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β-Thalassemia、地中海性貧血について。その3。完結編。

β-Thalassemiaはgenetic disorder(遺伝性疾患)であり、
うちの選手も「両親とも貧血だという自覚はなかった」と言っていますが、
おそらくはどちらかがβ-Thalassemia Minorのキャリアーだったのでしょう。

そうなると、患者が知っておかなければならないのは、
自分が子供を持つときにどういったことが、どの程度の可能性で起こりえるのか、
危険を避ける方法はあるのか、どういった選択肢があるか、などということがあります。
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例えば、両親ともにβ-Thalassemia Minorを持っていた場合、
妊娠毎に50%の確率でβ-Thalasemia Minorの子供が、そして25%の確率でβ-Thalassemia Majorの子供が生まれる可能性が出てきます。昨日まとめたように、β-Thalassemia Majorは非常に重い疾患。治療は一生続きますし、そのprognosisは決して素晴らしくはありません。

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β-Thalassemiaだけではありません。Thalassemia以外の他のHemoglobin β geneに影響を与える病気にも気を配る必要があります。例えば、ヘモグロビンE病。この病気自体はマイルドで、β-Thalassemiaをもっと軽くしたようなものなのですが、片親からヘモグロビンE遺伝子を、そしてもう片親からβ-Thalassemia遺伝子を受け取った場合、Hemoglobin E/β-Thalassemiaという、β-Thalassemia Majorに匹敵するほどの深刻な症状を引き起こします。

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Sickle Cell Traitのキャリアーとβ-Thalassemia Minorキャリアーの間に生まれる子供は、同様に25%の確率でSickle/β-Thalassemiaをdevelopする可能性があります。Sickle Cell Traitとβ-Thalassemia Minorのコンボですから、運動にも危険性がつきまといます。

うちのチームドクター曰く、「私も知り合いでβ-Thalassemia Minorと診断された人がいるけどね、パートナーがHemoglobin E持ちだったので、リスクを考えて子供をもうけずに養子をとることにしていたわ。25%とはいえ、子供の人生の妨げになる可能性があるなら、と思ったみたい」というケースもあるそうで。

パートナーとこの組み合わせなら、絶対に子供を儲けてはダメ!なんて言うつもりはありませんし、私が個人的に何かを推進しようとしているわけでもありません。ただ、自分がβ-Thalassemia Minorという遺伝子を持っているということを認識したならば、子供を持つ前に少し時間をとってパートナーと一緒に検査に行き、子供にどういった影響が出かねないのかを前もって知り、考えておくことは非常に大事だと思います。
同様に、例えば自分の子供もβ-Thalassemia Minorを持って生まれたならば、子供にきちんとそれを伝えること、そして教育をすることは遺伝子をpass onした親の責任でもあると思います。どちらにしても、子供の人生、そして自分自身の人生に何がベストなのかを考えた上での決断が必要になるかなと思うのです。

「(専門医から)なんか子供に関するパンフレットもらった。よくわからんけど取っておいてある」といううちの選手はまだ若いので、「遺伝的なものだからね、組み合わせによっては深刻になることもあるから、子供を持つことを考え始めるような年になったら、もう一回読んでみるといいよ。そんで、相手を連れて医者に相談しに行くようにね」と伝えてあります。そして「なんかわかんないことがあったら聞きにくるんだよ、お蔭様で色々勉強できたから、手助けはできると思うよ」とも。アスレチックトレーナーは、たった4年ほどとはいえ、誰かの人生に寄り添い、健康や身体に関するアドバイスや教育をの発信源となれる存在。そういった意味でも、毎日成長の機会をくれる選手たちに(時に恨めしい目で見ながらも)非常に感謝しています。勉強になりましたなり。ふー。
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  by supersy | 2012-09-28 13:00 | Athletic Training | Comments(0)

β-Thalassemia、地中海性貧血について。その2。

昨日の内容から、β-Thalassemia Major/Intermediaの診断はかなりobvious、
というところはいいですよね。今日はβ-Thalassemia MinorとIron-Deficiency Anemiaの
診断基準の違いに焦点をあててまとめたいと思います。

さて。貧血の疑いがあれば(i.e. 慢性疲労や、頻繁な眠気などの症状がある)、
医者がまずオーダーするテストと言えばCBC、Complete Blood Countという血液検査でしょう。Iron(鉄分)やFerritin(フェリチン)、ビタミン値なども同時にチェックするかも知れませんね(↓)。
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もちろん、こういった精密検査の結果は医者が読み、判断すべきものなので私たちAthletic Trainerはこれらの結果の解釈の仕方など教わらないことのほうが多いと思います。私も例に漏れず、どの値が何を示すのか全く分かりませんでした…が、知っておいて損はないはず!ということで、これを機に調べてみました。貧血の診断を下すにあたって、重要なものを指摘していきたいと思います。

