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叩いたり引っ張ったりはしません。

今回は特に内容が無いのでスルーしたい方はご遠慮なく。



さて。今日、とあるニュース記事を目にしてびっくりしました。
記事のタイトルは「岩隈を傷つけた球団トレーナー」。ライブドアニュースより。
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メジャーリーグで活躍する岩隈選手が、『トレーナー』の治療によって首を負傷、選手は痛みを乗り越えながら勝利を挙げた、という内容なんですが。記事からの抜粋によれば、

『米国のトレーナーはケガを防止したり治療したりするどころか、選手を傷つけるのか。ある日本人メジャーリーガーによれば、「アメリカのトレーナーは治療やマッサージが雑な上に手荒」だ。

 例えば筋肉に張りが出た場合は、日本のトレーナーのようにマッサージするのではなく、患部を強引に引っ張ったり、叩くことも珍しくない。ウソかマコトか「血流を良くするため」という話もある。』

そして、元ネタになっている岩隈さんのブログも読んでみましたが、
エントリー『5勝目☆』からこれまた直接抜粋させていただくと、
『試合前のストレッチ中にチームのトレーナーが僕の首を触った瞬間に何かのはずみでグキッとなってしまい、痛みでだんだん動かなくなり、登板回避寸前でしたが、気持ちで乗り切りました。』
『首はまだ痛いですが、パーソナルトレーナーに治療してもらい、だいぶ良くなってきました。』

何と言うか…うぅむ。

●叩いたり引っ張ったりしません
まず、この記事に関しての私の大きなリアクションとしては、「本気でこれを記事にしてるの?」でした。友人にはゲンダイの記事なんか気にするなと言われましたが、そうも行きません。
アメリカのアスレティックトレーナー(以下AT)は叩いたり引っ張ったりして治すと思われてるの?うそん、冗談でしょ?
もちろんセラピストはその哲学、技術、知識には個人差が相当あり、「日本人は」「アメリカ人は」と一般化することがそもそもナンセンスなことを敢えてぶっ飛ばしてちょっと書かせて下さい。
自己矛盾すみません。

日本でほとんど勤務経験が無い私の戯言ですが、確かに日本の治療家さん(と言うんですよね?)の施術は手技中心で至れり尽くせり、患者さんは寝ていれば良いだけ…というモノが多いのかなと言う印象です。そういう風に扱ってもらえれば患者さんもきっと気分も良いことでしょう。アメリカ人の患者でも受身の子はこういうタイプの治療をとても好みますし、「尽くしてもらった」精神的な満足感が生まれれば実際に患部も「良くなった」と感じる一因になるかも知れません(私も選手が精神的に参っているときなんかは敢えて小一時間使って一対一で施術することもあります)。それでなくても日本人は総じて丁寧な仕事をしますし、実際に手の感覚も一般的なアメリカ人より優れているのかも知れません。

一方アメリカ人ATの間では(特に最近の傾向を取り入れるタイプのニンゲンであれば尚更)、最近は極力患者に触らずに(広い意味での)Corrective exerciseなど、患者を起こして実際に何かをさせ、患者自身の治癒力と機能を最大限に引き出して治す、というアプローチが増えています。徒手療法も必要があればもちろんしますが、私が診る患者はAT Facilityで過ごすその2/3以上の時間を身体の使い方の実践授業のような感じで、風船を膨らませてみたり、普段使わない筋肉を「起こして」みたり、アクティブな治療に費やしています。
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どちらが優れている、劣っているではなく、
哲学・技術・知識の質が違うのですからそれはそれで良いと思います。

しかし、私が憤慨しているのは「アメリカ人ATは選手の意見も聞かず荒っぽい治療をして、しょっちゅう選手を叩いたり引っ張ったりして症状を良くさせるどころか怪我させる」みたいな書き方がされているところです。
日本人だろうが、アメリカ人だろうかそんなことは関係無い。良いセラピストは患者さんを一対一で評価し、findingを患者さんとじっくりシェアした上で、「こういうアプローチはどうかな」「こういうオプションもあります」とそれぞれの選択肢を説明。患者さんと治療プランを共に立てていくものです。
現場で切り盛りしていく中で、効率も非常に大事なので、ATさんのプロとしての判断で「これは時間をそれほどかけなくても良い」「これは丁寧にやろう」という取捨選択がなされることはあります。それにしたって、患者に「何か良くわからない勝手なことをやられて症状が悪化した」なんて感想を持たせるような仕事はプロならば絶対にしません。
仮にもMLBですし、もしこの話が本当なら担当ATのクビは飛んでいると思います。

