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またね。

私が担当していた選手が、携帯のやりとりで
“もうUNFを離れることにした。他の子にはまだ言わないで”と言ってきたのが昨日。
今日になって、春学期が始まってまだ2週間という時期なのにも関わらず、
荷物をまとめて実家に帰ってしまいました。
昨日の時点では、この学期の後にどこか他の学校に転校でもするのだろうかと思って
敢えて“そうか、分かったよ”としか返事せずに、深く聞かずにいたので、
コーチから今日発ってしまったと聞かされて、寝耳に水で本当にびっくりしました。

先学期から、自分の進退に関してとても悩んでいた選手だったので、
UNFを辞めるつもりと聞いたときは、寂しくなるけどそれが彼女の決断なら、と思っていました。
でもいきなり帰られてしまうなんて、さようならが言えなかった。
それだけが残念だったので、せめてもと思って携帯からメールを送りました。

今学期だけはいるのかと思ってた、今日発ってしまったんだってね。
さようならが言えなくて残念だったけど、いつでもあなたの幸せを祈ってますよ。
I will miss you!


書いて送ったら、しばらくして、長い返事が返ってきました。

もうとてもじゃないけどあそこにはいられなかったので、今日出てしまったの。
お別れを言えなくてごめんね。
でも、言うなら、さようならじゃなくて、またね、ってちゃんと言いたかった。
いつもいつもとても気にかけてくれて、私が必要なときにちゃんとそこに居てくれてありがとう。
I will miss you tons because, for me, you were more than just my trainer.
YOU WERE AND ARE MY FRIEND!
体に気をつけて、それじゃあ、またね。


思わず、涙。
あの子が悩んでいるときには、それをうんうんと聞くことしかできなくて、
結局私は何もできなかったのか、と心にぽっかり穴が開いた気分だったけれど、
この文章を読んで、そうじゃなかったのかも、と嬉しいのと、
それから、まだまだ彼女の活躍を傍で見ていたかった、という残念な気持ちと、
あの子は不器用だけど良い子だからなぁ、これからも良い事があの子に起こって欲しいなぁ、
という親心と。思い出と混ざり合って、何だか色々な思いがぐちゃぐちゃしてしまって。

でも。
選手とAthletic Trainerがbuddy buddyしてつるんで遊ぶのは違うと思うけど、
彼女が言ってくれた友達、という言葉の意味は、決してそんなんじゃない、
お互いがお互いを信頼してここまで築き上げてきた関係なのだと、私は分かるから。
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寂しくなるけど、またね。
長い人生でその線が交わることがまたきっとあるから。またそのときに。
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  by supersy | 2010-01-13 20:30 | Athletic Training | Comments(0)

極寒の水泳大会。

いやー、常夏のフロリダとはよく言ったもんで。
今年は全米規模で異常気象らしく、例年にない冷え込みが続いています。
ここ一週間は氷点下を下回る日が続き、Gainesville、Daytona、Orlando、そして何と
Tampaでも雪が降ったとか。なぜJacksonvilleだけ降らなかったのかしら?
どうせ寒いなら、せっかくだから雪が降ってくれたほうが楽しいのになー。

まぁそんなことは良いとして。
先日あったSwimming Meetの話をしたいと思います。
土曜日(1/8)、UNFがホストする水泳の大会がありました。
開始時間は夕方5時。水泳の大会にしては随分遅いほうです。
午後2時に出勤してトリートメントをし、よし、準備も整ってきた、というところで、
アシスタントコーチがAT roomに慌しくやってきました。む、どうしたのかな?と思ったら…
“相手チームのバスが故障して足止めを食ってるらしくて、大会の開始を7時にするって”
…まじっすか!7時とはこれまた遅いなぁ。

しかし、私も遠征先で交通事故に巻き込まれてギリギリ会場入り、なんてことも
したことがあるし、トラブルは起こるもんです。相手を恨んだって仕方ありません。
じゃあ、またトリートメントは改めてしなおそうね、ということで、
選手には6時に再集合が告げられました。

