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Injury-Induced Neuroplastic Changes: 膝の怪我が脳に与える影響?

ちょっと書きなぐりになってまいますが、面白い学びの機会があったので忘れないうちにまとめておきます。

以前Neuroplasticityについて少し書いたことがありましたが、そんであの後、脳梗塞患者さんのリハビリとかについての研究を幾つか読んだりしていたのですが、今回はもっと我々Athletic Trainerにとって身近な、Injury-Induced Neuroplastic Changeというところについて学ぶ機会がありました。
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●いつでも、どこでも
さて、Neutoplasticity (脳の可塑性)という言葉ももうだいぶ知られるようになりましたが、多くの皆さんもご存知のように「脳の機能は我々が思うほど固定されておらず、臨機応変に変化していける能力がある」というこのコンセプトの初期の研究はStroke patient (脳梗塞患者)を対象にしたものが殆どでした。全身不随になり、もう寝たきりにならざるを得ない、と医者に言われた患者が歩けるようになったりとか…。…ですが、脳機能の変化は、何も脳に直接損傷が起こった時に限って見られる現象というわけではありません。私達の脳に病理がなく、完璧に健康だったとしても脳の機能は常に競い合っていて、最も求められ、繰り返し使われる者たちがどんどんその立場を大きくしていくのです(= "what's fired together will be wired together")。極端に言えば、今貴方に縄跳びを渡して「100回前飛びをしてください」とお願いしたとして、縄跳びをする前の脳とした後の脳を比べれば、貴方の脳の中でもその機能に僅かながら、でも確実な変化が見られるはずなのです。こういった変化を生み出すキーワードは「短期集中」。患者が積極的に何度も獲得したい機能のoutputを短期間内に繰り返すことで脳に新しい情報処理回路が生まれ、脳が己をreorganize, remapしていくのです。
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●外傷によっても起こる脳の変化
…で、本題に入ると、膝の障害、例えばACL断裂した患者の脳にもやはり受傷後変化が見られるようです。これを、Injury-induced (怪我に起因する) neuroplastic changeと呼びます。この半年ほど前に発表されたGrooms氏らの論文(↓)1、commentaryではありますがよくまとめられていてオススメです…で、この中でACL断裂を経験した患者が組織の物理的損傷とそれに付随する痛みと腫れ等によってafferentのsomatosensory feedbackが乱れ、それを元に作られるmotor output、そしてmovement planningの要であるfeedforwardまでもが影響を受けること、加えて、その影響でgamma motor neuron functionとperturbation reflexesの低下が患者に見られる、と書かれています。1
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●目で補う
入力がずれ、出力もずれてくる、feedbackとfeedforwardのループが途切れてしまう…その結果、機械受容器が頼れないならば、と、患者は目から入ってくる情報に重きを起き始めるのです。今自分がどこにいて、身体がどういう状況に置かれているのかを解釈するのにVisual feedbackに頼るという、神経学的な情報処理の代償が起きてしまうというわけ。
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この考えはBaumeister et al2,3の行った脳波検査によっても指示されています。ACLの再建手術を受けた患者は健康な被験者と比較して、筋肉の出力2や関節の状態3を感じたり微調整したりする作業中、脳の感覚と注意力を司る部分の活性化がより顕著に見られたのだそう。にも関わらず、パフォーマンスの精度は総じて悪かった。加えて、fMRIを用いたKapreli et al4の研究でもACL断裂した患者が膝の屈曲・伸展を行う間、健康なヒトと比べて1) 次の動きのプランニングをするpresupplementary motor area, 2) 痛みの刺激のやりくりをするposterior secondary somatosensory area、そして 3) 視覚的な情報をプロセスするposterior inferior temporal gyrusに過活動が見られたことが報告されています。言い換えれば、ACL断裂した患者の脳は同じタスクをこなすときに普通のヒトよりもかなり一生懸命に働いているにも関わらず、生産性は悪い (= have to work harder to produce less)。効率の悪い状態に陥っていることが分かるわけです。
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●怪我のリスク
この状況は、言わば脳のメモリの無駄遣い。そうでなくてもアスリートは、例えばバスケットボール選手なんかは、プレー中、意識を払わなければならないことが沢山あるわけです。今ボールはどこにあるのか、周りの選手はどこにいて、どう動いているのか、今コールされたフォーメーションプレーは何なのか…。常に環境が移り変わるコート上で、この「メモリの無駄遣い」が既に起こってしまっているとしたら、本来集中すべきことに使いたいメモリが足りなくなってしまい、結果として他のプレーヤーと衝突してしまったりなど怪我のリスクが高まってしまうことも充分に考えられます(怪我をしないにしても、その状態でのパフォーマンスが最大限まで引き出されることはまずないでしょう)。