上記の数字(↑)はあくまで例ですが、
分かりやすくするために、「Out of range(異常値)」が出たものを赤字でマークしてみました。まず注目すべきはHemoglobinとHematocritの値。貧血の定義がそもそも「血液中の赤血球量・ヘモグロビン量が正常以下である」という状態のことなので、貧血患者の血液検査でこの値が低いことはもはやgiven、expectedと言って構わないかと。ヘマトクリットも「血液中に含まれている赤血球の%」のことなので、これも低くて当然ですね。
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…で、次にMCVなるものを見てみましょう。MCVはMean Corpuscular Volume
(平均赤血球容積)の略で、つまるところRBCの大きさを指します。
RBCは真ん中のへっこんだあんパンのような形をしています。通常の大きさは80-100 flなのですが
(↓下の写真はイメージ)、それよりも数値が小さい場合はmicrocytic(小球性)、
大きい場合にはmacrocytic (大球性)と呼んで区別されます。
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上の患者の例ですが、数値は71.6 flとなっていますね、小球性の貧血である、と言えます。
β-Thalassemiaはmicrocytic hypochromic anemiaの一種に分類されるので、
この数値が通常よりも小さくなるのも納得。

ちょっと話が反れますが、microcytic hypochromic anemiaという話が出たのでついでに。
microcyticの意味はもう説明しましたが、それではhypochromicのほうは??
Hypo = loo low, Chromic = color という意味から分かるように、
RBCがその特徴である赤い色を失い、無色・もしくは蒼白な色を帯びることを指します。何しろヘモグロビンの異常で酸素とうまく結合しないので、あの独特の赤い色が出ない、というわけです。
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写真(↑)の左が通常のRBC、右がMicrocyticでHypochromic (無色・蒼白の)のRBCを示しています。何と言うか、一目瞭然ですよね。淵の部分がほんのり赤いだけで、残りは無色。寂しいもんです。実際の赤血球を顕微鏡等で見る機会がある場合、こんな風に見えるわけです。
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CBCの表に話を戻します。次は残りの異常値3人組、MCH、MCHCにRDW。
MCH: Mean Corpuscular Hemoglobin(平均赤血球ヘモグロビン量)
赤血球に含まれる、酸素を運ぶヘモグロビン量の平均
MCHC: Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度
くどいようですが貧血患者は血液内の赤血球の酸素運搬を担う正常なヘモグロビンの量が減少しているため、これらふたつ共数値が低下します。通常よりも低くなっているはずです。

RDW: Red Cell Distribution Width(赤血球容積粒度分布幅)
赤血球の大きさのバラつきの幅の大きさを指します。
興味深いことに、この数値のみは正常よりも高くなっているはずです。
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RBCが正常であれば、それぞれが、多少個々の違いはあるもの、同じ形、同じサイズで造られるはずです(↑写真左)。しかし、通常サイズのものから小さなものも混じっている貧血患者では、この「赤血球のサイズのバラつき」の幅がぐんと上がる(↑写真右)ことになります。

さて、ここまで見てきたものをまとめると、β-Thalassemia患者の血液検査の結果は:
    Hemoglobin, Hematocrit, MCV, MCH, MCHCが通常値よりも低い
    RDWが通常値よりも高い
ということが言えると思います。

これで診断基準には十分じゃないかって? ――とんでもない!

ここで面白い事実をもうひとつ。Iron-Deficiency Anemiaもmictocytic hypochromic anemiaに分類されるのです。つまり、ここまでβ-Thalassemiaに当てはまった全てのことが、こちらにも当てはまることになります。Hemoglobin, Hematocrit, MCV, MCH, MCHCが低く、RDWが高いのです。
えー、それじゃあ区別がつかないじゃないかって?
そうなんです。だから多くの医者も誤診してしまうんですよっ!
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ここで注目すべきは、Ferritin(フェリチン)値!
フェリチンとは、肝臓・脾臓・心臓など各臓器に存在する、内部に鉄分を貯蔵している蛋白のことを指します。つまり、フェリチン値が低い→体内に貯蔵されている鉄分が少ない、と考えてもらって良いと思います。
Iron-Deficiency Anemiaを発症しているときは、当然体内に貯蔵されている鉄分は低下しているわけですから、この数値は通常よりも低く出るはずです。しかし、β-Thalassemiaの場合は鉄分は全く関係ありませんから、この数値は通常の範囲内(10-154 ng/ml)になる。この違いを診断時の軸にすればいいのです。

頭の良い方は、「鉄分の量が見たいなら普通に鉄分値(Iron, Total)を見ればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、これは必ずしも正解ではありません。患者が例えば鉄分のサプリメントを取り始めたりなどした場合、体内にどんどこ鉄分が入ってくるわけですから「総合鉄分値」は面白いように上がります…が、それらの全てが体に「貯蔵」されるわけではないので、「貯蔵鉄分値」を必ずしも反映しているわけではないんです。なので、値としてはFerritinのほうが良い指針になるわけです。

