カテゴリ:Athletic Training( 425 )

 

IMAGINATION...it doesn't cost.

前回の更新のあとメールやメッセージを下さった方、本当にありがとうございます。
苦労自慢をしようと思ったわけではなくて、高校の現実ってこんな感じなんですよ、ってことを伝えたかったのですが、それでも頑張ったねと言ってもらえると何だかほっとします。

そうそう、ひとつだけ書き足しておきたいというか、前回の続きというか、
高校で働くということについてちょっと書いておこうかな、と思うことがもうひとつあります。
それはですね、高校で働き始めてめっちゃめちゃ上達したことがひとつあるんです。
ヒント1。Undergrad時代にはほとんどやらなかったことです。
ヒント2。想像力がキーです。
ヒント3。この能力、高校トレーナーだからこそ必要になってきます。
ヒント4。小さい頃ハサミで折り紙をちょきちょき切って遊んでいたのがこんな所で役に立つとは…。

どどん、答え言っちゃいましょう。
それは、素材を加工してお手製のpadを作ること!
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私がHawthorne High Schoolに初めて出向いた日に、そのAthletic Training Roomで目に付いたのが沢山のFoam Padding(↑)やフェルト生地。厚さや硬さがそれぞれ異なり、色々な種類があります。Tx Stateやプロでインターンした時にはほとんど見たことが無いものたちだったので、コレはどういう風に有効活用するもんなんだろう?Padなんてそんなに要るのかな?と疑問に思ったのですが、その謎はすぐに解けました。

うちの高校はお金があるほうではありません。
つまり、例えば、選手がカラダを強打して派手なアザが出来たりぼっこり腫れたりしたとしましょう。
大学やプロのチームなら、“はい、コレ”とクッションの入ったサポーターをストックの中から引っ張り出して選手にあげればいい。でも、ここにはそんなものはありません。自分で選手に合うパッドを数ある素材の中から選んで、加工して、テープで固定して、言うなればお手製サポーターを作ってあげないといけないわけです。

Bone bruise、親指のUCL sprain、Turf toe、Elbow bursitis、etc etc...
動きをがっつり制限したいけどテープのみでは強度が足りないときとか、衝撃を吸収するクッションがどうしても必要なときにこのFoamたちを引っ張り出してきて、むー、こうしたらいいかな?と試行錯誤してちょきちょき切って、部位に当ててみて、よし、これでどうじゃー!と選手を送り出したことがこの一年間で多々ありました。結構作るもの皆選手は気に入ってくれて、こういうのって教わらなくても想像力で何とかなるもんなのね、と思っています。何ていうか、作り方知らなくても理屈で考えればいいんです。解剖学的に考えて、この動きを制限したいんだからこのへんに邪魔があればいいんじゃない、とか、この部位に変なpressureが掛からないようにしたいんだから、この周りをfoamで持ち上げてやればいいんじゃない、とか。

例えば、つい最近ですが、足が痛い、と来た選手がいて。
足の裏の、丁度2nd metatarsal headくらいがcallus(タコ)のできかけのように厚くなりはじめていて、とにかくそこに体重をかけると痛いというんです。幸いmetatarsalgiaとか神経系ではなかったので、単純にこの部位にかかるストレスを減らさないといけない。とにかく充分なクッションが必要だなー、何でこんなことになったのかしら?と靴や靴底をよく見てみると、靴は本人も覚えていないくらい長く使って柔らかくなっているし、insoleもbig toeから1st metatarsal headにかけてがかなり磨り減っていて無いも同然、全体的にも随分傷んでいる。
“こりゃー新しいcleats買った方がいいよー。せめてinsoleは変えないと。”
と言ってみても、そんなお金ないもん…としょんぼり言われてしまうとどうしようもありません。
むむ、これは何とかしてやるしかないじゃないか。Foamで何とかできるかな?
比較的薄めのFoamをドーナツ型に切って、その上から更にスポンジを切って当ててやり、
2層のpadを作ってくるくる足の裏にテープで巻いてやりました。
それまで、“今日は練習できないよぅ”とぶーぶー言っていたコも、“あ、良くなった”としっかりした顔付きになり、練習に飛び出していきました。このpaddingはこれからこのコのルーティーンになりそうです…彼が新しいスパイクを手に入れるまでは(苦笑)。

あるもので何とかしなきゃいけない。
どこに行ってもこれは変えられない事実ですが、特にBig Budgetの無い高校ではこれが現実です。医者に診せなきゃいけないと思う怪我だって、親御さんが“保険がないから連れて行けない”と言えばそれはもう私が何とかするしかない。サポーターを買うのを勧めたって、新しい靴が必要だって、それを選手が買えないなら私があるモノで何とかするしかない。今何が手元にある?これでどんなことができそう?とにかく色々想像してみる。Imaginationがモノを言います。

Hawthorneに初めて出向いた日。それまで大学でぬくぬく育ってきた私は、高校の小さなAT roomを見て、何のmodalityもないのを見て、とにかくその全てにががんと衝撃を受けました。
ほ、本当にここでやっていくの?一年も?頼むから冗談だと言って、とすら思いましたもん。
でもね、まだ昨日のことのように覚えています。
その帰り道、運転しながら、いや、これはきっと冗談じゃないよなぁ、とゆっくり噛み締めて、
ここで何が出来るかが問われているんじゃないか。
ここで何が出来るかが自分のAthletic trainerとしての本当の真価なんじゃないか。
E-stimが無きゃトリートメント出来ません、Taping tableがなきゃテープできません、
Swiss ballがなきゃリハビリできません、ゴルフカートがなきゃ練習のセットアップできません、
そんなAthletic trainerになったところでどうしようもないじゃないか、と思ったんです。
自分のトレーナー像がそんなものじゃないってこと、これから一年かけて、
他でもないHawthorneで証明しよう、と帰り道に強く強く決意したんです。