●脳も一緒にリハビリする
では、競技復帰を目指す中で、どのようにこの脳の変化もリハビリしていけば良いのか?単純なタスクはメモリ不足の状態でもやりくり出来てしまう。かといって複雑なタスクをそのままやらせては、Neuroplastic change (視覚ばかりに頼る傾向)がどんどん色濃くなってしまう。この状況を脱するには、複雑なタスクを視覚的情報に頼らずにする練習を取り入れるべき、とGrooms氏らは提唱します。1 Disrupted Visual Feedbackと呼ばれるこの手法は、目を閉じさせたり目隠しをしたりするような方法でも従来リハビリに取り込まれていたものではありますが、完全に視界を遮ってしまうと単純な片足バランス以上の難易度のエクササイズをすることはなかなか難しいですよね。もっとダイナミックで複雑なタスクをさせようと思ったら、視界を全て奪うこと無く、部分的に制限をかけることが重要になってきます。1
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Grooms氏ら1Stroboscopic eyewear(↑)というデバイスの使用をオススメしています。市場に出回っているものにはいくつかの種類があるようですが(Nikeとか、カナダの会社日本、京都市にある会社も製造しているようです)、超高速で視界が『通常』⇔『暗くて見難い』に切り替わるのが共通した特徴です。Grooms氏は、患者がこれを着用した状態で、例えば1) 片足ジャンプからの着地→そこにバスケットボールを投げ、片足でバランスを保ったままキャッチ、とか、2) 両足で大きく前方にホップ→空中に投げ上げられたボールの方角から、着地と同時にカットしてボールをキャッチ、などの視覚的刺激に反応するタイプの高度な運動をすべきだと提唱。1 視覚情報をneuromuscular controlの名目でなく、(本来使うべき)ボールや選手の判断に使うことで、neuromuscular controlはちゃんとpririoceptive inputsから作り出しましょうよ、という、メカニズムを原点に戻すことを促すのが目的なわけです。1
こういったリハビリ法がどういったneuroplasticな変化をもたらすのかはこれからの研究が示すところではありますが、ストロボメガネというものを使ったリハビリを私は見たことがなかったので斬新で興味深いです!これから色々と論文が出そうな分野なので要チェックやー。

ちなみに下はYouTubeで見つけたStrobe glassesの動画たちです。特に私が個人的にどの会社のどの製品をサポートしているというつもりはありませんが、面白いかなと思ったので貼っつけておきます。興味がある方は是非!私も試してみたいなー。こちらは無声動画


日本語の動画です

1. Grooms D, Appelbaum G, Onate J. Neuroplasticity following anterior cruciate ligament injury: a framework for visual-motor training approaches in rehabilitation. J Orthop Sports Phys Ther. 2015;45(5):381-393. doi: 10.2519/jospt.2015.5549.
2. Baumeister J, Reinecke K, Schubert M, Weiss M. Altered electrocortical brain activity after ACL reconstruction during force control. J Orthop Res. 2011;29(9):1383-1389. doi: 10.1002/jor.21380.
3. Baumeister J, Reinecke K, Weiss M. Changed cortical activity after anterior cruciate ligament reconstruction in a joint position paradigm: an EEG study. Scand J Med Sci Sports. 2008;18(4):473-484.
4. Kapreli E, Athanasopoulos S, Gliatis J, Papathanasiou M, Peeters R, Strimpakos N, Van Hecke P, Gouliamos A, Sunaert S. Anterior cruciate ligament deficiency causes brain plasticity: a functional MRI study. Am J Sports Med. 2009;37(12):2419-2426. doi: 10.1177/0363546509343201.