●チーム内の信頼関係
もうひとつ気になるのは、「チームのトレーナーに怪我をさせられた」とブログに書いてしまう選手。
そして「パーソナルトレーナーに治療してもらって良くなりつつある」という記述です。
私の読解が正しければ、「チームのトレーナー」と「パーソナルトレーナー」は別人を指すものを取れますが、そもそもチームのトレーナーさんは怪我をさせたことを認識しているのか?ブログにこんなことを書いてアップする前にチーム内でコミュニケーションはしっかり取られているのか?怪我をさせた本人が責任を取って治療することもなく、パーソナルトレーナーさんのところへ頼ってしまうの?そんなチームで気持ち良くこれからも、長いシーズンを乗り越えていけるの?
もっと言うと、たかがニュース記事、そして一個人のブログとはいえ、きちんとした言葉を使って欲しいものです。トレーナーではなくアスレティックトレーナー。我々ATはアスリートやスポーツをする人たちに特化した医療従事者ですが、パーソナルトレーナーという表記ですとアメリカではクライアントにニーズに合った運動を処方・監督するフィットネスのスペシャリストのことを指すので、この言葉が正しかった場合、記事中の「パーソナルトレーナー」さんは無資格で医療行為をしていることになってします。これはもちろん違法であり、許されることではありません。詳しくはNATAの出しているこちらの資料を見てください。

私がこの記事を読んで一番感じた気持ち悪さは、チーム内の信頼関係やコミュニケーションをあまり感じられなかったから、というところにあるのかも知れません。
少なくとも、私はATとして選手の怪我を改善・予防するために働く立場であって、
悪化させたり怪我をさせるなどとんでもないし、
もし私の実践する医療に患者が納得していないのなら、それをツイッターやフェイスブック、個人のブログで書かれる前にちゃんと選手自信が私に文句を言いに来るようであって欲しい。
それだけの信頼関係は、プロのチームなのですからスタッフも選手も心がけて作らねばいけないものだと思います。岩隈選手がどうなのかはわかりませんし、個人攻撃をするつもりは全くありませんが、「日本人メジャーリーガー」は英語を十分に話せない分、自分のパーソナルATを連れて行って仕事もプライベートもまるで付き人のように面倒を見させ、チームから孤立する選手も少なくないと聞きます。今回の件が、そういったコミュニケーション不足から生まれたものでないことを、そして岩熊選手の首が一刻も早く治り、痛み無く登板できますよう祈っています。

ぺしぺし叩いて治るならそうしとるわいっ。
今時ネコだってそんなこたしないわよ。

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  by supersy | 2014-06-25 02:10 | Athletic Training | Comments(7)

アスレティックトレーナーの自己犠牲の精神を問う。

今回は個人的な意見を多く含む、
重い話になりますので苦手な方はここでタブを閉じちゃって下さい。
ATという仕事に夢を描いている若者たちは、読まない方が良いかも知れません。








●崖っぷち
さて。ものすっごく私情ですが、私は今就職活動で思った以上に苦戦しています。
最終面接まで行った2つの仕事が実らず、正直どちらかは上手く行くだろうと思っていたのでショック大。実力不足だったのか、やはりビザ・グリーンカードがネックになっているのか…どちらにしても縁がなかったのですから仕方ありません。うぅぅむ。しかし、他に魅力的と思える仕事も無く、残り時間も少ない。崖っぷちです。

●残留?
そんな中、現職場から熱烈ラブコールを受けており、
女子バスケのコーチと、運動整理学科学部長からそれぞれ、「アスレティックトレーナーとして」「助教授として」『残ってくれないか』と打診・交渉されています。
そうなんです。やっと私のsplit positionをそれぞれふたつのフルタイムの仕事として独立させる案が通り、それぞれ条件こそ違えど椅子を開けて、どちらも「Syがyesと言ってくれるよう出来るだけのことはする」と言ってもらえているのです。11月に辞意を表明した職員に対して「勝手にしやがれ」というのは簡単なはずなのに、義理人情厚く良くして下さって本当に有難いことです。
どうすべきか色々悩んでいますが、自分自身、諸事情あってアスレティックトレーナーとしてここに残ることは100%有り得ないなと思ったので、今日「ブースタークラブや手元にある資産から、有り金はたいて全てSyの給料に費やしてもいい。どうにか考え直してくれないか」と熱心に説得してくれるヘッドコーチに「本当にありがとうございます。そんなお言葉を頂けるなんてに幸せ者だなと思います。でも、その熱意にお応えすることは残念ながらできません。申し訳ありません」と誠心誠意お断りの意思をハッキリと示してきました。そして、こんなことも伝えました。
「お断りする立場でこんなことを言うのは失礼と承知で申し上げます。この大学には優秀なATも過去に何人もいました。しかし、こんなにひどい労働環境で、体育局が『気に入らないなら出て行けば。別に代わりなどすぐ見つけるし』とふんぞり返っている現状では優秀なATは数年で出て行ってしまう。彼らがプロとして根を伸ばし、育ち、のびのびやる環境がないのです。コーチ、あなたはここに来てからずっとATはチームにとってとても重要な存在であると明言して下さっている。もし出来るなら、それを体育局の管理職の人たちに、そして世間に声を大にして伝えては下さいませんか。あなたが言うからこそ耳を傾ける人たちもいる。そしてそれが長い目で見て、チームの為にもなると思うのです」
それを聞いてコーチは、「…良いATというのは、僕にとってADを持つことよりもずっと大事なことなんだ。そうだね、もっとそういう面からもSyのサポートをすべきだった。これからもっと意識して実践していくよ」と言ってくれました。
お世話になったコーチのしょんぼりした顔を見るのはこちらも心苦しいですが、
私も私にとって何かに向かう一歩を踏み出さなくてはなりません。
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●ATとは
我々の仕事ってなんなんでしょう。
プロになって丸7年経った今、改めて問いたい。
若い頃は倒れるまで仕事をするのも格好良いことなんだと思ってた。
自分の健康など気にせずともすぐに失っても取り戻せるものだったし、
プライベートを「犠牲」にしてる実感もなかった。楽しかったし、ATが全てだったから。
30歳になった今、シーズンの中盤には毎日頭痛と腹痛と目眩と吐き気に襲われ、
血尿と血便を繰り返し指の皮がボロボロに剥ける日常に徐々に疑問を感じるようになって、
純粋に「何をやっているんだろう、私は?」と思い始めるようになりました。
シーズン中は休日も週末も返上して休みなく働いて、給料など時給換算すれば最低賃金にも達さない。マクドナルドでバイトでもしたほうがよっぽど稼げます。労働時間以外でも深夜遅くに選手から電話やメールがあれば24時間対応を求められるし、急な練習時間の変更にも予定を合わせられるよう、私的なスケジュールも全く立てられない。

