たことありますけどね。

●糖分摂りすぎに注意
Gatorageはスポーツドリンクとしては一般的に良いと言われています。
別にUFびいきしてるんじゃなくて、CMで言われてるみたいに最も研究されているスポーツドリンクですからね。Research-based、Research-approvedという信頼性はこの世界では強い盾です。一方でPowerageは研究が圧倒的に少ないほか、糖分が多すぎると言われていて、水で2倍くらいに薄めて飲むと丁度良いくらいです。
あんまり糖分の高いものを飲んでしまうと一気に血糖値が上がり(hyperglycemia)、
その後一気に血糖値が下がる(hypoglycemia)ので良くないです、気分が悪くなっちゃったりします。アメリカでも最近ほんのり味のドリンク増えてきてますから、糖分は控えめのものを選びましょう。

●飲み物の温度
冷たすぎるものを飲むとカラダがびっくりしちゃいますけど、適度に冷たいことも体温調節には重要。40~50°F(4.5~10℃)くらいが良いと言われています。冷蔵庫くらいの温度ですね。

●喉渇いてないから…
と運動中でもあまり水分を取らない人がいますが、喉が渇いたら飲む、では遅いんです!
この世界では“Thirst is NOT an indication of when to drink”と煩く言われますが、
これは、人は喉が渇いたと感じる時点で既に軽い脱水状態にあるからです。
喉の渇きを感じる→体重の1-2%に相当する水分が失われている、ってことなんですね。
1-2%なんて大したことなく聞こえるかもしれませんが、3%でcaution、
5%で命に関わりうるserious dehydrationと言われるくらいですから結構な数字です。
75kgの成人と考えたら1-2%って0.75~1.5Lもありますしね。
喉が渇く前に未然に水分補給するのが一番、それでも万が一喉の渇きを感じたら、
カラダが出してるサインに素早く対応して、速やかに水分を取るようにしてください。
水分を取りすぎることを心配する人も多いですが、あんまりそれって起こらないんじゃないかと思います。苦しくなるまで自主的に水飲む人って…私は少なくとも見たことありませんし。
汗で出た分と全く同じだけの水分を飲むことが理想なんですが、
それって実は、自分が“このくらいでいいかな”と思う量よりちょっと多いくらいなんです。
つまり何が言いたいかというと、水分補給に対して臆病にならないでくださいね、ってことです。

●Before, during, after...and proper rehydration
運動前、最中、そして終わった後にも、コンスタントに水分を取るようにしましょう。
運動前と運動後で体重を比べてみて、それが同じになるように水分補給できれば理想的です。
ダイエットしてる人って、運動前と後で体重測ったりして“やせてるー”って喜んでたりするでしょ。運動直後の体重の降下なんてアレは全部水分だから、減ってたらむしろダメなんですよ。ちゃんとrecoverしないと。カラダに余計な負担をかけないためにも、水分取って取り戻してください。心配しなくても、きちんと運動し続けていればちゃんと脂肪が燃えて徐々に体重が落ちてきます。

●Don't be old-school
私の昔の監督で、“私が選手だった頃は練習中水なんか飲ませてもらえなかったんだから!”
と私たち選手にまで水休憩をほとんど取ってくれなかった人がいましたが…
“我慢=美徳”なんて、21世紀にこんなold-schoolスタイルを引っ張るのはもうやめましょう。
ちゃんと水分取らなきゃ疲労たまるし、チカラは入らないし、performanceも落ちます。
それ以上に、選手の健康に関わることであり、命を失う危険性だって伴うわけです。
選手を危険にさらしてまで古いカタギを通すのはただの自己満足。
水休憩なしのぶっ続けの練習は今日の研究で悪いとハッキリ証明されていますからね。
水分補給の理想的な形は、選手がいつでも手を伸ばせるところに水がある、という環境。
ただ、そういうのを嫌うコーチさんもアメリカですら結構いますから、そこらへんはATとしてはコーチと上手くコミュニケーションを取って、一定の頻度で水休憩を取ってもらうようnegotiateしないといけません。こういうのも大事なATの仕事。Risk management能力です。