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  by supersy | 2016-01-31 16:20 | Athletic Training | Comments(0)

The Ottawa Ankle Rulesより優れたものは出てきたか?骨折鑑別・最新エビデンスのReview。

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これって足首の捻挫?骨折?― the Ottawa Ankle Rules。
…という記事をここで書いたのはもう4年も前になりますね。ここ数年でこのThe Ottawa Ankle Rules (OAR↑)はすっかり有名になってアメリカAT界でもPosition Statementに「ATが行うべき骨折鑑別のスタンダード」として書かれるようになりましたけれども、この記事を書いてから4年という月日が経った、ということもまた事実。それではこの4年間の間に、我々がアップデートしておくべき知識、最新エビデンスっつーものは果たして出てきたのでしょうか。

●我々がここまで知っていること
2003年発表のSystematic Review1によれば、39の論文を合わせたOARの診断力の統計は、下のようになっています。要約すると、OARが陰性の場合はほぼ確実にレントゲンは必要無い→骨折でないと言えるけれども、陽性だったからと言ってレントゲンが必要である→骨折であるということは必ずしも言えない、ということになります。Rule outには有効でも、Rule inはできませんよ、と。
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なので、いかにSpecificity及びPositive Likelihood Ratioが上げられるか、というのが次の課題で、OARの修正版であるBuffalo Rule (BR)を使うと45-59%くらいにまではSpecificityが上昇しますよ、2,3 なんて話を前回まとめたんでした。

●最新Systematic Review
何か新しいニュースはないのかしら?
ってわけでつい先月発表されたSystematic review4を読んでみました。
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この論文は、16歳以上の患者を対象にした研究のみに対象を絞り、前述のSystematic review (2003)1 に加えて21のOriginal studyをreview、その内容をまとめたもの。
 - どうやら試験者の経験によってSpecificityが多少左右される?
 - いつOARを使うべきかは(i.e. 受傷後すぐvs数日待つ?)はこれらの研究から
  結論付けることはできない。受傷後48時間以内に使うのがいい、とBashmann氏ら1
  は言ったけれども、最近の研究でそれが裏付けられているわけでもなさそう。
…ということと、あと面白かったことが3つありまして。

●その1: 陽性時にTuning Fork Testを足す
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そういえばこの論文読んだことあったなー。Systematic review4で触れられていたのはこの記事(↑)5で、『OARが陽性になった時に、二次的スクリーニングとしてTuning Fork Testするといいんじゃない』というやつ。最近流行りのちょい足しですね。ちょっと古い論文なんですけど(2006年発表)、内容はかなり面白いので詳しめにまとめます。
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Dissmann & Han5は、1)12歳以上で、2)足首の内反が受傷メカニズムで、3) OARが陽性になった患者49人を対象に、振動させたTuning forkをそれぞれ上写真のA(外果)とB(遠位腓骨幹、最も圧痛が激しい部位から5-10cm近位)の位置に置き、痛みや不快感があるかどうかを陽性診断基準として、これを加える事で診断価値がどう変化するかという実験を行いました。 …で、結果がコレ(↓)なんですけど…
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Specificityと+LRを上げる、という目的には遠位腓骨幹に置いた場合の数字はかなり優秀ですよね。95%CIを考えてもこれはかなり確定的と言ってもいい数字。つまり、
 - OARが陽性の患者に振動させたTuning fork testを遠位腓骨幹(最も圧痛が
  激しい部分から5-10cm近位)に置き、痛みや不快感を患者が訴えた場合は
  レントゲンがほぼ確実に必要→骨折の疑いがかなり濃厚になる
…というわけ。判断が難しいのが、OARが陽性でこのTuning fork testが陰性だった場合ですね。骨折である可能性が在るとも無いともこの段階では限定できない。この研究、外果『と』遠位腓骨幹『両方』で痛みがあった場合も計算して出しておいてくれればよかったのにー。もったいない!

●その2: OARより優秀とは言えなそうな新ルール
オランダ発祥のThe Leiden Ankle Rule6-8 というのと、the Utrecht Ankle Rules8 というのは、数字としては残念ながらイマイチのようです。
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骨折に関してはfalse negative(本当は骨折している患者をしていないものと見逃してしまう)が一番害があると思うので、保守性を失うわけにはいかないのです。だから、Sensitivityを犠牲にSpecificityを上げるようなテストは現場に不向きだと思うんですよね。そういう視点からはこれらはどちらもOARに取って代わる!と言えるような出来には仕上がっていないかなぁという印象です。ちなみに、それぞれのルールの詳細はこんな感じ(↓)。患者に当てはまる項目があれば加点していくタイプのClinical Prediction Ruleです。で、それぞれ何点以上だったら陽性、というやつ。
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なんつーか…個人的にはこれは暗記できそうもないので無理です(私は診断時には紙とかわざわざ持ってくるのしゃらくせー、テストは全部頭に入れておきたいぜー、というタイプ)。これを覚えるくらいならさっきのTuning fork test足すやつでいいかと。