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つまり、この2者の大きな違いは、フェリチン値に出ることになります。フェリチン値が通常より低い、というのはIron-Deficiency Anemiaを診断する上でsensitiveかつspecificな評価基準なんだそうな。なので、フェリチン値が通常の範囲内ということは、鉄欠乏性貧血ではない、とほぼ断言できてしまう。こうなってくると、Red flag。鉄欠乏性ではない別の何かの貧血、つまり、同じカテゴリーに分類されるβ-Thalassemiaの可能性が高まってきます。

●最終診断・Qualitative and Quantitative Hemoglobin Analysis
ここまで可能性が高まったなら、最終手段はヘモグロビン分析です。
体内にあるヘモグロビンの種類を分別し、どれがどのくらいあるのかを調べるのです。
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HbFFetal hemoglobin (胎児性ヘモグロビン)と呼ばれ、胎児の体内にはこのタイプのヘモグロビンが最も多く見られます。α-chainがふたつとγ-chainがふたつ、という構造をしています。直接肺呼吸が出来ず、身体に供給される酸素量が少ないため、より酸素と結びつく能力が強いという機能を携えたヘモグロビンになっているのです。生後、新生児の胎内でこのタイプのヘモグロビンは徐々に失われてゆき、生後6ヶ月を迎える頃には<1%と、ほとんど成人ヘモグロビンに取って代わられます。
HbAAdult Hemoblobin (成人ヘモグロビン)ですね。通常の人間の体内には、これが96%以上含まれているはずです。α-chainがふたつとβ-chainがふたつの、至って普通の構造です。
HbA₂とはほんの少し構造が違う(α-chainがふたつとδ-chainがふたつ)だけで、機能はHbAとほぼ全く同じ。つまり、"Normal variant of Adult Hemoblobin”と言えるものたち。

β⁰/β⁰(重度β-Thalassemia Major)の患者はそもそもβ-chainを作り出す能力が存在しないので、HbAは全く存在しないことに。ほとんどのヘモグロビンが胎児性のままです。β⁰/β⁺かβ⁺/β⁺だと、HbAは多少確認できるものの胎児性ヘモグロビンがまだ大半を占める形に。
β-Thalassemia Minorの場合は、「通常」とは僅かな差になるんですが、それでも確実にHbAの数値が少し低く、代わりにHbA₂値が上昇します。うちの選手の分析結果も「95%, <1.0%, 4.2%」とキレイに出たので、まさにβ-Thalassemia Minorと診断されたわけです。

他にも診断方法は幾つかあるのですが、調べた中ではこれで十分そうだったのと、実際にうちの選手がした検査がこれらだったので、このへんにしておきます。くどいようですが、鍵となるのはFerritinの値が正常であること。これがきっかけとなって、「あれ?もうちょっと検査してみようか」という流れになり、見つかることが多いのかなと思います。うちの子みたいにβ-Thalassemia MinorとIron-Deficiency Anemiaを併発していたら、それはとってもとっても面倒なことになるんだけど…。

●運動をする、ということについて
前述したように、β-Thalassemia Minorの患者は自覚症状の無いことがほとんど。
普通の生活にはほとんど支障は出ません。
…では、アスリートとしてはどのような影響が考えられるのでしょうか?

アスレチックトレーナーとして私の一番の心配は、「命に関わるようなことはあるのか?」でした。Sickle Cell Traitみたいに、早期の症状が出始めたら運動を即辞めさせて休憩、さもないと深刻な合併症や死の危険があるんでは?と。Rhabdomyolysisとか、血栓のリスクとか、もうとにかくよくわかんなかったので不安で。

しかし、色々調べたり、チームドクターに相談したりもしたんですが、結果は否!でした。
Sickle Cell Traitの一番の問題は、赤血球そのものが変形を始めることなのですが、
β-Thalassemia Minorでは赤血球のサイズがあくまで小さい、というだけなので、
それほど深刻な症状を引き起こすことはないようです。
もちろん酸素を満遍なく速やかに身体中に運ぶ能力が通常の人よりも低いので、
心肺機能という意味では他のアスリートにもハンデを背負う形になるかも知れません。
しかし、β-Thalassemia持ちの選手は生まれてからずっとその状態で生き抜いているわけですから、うまく順応できてしまっている可能性が大いにあるのも事実。実際、うちの選手も他の子に比べて全く遜色ない持久力があります。adaptationって素晴らしい。

そんなわけで、私が調べた限りでは、Sports participationに関して危険性がある、という記述はどこにも見つけられませんでした。地中海周辺の国々では、β-Thalassemia Minorを持ったプロスポーツ選手もかなりいるようですし、リスクはないものだと、今のところ私は認識しています。もし何かご存知の方がいましたら、是非ご一報くださいませ!

