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睡眠を理解する。

前回、本当に久しぶりの更新だったんですけれども、
コメントもそうですが、電話やメールで色々リアクションを頂いて嬉しい限りです。
大学院に入ってからと言うもの、ゆっくりゆっくり進んでいるこのBlogですが、
皆さん懲りずにお付き合いいただけると幸いです(苦笑)。

さて、先日金縛りに生まれて初めて遭ったと書いたんですけれど、その反響も少なからずで
でしてですね。そうそう、ついでに言うと、実は最近夜上手に眠れなくて困ってるんです。
お陰で朝起きるのも辛いし、疲れも一日中引きずってしまうしで良いこと無しなんですが、
イマイチこう、打破する決定打が見つけられないというか…。もうトシかなぁ…。
まぁそれはともあれ、今回、金縛りってそういえば何でなるの?と聞かれたので、
この機会に金縛りと、睡眠そのものについて取り上げてみたいと思います。
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さーて、そんではまず健康的な睡眠のリズムについて。
睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠がある、というのは恐らく皆さん耳にしたことあると思います。
ヒトの一晩の睡眠をグラフにすると、こんな感じ(↓)になります。
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まずはそれぞれのサイクルの特徴を挙げてみましょう。
レム睡眠…浅い眠り。肉体的には寝ている(=筋肉の緊張は解けてだらりとしている)が、
  脳は覚醒に近い状態(時折筋肉が軽く痙攣したり、眼球がぐるぐると動いたりする)。
  レム(REM)という名前はこの急速眼球運動(Rapid Eye Movement)から来ている。
  御存知のようにヒトが夢を見るのはこのレム睡眠中で、
  脳波はθ波(4~7Hzの低い周波数)が主。レム睡眠中は体温は上昇する。
  自律神経系の活動が不安定となり、血圧・心拍・呼吸が上がったり不規則になることも。
  (原因不明の睡眠中突然死に関して、こうしたレム睡眠中の自律神経の乱れが
   原因となって心筋梗塞などを引き起こしていることがあると言う説がある)
  この時脳は起きて何をしているかと言うと、実はレム睡眠中に記憶や感情を整理し、
  その固定・消去を行なうという重要な役割を担っている。レム睡眠をとらないと
  学業の習得にも影響を及ぼし、成績と密接な関係があるという研究も多くある。

ノンレム睡眠…大脳が休息をしているため眠りは深く、
  少しの物音や軽く揺さぶられる等しても起きない。この状態で突然起こされても、
  大脳がまた活動を始めるまで少し時間がかかるため、所謂“寝ぼけた”状態になる。
  ノンレム睡眠でも実はヒトは夢を見ているらしいが、レム睡眠時ほど内容ははっきりせず、
  ほとんどの場合覚えていない。
  脳波はθ波より更に緩やかなδ波(1~3Hz)へ。呼吸・脈拍・血圧は落ち着き安定する。
  体表面の温度は上昇、発汗作用が活発になり、結果、体温は下がる。
  成長ホルモンの分泌、免疫増強作用などもこの時行なわれ、
  細胞の増殖・損傷に対する修復が起こる。メンテナンスメンテナンス。
  さらにその深さによって4段階に分けられる…が、これは長くなりそうなのでやめときます。

さて、上のグラフに戻りますが、ノンレム睡眠を経てレム睡眠に入るまでを睡眠一周期とし、
個人差はあるもののおよそ90分でひとサイクル巡ります。その際、レム睡眠が終わるごとに
ヒトの脳は覚醒に近づくわけですから、即ち90分ごとに目覚めやすくなるわけです。
だから、睡眠時間は一時間半周期でその○倍、に設定するのが、生理学的には
理に適っているわけです。例えば5時間寝るなら30分削って4時間半にするとか、
1時間寝るならもうちょっと増やして1時間半、とかですね。
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ちなみにこのレム・ノンレム睡眠の割合、年齢と共に変化していく(↓)ようで、
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年を取れば取るほどノンレム睡眠の割合は上がっていきます。つまり、全体の睡眠時間そのものは減少傾向にありますが、その眠りは深く充実したものである、ということが言えそうですね。
それにしても、ということは、赤ちゃんってきっと色んな夢を見てるんだろうなぁ。楽しそうだなぁ。
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今回色々写真検索をしていたら、こんな幸せそうなネコちゃん(↑)まで発見してしまいました(笑)。
金縛りの話までいかずに、長くなったので続きは明日!
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  by supersy | 2008-10-28 23:00 | Athletic Training | Comments(4)