●その3: OARより優秀な可能性のある新ルール
The Bernese Ankle Rules (BAR)というテストは面白そうです!このSystematic review1 では「BARに関して発表されたオリジナルの研究9 によればSensitivityは100%、Specificityは91%と可能性は感じる。今後の研究に期待」くらいにしか書かれていないので、このReviewに含まれなかった、新たに発表された論文3件10-12 を加えてまとめてみたいと思います。

まず、BARとはなんぞや?
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これは、2005年にスイスの医師らによって発表された、比較的新しいルールです。9 前述の2つの新ルールに比べればだいぶシンプルで、BARは『3つのことをした時に、1回でも痛みが出るか』どうかでレントゲン必要性の有無を判断します。a) Indirect fibular stress: 外果の端から10cmのところを腓骨・脛骨を圧迫しあうように押す; b) Direct medial malleolar stress: 内果を直接親指で押す; c) Compression stress of midfoot and hindfoot: 踵と中足骨頭を持ち、矢状面上で中足と後足を圧迫する…上の写真の通りですね。
で、過去にBARについて発表された論文は私が見つけた限りでは4件あったので、それらの統計を全て下に書き出してみました。
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これを見た正直な感想は、『初期の研究ふたつではメッチャ数字いいのに、最近のふたつは全然だめじゃーん!』という混乱ですかね…。ちょっとここまで数字がバラけちゃうと、現場で使うのは躊躇われるなぁ。特に、最後の研究12 は昨年3月に発表された最新のもので、OARとBARを直接比較したRCT研究。内容もDouble randomizedにsingle-blindedで、被験者の数も203人と、なかなかいいデザインなんですよ。救急病棟の医師が使った場合とトリアージ担当の看護師が使った場合での数字を比べているところも面白い。このSensitivity、Specificityの職業間差はp = 0.13; 0.17とそれぞれ統計学的に有意ではなかったものの、私としてはSensitivityの69%と86%という差は(人的エラー、誤差を加味しても)臨床的に有意といってもいい差かと思います。著者らの結論は『BARのSpecificityは確かにOARより優秀だったが、そうはいってもEggli氏らの研究9 で出た数値ほどではないし、このSensitivityは実践に使うには低すぎる』というものでした。これは私も賛成せざるを得ません。

そんなわけで、アレですね。個人的にまとめると、
 - やっぱりOARのSensitivityの高さ、安定性は抜群!
 - OARのSpecificityの低さを補うには、陽性時、さらに遠位腓骨幹にTuning fork test
  を使い、痛みや不快感があるか見ると確定に有効
 - 新たなルールが複数提案されており、中ではThe Bernese Ankle Rulesについては
  これからも研究をチェックしていきたいとは思うものの、現段階でOARよりも優秀
  と言えるものはなし
…という感じです。骨折鑑別はヨーロッパ諸国の研究が盛んですね!これからも色々論文が出てきそうなので楽しみです。