●どこまで耐えるべきか
若い頃は、これも下積みの一部なんだと言い聞かせた。
徐々に良くなるんだと思っていた。
でも、毎年毎年少しずつキツくなっているのです。
仕事が徐々に増えていっているのだから当たり前です。
上手くこなせばこなすほど、次の年に与えられる仕事は増えるのです。

あれっ、これはやりすぎたか。もうちょっと労働環境を良くしよう、
と思ってもらうためには私は失敗をして見せなきゃいけないの?
そうしないとわかってもらえないの?
…と、気づいてからがキツかった。
失敗をわざとするほど器用でもないんでね。

最近の若い子は、なんて言いたくはないけれど、
このところの選手とのコミュニケーションも年々難しくなっている気がします。
新しく入ってきた転入生や新入生に限って猛烈に反発してきたり、
「あんたより私のほうが知っている」と躊躇なく怒鳴る子がいたり。
親御さんもそんな人が徐々に増えていている。
こちらも言い返したくなる所をぐっと堪えて、選手が一番と思って出来る限り真摯な対応をしようと務めているけど、こっちもカミサマではありません。人として出来る限界があります。

●我々は本当に必要とされているのか?
そうこうするうちに、
選手がその価値を認めてくれないなら、それでも精一杯意味のある仕事を提供しよう、
というのはもはやこちらのエゴなんではないかと思うようになってきました。
選手がいらないと言ったり価値が無いと思うサービスをこちらが身を削ってまで提供する意味などないのです。だったら、提供しなければいい。彼らには、ATなど必要ないのかも知れない。どちらにしても、私はこの職業を離れるべきなのです。

私と仲の良い友人は、「その環境がおかしい!」「さゆりさんはそこを離れるべき!全部が全部そうじゃありません!」と言ってくれますが、ここがおかしいのか、私がおかしいのか、それともどこもこうなのかは私にはもうわかりません。

必要とされていないのならここにいるべきではない。
単純にそう思います。

もちろん、こういう振る舞いをする選手はチーム15人いるうちのほんの数人だし、
コーチも「Syにそんな態度の選手はチームから追い出す!」と言ってくれますが、割合の問題ではないのです。入れ替えたって、第二や第三の困ったちゃんがいずれ入ってくるのです。
仕事に行って彼らと顔を合せ、それでも笑顔で仕事をしなきゃいけない。
そう考えるだけで疲れてしまうのです。

●我々自身が、自分たちの首を絞めている?
これから中堅にさしかかろうという若いプロたちには是非伝えておきたい。
本当に駆け出しの頃は「若いころの苦労は買ってでもしろ」という時期もありますが、
そしてそれは私も賛成ですが、自己犠牲の精神はある程度経ったら捨てるべきです。

ツイッターで、ワールドカップでウルグアイのスレアス選手が得点を決めてリハビリを担当していたキネシオロジストのフェレイラさんに一番に駆け寄ってハグ。フェレイラさんは何と癌治療を中断してまで、一刻も早く選手を復帰させるためチームに帯同していた―というエピソード(*この発信源であるジャーナリストさんはそんな『美談』仕立てあげるつもりではなかったと思うのですが)が出回っているのを見かけましたが、そこで「自己犠牲カッコイイ!」「やっぱりそこまでしてこそAT!」「私もいつかは!」と我々プロが自分自身を照らしあわせて自己陶酔しているようではダメだと思うのです。細かい事情を把握しないで敢えて言わせてもらえば、「まず治療してしっかり治せやコラ!」でしょ?
それが少数派なんだとしたら、それは絶対におかしい!
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換えのないアンパンをちぎってあげているばかりではダメです。
周りにだってあなたのアンパンが小さくなっていっているのは一目瞭然。
皆あなたの為にハラハラしてる。意外と気がついてないのはあなた自身くらいなもの。
気づこうとすれば気づけるのにね。鏡、ちゃんと見てる?