●Hydrateする習慣をつける
練習前、試合前に焦ってがぶがぶ水を飲んでみたって、
普段きちんと水分を取るクセがついていなければnon-effective。
カラダが水分をretainしておく習慣がないんですからそのままpeed outされて終わりです。
Athletic performanceと同じで、直前にああやろうこうやろうと工夫してみても練習してなきゃ本番でもできない。身体にhydrationする習慣を叩き込まなきゃダメなんです。
誰かさんみたいに、“あ、今日コーヒーしか飲んでない”なんて生活はとんでもない。
普段の生活から水分をきっちり取って、うるおわせてあげましょう。

●日常生活で、脱水かどうかを見極めるb0112009_1442315.gifには、幾つかの方法があります。
簡単なのは、自分の尿の色をチェックすること。左(←)が尿のカラーチャートですが、これは下に行くほど脱水していて、上に行くほど良いんです。つまり、明るい薄い色であればあるほど良くて、濃くて暗い色であるほど悪い、ってことです。1-3くらいまでならwell-hydratedですが、4あたりから怪しくなってきますね。
これは単純に尿の濃度に関係しています。脱水した状態だとカラダが少しでも多くの水分を身体の中に留めておこうとするので、尿として排出される水分が減らされ、老廃物はそのまま残りますから、尿の濃度が結果として上がるんです。だから濃い色=脱水、なんですね。
それから、水分を取ってからトイレに行きたくなるまでの時間、というのももうひとつの目安です。
(…トイレの話ばっかりでごめんなさい、でもとっても大事なんですコレ)
自分がトイレに行くときに、最後に水分を取ったのはいつだったかな?と自分に聞く癖をつけてみてください。これは非常に大事な質問なんです。これが“2時間以内”だったら合格です!
カラダが健康で適度に水分が体内にある状態で水分を取ると、当然余分になった水分は出さなきゃいけませんよね。約2時間でこのexcess waterはmetabolizedされ、尿として排出されます。
この“2時間”が自然な代謝のリズムによる数字なんです。
逆にこれが2時間たっても出てこないとなると、カラダがその水分を欲していたから排出せずに吸収した、ってことになります。つまり、カラダは脱水していた、ってことです。
もちろん2時間10分だったから不合格、とかそんなのではないんですけど、目安にね。でも、6時間も7時間もトイレに行かなくてもいい、っていうのは水分のリズムとしてはマズイんです。
こんな風に普段から自分が脱水しているのかどうか、見極める術は幾つかありますから、
皆さん普段からちょっと意識してみてくださいね。これから暑くなりますから、特に!

あ。話は戻るんですけど。
さっき長時間の激しい運動にはスポーツドリンクがただの水より効果的、と書きましたが、
スポーツドリンクの利点は他にもあります。それは、水だったら大して飲みたがらない選手もスポーツドリンクだったら飲む確率が上がる、ということ。これってつまり単に好き嫌いなわけですが、ATにとっては頭に入れておいて損はない重要なポイントです。アスリートが飲みたがってくれるならもうけもの、このチャンスを利用しない手はないじゃーありませんか。
働く施設のsupplyとbudgetと相談して、練習にスポーツドリンクを出す、
2倍に薄めて出す、試合の日限定で出すとか、工夫する余地は充分にあります。
その反動で水を更に飲まなくなるんじゃないかという指摘はご遠慮ください。
そこはcommunication&educateで何とかしましょう。

ああー、もうちょっと電解質の話をしたかったのですが、
例によって今日も長くなってしまったので、また今度へ続きます。
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  # by supersy | 2007-07-31 23:59 | Athletic Training | Comments(2)

“日本人に見えない。”

と、最近よく言われます。
ここで出会う日本人の方に、“日本人ぽくないよね”と言われることが多いんですよ。
ぽくない、と言われるくらいなら可愛らしいですが、もう日本人に“見えない”とまで言われると。
いやいやそんなっ、こんなに熱い大和魂持ってるのに。
白いお米大好きですからっ。

Wranglersで働き始めたばっかりの頃も、選手と話していて東京出身だと言ったら、
ええっ、サンマルコス生まれじゃなかったの?と驚かれたり(こっちがびっくりです)、
街で出会うアメリカ人にも、例えば、この間HonoluluマラソンのときのT-シャツを着て買い物していたら、横にいたおじちゃんに、ハワイ出身?とにこにこ声をかけられたり。
あ、あと、最近日本人の方に“沖縄出身でしょ!”と声を高らかに言われることも…。