さて。これで書きたいことはほぼ終わりなのですが、
明日Genetic predispositionについてちょっとだけまとめようかと思います。
次回で完結です!
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  by supersy | 2012-09-27 18:30 | Athletic Training | Comments(0)

β-Thalassemia、地中海性貧血について。

結構長いことこの仕事してる気がするんですけど、
毎年何か新しい発見や、まともに聞いたことも無いような怪我・病気に出会えたりして、
成長する機会をもらっています。
今年も、始まって一ヶ月くらいなんですが例外ではありません。
今回は、β-Thalassemiaという先天的病気について書きたいと思います。
日本語ではβ(ベータ)サラセミア、又は地中海性貧血と呼ばれるものみたいです。

アスリートがIron Deficiency Anemia(鉄欠乏性貧血)持ち、というのは決して珍しいことではありません。慢性的疲労感など、決して持っていて有り難いものではありませんが、ちゃんと鉄分のサプリメントを摂取して、3-4ヶ月毎の血液検査を欠かさずに行っていれば、適切にmanageすることが可能です。

しかし、Iron Deficiency Anemiaになるには原因があるはず。「生まれたときからずっと」Iron Deficiency Anemiaのとある選手に、なんで生まれつきなの?と聞いても本人は理由が分からず。お医者さんと相談して、もう少し調べてみることに。その結果、Iron Deficiencyだけでなく、β-Thalassemia Minorという先天的病気を併発していることが分かったのです。うちの選手はこの両方を併発していましたが、β-Thalassemia MinorをIron-Deficiency Anemiaと医者が誤診をするケースも少なくないらしいので、今回は診断基準などを中心に皆さんとシェアできればなと思います。
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まずは、Thalassemiaという名前から。ギリシャ語でThalasse = the Sea (海), emia = Anemia (貧血)ということで、意味は「海の貧血」。この海というのは地中海(↑)のことで、元々は地中海周辺のイタリア、ギリシャ等の国々で発見されたのだそう。世界で最もβ-Thalassemia患者の割合が多い国はキプロスの14%、二番目はサルジニアの10.3%。その他にも中央アジア、インド、中国南部、アフリカ北部、東南アジアや南アメリカでも確認され、地中海に限ったものではないということが分かったのですが、今でも名残で名前に残っているというわけです。世界的には稀な病気で、この病気を持っているのは地球上全人口のたった1.5%。どおりで私も今まで出会う機会がなかったわけです。
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この病気を起こす原因となるのは、11番目の染色体異常。
この染色体の一部に「ヘモグロビンのβ-chain合成に関する情報」が含まれていて、通常であれば「β=通常合成」をする、と組み込まれているべきはずが、稀に「β⁺=ベータ陽性、β-chainの合成が通常ほど行われない」や「β⁰=ベータゼロ、β-chainの合成が全く行われない」となってしまっている場合があります。
ここで思い出してほしいのが、染色体は遺伝子の対によって出来ているということ。
…ということは、対となる両方正常片方のみが正常でもう片方異常、そして両方異常である可能性があるのです。
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上の図を見ていただければイメージが沸くかもと思うのですが、β・βの染色体(↑左)は通常。しかしβ⁺βの染色体(↑中央)は片方の遺伝子異常により、全体的にβ-chain合成能力が少し劣る染色体に、更に、β⁰・β⁺の染色体(↑右)はβ-chainの合成能力がほぼ無いものになってしまっています。


●β-Thalassemiaの種類

β-Thalassemia Major (also known as "Cooley's Anemia")
ほとんどがβ⁰/β⁰かβ⁰/β⁺の組み合わせによる発症です。つまり、β-chainの合成能力が全く無いか、皆無に近い状態、ということですね。これは最も深刻なタイプで、死に至る病気です。
酸素が全身に行き渡らない為、生後半年ほどから徐々にチアノーゼが出始め、食事を思うように食べてくれない、泣いてばかりいる、下痢、頻繁な発熱などの症状が見られます。
腹部が異常に膨れ上がる(↓)のもこの病気の「典型的なサイン」のひとつ。
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これは、β-chainを欠いたヘモグロビンを含む赤血球の寿命が非常に短く、
すぐ壊れてしまう(= hemolysis)ことから血液のフィルターの役目をするspleen (脾臓)、
そして赤血球の分解を担当するliver (肝臓)に大きな負担がかかってそれぞれが
肥大を起こすことに起因します。英語ではhepato/splenomegalyと呼ばれる現象ですね。