1. Bachmann LM, Kolb E, Koller MT, Steurer J, ter Riet G. Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review. BMJ. 2003;326(7386):417.
2. Northup RL, Ragan BG, Bell, GW. The ottawa ankle rules and the "buffalo' rule, part 1. Athl Ther Today. 2005;10(1):56-9.
3. Northup RL, Ragan BG, Bell, GW. The ottawa ankle rules and the "buffalo' rule, part 2. Athl Ther Today. 2005;10(2):68-71.
4. Jonckheer P, Willems T, De Ridder R, Paulus D, Holdt Henningsen K, San Miguel L, De Sutter A, Roosen P. Evaluating fracture risk in acute ankle sprains: Any news since the Ottawa Ankle Rules? A systematic review. Eur J Gen Pract. 2015:1-11.
5. Dissmann PD, Han KH. The tuning fork test--a useful tool for improving specificity in "Ottawa positive" patients after ankle inversion injury. Emerg Med J. 2006;23(10):788-790.
6. Glas AS, Pijnenburg BA, Lijmer JG, Bogaard K, de RM, Keeman JN, Butzelaar RM, Bossuyt PM. Comparison of diagnostic decision rules and structured data collection in assessment of acute ankle injury. CMAJ. 2002;166(6):727-733.
7. van Riet YE, van der Schouw YT, van der Werken C. Fewer x-rays while maintaining quality of clinical care using clinical protocols for physical diagnosis of ankle injuries. Ned Tijdschr Geneeskd. 2000;144(5):224-228.
8. Pijnenburg AC, Glas AS, De Roos MA, Bogaard K, Lijmer JG, Bossuyt PM, Butzelaar RM, Keeman JN. Radiography in acute ankle injuries: the Ottawa Ankle Rules versus local diagnostic decision rules. Ann Emerg Med. 2002;39(6):599-604.
9. Eggli S, Sclabas GM, Eggli S, Zimmermann H, Exadaktylos AK. The Bernese ankle rules: a fast, reliable test after low-energy, supination-type malleolar and midfoot trauma. J Trauma. 2005;59(5):1268-1271.
10. Kose O, Gokhan S, Ozhansenekler A, Celiktas M, Yigit S, Gurcan S. Comparison of Ottawa ankle rules and Bernese ankle rules in acute ankle and midfoot injuries. Turk J Emerg Med. 2010;10:101.
11. Beceren GN, Yolcu S, Tomruk O, Atay T, Baykal YB. Ottawa versus Bernese: which is better?. Eur J Trauma Emerg Surg. 2013;39:147.
12. Derksen RJ, Knijnenberg LM, Fransen G, Breederveld RS, Heymans MW, Schipper IB. Diagnostic performance of the Bernese versus Ottawa ankle rules: Results of a randomised controlled trial. Injury. 2015;46(8):1645-1649. doi: 10.1016/j.injury.2015.03.038.

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  by supersy | 2016-01-25 01:26 | Athletic Training | Comments(0)

医療に何を求めますか: 患者が聞きたくない3つのこと。

貴方は医療に何を求めますか。
風邪を引いたとき、病気や怪我をしたときに、何を思い何を欲して、その重いカラダを引きずってまで貴方はその足を病院に向かわせるのですか。
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もちろん、忙しい生活の中でそれでもなんとか時間を作り、病院で何時間も待ってやっと会うお医者さんです。即座に『診断名』を出してもらって、一刻も早い『治療方針』の確立と実践を、と多くの患者が願うことでしょう。

無理もありません。世の中には『この症状があれば貴方は絶対この病気!』『これをすれば絶対に○○は治る!』『絶対に○○には××するな!』という絶対的宣伝文句に溢れていますし、それらは診断も治療も単純明快であるに違いないという印象を貴方の頭に焼き付けていることかと思います。こういった言葉遣いや態度を許してしまっている我々医療従事者も大いに責任を感じるべきところです。

しかし、診断・治療の真の『答え』に辿り着くにはもう少しの努力を要します。私が医療従事者として、患者さんに知っていて欲しい(でも恐らく患者さんは聞きたくないであろう)ことが3つあります。

1. 医者は病気を治してくれない
これは別に医者を卑下しているわけではなくて、『医者』を(私の専門である)『アスレティックトレーナー』に言い換えてもらっても構いません。共通しているのは、どんな医療従事者も超人的な能力があるわけではない、彼らもただのヒト、ということです。
貴方に処方された風邪薬は、症状を抑制する効果はあってもウィルスを殺す能力までは兼ね備えていません。薬でウィルスの猛威を抑えているうちに、そのウィルスをやっつけるのは他でもない、貴方自身の免疫組織です。怪我も同様です。どんなアイシングも、電気治療も、マッサージも、部分断裂したその靱帯そのものをくっつけてくれるわけではありません。貴方の身体の中で起こる自然治癒のプロセスが、それを可能にするのです。

医療従事者ができるのは治癒の妨げになる要素を取り除き、貴方の自己治癒力を最大限に引き出す環境を作る手助けをすること。貴方の病気や怪我を治す本当の原動力は貴方自身の身体です。