で、私は私でまた5時からトリートメント、ということにして、
カフェで小一時間勉強したあと再出勤。ストレッチなんかもひとりひとりやり直しです。
ようやく準備ができた、というところで、再集合の時間の6時になりました。
会場のプールへ行ってみると…うちの子たちはいるものの、まだ相手校の姿がありません。
…あれ。大丈夫かな。

同じく心配に思ったらしいうちのヘッドコーチが相手に連絡を入れると、
実はまだこの時点で60マイルも離れたところにいることが発覚。一時間かかるじゃーん。
いくらトラブルで遅れたのは仕方が無いとはいえ、連絡をちゃんとしてくれないのは困ります。
うちの子もそれに合わせて食事したり治療したり色々してるんですから。

b0112009_11232745.jpg結局相手チームは7時に到着し、大急ぎでウォームアップが行われ、7時半の大会開始となりました。やれやれ、外は真っ暗、随分気温も冷え込んできてます。驚くことに、プールのデッキで吐く息が白いんです。こんな、レストランのテラス席なんかにありそうなヒーター(←)がデッキにずらずらと並ぶ始末。ウォームアップを終えた選手の体からも、湯気が立ってるのが分かります。プールから出るとタオルに身を包み、ヒーターの下に集まってがたがた震える選手たち。こうまでしてやらなきゃいけないもんなのかしら?なんか、コントのようであります。

それだけではありません。以前水温の話をしたのを覚えてらっしゃるでしょうか?そう、うちのプールはここんとこ異様に水温が低く、選手たちも泣いて嫌がっているほど。一度は回復した78.8°Fという数字は何処へやら。最近の寒さでまた下降の一途を辿り、この日は74.4°Fにまで下がっていたのです。通常温水プールの温度は81~2°Fほど。USA Swimmingでは水温が78°F以下の時は大会を中止しなければいけないという規定があるそうですから、ええ、だいぶ非常識な水温です。NCAAの規則ではないので、今回中止にはなりませんでしたが、それでも両コーチが“この水温で大会をやってもいいです、了承します”という同意書にサインするというステップを踏まなければいけませんでした。こ…こうまでしてやらなきゃいけないもんなのかしら?

大会自体の進行は非常にスムーズで、各イベントさくさくと進み、
一時間ちょっとくらいで141-82というUNFの圧勝で無事に終了しました。
待ち時間のほうが長かったね、と選手と苦笑しましたが、それでも多くの子たちがいい雰囲気で
泳げていたので良かった!こんな状況でもしっかり集中できる選手たち、ちょっと尊敬します。
怪我を抱えていた子も、ほとんど怪我の影響も無く、それぞれ立派な泳ぎを披露してくれました。
“Sy! 今日私どうだった?見てくれた?頑張ったよー、タイム結構良かったの!”
とにこにこ報告に来てくれると、こっちも嬉しい!
来週は大きな大会が控えているだけに、これを大きなステップアップにできそうです。

そんなわけで、大会はバタバタしつつも何とか無事に終えることができました。
あとUNFでホストする大会はひとつ。と、Awayがふたつと、Conferenceです。
残すところ、実は一ヶ月くらいなんですよね。水泳のシーズンも。
週末も恐ろしいほど冷え込み、週の明けた今日は、なんと水温が73°Fにまで下がっていました。
びぇええええ、もうやだぁああああと揃って大騒ぎするうちの子たち。
いやいや、本当にいい加減可哀そうです。気管支炎とか、何人も出ちゃってるんですから。
幸い、コーチの温情で今日は短めの練習になりましたが、毎日そうもしてられないし、
かといって選手を次々と風邪や怪我に追い込んでしまっては、元も子もない。
ようやく今週は気温が徐々に上がっていくみたいなので、
それと一緒にプールもあったまってもらえたら、と切に切に願っています。

ぬ。私も私で、風邪をひかないようにしなければ!ごほごほ。
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  by supersy | 2010-01-11 21:00 | Athletic Training | Comments(0)