●仕事に生きるのではなく、仕事と共に、生きる。
我々が、我々自身を使い捨てのコマに仕立て上げてしまったところがあると思うのです。
以前にも書いたけど、そんな仕事のしかたで長続きしないのならば、
あなたの人生も不幸になるし、この職業自体も入れ替えばかり早く発展していかない。
選手を大切に思う気持ちのその数割を、自分の健康、家族、友人、趣味に使うことは
ちっとも悪いことでも、ワガママでもない。
英語だと、「This is a marathon, not a sprint 」という表現がよくありますが、
人生を上手くペース配分してる、それだけなんです。
全て犠牲にして早々に燃え尽きることが美しいんではない。
それは盲目的に走って飛ばして失速して、ペース配分失敗しただけです。
まずは我々が、自分たちをちゃんと幸せにすることを上手になりましょ。

アメリカ人は、全員とは言わないけどここらへんのやりくりがうまい人は時々いて、
見習わなければなぁと思います。メリハリをつけて、仕事しない時は絶対に仕事しない。
今日はここで終わり!明日は家族と過ごす日!と明確な線を引く。サボり上手とは違うんです。
見合わない仕事を要求されたら、条件を出し合って歩み寄り、ここまではやりましょう、ここからはこうしてもらわないと、と意見を述べる。交渉力!AT一人ひとりが磨かなければいけないスキルです。
(もちろん、職場のリーダーがこういうのを促進する空気を作らなきゃいけない、という
リーダーシップの取り方っていうのもあるんですが…これはキリがないのでまた今度)

まーこんな生き迷ってるやつの戯言聞きたかねーよ!
と思われたらそれまでですが、ここまで仕事一筋で生きてきて気がついたことを今のうちに書き留めておきたくて、それから願わくば私が犯した過ちや失敗から一人でも多く学んで、回避できることがあったりよりスムーズにモノゴトが進んでくれるようなことがあれば、と思いまして。私も私で道を見つけて前に進んでいくことにします。一度しか無い人生、楽しく生きましょう!
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  by supersy | 2014-06-20 23:59 | Athletic Training | Comments(7)

使ってますか?:AT必見!?携帯のお助けアプリたちいろいろ。

こないだ少し、携帯のAppsの話が出たので…。
忙しい中、効率よく仕事をこなさねばいけない我々。猫の手も借りたい!ならぬ、アプリの手も借りたい!ってこともありますよね。実はAthletic Trainerが知っていて得をしそうなアプリって結構あるんです。最近目にする機会があったもので、面白いなーと思ったものを紹介します。

例えば…
Injury Tracking Software - SoapNoteApp - 無料
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評価の記録であるSOAPノートを携帯で記録できるApp。
評価中のfindingを片手で手軽に記録できるのはもちろん、
 - GPSもついていてどこで怪我が起こった場所も正確に記録可能。
 - 身体のどこに痛みがあるのか、絵をタップすることで簡単に入力できる。
 - 受傷時の写真も添付できるので、腫れや変形等の情報も保存可。
 - 入力し終えたらメールとして自分や他のセラピストに送信できる。
…などの、携帯電話ならではの便利さがあります。

Weather Apps - WeatherBug - 無料
何で天気を気にしなきゃいけないのかって?
アメリカだと落雷があれば屋外で練習をしてはいけないという厳しいルールがあり、
(以前ちょっとまとめた記事はこちら)『練習中止』を決めるのはATの場合がほとんどなので
Thumder storm (雷を伴う嵐)が近づいてきたりしたら、どのくらいの距離なのか、いつ避難を始めるべきなのか、また、いつ練習を再開してもいいのか、様々なことを決定するのに刻一刻と変化するライブお天気情報が必要不可欠なのです。

私はMyRaderというお天気レーダーアプを使ってましたが、最近このWeatherBugというアプについて学ぶ機会があって、このアプのsparkという機能に惚れました!sparkを起動させると、現在地から最も近くで落ちた雷がどこで、ここから何マイル離れているかを即座に教えてくれるのです。
ぶっちゃけ市販のLightening Detectorよりよっぽど優秀だと思う…。
(あ、もちろん普通のお天気アプとしても使えます。天気や気温、湿度を調べたり)
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Anatomy - Pocket Anatomy - 有料($14.99)
Visible Bodyは有名ですが、お値段も決して安くないので躊躇する人もいますよね。
バージョンも色々あってどれを購入するか悩んでしまうし。
もうちょっとお手軽な値段で何かないかな?と思っている方にはPocket Anatomy辺りがいいかもしれません。3Dで男女のモデルを好きに選び、画像を360°くるくる回しながら、Structureをじっくり見たり、その機能を勉強したり、ノートをとったり簡単なクイズを受けたりできます。
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Pocket Heart, Pocket Brainという部位別のアプもあります(お値段はそれぞれ$9.99)。