2. 自分の身体の状態の責任を受け止める
貴方は何時就寝し、何時起床していますか?一日どのくらいの時間を座って過ごしていますか?座っているとき、首や腰、腕はどう休めていますか?朝食には何を食べましたか?歯を一日に何回磨きますか?夜はぐっすり眠れていますか?昼寝は取りますか?ストレスを感じた時、それをどのように発散していますか?
これらの全てが『貴方の身体』を形成する重要な要素になります。問診時に我々が聞く沢山の質問をどうかお許しください。貴方という一人の人間について学ぼうとしているだけなのです。そしてそれらにどうか可能な限り正直に答えてください。一見関係が無いと感じられるような質問も、我々にとって非常に大切な意味を持っていたりするのです。
同時に、これらの質問の『答え』が、貴方の選んだ人生の選択肢の積み重ねであるということも是非理解してください。もし答えるのが憚られるような質問があったとしたら、その『答え』を変えることができるのは、貴方だけです。

少し大げさで強い言い方をすれば、貴方が今日、こうして医療機関にかからなければいけなくなった身体を作ってしまったのも貴方自身です。そして、それを治していくような選択をこれからしていくのも、貴方自身に他ならないということになります。

3. 医療従事者を『使』って、自分の身体を学び導く
それじゃあ医師(もしくはアスレティックトレーナー、カイロプラクター、理学療法士、作業療法士…何でも構いません)に会いに行く価値などないじゃないか!と憤慨するヒトもいるかも知れませんが、もちろんそんなことはありません。我々の専門性を利用する価値は、患者一人ひとりに大いにあると思うのです。
我々は、貴方の身体で今どういうことが起こっているかを貴方に分かる言葉で説明する柔軟な知識があります。必要であれば絵を描いたり、人体モデルを引っ張り出したり、本を見せたりしてでも根気強く説明する意欲があります。そして、最新の研究データを踏まえたうえで、今どういった選択肢が存在するのか、それぞれの利益不利益は何か、という選択肢を提示する専門性を持っています。そして何より、貴方が大事にしているものを一緒に守りながら、貴方にとって最善の選択肢を選ぶのをお手伝いするプロとしての自覚があります。患者さんにこれらを惜しみなく『使』ってもらえれば、医療従事者としてこんなに嬉しいことはありません。

貴方の身体が良くなるために何を選ぶか、最終的な決定権は貴方自身にあります。そして最善の医療は大概の場合、残念ながら『ベッドに横たわって至れり尽くせりの治療をしてもらう』よりもうすこし能動的な要素を含むことになります。

例えば私の専門はスポーツ整形ですが、足首の捻挫をした患者に電気治療してマッサージしてアイシングしてハイサヨウナラ、という100%受動的な治療はまず提供したことがありません。壊れた車のパーツを交換するだけなら整備士が全て動けば済むことですが、この人間の体という『車』は『貴方』という運転手がいて、その運転手が正しい車の使い方を学ばなければ車はいくら直しても壊れ続けるばかりだからです。怪我から回復し、貴方の機能を最大限に引き出すには、貴方自身が起き上がって体の使い方を学ぶ、能動的なリハビリテーションが必要不可欠です。慢性疾患なども同じで、一時的に治療や投薬で症状を抑えられても、根本の解決を求めるには生活習慣の改善が必要です(通風などが良い例です)。
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医療において、患者は『タクシーのお客様』でなく『運転手』そのもの。我々医療従事者はさながら患者が行きたいところへ行くための方法を指し示す『カーナビ』です。我々は貴方が目的地へ付くまでの様々な方法や手段を提案できますが、患者さん自身が「良くなりたい」と思い、その為に少しずつ、できることから変えて前へ前へ進んでいくという積極的な姿勢こそが治療の大事な芯になるのです。

貴方の運転する車は、今日はどこに向かっていますか?
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  by supersy | 2016-01-19 20:00 | Way of Thinking | Comments(2)