Concussion After Concussion。

お久しぶりです。
FootballはRegular Season残すところあと2戦、Volleyballは来週からいよいよDistrict game、というところまで来ました。ここ2週間ほどMid-term(中間試験)の時期でもあり、文字通り一日一日を過ごすのがやっと、という状態でした。疲れすぎて人生初めての金縛りまで経験してしまいましたとも。
あれって本当にヒトに乗られてるみたいにずどーんと重くなるんですね、怖かったー…。
とりあえず来週のテストが終われば、テストラッシュは終了です。一息つけます!

さて、今週は木曜日にVarsityのfootballの試合がありました。
相手はGainesville High School。略してGHS。
BuchholzとGHSは、何といいますか、アメリカの大学で言えばFlorida vs Gerogia、日本で言えば早稲田と慶応、つまり、Gainesvilleを代表する巨大校同士のとんでもないライバル。Citizen's Fieldが超満員になるくらい観客で埋まるとか、お互い忌み嫌っているため乱闘が起こる可能性は充分にある、とか、そんな話を聞いていたので、興奮すると同時に不安でもありました。
選手、コーチはもちろん、AT Staffにとっても気合の入る一戦です。
アタリが普段よりひどくなるでしょうから、怪我の危険性も上がると考えていいでしょうしね。
GHSのATCは私のクラスメートなのですが、試合当日の朝、テストで彼女と鉢合わせると、
“Sy...Are you ready for the big game tonight?”とにやりと聞かれました。
“もちろん。乱闘とかないといいけどね。だってもしあったりしたらホラ、私がアナタをぼこぼこにしなきゃいけなくなるからさ。”と返して、お互い腹の探り合い。ふふふ。漫画だったら火花散ってます。

試合は、終始Buchholzリードで進むも、第4Qに入ってGHSが猛追を見せる。
31-28と3点差まで迫り迎えた残り2分、なおも逆転をかけて着々とボールを進めるGHS。
Touchdownを狙って投げた長いパスを、BuchholzがEndzoneでIntercept!!
見事に攻守をひっくり返し、そのままkill the clockして、薄氷の勝利を収めました!
いやー、いやー、これは嬉しかったなぁ。
(ちなみに今疑問に思ったんですが、Kill the clockって日本語ではどう表現したらいいのでしょう。スポーツにおいて、試合終盤、リードしているチームがボールを保持して、相手チームに対して無駄に時間を使わせ、攻撃のチャンスを与えることなくそのまま逃げ切って勝つ、みたいな意味なんですけども)

ちなみに試合中、Sy!!!と呼ばれて振り返ると、Hawthorneのコドモタチが試合を見に来てくれていました。Buchholz嫌いなのに、こっちの観客席に来てくれてありがとう(笑)。

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さて、この試合、一度もFieldに走ることなく終わったのですが、
誰にも何もなかったわけではなくて、Concussion(脳震盪)がひとり出ました。
前半終了間際に頭を打ったらしいある選手。ハーフタイムにロッカールームで吐き出してしまいました。過保護な親御さんのパワーで、試合途中に家に帰って行きましたとさ。って、オイ!

このConcussion、今学期とても多いです。ここまでで、軽いものから重いものまで、9人は出ました。去年、Hawthorneではほぼ皆無だったので、本当に良い経験になっています。
お陰でかなり詳しくなってしまいました。
Concussionの症状として一般的なものは頭痛、眩暈、吐き気なんかがありますが、
他にも記憶障害、聴覚障害、視覚障害、バランス感覚の低下、集中力の低下、性格の変化(普段大人しいコが突然乱暴な言葉を使い出したり、言うことを聞かなくなったり…)が出たりすることもあるのです。全てを司る脳に衝撃が行くわけですからね、症状もヒトクチには括りきれないのです。
せっかくなので、私が経験したちょっとユニークなConcussionのケースを紹介します。
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●覚えてない。
記憶障害は、大別してこの2つに分類されます。
  Retrograde Amnesia (逆行性健忘)…怪我以前の記憶を失う
  Anterograde Amnesia (前向性健忘)…怪我の後の記憶を失う
個人的にはRetrogradeのほうは非常に分かりやすいと思うんですよね。
例えば、よくあるのが選手が頭をごちーんとぶつけて倒れて、目をぱちくりさせて、
“あれ?今オレ何で倒れてるの?何があったの?”みたいなやつです。
“今日の日付は?”や、“今日の対戦相手は?”といった質問で確認することができます。