Anatomy2 - Speed Anatomy (Quiz) - 有料($0.99)
ちょいと時間つぶしに解剖学の知識をbrush upしたい!という方にはクイズ形式のアプもいいかも。Speed Anatomyは$1ほどで手軽にできる、早押し形式の小テストアプ。
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Medications - Drugs.com Medication Guide - 無料
薬の名前って、ややこしいですよね。効果や副作用も、ATだとそんなにがっつり授業で学ぶ機会もないし、現場で出会って「なんじゃろこれ??」ってなる薬がほとんど。このアプがあれば一般に扱われている薬の情報が手軽に引き出せるのはもちろん、お医者さんが選手に処方した薬の発音が分かっていてもスペルが分からず、ググってみても出てこなかったり、手元に薬があるけれどこの名前が何なのか分からなかったり…うがー!となったときにも『発音検索(Phonetic search)』や『薬の見た目検索(Pill identifier)』でささっと探せちゃえます。これ、無料にしてはかなり使えるアプだと思う…。
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Vitals - Instant Heart Rate - 無料
心拍数を計りたいときに、こんなアプはどうですか?指をカメラのレンズにかざすだけであら不思議。新泊数が計れてしまうという計測アプなのです。まぁこれは本当に必要かと言われれば、そんなこともないんですけど…。話のタネになる、くらいでしょうか?
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Special Test - CORE (Clinical ORthopedic Exam) - 有料($39.99)
これは正直学生の時に出会いたかったアプです。値段は高いけど、教科書と思えば安い!
部位別、名前別、症例別に約250種類のSpecial Testの検索、動画によるapplyの仕方が見られるのはもちろん、過去にそのSpecial Testに関して誰が研究をし、どんな診断価値の統計が出ているのかというエビデンスまで見られるのです!それだけではありません。それぞれの論文にはリンクがついていて、PubMedに直接飛ぶことが可能。PubMedのアクセスがある人は読みたい文献のfull textが読めるし、そうでない人もお金を払えば論文を購入することも出来ます。気になる人は、上のリンクから紹介動画を見て下さいね!

*私は個人的に今からこれを購入しようとは思わないけど、学生さんには本当にいいかもと思う!
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他にもGoniometerのアプとか、Concussion診断の記録用アプとか、
我々が使えそうなアプリはいっぱいあります。全てが全て正確というわけではありませんし、
購入にはちょっと慎重になることをオススメしますが、
使いこなせば我々の診療がぐっと楽になりそうなものも多いです。
我々は本当に最新テクノロジーにも敏感でなくてはなりませんね!

**一応書いておくと、私は今回紹介したアプリからどんな利益も受け取っていません。
単に個人的に面白そうだなーって思った、それだけです。
それから、ちょっと無責任ですが、私はこれらの全てを購入したわけではないので、皆さんが個人的に興味があって購入する場合は説明を各自よく読んだ上で、自己責任でお願い致します。
アプリの内容に対するクレーム等は、製作者ではないので受け付けられませぬ。
どうかご理解ください。
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  by supersy | 2014-06-17 18:00 | Athletic Training | Comments(0)

続・音叉と聴診器で骨折判別?

前回の続きです。
前の記事をアップした後に、友人知人と「音叉じゃなくて携帯のバイブレーション機能を使って同じことはできるのだろうか?」なんて話をしていましたが、まさにそれを検証した興味深いPilot Study1を見つけたのでそのまとめ。
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Clinical Bottom Line: The use of cell phone vibration + stethoscope is moderately effective in ruling in a fracture in humerus/femur and somewhat useful in ruling it out - Positive but not definitive study, with severe threats to validity (Diagnostic, Level 2b-)

この研究では3体の献体を用いて、上腕骨と大腿骨それぞれに
Bone saw(骨のこぎり), hammer(ハンマー), chisel(ノミ)を使って人工で骨折をさせ、
今まで一度も携帯のバイブレーション機能はおろか、音叉も使った骨折診断をしたことのない、
27人のEmergency Medical Residents(研修医)と1人のAttending Physician(救急医)に聴診器を持たせ、どれほど正しく骨折を診断できるかを実験しました(↓写真はイメージ)。
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人工で造りあげた骨折はtransverse, oblique, communitedの3種類。造られた骨折は上腕骨、大腿骨にそれぞれ合計6本のうち(2本 X 3人)二箇所ずつ。クリニシャンはどこにそれらの骨折があるか分からない状態で(= blinded)左右のlimb音を聞き比べ、
Q. どちらに骨折があると思いますか?
 a. Left
 b. Right
 c. Either(どちらでもない)
の質問に答える形で最終診断を下します。