治療法としては、「常に輸血をし続ける」しかありません。
患者が作り出せる赤血球の全て、もしくはほどんとがまともに機能しないからです。
症状が極度に重い場合には、骨髄移植を行う場合もあります。
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もし適切な治療が行われなかったり、輸血が不十分だった場合には発育不全が起こり、蒼白や黄疸、下肢潰瘍にgenu valgum (X脚)、そして身体の所々にぼこっとしたmassができることがあります。これは、患者の身体が慢性酸素不足に対応しようと、血液細胞を過剰に作り出すためです。…残念ながら、問題はその血液細胞たちが正常に機能していないことにあるので、効果は無いのですが。これらの過剰な造血作用は骨髄でも起こり、結果骨髄そのものがどんどん膨らんで、Bone marrow hyperplasiaという現象を起こすことがあります。この影響で骨そのものが変形を起こし、長骨や頭蓋骨の変化を肉眼、そしてレントゲンでも確認することができます。顔の特徴としては、額や頬骨が突出し、鼻が広く潰れているという点が挙げられ、サラセミア様顔貌と呼ばれることもあります(↑)。
治療が不十分な場合、患者の余命は5~10年以下と決して長くありません。

そして、悲しいことに、適切な治療をしたからと言って、患者が完全に良くなるわけでもないのです。日常的な輸血の結果、その副作用として体内の鉄分値が上昇しすぎてしまう(= iron overload)からです。輸血1袋あたり約200mgの鉄分が含まれているのですが、人間の身体には鉄分を十分・迅速に排出するメカニズムが無く、そのプロセスは非常にゆっくりとしたもの。体内に新たに蓄積される量のほうが、排出量よりも多いため、徐々に体内の鉄分値が上昇し、身体に悪影響を与えます。発育不全(ここでも!)、心臓(拡張型心筋症や不整脈)、肝臓(肝硬変↓写真右や肝繊維症)や内分泌腺(糖尿病など)に異常をきたし、β-Thalassemia患者の死亡の71%は心臓関係の合併症によるものと報告されています。
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なので、「輸血をしながら、体内の鉄分を排除するChelating Therapy (キレート療法)も行わなければいけない」という、とっても面倒なことになります。輸血による肝炎やHIVの感染例も報告されており、とにかく治療するのが難しい病気と言えるでしょう。

β-Thalassemia Intermedia
一般的にはβ⁺/β⁺かβ⁰/βの組み合わせと言われていますが(つまり合成能力がかなり影響をされているけれども、全く出来ないわけじゃない、というレベル)、Intermediaの深刻度にはかなり開きがあり、MajorとIntermediaの区別は非常にしにくい場合もあるのだそう。診断の基準として、「常に輸血をしている必要がある場合はMajorと呼び、限定的な場合にのみ(感染症を起こした場合や、妊娠時等)輸血が必要な場合はIntermediaとする」ケースが多いようです。これもゆるい表現ですが、「Characterized by later and milder onset of the clinical symptoms of β-Thalassemia Major = Majorと似たような症状が、もう少し遅くの時期から、もう少し軽い重度で出る」という記述をよく見かけました。

β-Thalassemia Minor
これは、MajorやIntermediaとは違い、非常に軽度なThalassemiaです。
自覚症状はほとんど無く、軽い貧血と同様、疲労感等が出るくらい。
日常生活に支障はありませんし、運動もある程度ならば問題なく可能でしょう。
血液検査の結果が酷似していることから、鉄分欠乏症の貧血とよく誤診され、医者が鉄分のサプリメントを勧めてしまうことがあるのですが、これは治療法としては大間違い!鉄分欠乏の場合は鉄分を補給すれば症状が割とすぐに改善するのに対し、βーThalassemia Minorの場合は鉄分が不足しているわけではないので、鉄分過剰摂取を起こしてしまうことになります。

さて、ここからいよいよ本題である診断基準について書きたいのですが、
長くなってしまったので続きはまた今度!
スポーツをすることについてのリスクも絡めてまとめたいと思っています。
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  by supersy | 2012-09-26 19:30 | Athletic Training | Comments(2)

TFCC Injuryの評価基準とは その2。

昨日の続きです。

そんなわけで、TFCCの診断のテストは数多くあるものの(見つけた分だけ昨日紹介しましたが、
恐らくもっと色々とあることでしょう)、効果的なものは今のところ無し。
それじゃーどれを使えばいいんだよ?と思われている方もいるでしょう、実はとても優良なものをひとつだけ見つけました!それは何と以外にも、シンプルな触診なのです。