一方、Anterogradeは私にとって不可解というか何というか、初めて授業で習ったときから腑に落ちない部分があったんですよね。だって、Concussionを起こした時点で、意識ははっきりしている、質問にも受け答えができる、時間軸ははっきりつながっている…にも関わらず、時間が経つにつれ、問題なく形成されたはずの記憶が溶けるようになくなってしまう。何で?Concussionの後何分間くらいの記憶が、どの段階で失われてしまうの?Short-termからLong-term Memoryに切り替わる時点で失われてしまうのかな?イマイチ、メカニズムが分からないからイメージしにくいんですよね。

ところがこのAnterograde、実際に起こったんです。
時は数週間前、Footballの試合にて。ひとりの選手が派手なhead-to-headのhitを喰らってFieldに倒れこみました。私が駆けつけた時点では彼はパニック状態にあり、質問をしてもはわはわしてちゃんと答えられない様子。落ち着かせて、Neck & Spine injuryをrule outしたあとに、ゆっくり起こして、ゆっくりゆっくりサイドラインへ歩いていく頃には彼も大分落ち着いて、“じゃあ一年の月の名前を12月から逆に言ってみて”等の質問にも答えることが出来ました。数々のテストの結果、症状は軽い頭痛のみ。ただ、ベンチに座っている彼は魂が抜けたようにぼーっとしていて、ココロここにあらずといった感じ。この試合これ以上のプレーは危険と判断し、その旨をコーチに伝え、親御さんにも説明し、乗り切ったわけなんですが。

そのまま週末に突入。緊急の連絡は週末の間なかったため、回復しているかなと祈りつつ、
仕事に向かった週明けの月曜日。ATRに姿を現した彼は生気を取り戻していて元気そうでした。
“週末頭痛は全くなかった”という彼。おおー、それは良かった、と言うと、
“でもね、金曜日の夜のことはあんまり覚えてないんだ。俺はFieldに倒れていたのは1分くらいだったように思うけど、皆は10分近かったっていうし、どうやってサイドラインに行ったか分かんないし、Sy、俺に色々質問したんだよね?それも覚えてない。ハーフタイムロッカールームにいったのとか、後半立ち上がってちょっと歩いて、サイドラインから応援してたのは覚えてるんだけど、止まってたときのことはあんまり覚えてないんだ”
おおっ、これが、これが、あの噂のAnterogradeですかっ。
“そもそもあの日どうやって帰ったんだろう…”
“お母様が迎えに来てくれたんだよ。
バスで皆で一緒にここへ戻ってきて、それから自分ロッカールームに行ったでしょ。で、お母様とふたりでここへ来て、またちょっと色々テストして、で、気をつけてねって別れたじゃない”
“わ、そうなんだ、全然覚えてないや”

まぁでもこういう症状が出ることもあるのよ。気持ち悪いとは思うけど、想定の範囲内ではあるからさ、と説明して、“土曜日の朝とか昼、日曜日、それから今日の出来事に関してはどう?”
と聞いてみると、“うーん、多分全部覚えてるとは思うけど…”
“…そうだよね、何か覚えてないことある?っていうのも、変な質問だよね…”
意外にAnterogradeのevalは難しいことが判明(笑)。
食べた食事とか、授業の内容とかは聞けるけど、彼の行動をそもそも私が把握できてるわけ
じゃないから、細かい記憶が抜け落ちてても見落としちゃう可能性はあるよなぁ。
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こういったAmnesiaは記憶を司るMedial temporal lobe(特にhippocampus)への衝撃と深い関わりがあるとされていますが、まだまだ未解明なところもあります。とりあえず時間があるときにAnterograde Amnesiaに関してだけでも記事を集めてもうちょっと調べてみたいなぁー。

●眠い。
Varsity Footballの練習中、Freshman Footballから頭を打った選手がいると連絡が入り、
急遽練習場へ。30分間隔で頭痛が悪化したり良くなったりを繰り返していたのですが、
実は彼の一番のComplaintは“どうしようもなく眠い”でした。