日本にいるときも、それこそ小学校くらいから、“ハーフ?”と言われることはありましたけど。
アメリカ人に“お前は日本人じゃない、何人かと言われるとわかんないけど、日本人じゃない、
ってかそれはおかしーだろ”と、根拠も無く断定されることもありましたけど。

それでも。
最近こんだけ言われるとちょっと心配。
知らないうちに何か大切なものを失っているような気がしたり…しなかったり。
ここで一応、自己確認のためにも書いておきますが、私は純日本人です。
埼玉と秋田の合いの子です。
お箸ちゃんと使えます。
家の中は当然“土足厳禁”です。
高校通学には毎日チャリをかっとばしてました。
ヤオミンとチャーハンと万里の長城は中国だって知ってます。
年上の人が荷物持ってたら、それが男性でも“持ちましょうか”って言っちゃいます。
小さい頃、わたパチを口の中に大量に入れすぎて泣きそうになったことがあります。
梅干しと納豆は残念ながら苦手。
でもお花見と、夏祭りと、おせちを食べながら見る箱根駅伝が大好きな、日本人です。


…。



まーでも、純日本人と言ってみたって、どこかで別の血は入っているかも知れないけれど。
意外に100%純な人なんていないのかもしれないけど。

…。
う。弱気になるな、自分。
もーう。漢字柄のT-シャツでも着て歩こうかな。あ、そっちのほうがエセ日本人っぽいか。。
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こんなこと書いてたら日本に帰りたくなってきちゃいました。
あー、おばーちゃん元気かなー。
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  # by supersy | 2007-07-30 23:59 | Just Thoughts | Comments(3)

心臓震盪と心挫傷。

母からのメールをきっかけに何となくネットで調べ物をしていたら、
ちょっと面白いことを見つけてしまいました。ので、今日はその話でも。

脳震盪(のうしんとう)って、皆さんにとってたまに耳にする、
わりかしfamiliarなコトバだと思うんですけど、心臓震盪という言葉は聞いたことありますか?

b0112009_11383776.jpg英語ではCommotio Cordisと呼ばれるこの症状、Athletic Trainerである私はもちろん授業で習ったことがあるのですが、実は私、Myocardial Contusion (Heart Contusion)の症状の現れ方のひとつだと思っていました。要は、心臓のContusionをしたときに震盪を起こして心停止する可能性がある、という風に理解していたんです。
実際のメカニズムはほとんどこれで合っているんですが、実は上の文章の書き方では間違いなんですね。と言うのも、調べてみたらどうやらCommotio CordisとMyocardial Contusionでは明確な違いがあるそう。うーむ新発見!

まず、冒頭の“心臓震盪”の説明からいきましょう。
英語名のCommotio Cordisは元はラテン語で、
“commotion of the heart(心臓の動揺・騒擾)という意味。文字通り、
心臓の鼓動に突然の乱れが起こり、死に至ることもある非常に稀ながらも危険な怪我です。
原因となるのは”a blunt, non-penetrating impact to the precordial region”
――つまり、鈍い(突き刺さったり中をえぐるようなタイプのForceではなく、どすっという鈍い感じ)、前胸部表面への衝撃。野球のボールやホッケーのパックが胸を直撃したり、ベンチプレス中にバーを自分の胸の上に落としてしまったりなどした時に、前胸部に受けた強い衝撃が心筋に伝道することによって起こります。当然このMOIから言えば、殴られるor交通事故に遭うor高いところから落ちる等でも起こりうるわけですが、統計的にはやはりスポーツ中、特に若い人の間に起こりやすいと言われています。
この衝撃が運悪くある特定のタイミングで心筋に到達すると、心臓のelectrical activityが乱れを起こし、arrhythmia(不整脈)、ventricular tachycardia(心室頻拍=>100 beats per minの異常に速い脈)、ventricular fibrillation(心室細動=心室の細かい不規則な震え)等を引き起こして心機能が停止し、結果Heart beatが止まり、CPR/AED等の適切な措置無しではまず患者は死亡してしまうことになります。いや、AED使ったって蘇生はそんなに簡単なことじゃないんですが。