b0112009_234437.jpg- Ulnar Fovea Sign
Volar aspectで、Ulnar styloid processとFCU tendonの間にある"Soft spot"を親指で押し、そこにTendernessが無いか見るのみ。ここはTFCCでもFoveaと言われるDeep radioulnar ligamentがUlnaにattachしているtearの集中しやすい部位。この特定の場所での圧痛はTFCC Foveal disruptionかUT ligamentの損傷をindicateします。
統計を見ても、rule in & outに有効で非常に優秀な数字です。
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他の文献にはFovea signの触診の場所をVolarというかUlnar aspectと見なして紹介している(→写真右)ものもあったのですが(Sachar 2012)、上の統計を発表したオリジナルのarticle(Tay SC, Tomita K, Berger RA. The "ulnar fovea sign" for defining ulnar wrist pain: an analysis of sensitivity and specificity. J Hand Surg 2007;32A:438-444)ではvolar aspectと明記されている(↑写真上)ので、正式なものはvolar aspectなんだと勝手に思うことにしました。Sacharさんの記事もTayさんのOriginal articleを引用しているんでね。上の写真のほうが「完全オリジナル」ですね。ま、不安な方はどっちも触りゃーいいかもとも思うのですが。

ちなみに、(前回)冒頭の「手首の痛みとclickling」を訴えてきたという選手は、
触診ではvolarもulnar (medial)sideでも触診で痛みが無く、Tendernessはdorsal側のTFCCにのみ確認されたので、このUlnar fovea signは陰性。このテストはご覧の通り、特にrule outに優れていることから、私はこの患者のTFCCの可能性はほとんど無いと現在は考えています。
治療しつつ経過観察中。徐々に回復しつつあるので良かった。


Diagnostic Imaging
診断画像の観点から言うと、
一番に入手されるべきはPlan PA X-rayなんじゃないかな、と思いますね。
- X-Ray
レントゲンって、骨しか見えないんでしょ?骨折をrule outするという目的ならともかく、軟骨や靭帯の損傷を見るには全くもって非効率では?と思う方もいるかも知れませんが、ええ、もちろんTFCCそのものの損傷を見ようと思ってるわけじゃありません。でも、TFCC損傷のもうひとつのindicatorであるUlnar varianceの有無を確認するにはもってこいなんです!
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(↑)上の画像、イラストとレントゲン両方とも、左が通常(= Negative Ulnar Variance)、右がPositive Ulnar Varianceの状態を表しています。つまりDRUJにおいてUlnar HeadはRadiusに比べて少し下方に位置していなければいけない(= TFCCたちがゆったり座っていられるスペースが十分にある)のに対し、Positive Ulnar Varianceの患者ではUlnarの頭がぴょこりとRadiusから飛び出すように顔を出しており、そのためにTFCCが常に圧迫されやすく、故に損傷が起こりやすい、という状態が出来ていることを示します。

- In an ulnar neutral wrist, the ulnar carpus absorbs 18% of axial load. This increases to 42% when ulnar length is increased 2.5mm, and decreases to 4.3% when ulnar variance is decreased 2.5mm.

たった2.5mmで、手首の中でものすごいbiomechanical changesが起こることが分かりますね。
…で、故に、

- Wrist with ulnar (+) variance had a wider TFCC perforation as well as a higher incidence than those with ulnar zero or (-) variance.

なんだそうです。Ulnar varianceはforearm rotationによって変化するので(Pronationと共に増え、Supinationと共に減少します)、X-ray撮影時にはNeutralで撮ることが大切です。ちなみに、「PA X-rayでUlnar VarianceがPositiveだった場合、TFCC Perforationを予期できる可能性」を統計にすると、
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そして、「PA X-rayでUlnar Wrist Bonesにdegenerative changesが見られた場合、TFCC Perforationを予期できる可能性」は、
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なんだそうです。決して悪すぎる数字ではありませんね。結果的に、Plan PA X-rayは実用的で手っ取り早く、そして何より安いコストでTFCC Integrityを評価するのに効果があると言えます。

b0112009_23534858.png- Arthrography
Triple injection arthrographyは一時は有効とされていたのですが、accuracyが50%以下と数字が良くなく、近年ではトレンドから外されつつあります。Contrast液を関節に直接注射器で注入するのですが、例えば怪我に伴い関節包がthickeningを起こしていた場合などで、注射器の針が関節包を突き抜けることができずContract液が周りに漏れてしまい良い画像が得られなかった、等の失敗談が報告されています。
ちなみに、ちゃんと撮れた画像はこんな感じ(↑)。関節包内に注入された液が
損傷のある箇所から漏れることで、tearの存在を確認できます。

- MRI
MRIの使用はなかなかcontroversialのようで。統計からもそれが読み取れるかもしれません。
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…というのも、私MRIについてそこまで詳しくないので詳細はアレなんですが、MRIを撮る際に、細かく設定を色々いじれるみたいじゃないですか。で、やっぱり手首のほんの一部の、小さな部位の画像を撮るわけなので、荒く撮ってしまうと全然ダメ。丁寧に細かく見えるような設定で撮ると正確性も一気に上がるみたいなんです。上の数字にかなりバラつきがあるのは、それぞれの設定が全く違うものだから、みたいですね。研究によると、より正確な画像を得るには「High resolution with a microscopy coil, small (1mm) slices, small field of view (8cm)」が良いのだそう。