普段は主にVarsity Footballの練習についている私。時間を作ってはJVやFreshmanにも顔を出すようにしていますが、彼らの練習場所はVarsityの練習するFiledから歩いて10分くらいの少し離れたところ。そう気軽に行き来できるわけでもなくて、Varsityほど付きっ切りになれないのも事実。Freshman・JV合わせて70-80人ほど沢山のコドモがプレー中で、それこそ顔を知らないコもいたりするのです。この彼も、例に漏れずこれが初対面でした。
話しながらまず思ったのは、何て舌足らずに喋るコなんでしょう、ってこと(笑)。
このまったりした性格も元々なんだろうか…。比べるものがないって、困る。
Baselineの情報の欠如は場合によっては致命的なのです。うーむ、わからん!
ただ、その眠気はハンパじゃないらしく、話していても会話が数秒途切れると、すぅっと眠りに落ちてしまう。その度に指をパチンと鳴らして、“こらー、stay with me”と声をかけないといけない。
とにかくどうしようもないくらい眠くなる、なんていう症状を見たのは初めてでちょっとドキドキ。
別に“このまま寝たら死んでしまう!”というほど危険なものではなく、恐らく一時的なのだろうとは思ったのですが、家族に引き渡す前に寝られても困ります。
親御さんに事情を説明して、instructionも書面で伝授。
“Concussionのときは寝かせてはダメなんですよね?”と聞かれたので、
“いえいえ、昔は“2時間ごとに起こしてチェック”と言われていましたが、そのガイドラインはもう廃止になりました。このまま寝かせて大丈夫ですので、誰か彼を常に見ておけるようにしていてください。今日は夜10時までは、起こさなくて構いませんから、息をしていることだけ時々確認してもらえれば。10時以降は普通に寝かせてしまっていいですから”と答えました。

そうなんです、今年になってチームドクターから聞いて初めて知ったんですけど、
“2時間ごとに起こしてチェック”っていうの、無くなったんですよ。ご存知でした?
夜中に何度も起こされても、不機嫌だし、意識は朦朧としてるし、正確なチェックはできないだろうということと、カラダも脳も休ませてあげたほうがいいということだそうで。

ちなみに彼は現在は元気に復帰。あれ以来すっかり懐いてしまって、
今でも時々ATRに顔を出しにきてくれます。もにゃもにゃ喋るのは元々だったようですが、
彼は本来、“僕ってあんまり寝ないの。だって寝る時間って無駄じゃない?
せっかく何かできるのにもったいないよ!”というHyperactiveな性格のようで、
“でもあのときは本当にどうしようもないくらい眠かったー!!”
“だよねぇ、ウチらも必死で起こしてたもの、起きろぉー、起きろぉー、ってさ”
と、今では良い笑い話になってます。

●まぁとにかく、なんでもアリ。
Concussionに関して、こんなエピソードも耳にしました。
“英語とポルトガル語を話せるブラジル人がConcussionを起こし、英語を話す能力を失ってしまった。Evalをしようとした彼のATCはポルトガル語が話せなかったため、通訳を介さなければコミュニケーションを取れなくなってしまった”というもの。
授業の合間にバイリンガルトリオ(Ami, Kris, と私)で私たちはどっちを無くすかねぇ、
という話題でちょっと盛り上がったのですが、100%日本人にして、小さい頃から
海外暮らしをしていた生まれながらのバイリンガル・Amiちゃんは“どっちか全然分からない”。
フィリピン人の血を引くカナダ人のKris(見た目は完全にAsian)は、
“Filipinoだろうなぁ、そもそも完全には話せないし”。私は…間違いなく英語でしょうね。
以前みたいに“寝起きで英語が話せない”とか“疲れすぎて思考回路が停止すると英語で会話ができなくなる”といった現象は無くなったものの、やっぱり生まれてからずっと使ってきた日本語と、高校出てから本格的に話すようになった英語とでは違うんですよね。今脳震盪起こしてそうなっちゃったら困るなぁ。仕事もできないし、授業も理解できないし、TVも映画も見られないし、買い物にも行けないなぁ…。
使い物にならないじゃないか…。とりあえず、頭ぶつけないように気をつけます。

まぁそんなわけで、とりあえずConcussionには要注意、というハナシでした。
長くなったのでここらへんで!
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  by supersy | 2008-10-25 23:59 | Athletic Training | Comments(7)

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