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遠征に次ぐ遠征 ― in Nacogdoches, Texas。

火曜日の朝から木曜日の朝までSan Marcos(母校のTexas State)へ遠征、
そして金曜日の朝から日曜日の朝までNacogdochesへ遠征。
もちろん合間に授業も教えつつ、テストや宿題を採点したり…いやー、疲労困憊です。

遠征が続いて寝不足だったからか、今朝、久しぶりに金縛りに会いました。
幸いなことに、変な感触はあっても(人に触られていたり、乗っかられたり)
霊的なものを見た経験はないので特に怖くはありません。
今回は、腕が肩の回りにからみついて、ぎゅぎゅっと締め付けられているような感覚と、
誰かがベッドの上をのしのし歩いている感覚がありました。
すっごく手の感触がリアルだったので、人間の脳ってなんてCreativeなんだ!
と感動しつつ、ふぬふぬ格闘して、やっと目が覚めました。

で。
以前に金縛りという現象についてまとめたこと(こちら)があるのでそれは割愛しますが、
英語では金縛りのことを"Old hag attack"と言う、とインターネットで見つけたので、
周りの学生に聞いてみたら「そんなの聞いたことない」んだそうです。
じゃあこういう現象のこと何て言うの?と尋ねると、
「Trance…かなぁ?」と、首を傾げられてしまいました。
医学用語はSleep paralysisみたいだけれども、
あんまり、口語英語でコレ!という単語はないみたいですね。
自分を追い詰めやすい、日本人に起こり易い特有の現象なんでしょうか。
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GA CoachのToyaに金縛りの話をしたらやっぱり彼女も聞いたことがなかったらしく、
「それはデーモンの仕業よ!」と意気込んで言われてしまいました。
クリスチャンならではの発想にちょっとびっくり。そうかぁ、デーモンかぁ!
「それなら私を締め付けてたやつと、歩き回ってたのと、2人に憑かれたなぁ」と、ほのぼのと会話。
それから移動中ことあるごとに、
「(脇腹を突いて)おおっと!うちのデーモンが粗相を!」とか、
「うちのデーモンが、Toyaのほうが好みだから、今夜はそっちにお邪魔するかもと」
と大笑いで話していたら、「私はちゃんとお祈りしてるから、デーモンなんか来ないもんねー」
だそうで、これまたクリスチャンらしく理由に驚きました。
横にいたコーチ(♀)は「こわいこわいこわいわたしはそのはなしきかないきかない」
と耳をふさいでいましたけどね(笑)。
さて、今日はデーモンさんたちおとなしくしてくれるといいなぁ。

そんなわけで、今日はバスで7時間移動で疲れたので、
早めに寝ることにします。皆様も良い夢を。
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レギュラーシーズンも残すところあと10試合。明日も頑張っていくぞぉ。
ふがー。
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  by supersy | 2012-01-27 22:30 | Athletic Training | Comments(0)

Diagnosing the Discoid Meniscus ― 円盤状半月板を診断するには。

以前「Discoid Meniscus。」という記事を書かせていただいたことがありましたが、
(うわ、もう3年も前になるのか…と日付を見て一人びっくり)
今回それについてさらに色々とArticleを読む機会があったのでまとめておきます。

前回、Discoid Meniscusというのは何なのか、どれだけの頻度で見られるものなのか、
そしてWatanabe Classificationについてもまとめさせていただきましたが、
実はMonllau et alがこれについてmodificationを提唱していたのを完全に見逃していました。彼らが提唱した新しいタイプ―Type 4は、Ring-shaped (リング状)のdiscoid meniscus。これは特にincomplete typeやBucklet -handle tearと誤診されるもこともよくあり、診断が特に難しいそうです。
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さて、本題です。今回はこのDiscoid Meniscusをどう診断すればいいのか?という観点から見ていきたいと思います。
もちろん、通常のMeniscal tear同様、最終的にはMRI/Arthroscopy、という流れになるのが自然ですが、それではどういった要素が私たちにDiscoid meniscusの可能性を考えさせるのでしょう?(なんか英語っぽい日本語。。。)

文献を漁るうちに幾つかDiagnostic Criteriaと呼べるものが見えてきたのですが、
1) No history of trauma (insidious onset)
  私が読んだ研究の中には、traumaをreportした患者数はゼロという記述がありました。
  全員が「(特に思い出すような原因も無く)だんだんと症状が出始めた」んだそうです。