…なんて書くとすごい怖いですよね。頼むよ心臓っ!って思いません?
もちろん上記のことは事実なんですけれど、それでも忘れてはいけないのが、
先に言ったようにこれが非常に稀なconditionである、ということ。心臓は強靭な組織ですし、周囲の骨や筋肉に守られていますからそうそうcollapseすることはありません。
私だって幸いなことに今のところコレを生で見たことはありませんしね。

そう、つまーり。逆に言うと。
特定の条件たちがぴったり揃ってしまったときに、心臓震盪が発生する可能性が跳ね上がる
ことになります。この発生率は、実は以下の要素たちに大きく左右されます。

 ・衝撃のかかる場所、角度
   もちろん心臓から少し離れたところに衝撃を喰らうより、
   じかに当たったほうが危険性が高い。角度も同じくです。
 ・Total applied energy
   物体とカラダが衝突したときに、接触面に対してどれだけのエネルギーで
   ぶつかってきたのか。当然、接触面が大きければ力は分散しやすいですし、
   小さければその接触面にかかるエネルギーは強大なものになります。
   成人に置いて心停止を引き起こすには、最低50ジュールのエネルギーが必要。
   ホッケーのパックやラクロスのボールで130ジュール、
   空手等のパンチで450ジュール、それからここまで行くと完全に蛇足ですが、
   かの有名なボクサー・Rocky Marcianoのパンチは1028ジュールもあるそう。
 ・タイミング
   心臓はどくどくbeatを刻んでいく中で、収縮してリラックスして、というサイクルを
   繰り返していますが、このCardiac cycleの中で実はほんのわずかな短い時間だけ、
   心臓が衝撃に対して非常にvulnerableになるんです。タイミング悪く丁度そのときに
   ぼこっと何かを喰らってしまうと、心臓のelectrical activityに大いに乱れが出る
   ことになります。

最初の二つは物理学的に考えれば問題なく分かると思うのですが、
みっつめのタイミングに関してもうちょっと踏み込んで説明していきましょう。
b0112009_22495589.jpg

上の図は、心臓の断面図と心臓の通常のelectrical activity、つまり心電図を示したものです。線の上がり下がりは“wave”と呼ばれ、最初の部分・P-waveはatria(心房)の活動を、
Q, R, & S-waves(まとめてQRS-complexと呼ばれます)はventricles(心室)の収縮を、
T-waveはrepolarizationと呼ばれる心室のelectrical recoveryをそれぞれ表しています。
b0112009_2331813.jpg
この特別なvulnerable windowは図(←)の青い部分、T-waveの上昇部分に存在します。丁度systole(心室収縮期)からdiastole(心室拡張期)の移行が行なわれている、時間にして10-30 millisecond(0.01~0.03秒)というほんのわずかなperiodです。
これだけwindowが狭い、というのが発生率の低さの理由となる大きな要素になっています。cardiac cycleまるごと一回分(心房収縮→心室収縮→リカバリー)は約1秒に相当しますが、心臓震盪が起きるためにmechanical traumaがwindow内に起こる可能性は単純計算で0.01~0.03 sec/1 sec、つまり確率で言ったら1~3%ほどにしかなりません。
人生で何回、人は前胸部に強い衝撃を受けるでしょうか?
特定の場所に、特定の角度で、特定のエネルギーを持った物体がどんぴしゃで飛んできて、
しかも身体をひねって避ける暇もない、なんてことがですよ、一体何回起きるでしょう?
単純に考えてそういう衝撃を100回受けたとして初めて、1~3回の危険性が出てくる、そういうもんなんです。私だってほら、人生ここまで結構activeに生きてきましたけど、そんなこと1・2回あったかなかったか。この計算だと100回目の打撃を喰らう頃には、1200才くらいになってるかな?
非常に稀、と色んな文献で繰り返されるのも納得ですよね。

同時に、先にスポーツ中に多いと強調した理由もここで見えてくるハズです。
ボールなんかが飛び交う環境にいれば、単純に衝撃を喰らう可能性が上がるというのも
もちろんそうなんですが、それ以上に、運動中って心拍数が上がりますよね。
例えば120 beats per minuteまで上がったとしましょう。そうするとwindowのサイズはほとんど変わらないのに比べ、cardiac cycle自体は一回が0.5秒に縮まるわけですから、0.01~0.03sec /0.5secで、この場合、発生率は2倍に跳ね上がります。
それだって、稀なことには変わりないんですけど、ね。