CoreにおけるCervical & Thoracic Spineの役目。

あうう…。
PESに引き続いて、現在はCSCSの資格勉強をしているんですけれども、
CSCSとはCertified Strength & Conditioning Specialistの略。
NSCA(National Strength and Conditioning Association)という組織が認定している資格であり、
まぁ、Strength & Conditioning Coach(筋トレ・コンディショニング専門コーチ)になる
アメリカではスタンダードとされている資格です。ちなみに、日本にもあります。
Strength Coachになろうとは思っていませんし、資格としてはどうしても欲しい!
というわけじゃないんですが、UndergradでもGrad schoolでもWeight Trainingの授業はこれでもかというほど履修してきており、取っていないのも不自然な資格に思えるんです。もうこの機会にやっつけてしまおう!と。もちろん他にも理由はあるんですけれども。

で、懐かしい例の教科書を引っ張り出して、
文字通りPESを取った翌日から勉強しているんですが…

この教科書、こんなにつまらなかったっけ?
ちょっと愕然。というか、PESと矛盾するコンセプトも少なくない。

この教科書を初めて読んだのは、まだFreshmanの時。
AT Programにも入っていませんでしたし、解剖学の知識も全く無い状態で、
たった一単位のWeight Trainingという授業を履修したときでした。
で、その授業のRequired Textbookがこれだったんですね。
つまり、この本、私が生まれて初めて読んだ、専門に関わる教科書、だったんです。
簡単だと言われていたクラスだったのですが、運悪く非常に厳しい先生を取ってしまい、
毎授業1チャプターを呼んで予習してこないとダメ。しかも、授業の始めに小テスト。
というのがポリシーな先生でした。
喰らいつく気持ちで必死に何時間もかけて各チャプターを読み、
自分なりにまとめ、理解して、授業に行っては小クイズを受け、たまに撃沈し、
これが一単位なんて割に合わない、と半泣きで勉強したのを覚えています。
だからというか、変な思い入れがあったのかもしれません。
何か、すごーく良いテキストだと思っていたんですよね。
あの頃は知識もなかっただけに、何が正しい情報で何が間違っている/古いとされているか、
当時は判断がつかなかったものが、今は随分見えるようになってきてしまっている
というのがあると思います。うーん、嬉しいんだか残念なんだか…。
書くチャプターをそれぞれの専門家が書く、という構成にもちょっと疑問を感じます。
最低限のことは分かってるんでしょ、という前提でそれぞれが書かれているため、
事実を並べ立てているだけで、そのlogicな説明がされておらず、話もあちこちに飛びまくり。
と、思えば同じ説明にまた何ページもかけてたりして。それについてはさっき読んだよぉ。
浅くて広い、という印象を受けます。うーーーーーむ。

そんなわけで、勉強しているのが正直つらいときがありますが、
やると決めたからには最後までやり遂げます。楽しいことばかりはやってられないさ。
でも変に時間をかけたくないから、集中して一気にやっちゃおうっと。
まだまだやりたい勉強はあるのだ。

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それにしてもPESが楽しすぎたのかもしれません。
パラパラとPESの内容を見返して改めて思います。
中でも素晴らしかったのがIntegrated Core Trainingのチャプター!
本来お金を払って勉強すべきことですので、書きすぎては良くないかなと思いますが、
ちょっとだけ皆さんとshareできたらと思います。

さて、Coreを定義しろ、と聞かれたら、
以前の私は迷わずLumbo-Pelvic-Hip Complexと言っていたと思います。
しかし、PES教材によればそれは違うんです。いや、不十分、というべきか。
“The core is defined as the lumbo-pelvic-hip complex, thoracic spine and cervical spine.”
そう、T-spineとC-spineも入るというのだから驚きです。
確かに、体の軸という意味では、頭蓋骨まで真っ直ぐに伸びた脊髄の一部ではありますけど…
それってそんなに大事なの?と、読んだ当初は疑問に思いました。
それに関してはあまり説明されぬまま、LPH Complexを中心に解説が進んでいくのですが、