2) Common Signs & Symptoms
  Diffuse/anterior knee pain (66%)
  Joint line tenderness (42-61%)
  Recurrent swelling (50%)
  Limp (25-48%)  等が割合からしてよくある症状。
  少数でLocking、Giving way, Clunk等もあったのですが、
  これらは決め手になると言っていいほどの数の患者さんには見られなかったそうです。
  役に立ちそうなMcMurray's Testもあら残念。Discoid持ちの患者さん308人中、
  たった28人(14%)の患者さんしか、Discoid Meniscusの有を正しく言い当てることが
  できませんでした。まぁ、このテストのSensitivity/Specificityを知っている人なら
  予想がつく結果でしょうけれども…。
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3) レントゲンは補助的に使うことが可能(↑)。
  Discoidがあってもレントゲンに全く異常が見られない(44%)こともあれば、
  Widening of lateral joint space (25%)
  Squaring of the lateral femoral condyle (11%)
  Cupping of lateral tibial condyle (9%) などがpredictive signになることも。
  ちなみに上のX-ray(↑)ではlateral joint spaceのwideningが確認できます。
  medialに比べて確実に広いし、骨のflatteningも見られる。
  まぁでも、メインのdiagnostic toolとして使うというよりは、
  Supplementalな意味で使う、という方が正しいですね。

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4) MRIのほうがMeniscusそのものを見られるため、より正確と言えば正確ですが、
  それでも31%のfalse-positive or negative resultsがAsikの研究では確認されました。
  うーむ、単純なMeniscal tearならともかく、DiscoidはわりかしMRIでも見難いのか??
  ちなみに、上のMRI(↑)ではdiscoid meniscusがはっきりと見えます。
  右側(medial)がきれいな三角なのに対し(これが普通)、
  左側(lateral)のほうが明らかに分厚く伸びており、三角形を成していないでしょ?

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5) それでは一番確実な診断方法は?…もちろん、Arthroscopy(内視鏡)ですね。
  もちろん、だからといってコスト的にも時間的にも、全ての患者の膝に
  内視鏡を突っ込むわけにはいかないですが、やっぱり診断としてはこれが一番正確です。
  なんたって、肉眼で半月板を確認できるんですからね。

ちなみに、私は今までDiscoid meniscusを抱えた選手を2人見てきましたが、
ひとりは韓国系カナダ人、もうひとりはCaucasianでした。…あまり参考にならないか。
MRIまでもが結構使えないかも、というのは良い情報。
常にこの(Discoid meniscus)可能性を忘れず、症状の出方がイマイチ自分の中でmake senseしないときには、いつでもdiscoidを疑えるよう引き出しの上に入れておきたいもんです。
まずは、suspectしないことには始まりませんからね!
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  by supersy | 2012-01-15 23:30 | Athletic Training | Comments(4)

これって足首の捻挫?骨折?― the Ottawa Ankle Rules。

急な更新なのに、マニアックな内容ですみません。
ちゃんと生きていますよ。

1月分のニュースレターを一週間ほど前に刊行しました!
今回の自分の中の目玉は、Ottawa Ankle Rulesの特集。
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これ、意外と知らないATCが多い…というか、私自身もUndergradでは教わった覚えがありません。
たぶん、文献でも読んでいて見つけたのが最初かな?
今回の記事を書くにあたり、新たに色々と文献をひっぱりだしていたら、
知らない発見もあって私自身とても勉強になりました。なので、ここでさくっとまとめておきます。

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皆さんはER(救急外来)に来る患者さんの10%が足首の捻挫だってご存知でしたか?

足首や足に痛みを抱えてERに来る患者さんの80-98%が病院でレントゲンを撮ることになります。
そのうち、実際に骨折を発見するケースは15%以下のみ。
つまり、85%の患者さんは、「ただの捻挫でした、大したコトありません」と医者に言ってもらうためだけに5-6時間という長い待ち時間をERで過ごし、高い値段をふっかけられてレントゲンを撮り…
ものすごい時間とお金を浪費しているわけです。