それでも"may not be as useful in determining the location of the tear (Ahn et al 2006)"や、it also does "not give any information on chondromalacic, synovitic, and degenerative changes (Pederzini et al 1992)"という記述を見ていると、投資する時間をお金の割には満足する情報を得られないことも多いのかも?そんな場合は、こちら(↓)のほうが好まれるのかも知れません。

- MRA (MR Arthrography)
下はSachar(2012)のまとめた統計ですが、モノによって幅があるものの、なかなかの数字。基本的には「MRAはMRIよりも優れている」というのが現在のコンセンサスのようです。肩のLabralや、膝のmeniscusと同じですね。注射針に恐怖症でもあるか、コントラスト液にアレルギーでも無い場合はこちらのほうが好ましいと断言してよいと思います。
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別の研究でも良い数値が。
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- Arthroscopy (内視鏡)
内視鏡が現在はreference standardとされています。損傷の程度・箇所・種類等間違いなく認識するには、直接見るのが一番ですものね。コストと時間がかかる、そしてinvasiveであるという点以外はやはりこれに勝るDiagnostic toolは無いようです。

そんなわけで、個人的にイメージできる診断の流れは:
 ● 痛みの箇所の特定(ulnar-sided pain vs others)
 ● Sup/pronationに伴う痛みやclicking
 ● 腫れはまず無い
     ↓
   TFCCの可能性が高まる
 ● Ulnar Fovea Signで、TFCCのTendernessの有無を確認
     ↓
   痛みがあれば、可能性は更に高まる。
   症状の出方にもよるが、performanceに支障がある場合、専門医にrefer

 ● 理想としては、Plan PA X-rayを撮ってUlnar varianceやDegenerationの有無を確認
 ● その上で、必要があればMRAやArthroscopyへ
という感じかなぁ、と思っています。もちろん、実際はこんなにシンプルじゃありません。
他の怪我もr/oしなきゃいけないし、臨機応変に、他のこともしっかりやりつつ、ですが。

私が触れなかったもので、皆さんが診断基準にしているようなこと、
または良い情報源となるarticle等ご存知の方がいましたらシェアしていただければ幸いです!
いやー、しかし、時間はかかったけど苦手意識は克服。
これからはTFCCの評価はもうちょっと自信を持って臨めそうです。
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  by supersy | 2012-09-09 11:00 | Athletic Training | Comments(4)

手首がパキパキ…。TFCC Injuryの評価基準とは。

怪我の評価をするにあたって、苦手意識がある部位とか種類、というものが、
だいぶ無くなってきたと思っていたんですけどねぇ…。

つい最近目にする機会があったもので、
Ulnar-side wrist pain + clickingという内容のcomplainがありました。
一番最初にTFCC!と頭に浮かんだのですが、
はて、TFCCのDiagnostic criteriaってどんなんだろ?
Tendinitis, tenosynovitis, bone contusionによるscar tissue、
capsuleのthickening諸々と区別するにはどうすんだろ??と思ってしまって。
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振り返ってみれば、TFCC Injuryを診断した経験がないんですよね。
授業でも上肢の評価を受け持っていないこともあり、きちんと調べたことがなかった。
てなわけで、良い機会なんで、文献を漁って調べまくりましたよう!以下がまとめです。

ちなみにTFCC = Triangular Fibrocartilage Complex、
日本語では三角線維軟骨複合体というそうです。ふくごうたいって、カッコいい!

History & Observation:
- 手首を親指側、小指側に真っ二つに分けたとして、どちらが痛い?と聞かれると、
 こっちが痛い、とすぐに小指側を指差す。
これはちょっと馬鹿みたいにも思えますが、「明らかなulna-sided pain」ということですね。うーん、どっちかっていうとこっち(小指側)、というのではなく、はっきりと区別のつく小指側。

- 手首のPronation/Supinationに伴う痛み、もしくはclicking(パキパキと音が鳴る)。
ここ、私が勘違いしてました。TFCCのCommon MOIは他の多くの手首の怪我と同じFOOSHと記憶していたので、
痛みやclickingもFlexion/Extensionで出るのかと思っていたんです。でも、Pronation/Supinationなんですね!
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↑この図を見ると意外と一目瞭然。手首をpronate/supinateすることによって、Distal palmar & dorsal (superficial) radioulnar ligamentsが派手に弛んだり引っ張られたり。tearがどこにあるのかにもよりますが、最も一般的であるClass 1Aの損傷が起こった場合、diskそのものがこれらの力によってかなり変形しそう→症状が出そうなことは、容易に想像がつきますよね。


- 腫れは一般的に見られないことが多い。
慢性的なケースではたまに腫れが出ることもあるようですが、まず無いと思ってよさそうです。
もちろん、骨折など付随している場合は別ですが。