まずはT-spineに関して。
T-spineがCoreに与える影響、という意味ではいくつかFactorはあるかなと思うのですが、
(例えばKyphosisやScoliosisがT-spineにあれば、T-spineで通常のmovementが起きない
→L-spineがその分compensateしなきゃいけなくなってくる、とか)
ここはalignmentという意味ではそういう異常が無いという前提で話します。
b0112009_1215968.jpg
T-spineにあるStructureで最もCoreに影響力のあるものといえば、
やっぱりThoracolumbar Fascia(TLF)かなと思います。
左図の、T-spineとL-spineからぐあーっと伸びている、
とにかくでっかくて白い物体がそうです。
蜘蛛の巣のようにわしゃわしゃと伸びた、Fiberの塊です。

でかいだけじゃありません。分厚くもあるんです。
実はこのFasciaは3層構造になっていて、anterior、middle、そしてposteriorに分類できます。Anterior Layerは最も薄く、Posterior layerが最も厚みがあります。Fascia自体はnon-contractileですが、多くの筋肉(具体的にはDeep erector spinae, multifidi, transverse abdominus, internal oblique, gluteus maximus, lattisimnus dorsi and quadratus lumborum)がこのFasciaにattachしているため、彼らが収縮することで、Thoracolumbar Fasciaにかかるtensionも変わってきます。
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上の図はThoracolumbar Fascia(青)のcross-sectionの図ですが、
それぞれの筋肉の位置とFasciaの関係がばっちり描かれた、素晴らしい絵だと思います。
さて。TLFにattachする数多くの筋肉の中でもInternal ObliqueとTransverse Abdominus
(図ではObliquus InternusとTransversus)はTLFのmiddle layerにattachしていて、
これらの筋肉がcontractすることで(頭の中で収縮させてみてください)TLF全体にtensionがかかります(ピンと張るでしょ?)。この状態ではLumbosacral junctionのtranslational/rotational stressが最小限に抑えられ、TLFが他の筋肉 + T&L-spineの動きを生み出す、安定した足場となり、理想的なsengmental stabilityを得ることが可能というわけです。
Thoracolumbar Fascia、コアを語る上では欠かすことの出来ない存在です。

そして、残るはC-spine。
ホント、C-spineなんて正直コアに何の関係があるのだろうと思っていました。
しかーし。私は間違っていました。えぇ、思いっきり間違っていましたとも。

コアエクササイズの途中に、
“はーい、ちゃんと頭はneutralにキープしてー。首曲げたり無理に伸ばしたりしなーい”
と、言ったり言われたりしたことありませんか?
私はTherapist側としてよく言ってはいたものの、何故言っていたのかと聞かれると、
姿勢が崩れているとどっかに負担がかかるし、なるべくMuscle balance/lengthが
自然なほうがチカラが一番発揮できるだろうから、と説明するに留まっていたと思います。
しかし、これにはもっと面白い理由もあったのです。
それは、Pelvo-occular Reflexと呼ばれる反射のしくみにあります。
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Sternocleidomastoid(胸鎖乳突筋筋)がhyperactiveで、
上部頚椎を伸展させ、且つ顎を前に突き出すような姿勢(↑図右)をしていると、
視線の高さをほぼ同じに保とうと、自然と骨盤がanterior tiltを起こすのだそうです。
英語で言えば、
If the sternocleidomastoid muscle is hyperactive & extends the upper cervical spine,
the pelvis will rotate anteriorly(↓図左) to realign the eyes. という解説です。
  C-spineがextendされる→eye levelが少し上がる
  反射としてanterior tiltも起こす→eye levelは少し下がる
で、結局プラスマイナスゼロにするってことなんですね。
そんなreflexがあったなんて知らなかったー!
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LPH Complexには約29もの筋肉がくっついています。
Anterior pelvic tiltが起こってしまうとLPH Complexにattachするそれらの筋肉たちが
それぞれ伸ばされたり縮まったりして長さが狂い、ほぼ全ての筋肉がdegreeこそ違えど
inhibitされて、最大限の力を発揮することができなくなります。
よって、muscle imbalanceやdecreased pelvic stabilizationが起こってしまうというわけです。
文字通り、C-spineの動きがLPH complexの機能に直結してくるなんて!
目から鱗です。