携帯によるバイブレーションはiVibeというアプを用いて、
上腕骨の場合はlateral epicondyleに、大腿骨の場合はpatellaに、
聴診器はそれぞれanterior shoulder(それ以上の記述は無し)とpubic symphysisにあてがわれた状態で3秒間音を聞き、必要があれば何度でも繰り返して良い、という統一されたルールの下実験は行われました。携帯電話はケースを外し、それぞれのbony prominenceに『ぎゅっと押し付ける』のではなくあくまで軽く『触れた』状態で(↓写真参考)。
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(from Figure 1-4, Matzek et al 2014)

診断結果の統計は以下の通り。
Sensitivity 73% (CI 64-81%), Specificity 83% (CI 77-88%),
+LR 4.31 (CI 3.16-5.89), -LR 0.32 (CI 0.24-0.44)
(*+LRと-LRの95% CIは表記がなかったので私が計算しました)

これらの統計に基づいた結論は、
携帯によるバイブレーションと聴診器による診断は、骨折をrule inするのにそこそこ有効(SpのCI Lower endが77なのでそこそこ優秀、+LRはもう一息)、rule outにはまぁまぁ有効(Snは全体的に10%程低め、-LRも少し数値が高いしCIに幅もある)という感じ。

特筆すべきはこれらの全てが我々のするClinical Evaluationに反映されるわけではないということでしょうか。例えば、
 1. 実験では献体が用いられたけれど、骨はともかくsoft tissueはどれほど考慮される
  べきなのか?献体ではsoft tissueも生きている状態とは違うし、それらが振動の伝え方を
  どう変えるかはこの実験では検証されていない。
 2. この実験では骨折がシミュレートされ、ノミやのこぎり等で人工的に造られたが、
  それは本当に自然に起こる骨折と本当に質が同じと言えるのだろうか?
 3. 『どちらに骨折があると思いますか?』というのと、『右腕に痛みがある選手、
  これは骨折なのか骨折ではないのか?』ではだいぶ診断に臨むクリニシャンの
  メンタリティーが違う。ここらへんも影響してくるのか?
 4. 実際にATがon-fieldで診断しているとなると、騒音もかなりあるハズ。
  我々の普段の労働環境でも聴診器による診断の精度は落ちないのだろうか?
…等の疑問が残ります。過去の似たような研究2-4によれば、
(これらの論文が用いたのは携帯電話ではなく音叉でしたが)
こういった診断の仕方ではほぼ同様のSn, Sp, +LR, -LRが報告されていますが、同時にbilateral pubic rami fractures, chronic osteomyelitis, obesity, posterior hip fracture, fracture impaction, buckle fracturesの場合は診断に限界がある(inaccurateな結果になりやすい)ということも言及されています。今回の実験ではこれらの要素に関しては検証されませんでしたが、これらも『音叉・携帯電話によるバイブレーションと聴診器を用いた骨折診断』の手法のlimitationとして我々の頭に留めておかねばいけません。

…ともあれ、我々ATは音叉よりも携帯電話のほうが素早くアクセスできるのは確かですし、
これがシンプルでお金のかからない、手早い診断法としてこれからますます注目される可能性は大いにあります。他の診断法(i.e. bump test, squeeze test)と併用することでよりconclusiveな診断に辿り着けるかも知れません。これから携帯電話を使った診断は(バイブレーションはもちろん他の機能やappsもどんどん出てますし)ガンガン広がってきそうですね!いやいや、ATもテクノロジーの進歩に置いて行かれてはいけませぬ。目と耳を広く持たねば!

1. Matzek BA, Fivecoat PT, Ritz RB. Novel approach to the diagnosis of fractures in an austere environment using a stethoscope and a cellular phone. Wilderness Environ Med. 2014;25:99-102.
2. Bache JB, Cross AB. The barford test: useful diagnostic sign in fractures of the femoral neck. Practitioner. 1984;228(1839):305-308.
3. Misurya RK, Khare A, Mallick A, et al. Use of tuning fork in diagnostic auscultation of fractures. Injury. 1987;18(1):63-64.
4. Moore MB. The use of a tuning fork and stethoscope to identify fracture. J Athl Train. 2009;44(3):272-274.

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  by supersy | 2014-06-16 12:00 | Athletic Training | Comments(2)