さてさて、では心臓震盪はこのくらいにして、次はMyocardial contusionについて。
Commotio Cordisに対応して、Contusio Cordisという名前もあるようですが
(ラテン語でcontusion of the heartの意味、つまり心臓の打撲です)、
これですね、心臓震盪との違いをスパっと説明してしまうには、日本語で説明すると分かりやすいんです。Myocardial contusionの日本語名は、心挫傷(しんざしょう)。
心臓震盪が、心臓そのものの構造には全く外傷が無く、直接electrical activityに影響が出るのに比べて、心挫傷では心臓が実際にbruise(挫傷)を起こし、tissue damageが起きている、というのが最大の違いです。
心電が狂ってぶるぶるしてしまうのが心臓震盪、心筋が挫傷を起こすのが心挫傷。
そう、こんな風に日本語にしてみるとアタリマエで一目瞭然なんですけど、
今まで恥ずかしながら知りませんでした。
b0112009_0545561.jpg←図は健康な心臓(左)と、Bruiseした心臓(右)。このtissue damageは、胸部に強い衝撃が加わった場合に、胸骨と胸椎に心臓が挟まれ、圧迫されることによって起こります。構造上、最も怪我をしやすいのは右心室だそう。丁度挟まれてますもんね。
それでも損傷がひどすぎなければ心臓が通常の機能を保てることもあるのですが、チカラがあまりに強いとaorta(大動脈)が破裂してしまうこともあり、こうなると一気に命に関わる状況になってきます。当然心臓震盪のときに話題にしたelectrical upsetも起こりえますし、それ意外にも心筋の一部が死亡してしまうと、その後一生、心臓の収縮力が低下した状態になってしまうことも。

そんなわけで今日も長々と書いてしまったんですけど、
個人的にはvulnerable windowなるものが存在するっていうのが非常に興味深かったです。本当は何故そのときに弱くなるのかを突っ込んで調べてみたい気もしますが、
そうするとかなりまた時間がかかってしまいそうなので、とりあえず今回はやめておきます。
repolizeしようとしてた電気が衝撃でどっかに逃げちゃったりするのかなー。

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My Study RoomAnatomy Picturesを追加しました。
一般の方の好みには全く合わないと思いますが、人体大好きなAT関係の方はどうぞ!
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  # by supersy | 2007-07-29 23:59 | Athletic Training | Comments(7)

Disc Golf初挑戦!

最近昼夜逆転しかけている私の生活ですが、
今日は気合を入れて早く起きて(と言っても9時)、Disc Golfしに行って来ました!
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フリスビーゴルフとも呼ばれることのあるこのスポーツのルールはゴルフとほとんど同じで、
違いと言えばクラブとゴルフボールの代わりに自分の手とのフリスビーを用ること、くらい。
スタート地点からフリスビーを飛ばし、より少ない回数でゴールへ辿り着く、という目的も一緒です。
写真(↑)の左と中央がスタート地点。ゴールが木に隠れてスタート地点から見えないことも多いので、目指すポイントが分かりやすいように大まかなMapが置かれており、石段になっているとこから最初のフリスビーを投げます。あとは、フリスビーの落下地点から次を投げてゴールに近づいていき、写真右のバスケットに入れられればクリア!ちゃんと18ホールあるんですよー。
更に面白いのが、ちゃんとパター用ディスクとか、飛距離を出すやつとか、すんごい曲がるやつとか、色んな種類のディスクがあるんです。使い分けてゴールを目指します。
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超初心者の私はとんでもない方向に曲げてしまったり木に思いっきりぶつけたり色々でしたが、
そんなミスもカバーするキレイなショットが出たり、コツが何となく分かってくるととっても楽しくて、
ロッククライミング同様これもハマってしまいそうな雰囲気…。
ゆっくりたっぷり2時間ほどかけて18ホールを回りましたが、気持ち良い天気の下てけてけ歩きながらディスクを思いっきり飛ばすのはなかなかに爽快です。意外に汗だくになりますけどね。