b0112009_11595924.jpg
  ※これらの写真はただの拾いものです。す、すんげぇー。
これはIntegrated Core Trainingのチャプターのほんの一部ですが、
こんな感じで、今まで教わったことが無い切り口でCoreを学べたのはとても刺激的でした。
資格取得はただの分かりやすい目標であり、別に資格を取るためだけに勉強してるわけじゃないんで、やっぱりこうして、うおぉぉおおおーー!と叫んじゃうような興奮する内容に出会えるのは嬉しいです。
CSCSもこっから面白くなる…と、いいな…。
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  by supersy | 2010-01-05 10:55 | Athletic Training | Comments(5)

謹賀新年。

あー、箱根駅伝今年も見られなかったなぁー。ぷす。
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さて、2日に水泳の大会も終了し、今日、日曜は待望の休みでした。
明日からはもうUNFは春学期が始まっちゃいます。早いなぁ。
とはいえ、通常営業のほうが2-a-daysよりは仕事という意味では楽になるので、
学校が始まってくれないと困ります。
ま、ヒトタビ学校が始まれば、また遠征も出てくるんですけどね。
シーズン後半頑張って乗り切るぞぉぉい。

年末年始無く働いている同業者の皆さん、
特にBowl Gameがあった方々は本当にお疲れさまです!
Winter Sportsで働いてる皆さん、3月までもうちょっと頑張りましょ!

さて、前回のエントリーは新年らしい内容ではなかったので、改めて。
皆さん、新年明けましておめでとうございます!
昨年は卒業に就職にと色々な方のチカラがあって乗り越えられた激動の一年間でした。
様々なoccasionでお会いできた方、遊んで頂いた先輩方・仲間たち、お世話になりました。
ありがとうございました。そして、今年も宜しくお願い致します。
今年こそは久しぶりに日本に帰りたいなぁ…というのは、目標にはならないのかな(笑)?
友達と無性にわいわい騒ぎたい。居酒屋でも行って。
今年も色んなことが起こりそうで、正直今は不安のほうが大きいのですが、
漠然としたものに圧倒されていてもしょうがないので、とりあえず一日一日、ひとつひとつ、
しっかり充実したものにして前に進んで行こうと思っています。
今年も強く強く、“Hard work will pay off”を信じて最善の努力を積み重ねていきます!
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こんな形で何ですが、これをもって新年の御挨拶/決意と代えさせて頂きたいと思います。
2010年が皆さんにとって、更なる飛躍の一年になりますように。



…あれ、今年ってなにどし(汗)?
(もはや日本に帰っても通用しないかもしれません…)
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  by supersy | 2010-01-03 19:00 | Comments(3)

久しぶりに惚れたアスリート。

いやぁ、ボウルゲームシーズンですね。
Bowl Gameというのは、レギュラーシーズン後に行われるFootballの試合のこと。
8月に始まったレギュラーシーズンが終了するのが12月始めで、
Bowl Gameは年末年始、詳しくは12月下旬から1月の第一週にかけて行われます。
ひとつひとつのBowl Gameには名前がついていて、
毎年元旦にCaliforniaで行われるRose Bowl、
今年は1月4日に行われるArizonaでのFiesta Bowlなど、約30のボウルゲームが存在します。
レギュラーシーズンでの成績が優秀だった大学のみが出場できるため、
Bowl Gameに出られることはその大学にとってひとつの名誉であり、
また、Seniorの選手にとっては最後の試合になりますから、大学を挙げた一大イベントです。

さて、中でも特に元旦には多くのBowl Gameが行われてるんですが、
私の出身であるUniversity of FloridaがSugar Bowlというボウルゲームに出ていたので、
今日はふんふんテレビで観戦していました。