SPATS 2014。

大学の一つ下後輩から連絡が来たのは1月末のこと。

彼女はVATA (Valley Athletic Trainers' Association)のお偉いさんになっているようで、その内容は『毎年開催しているSPATSというVATAが主催する学会に是非スピーカーとして来てもらえないか』ということでした。時期は6月上旬と一年で最も仕事が落ち着いている時期、場所はサウスパドレアイランドというメキシコ国境すれすれの南国の島。ホテルと交通費は向こう負担。ふむ…why not!
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…ということで、行ってきました!
参加者は200人ほどと聞いていましたが蓋を開けてみれば350人程!
地元(Valley area)のATさんたちはもちろんSan Antonio, San Marcos, Austinのあたりからも人が集まっていて、皆バケーションも兼ねて毎年来ているツワモノが多いこと。スピーカーもOhio StateやBowling Green State Univ、Univ of Wisconsin Milwaukeeの教授さんたち、NBAで働くMedical Coordinator/Sports Nutritionistなど幅広い顔ぶれでした。
それでも学会の規模自体は小さめなので、講義は常にひとつだけ。…つまり、参加者は全員ひとつの講義に殺到せざるを得ないわけで…。おお、(ビーチでのんびりしているだろう不参加者を除いて恐らく)300人程が私の講義に来るわけ??今までやった発表では最大規模かも。授業でももちろんそんな数集まらないし。
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内容は悩みに悩んでPRI関連のものにしたのですが、PRI用語を使わないでいかに一般の方に理解してもらうかというところが本当に難しかった(こういう内容の講義は数回今までにもやっていますが、毎回少し視点を変え、一番given contextに合った内容にするためほとんど毎度イチから作り直しています。しかし、何度やっても正解が分からない)。講義の最後には少しHands-onも加えて、PRI流風船の膨らませ方を実践してみました。300人が風船を膨らましている風景はなかなかに圧巻でした(笑)!

講義を終えてみて、質問や感想を色々な方から頂いたのですが、中でもたいぶ破天荒な顔見知りさんから「You kept my attention!(面白くてついつい一生懸命聞いちゃったわ!)」と言われたのは嬉しかった。初対面の方でわざわざ講義後に自己紹介と握手をしに来てくれ、「あなたの講義なら何時間でも聞いていたい!」と熱く語って下さった方もいました。
うまくいった…のかな?とりあえず終わってホッとしました。

…で!
終わったので、せっかくの(そして恐らく年に一度の)バケーションを楽しんじゃおう!
ってことで。SPATS Socialで無料ビールを楽しんだり、友人の借りるCondoのプールで
のんびりしたり、ビーチでこんがり焼いてみたり、Seafood Buffetを堪能したり、
お世話になった教授夫婦とゆっくりお酒を飲みながらお話したり。
Texas Stateの元上司、教授、同級生、先輩、後輩、それからTexas A&M-Corpus Christiの卒業生、元GA、元・現Preceptorたち知り合いも沢山いて、同窓会気分でとても楽しかった!
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元々外にほとんど出ない青白いもやしっこだったので、
今は肩や腕が真っ赤でヒリヒリ痛いですが(苦笑)。
や…やりすぎた…。

今日、昼ごろに学会を終えて向こうを出発。
2時半頃にCorpus Christiに帰ってきました。
ホッと一息…と言いたいところですが、明日からは実はユタ州へ行ってまいります。
荷解きして、荷造りしなければ!体力落とさないよう頑張ります。
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  by supersy | 2014-06-08 20:30 | Athletic Training | Comments(0)

アメリカ脳震盪サミットと、プロのあくなき挑戦心。

"スポーツは私自身若い頃とても重要な人生の一部だった。スポーツ大国であるこのアメリカ合衆国で、今日も多くの若者がボールを追いかけ、汗を流している。そのスポーツの現場で、彼らが安全にのびのびとプレーできる環境を作るのは我々大人の重要な役目"
(かなり意訳ですが、彼が冒頭言っているのはこういうこと)

5月29日はアメリカのATにとって歴史的な一歩を刻む日となりました。
オバマ首相が国を挙げて(NFL, NCAA、NATAを含め)何千万ドルという予算を投じて脳震盪の研究を進めること、もっと正しい知識を得、それを国民と共有していくことを脳震盪サミット(正式にはWhite House Healthy Kids & Safe Sports Concussion Summit)で発表したからです。
オバマ首相の政治的方針は賛否両論ありますが、この件に関しての個人的な感想は、
大国の首相が、「時代は変わってきていて、脳震盪というものが何なのか少しずつ理解し始めた今、頭を打って気分が悪いと訴えることは決して彼らが『弱い』のではなく、『賢い』ことと認識しなおさねば。多くの脳震盪が診断されずに闇に葬られる公式はもう捨てよう」と国家として明言してくれるというのは、もう、とんでもなく意味ある行動なわけで、この17分の彼のスピーチで、我々ATの5年分の地味な努力とPR活動同等の価値があるんじゃないかという…有り難いし、素晴らしいし、言葉がありません。

この動きの中で、我々の母体組織であるNATA (National Athletic Trainers' Association)
は中でも鍵となる役割を担い、NFLと提携してより多くの学校でのAT雇用を増やすこと、
そしてスポーツの現場の最先端で、我々ATが正しい知識を持って選手、保護者、コーチらを教育し、脳震盪とその深刻なconsequenceの認識を高めていくことを宣言しています。
NATAの記事はこちら。ホワイトハウスが出したFact Sheetはこちら
関係者の方々は是非一度それぞれじっくりと目を通してくださいね!