これはもっと効率良くならないもんだろうか?
医療の質を高く保ちつつ、かつ無駄なMedical referralを省く、
無駄なX-rayを撮らなくてもいいようにする。そんなガイドラインはできないもんだろうか?
そういう思いから生まれたのが、Ottawa Ankle Rules(OAR)なんです。
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まずは、
1、図解にあるようにA・B・C・Dの4つのbony landmarkを触診し、
  Bone tendernessが無いことを確認する。
  (→どれかひとつでも痛みがあればこの時点でX-ray)
  ちなみに、このdistal med/lat malleoliと、base of the 5th MT & navicularというのは
  traumatic fractureが非常に起こり易い部位なんですよね。
2、「怪我をした直後、歩くことはできた?」か聞く。
  この時、「歩くことができた」の定義は
  「他人の力を借りず、一人で4歩続けて歩けたか」ということ。足を引きずっていたりしてもOK。
  (→もし答えがYesならば、この時点でX-rayは必要ないと断定)
3、患者さんに、今目の前で歩いてもらう。
  同様に、「他人の力を借りず、一人で4歩続けて歩け」ているならばX-rayは必要無し
  前述の通り、足を引きずっていたりしてもOK。

このOAR※、統計的にはものすごい数字で、ほぼ100%のsensitivityがあり、
つまるところ、「この条件をどれも満たさなかった(4箇所のどこにも痛み無し&歩くことが出来る)場合、骨折はほぼ無い= no false negatives」と言っても良い、ということになります。
条件反射的にX-rayを撮る前に、OARをさささっとやることで、無駄なX-rayをかなり省ける、と。

しかし、唯一の欠点はspecificityが26.3-39.8%とわりかし低いこと。
つまり、「条件をひとつでも満たしたからといってX-rayを撮っても、やっぱり骨折を発見できない可能性は結構ある= still the high rate of false positives」という事実がつきまとうわけです。うーむー、だいぶ減らせてるけど、まだ無駄があるということですなぁ。

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これを改善するために、Leddy氏が考案した改定版がこちら(↑)、The Buffalo Rule (BR)。
何がそんなに変ったの?というと、OARのBony palpation A&Bであった、
「6cm Posterior edge or tip of medial & lateral malleoli」を、
「6cm posterior edge or tip」→「6cm mid-lines of med/lat malleoli」に変更したのみ。
CとDについては何も変更はありませんし、4歩歩けた/るか?という基準等もそのままです。
触診の位置が一部変った、というだけ。

これだけで、specificityが跳ね上がるんだから面白い!
26.3-39.8%から、45-59%まで上昇しました。まだまだ完璧ではありませんが、
ほんの少し触診の位置を変えるだけで、かなりfalse positiveの改善が見られたのです。
ちなみに、この変更のrationaleは、
「posterior edgeにはposterior ligamentsが色々attachしているんだし、
それらをsprainすればtendernessも出るだろう。それだけで判断するのはむつかしい。
骨折していれば、必ず骨折面はmid-lineをcrossするはず。だったら、mid-lineだけで十分なのではないか」ということだそうです。言われてみれば、非常に理に適っています。合理的!

ちなみに、統計としては、
OARを導入したことで、レントゲンにかかる費用が19-38%の削減が、BRでは54%もの削減が実現できたそうです!お金にして、毎年$18-90 millionというんだから大したもんです。
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私たちATCですらも、晴れ上がった足首を目の前にして、
これは、ただの捻挫だろうか、骨折も伴っているのか?うーん、可能性は否定できない…referするべきか…と悩んだ経験は誰もがあるはずです。
そんなときは是非BR(= also known as "the modified OAR")を実践してみてはいかがでしょうか?非常にシンプルで、2分もかからず済むはず。

これらの研究は、今学期のLower Evalの授業でも学生たちに教えようと思っています!
ちなみにメインで使ったResourceは、
1. Northup RL, Ragan BG, Bell, GW. The ottawa ankle rules and the "buffalo' rule, part 1.
  Athl Ther Today. 2005;10(1):56-9.
2. Northup RL, Ragan BG, Bell, GW. The ottawa ankle rules and the "buffalo' rule, part 2.
  Athl Ther Today. 2005;10(2):68-71.
特にPart 2のほうはお勧めです!短いし、読み易い!
現場で働くATCには一度は読んで頂きたいなぁと思います。


※ただし、1) 患者さんが妊娠している、2) 皮膚のみの怪我である、3) 他の医師から委託された患者である、4) 怪我から10日以上経っている、もしくは 5) 目に見えて変形している 場合は、OARは使ってはいけない、というexclusion criteriaがあります。
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  by supersy | 2012-01-13 23:30 | Athletic Training | Comments(5)

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