UFはスポーツが非常に盛んな学校です。
SEC(Southeastern Conference)という全米トップレベルの大学が集まるカンファレンス内で
UFは様々なスポーツにおいて優勝していますし、
ここ5年間で男子バスケットボールとフットボールはそれぞれ2回も全米優勝をしています。
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中でも注目されているのがTim Tebow(↑)というFootball Player。
今年でSenior(4年生)で、ポジションは花形のQuarterback。
1年生から試合に出て全米優勝、2年生で全米の大学で最も優秀なFootball選手に贈られる
Heisman Trophyという賞を獲得。3年生で再びチームをNational Champに導き、
4年生になるこのシーズンはいよいよ最後!と、
シーズンを通してメディアでも最も騒がれてきた選手です。
ちなみに学校の成績も優秀です。

とは言え、ですね。私はというと、別にTebowに興味はなかったんです。
何か完璧で出来すぎてる感じだし、
流行りモノは基本的に嫌い、という単純な性格のせいでもあるんですけども(苦笑)。
そもそも私はGator Fanではないんです。
UF出身と言えど、大学院にはたった2年間しかいませんでしたし、
在学中も働いていた場所は高校でしたから、思い入れで言えば、個人的に会ったこともない
大学アスリートたちよりは、自分の高校の子供たちのほうが格段に可愛いし。

なので、
わーすごいねー、つよいんだねー、がんばっとるねー。ふーん。
くらいにしか思ってなかったんです。
見事なまでに、好きでもないし嫌いでもない、という。

でも、ここまで騒がれてきた彼はSeniorの年をどう終えるんだろう?と
何となく今年は興味が沸いて、シーズンを通して彼の言動を見る機会が増えたんですね。
そしたら。彼の、選手としてだけでなく、人間としての面が色々見えてきて、
今まで“ふーん”というか、どちらかと言うと“けっ”と思っていたTebowが、
どうしたらこんな良い子が育つんでしょ。おばさんはもう感激です!ってなくらい、
人間として尊敬するまでに至ってしまいました。
思い込んだら頑固なタイプの私が、こんなに意見を180度変えるのって珍しいんですけど。

周りの人間にあれだけ騒ぎ立てられ祭り上げられても自分自身の評価を狂わされること無く、
誰よりも自分自身に厳しく、それでいて、他人に対しては仏のような懐の広さと大らかさ。

なんだコイツ。
すげぇ!
って、衝撃を受けました。

有名なのがこの動画
2008年、シーズン開始から順調に勝ち続け、全米1位にランクされながら、
第4戦でノーランクの学校に30-31でまさかの敗戦を喫したときがありました。
その試合後のインタビューのものなのですが、
“最後にひとつ言いたいことがあります、ファンの皆さんに。
ごめんなさい。本当にごめんなさい。
無敗で勝ち通したかったし、勝つつもりでした。
でも、約束します。
これからこのシーズン、今まで誰も見たことが無いくらい、
アメリカ中の誰よりも一生懸命僕は練習に励みます。
これからこのシーズン、今まで誰も見たことが無いくらい、
僕はチームメイトを支え、喝を入れ、共に頑張っていきます。
これからこのシーズン、皆さんは今まで見たことがないようなチームを見ることになります。
God bless (皆さんに神の御加護がありますように)。”
そしてその言葉通り、このあとチームは一度も負けることなく、全米優勝を成し遂げるのです。

2009年の今シーズンは、脳震盪という大きな怪我に苦しんだりもしましたが、
レギュラーシーズン最終戦、12勝無敗の全米ランク1位で、
同じく無敗で全米ランク2位のUniversirty of Alabamaと
SEC Championshipのタイトルをかけての試合に臨みました。
UFの圧勝だろう、というのが大方の前評判でした。
しかし、そこで、信じられないような試合をして負けたのです。大敗です。
UFファンの誰もが目を覆いました。