日本滞在記録2: 東京下町ブラブラ。

さて、1月6日は友人と東京下町ブラブラツアーしてきました。
遊ぶべー、と友人に声をかけたらよっしゃ!とばかりに有給を取ってくれたので(このフットワークの軽さがさすが)、朝からスカイツリーへ!私はともかく生まれてこの方東京にしか住んでいない友人も行ったことがないというので(調べてみたら都民が意外と行かない東京名所No. 1らしい)、いい機会かなぁと。朝早い時間(…と言っても9時でしたけど)に行ったのでまさかの待ち時間0分。チケットを購入し、そのままエスカレーターに乗って地上350mへ!スカイツリーカフェでスカイソフトもいただきました。いやー、夜景も綺麗なんだろうけど、朝来ると景色がはっきり見えていいですね。この建物があれだとか、あの川が何川だとかわいわい言いながらたっぷり1時間以上楽しみました。全然混んでないのもよかった。
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浅草に移動して阿娑嚩(あさば)というお蕎麦屋さんで鴨南蛮をいただいて(美味しかったー!)、その後は浅草寺でお参り。3割が凶と言われるここのおみくじで、なんと大吉引きました。うっほー!二年前(?だったかな?)同じ友人と来た時は二人共凶だったので大進歩です。仲見世通りであげまんじゅう食べてほくほく。
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最後は合羽橋に移動して道具街をふらふら。とにかく業務用の看板屋さん、とか、冷蔵庫屋さん、とか、椅子屋さん、食器屋さんと色々で見ていて飽きません。私が一番好きなのは何と言っても食品サンプル屋さん!見てくださいこの肉じゃが!オムライス!チャーハン!全然必要ないけど全部買って家に並べたい!今回のピカ一はこのカキ鍋でした。最近では自分で作っちゃおう!食品サンプルキットみたいなものもあるようで、そんなのも楽しそうです…。
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そんなわけで、約一ヶ月の今回の日本滞在でしたが、明日アメリカに帰ります。今回会ってくださった方々、ありがとうございました。会えなかった方々、次回に是非!次の帰国は春学期の終わった5月末かと思います。PRIも個人講習も予定しているので、決定したらまたこちらにも告知します。さてさて、新学期に備えて気合を入れますかね。それでは!
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  by supersy | 2016-01-11 11:30 | Fun | Comments(0)

日本滞在記録: 沖縄旅行。

さて、今回の日本滞在は一ヶ月ほど。最初の2週間は仕事ばかりでしたが、後半2週間は完全にお休みモード!ということで、年末年始、お互いの実家に挨拶に行った後に旦那と二人で沖縄旅行に行ってきました。年に一度のバケーションー。

●1月2日
朝一番、6:35amの飛行機で羽田空港から那覇空港へ!着いたら早速レンタカーを借りて、首里城周辺へ向かい、近くの『首里そば』屋さんで、沖縄そばをお昼ごはんに頂きました。カツオ出汁さっぱりのおそばに、沖縄風炊き込みご飯「じゅーしー」も一緒に。おそばはサイズが小・中・大と3種類あって、色々なもんをちょっとずつ食べたい観光客にも嬉しい心遣いですね。私は中にしたけど、麺がかなりボリュームがあるので小でもよかったかも。
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その後は歩いて首里城へ。国宝であった城は戦火で焼失し、現在の建物は1992年復元されたものですが、琉球らしい中国文化と日本文化の融合した色合いは独特で目を奪われます。何だか写真でも美しすぎてニセモノみたいですね。
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その後は車で30分ほど北上してAmerican Villageでブラブラ散歩やお買い物して、Blue Sealのアイスクリームを食べて、サンセットビーチで夕日を眺めて。
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夕方に撮ったこのオリオンビールの提灯の写真も風情があって綺麗でしょ。もっとも、向こうでは泡盛を飲んでばかりで、オリオンビール飲めなかったですけど(笑)。
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夜は旦那の元同僚、沖縄出身・現沖縄在住のまっちゃんさんとお食事して、その時に聞いた沖縄衝撃事実。
 1) 沖縄の人は泡盛を飲むとき、水割りが普通(ロックじゃないのね!)。
 2) 沖縄の人の飲みの「シメ」はラーメンではなくステーキ(ヘビー!)。
し、知らなかった…!残念ながらステーキ屋さんは正月休みで開いておらず、〆のステーキは体験できなかったけど、今度は是非行ってみたいです。