Special Tests:
TFCCの診断に用いられるSpecial Test、調べたらボロボロ出てきましたよ。
- Ballottement Test / Reagan's Test

b0112009_22364621.jpgLunateとTriquetrumをそれぞれ掴み、Triquetrumを固定しつつLunateをAnt/Posteriorに動かしてlaxity, crepitus, painの有無と見る、というもの。
これはTFCCの軟骨部分というよりはLunotriquetral Ligament Integrityを診断するテストで、スタッツはこんな感じ(↓)。うーん、イマイチっすね。

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あとですね、追記をするならば多くの文献がこれらふたつのテストを「同一のもの」と扱っているのですが、中にはBallottement TestとRegan "Shuck" Testを区別して表記している論文もありました(i.e. Sachar K. Ulnar-sided wrist pain: evaluation and treatment of triangular fibrocartilage complex tears, ulnocarpal impaction syndrome, and lunotriquetral ligament tears. J Hand Surg 2012;37A:1489-1500)。これらの論文によれば、Ballottement Testは「TriquetrumをLunateにcompressする」テストであり、Regan "Shuck"は「Lunateをvolar/dorsalに動かしつつ、それ以外を逆方向に動かす」というテストなんだそう。固定をしないあたりとか、微妙に違うんですよね。

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- Kleinman "Shear" Test

このテストはReaganに比べてもっと「subtleな力を、よりどんぴしゃにLT jointにかける」テストなんだそう。親指をPisiformに置き、もう片方の手でLunate/Radiusを固定。Pisiformに対してvolar/dorsalのtransulationをする、と。このテストに関しては、ビデオも統計も見つからず。Positive testはLaxityとPain。


- Ulnomeniscotriquetral Dorsal Glide/ Piano Key Test

これも本や文献によって描写が色々異なる。…ううう。一番多かったものを元に書くと、Dorsal ulna (4cm proximal to DRUJあたり)に親指もしくは人差し指を置き、ピアノの鍵盤を叩くように下に押す。DRUJレベルでの痛みや、ピアノの鍵盤さながらのびよよよん、と大きく上に戻ってくる感覚(↓写真参照)があれば陽性。
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分かりやすいテストなんですけど、これまた統計はイマイチ。陽性テストの解釈に関しても、DRUJ Instabilityというものから、もっと直接的にTFCC tearだ、Triquetral Instabilityだ、というものから、様々。まず定義をもうちょっとはっきりさせてからstudyしないとわからんですね。

- Ulnocarpal Stress Test

このテストと、次のUlnar (TFCC) Grind Testはかなり似ているのでご注意。
Elbow 90° flexion, max ulnar deviationからAxial load + Supination/Pronation。
痛みが出れば陽性。痛みを伴わないclickingのみの場合は陰性とみなします。Nakamura氏(1997)の研究によれば、このテストはあくまでUlnocarpal pathologyをindentisyするのみで、TFCCからLT ligament tear、更にはWrist arthritisでもCartilaginous free bodyでも陽性が出るので、実情は「sensitive but not specific」。実用性はあんまり無さそうです。

b0112009_034243.jpg- Ulnar Grind Test / TFCC Grind Test
Wrist dorsiflexed (=extended?), axial load, ulnar deviationで、rotationをする、というのがこのテスト。Extensionが加わっている所が上のテストと異なるのと、最後の「rotation」には色々な解釈があるようで、Supination/Pronationをしたり、Figure-8をしていたりと幾つかのバリエーションを目にしました。Positive testはPainで、TFCC InjuryとDRUJ Instabilityの診断に有効。統計は無し。

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- DRUJ Stress Test
こちらは言ってしまえばシンプルなDistal Ulna/RadiusのJoint play。痛みを伴うlaxityがあれば、DRUJ Instability有り。
統計は無し。よって、効果は不明。



- Supination Lift Test

こちらは非常にシンプルなテスト。手のひらで机・もしくはExaminerの手を押し上げ、localized ulnar side pain or difficulty liftingが見られれば陽性。TFCC Injuryの可能性高し。

b0112009_02027.jpg- Press Test
最後に紹介するのが、Press test。肘掛のあるイスや、平らなベンチ等に患者を座らせ、両手を使って身体を押し上げ、立ち上がってもらう。Push off時に手首に痛みが出れば陽性、TFCC Injuryを示唆する。と。統計は限られてはいますが、こんな感じ(↓)。
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そんなわけで、色々なSpecial Testがありますが、上記のものは全てnot useful/needs more studyと言えるかと。果たして、TFCCに有効な診断基準は存在しないのか?長くなってしまったので、残りは次回に持ち越します!続く。
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  by supersy | 2012-09-08 08:00 | Athletic Training | Comments(0)

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