試合直後の動画がこちらです。
“こういう形でシーズンを終えるつもりはなかったと思いますが、今どんな気持ちですか”
とリポーターに聞かれ、彼は涙をこらえながら、
“つらいです。でも、アラバマのコーチ、選手を心から称えます。それだけのことをしてきたチームです。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチーム、全てにおいて彼らが勝っていました。”
と、相手チームを賞賛したのです。
自分だって、勝つために全てのことをやってきた自負はあるはずです。それなのに、
They deserve everything they've got. I'm happy for them.
なんて、そんなことをカンファレンスチャンピオンシップゲームに負けた直後に言える
大学生アスリートが、一体何人いるでしょうか。
試合終了が決定的となったとき、
Gatorsをバカにするように騒いでいるAlabamaサイドラインと非常に対照的です。

Tebowがサイドラインで泣いている冒頭のシーンを、
フットボール選手が泣くなんてダサいぜ!とアンチGatorsはこれまたバカにして騒いでいましたが、
そういう人って何かに全てをかけて打ち込んだことってあるんでしょうか。
そしてそれが、最後の最後に叶わなかったときの気持ちを想像できないのかな。

彼らくらいの年は、というか、結構ヒトっていくつ年を取っても、
成功すればオレがオレがと自分を褒め、手柄を立てたがり、
失敗すればあいつがあいつがと他人を責める、そんなエゴは少なくないはずです。
しかし、彼がやってきたのはその間逆。しかも、4年間ブレることなく。
単純に、その精神力を、すごい、と思います。

こんなエピソードもあるんです。
将来はUFに行ってTebowのような選手になるんだ!と、
毎日高校でフットボールの練習に励んでいた15才の高校生がいたそうです。
しかし、不運なことに彼はフットボールの試合中に肝臓が破裂する大怪我を負い、
そのままその命を失ってしまいます。悲しみに暮れる両親は、せめて同じように頑張る高校生たちのためになれば、と、息子の名前をつけたTaylor Haugen Foundationという団体を作り、
信念を持って努力しているアスリートに奨学金などを送る活動を始めました。
その奨学金授与式に、プレゼンターとして現れたのがTebow本人。
“Taylorくんはこれだけの人の心を動かし、愛され、影響を与えた。
僕も彼のような人間になりたいです”
とまで言ったというのだから、もう、これを仏と呼ばずしてなんとする。
(本人は信仰深いクリスチャンなのですけど…)
このエピソードはESPNでも放送されました。興味のある方はこちら

彼のことを、プロレベルでは全然通用しない、大学が最盛期だ、というAnalystもいます。
そうかもしれません、そうでないかもしれません。
私は彼がプロでトップ選手になるか?と聞かれたら、やってみないと分かんないですよね、としか言えません。それは周りの人が決めばいいことです。私自身、これからの彼を見るのは楽しみではありますし、活躍してくれたら嬉しく思いますが、ある意味、そんなことはどうでもいいかな、とも思っています。Tebow自身が名声や勝利数を二の次に考え、そしてそんなことよりもどれだけの情熱を持っていたか、それをいかに捧げたかということで人に記憶されたい、という通り、今回私の中に、彼にinspireされた!強烈な記憶が私に刻み込まれました。

今シーズンは、アラバマに敗れて全米優勝が無くなり、大学としては不本意とも言える、
全米ランクを5位まで下げての今回のSugar Bowl出場でした。
しかし、その最後の舞台でTebowは大爆発。
全米ランク4位のCincinnatiを全く寄せ付けず、終始圧倒して51-24で勝利を収めました。
試合中のTebowはとても穏やかで、最後の一瞬までその空気を肌の全てで感じようと
しているようにも見えました。立派な、大学キャリアの締めくくり方でした。
なんだかこの数ヶ月、Tebowを通じて色々自分の生き方を考えさせられました。
そんな彼は、私が最近久しぶりに惚れ込んだアスリートです。
本人の耳に届くことはありませんが、ありがとう、と、お疲れさま、を送ります。
背負ってきた色々なものを下ろすときがきましたね。
勝ちも負けもひっくるめて、彼には、彼がUFでした全てのことを誇りに思ってもらいたいです。

もう一度、ありがとう!
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  by supersy | 2010-01-01 23:59 | Sports | Comments(0)

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