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●1月3日
一泊したホテル、コスタビスタ沖縄でゆったり朝食ビュッフェと大浴場を堪能したあと、車で更に北上して万座毛(まんざもう)へ。隆起したサンゴ礁によってできた高さ20mにもなる絶壁と、象の鼻のような形をした石が有名です。万人が座れる毛(=野原)というのが名前の由来らしいのですが、そのどこまでも広がる天然の芝と、近くのおみやげ屋さんにネコが何匹もいて、ほやほやと癒されるネコ好きにもたまらないスポットです(笑)。
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お昼ごはんは道中の道の駅・許田でいただきましたー。前の日に食べそこねたステーキと、あと、パパイヤの味噌炒め(↓左上)という、私には聞き慣れないメニューも頼んでみました。まだ青いパパイヤを炒めて食べるんですって。だから甘くないんですよ、食感はホクホクとしていてお芋に近い感じ。旦那が「俺、パパイヤのファンになった!」と食後宣もうておりました。
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…で、万座毛から車で一時間ほど北上して着いたのが、美ら海水族館!大の水族館好きとしてこれはやっぱり行かないわけにはいかない定番の観光スポット。中でも7,500m³の巨大水槽「黒潮の海」の中ををジンベエザメとマンタが悠々と泳ぐ姿は圧巻でした。水槽も勿論普通のガラスでは水の重さに耐えられないので、60cmという厚さのアクリルパネルでできているんですって。これだけの水槽の水質の管理、魚の体調の管理も大変だろうなぁ、スタッフさん。
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さて、その夕方には古宇利(こうり)島に移動。古宇利島カフェで夕ごはんをいただきました。島ピザ(↓左)はそれを食べに一年に1回島に通う人もいるとか。AAAランクのアグー豚を使ったアグー豚丼も美味しかった!
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●1月4日
古宇利大橋が一望できるコンドに宿泊したので、朝起きてからの景色が圧巻でした!エメラルドブルーな海が美しいったらありゃしない。
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せっかくなので大橋のところまでてけてけ散歩に行きました。約2kmの海にかかるこの橋、Key Westの7-Mile Bridgeを思い出すなぁ。
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さて、最後の観光はおきなわワールド(↑)!ここは熱帯フルーツ園、ハブ博物公園、エイサー公演、それから琉球王国の城下町を再現した町並みなど、イベント・見るものてんこ盛りなのですが、中でも玉泉洞の鍾乳洞(↓)が素晴らしかった!鍾乳洞大好きなんです…ふふ…。
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たっぷり二泊三日の沖縄観光楽しんで、最後は公設市場でグルクンの唐揚げと海ぶどう食べて、国際通りでお土産買って帰ってきましたよ。年始とは思えない暖かさ、夏日にもなったりしました。沖縄初めてだったけど(実は国内旅行はまだまだあまり行ったことがない)、本当に楽しかったー!また遊びに行くー!元気もらいました!
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  by supersy | 2016-01-09 17:20 | Fun | Comments(0)

PRI大阪講習終了 & 2016!

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明けましておめでとうございます。さるどしですね。
毎年特に後悔などせずに「今年もよくやったワタシ!」と気楽に過ごす私ですが、それでも2015年は特に実りの多い一年でした。博士課程でもPRIでも本職でも思いっきり学び、新しいチャレンジが沢山できました。DNSも6月、12月と2回東京で履修できたのもありがたかった。お世話になった皆様ありがとうございます。2016年もやるゾーイ(←やっぱり気楽)。

さて、2週間程前になってしまいますが、PRI大阪講習が無事に終了しました!ちょっとここにも書いていましたが、東京講習の講師・ラボアシスタント4人(私、ケニー、旦那とアキちゃん)があの後2日位のラグを挟んで一気にノロウィルス(?)にやられて総倒れして、ギリギリ回復が間に合っての大阪講習でした。もれなく全員クリスマスイブ・クリスマスに動けなくなってました…。いやー、ちょっとヒヤヒヤしました。嫌な予感がしたので、体調管理、気をつけていたつもりだったんですが…。
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(↑)しかし見てくださいこの万全たる準備!前日に主催のREACHスタッフの大貫さんがセッティングしてくださった、世にも美しい講習会場です(ちなみに大貫さんはPRI Japanの教育コーディネーターでもあり、私の大学院の先輩でもあります。昔からお世話になっています)。今回は大阪リゾート&スポーツ専門学校を会場に、その他にもREACHから丹羽さん、そしてなんと大先輩の森本さんが当日の運営に関わってくださっての講習でした。受付を森本さんがやってくださるというのはどうも、いやいや、豪華すぎて恐縮でした。頼もしいサポートのお陰で私もケニーもがっつり教えることに集中して、わいわいのびのびできました。参加してくださった41名の皆様、ありがとうございました!
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ちなみにPRI恒例の「講習終えてレポ」を日本語と英語の両方で書かせていただきまして、PRI USA(英語サイト)PRI Japan (日本語サイト)に載っています。興味のある方はどうぞ。
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  by supersy | 2016-01-09 13:00 | PRI | Comments(0)

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