このサミット宣言を受けて、うちのローカルニュース番組も脳震盪の特集をしたい、誰か喋れるやついないか、ということでこの発表があった先週木曜日に急遽職場に取材班がやってきました。
当日アポだったので(『今日これから行ってもいいですか?』と言われた)びっくりでしたが、
リポーターさんがかなり前々から勉強されているみたいで、『Sub-concussiveというトピックが論議を呼んでいると聞いたのですが、それについてお話頂けますか?』と結構ツボなことを言われてしまい、CTEについて(昔これらについて書いた記事はこちらこちら)、それからアスリート、親御さんやコーチがこれらをどう認識すべきかについてお話させていただきました。
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ちなみにニュース映像が見たい方はこちら。アメリカの脳震盪に対する
取り組み方(特にテキサス州で)が分かるニュース番組になっているかなと。

*ちなみに放送を見て残念だったことがふたつあって、一つはリンク先の記事で「脳震盪の研究をしている平石氏」みたいな扱いだったこと(そんなことは一言も言っておりませぬ)、それからリポーターはともかくうちの地区の高校を総括するATさんまでも自分たちのことを『トレーナー』と呼称していたこと。自分たちの職業くらいちゃんと呼べないとね。我々はアスレティックトレーナーです。

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さて。話は全く変わりますが。
実はずっとシーズン中書きたかった話があるのです。…が、あまりにタイムリーだとどうかなと思ったので今まで自粛していました。もうシーズンも終わって3ヶ月ほど経ちますし、メディアにももう十分語りつくされている話なのでここで解禁にします。

私のスポーツではなかったのですが、うちの大学で、
シーズン開幕直前にとある選手がベンチプレス中にダンベルが滑り、顎を直撃。
Mandible (下顎)を骨折するという大怪我が起こりました。
*詳細は省きますが、一応S&Cコーチの名誉の為にこのセッションはプロによって指導・監督されていたし
spotterはいたとだけは書いておきます。
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(*写真はイメージです)

もちろん担当ATがすぐに対応。選手は手術をし、しばらくまともにモノが食べられなかった以外は
(顎の開閉がしばらくほとんどできなかったので)問題も無く驚くほど順調に回復。
ほんの数週間でそろそろ競技復帰をしても良い、ということになったのですが、
骨が完全に治癒する前に同じところに衝撃が加わっては敵わない。
競技中は何か防具になるものをつけるようにと医師から指示が出ました。ま、当然です。

しかーし。何しろスタッフの誰もこういう怪我を経験したことが無い。
アメフトやホッケーのようなヘルメット、鼻の骨折を守るフェイスガード、目を保護するアイプロテクター等は我々も見知っているのですが、下顎を守るような構造のプロテクターとはどういうものであるべきなのか、それと、「競技中違和感を最小限にして装着できる」実用性を兼ね備えるとなると…と、しばし議論。過去に同様の怪我がバスケットボールで起こったか、どう対処されたかなどを調べていたら、こんなサイト(↓)を発見。ふむふむ、これを参考にするとこういう感じで顎のラインをカバーして…呼吸はしやすいようにしたいから…且つ頭に固定するためには…

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担当ATと私、いつも靴底を作ってくれる業者さんとで
ひとしきり話した後、イメージは沸いてきました、いっちょやってみましょう!
と言う頼もしい業者さんの言葉で、まずは顔の型作り。
熱と水分で柔らかくなる特殊な素材を使って選手の輪郭を取り、目と口の位置を記録。
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なるべく最小限のごつごつしさで軽量化し、且つズレたりしないように、
と最終的にはこういうデザインになりました。ぎょ、業者さんGood job!
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ちなみに当の本人は開幕すぐの試合こそ出られなかったものの、これを装着してシーズンを通してほぼ支障なくプレーすることができました。…というか、むしろ大活躍でした。
もちろんこのフェイスマスクを見たら誰だってぎょっとするし、
お蔭様でメディアの話題にもよく登ってしまったんですが…。
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D-Iの大学で働いていると、大概のものは手に入ります。
サポーター、ブレース、プロテクター…最近は本当に細かく色々な製品がありますしね。
でもそれでも「極々稀な怪我」というのが起こることはあるし、それに対応できる製品が世に無ければ、持てる知識・技術を結集させて必要なものを作り出さなければいけないこともある。もっと言うと、予算の限られた高校なんかで働いていたら何でも手元にある素材で作るしかないわけです(これは大学院時代にイヤと言うほど経験しました)。想像力が問われますし、なんかこういうのは妙にワクワクもしますよね。
今回は私は横からやいやい言っていただけなので、頑張ったのは業者さんと担当AT!
カスタム靴底を作るのが仕事なのに、こんな質のフェイスマスクまで作っちゃう業者さん、
すごすぎです。「そういうのは専門外なんで」「やったことないんで」ではなく、
やったことないからこそ「いっちょやってみましょう!」と言えるようなプロに、私もなりたい!
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  by supersy | 2014-06-02 12:00 | Athletic Training | Comments(0)

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