夜は長く日本に帰っていた学生さんがGainesvilleに帰ってきたということで、
お好み焼きパーティーに呼ばれていってきました。
主賓の方はおろか、パーティーで会った多くの方がまた初対面でしたが、ATの話で
盛り上がったり、カラダ各所のリリースを色々な方で試させてもらったりと楽しかったです(笑)。

新しいことに挑戦したり、新しい方々に出会ったり、
人生フルに楽しんでます!って感じの毎日ですが、充電もそろそろ満タンになる頃なので、
AT&学生モードのスイッチも入れていかなくてはなりません。
自主勉強も本腰を入れて始めたいと思います。
今日頂いた名言:諦めの悪いやつが一番になる。
夢に向かって、こういう楽しい寄り道もしつつ、まっしぐらにフロリダでも駆けていかねば。
ふがー。
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  # by supersy | 2007-07-28 23:59 | Sports | Comments(3)

はじめに。

さて、いよいよ新Blogをスタートさせたいと思います。
水面下でかなり時間をかけて準備してきましたが、やっと公開できる状態になりました。

今回のBlogのポイントはですね、
About Me”、つまり自己紹介のページを作りました。
それから、AT関係の記事を一覧できる、“”My Study Room”というページもあります。
(どちらも左側にある“Links”からいつでも飛べます、ご確認下さい。)
あれについて、前に書いたんだけどどこだったっけ…と悩まずに見つけることが出来る、という私の個人的な便利さの為もあるのですが、ここに足を運んでくださる皆さんにも、タイトルを見て興味がありそうなものを選んで読んでいただけたりと、より勉強のお役に立ちやすいかなとも思っています。リンクがつながっていないなど、ご報告やご意見などありましたらいつでもお知らせ下さい。
(何しろ一気に作ったので最後のほうはアタマがあんまり回ってませんでした。。。)

リンクも、今回の移転を機に幾つか追加させていただきました。
タカシくんのSports Power、亮太くんのATOK、トレーナーズサポート、
それぞれ左側の“Links”から飛べますので皆さん是非足を運んでみてください。
リンクをして頂けるのはとっても嬉しいんですけど、知らないうちになんかされてた、
よりは、お手数ですが事前にご一報頂けると気持ちよくて助かります。
断ったりしませんのでお気軽に声をかけてください(笑)。
そうそう、前Blogではリンク全てに説明をつけていたのでリンク欄が長くなってしまい、
読みにくいことこの上なかったのですが、今回はリンク先にカーソルを合わせると説明が出る、
という風に小技を利かせてみました(いや、全然大した技じゃないんですけどね)。

タイトルのInnervate the Worldは、
活躍の場を世界に広げてこう、世界をビリビリ目覚めさせてっちゃおう、というニュアンスです。
これからプロとして矢印をどんどん外に向け、飛躍していきたいという想いが込められてます。
前回のThree Drinks Behindは“どういう意味?”と質問攻めに遭いましたので、
今回は聞かれる前に答えておきました。へへーん。

ともあれ、足を運んでくれる皆さんあってのこのBlogですので、
リニューアルしても変わらずどうぞ宜しくお願いいたします!
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  # by supersy | 2007-07-27 22:00 | Comments(5)

Anatomy Pictures。

リクエストが多かったので仕事で描いた例の絵たちをUpしてみました。
個人的に勉強目的で使って頂くのは全く持って構いませんが、
トイレ等に貼って友人に白い目で見られても責任は負いかねます(笑)。
ただ、絵は単なる趣味で素人仕事とは言え、全て描くのにかなりの時間とエネルギーを捧げ、
愛情をたっぷり込めましたので無断転載、再配信等は固くお断りします。
それでも、もしこれらの絵に関して使用希望や要望等あれば直接連絡を下さい。

それぞれの絵をクリックすると拡大表示されます。
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実は公開を躊躇うくらい気に入らない絵もあるんですが勢いで全部載っけてしまいました。
ちなみに一番苦労した&満足しているのはSpineです。このね、微妙なカーブがもう憎たらしいの。
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  # by supersy | 2007-07-05 00:00 | Athletic Training | Comments(0)

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