Foam padding作りが上手くなったのも、その決心の賜物と言うか何というか。新しいtape jobも幾つか開発しましたし、ストレッチやリハビリもここに来てから色々とヒネリを加えました。
持てる知識と持てる物理的道具を最大限に混ぜ合わせてImaginationで膨らませていけば、
結構乗り切れる状況って多いもんです。全ては自分次第です。ひとりで働いてりゃある意味
好きなことできちゃうんですから。無責任にやっていいって意味じゃもちろんないですけれども。
何コレちょっと面倒見切れない!無理!と赤旗を上げる前に、アナタの想像力にちょっと問いかけてみて下さい。常識も必要ならば取っ払いましょう。突破口は意外なところにあるかも知れませんよ?
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  by supersy | 2008-05-11 23:59 | Athletic Training | Comments(0)

高校で働くということ。

学期が終わって仕事だけになれば少し楽になるかと思っていたら、
実はそうでもなくて結局ドタバタした毎日を送っています。
やっぱりFootballはどのスポーツよりdemanding。
練習中も走り回ってなければいけないので、一日が終わると体力的に疲れが来ます。
良い運動になるのでいーんですけどね。

一年間(正確に言うと10ヶ月弱)高校という自分にとって新しい場所で働いてきて思ったことが幾つかあるので、高校で働くことに興味がある!というヒトにも無いヒトにも、知っておくことは損にならないハズですのでちょっと書き残しておきたいと思います。

●モードの切り替えがとっても大事!
Footballのシーズン中は、起こる怪我の種類や求められる仕事のスピードがintenseなので、ギアを上げて常にスイッチをonにしておかなければいけません。状況を先読みし、全て先回りするくらいの気持ちで動かないといけないと思うんですよね。
でもBasketballやSoccer、Baseball、Softballのシーズン中は拘束時間が長いので、逆に上手くスイッチを切る能力が必要になってきます。TrackやWeightliftingのMeetも一日かかるので同じ。丸一日ずーっとスイッチ入れてたら気が滅入っちゃうんですよね。節約モードにしていい時はする!というのが仕事の質を保つコツみたいです。
そういう意味で、Undergrad時代に色んなスポーツで色んなリズムを経験できたのは本当に役立ちました。あるじゃないですか、それぞれのスポーツの“色”って。カメレオンのように臨機応変にその“色”を変化させるチカラはやっぱり大事ですね、ここで生きていく上で。

●時間を追いかける。
時間に追われるのは簡単ですが、時間を追いかけるようでないと複雑なスケジュールはこなせません。つまり、時間の逆算が狂い無くできないといけないんです。
例えば。一番キツかった日といえば、一日ホームゲームが5試合あった日がありました。
サッカー2試合、バスケットボール3試合。サッカーは高校から車で2分のFieldで、バスケットボールの試合は体育館でと、ちょっと離れた場所で行なわれ、それぞれの試合は5時開始。

どーせーっちゅーんじゃい!!

と地団駄を踏みたくなったんですけど、そこはぐっとこらえてとにかくこの一日を平和に乗り切らないといけません。試合のカバーもてんてこまいですが、Athletic Trainerが一番忙しいのは試合前。5チーム分の選手のテーピングやらストレッチやらをしなければいけないし、試合のセットアップも遅れることなく完璧にこなさなくてはなりません。時間軸の把握が非常に重要になってきます。
     Basketball                 Soccer
  5:00 JV Boys                  5:00 Girls
  6:30 Varsity Girls                7:00 Boys
  8:00 Varsity Boys
という流れだったんですけども、サッカーは試合開始1時間前には選手がFieldに集合してアップを始めます。バスケットは、40分前くらいとちょっと遅め。アップ開始前に選手達は私のところにtreatmentを受けに来るので、つまり、3:30くらいには私はAT roomにいてサッカーの選手を待ち構えてるくらいの状態でいないといけません。で。それまでに試合のset upは終えていないといけないから、つまり3時までには全てのcoolerとbottleをfill upし、サッカーフィールドと体育館にそれぞれdropしに行く必要が出てくるわけです。えぇもちろんサッカーフィールドまでは自分の車を出して持って行きます。

更に。試合に必要な5つのcoolerとice chest1個、24本のウォーターボトルを準備するのに、
約40分はかかります。つまり、2:20には動き出さなければいけません。
余裕を持って全て逆算しないとその後全てに影響出ちゃいますからね。

こうして綿密に計算をして動いても、予想外の仕事が飛びこんでくることも多々あります。
オフシーズンの選手がトリートメントにやってきたり、ADやコーチから“これを確認取って欲しいんだけど…”と頼まれたり。さらに、仕事を全てスムーズに運ぶためには引いておかなければいけない伏線も多く、例えば、サッカーの選手は“Syは試合の時にはフィールドにいる”のが普通だと思っているので、“今日はそっちには行けない”ということを前もって選手全員に伝えておかなければいけません。じゃないと、フィールドに着いた選手が体育館の私に電話してきて、“Sy、テープして欲しいんだけど今日はいつこっちに来るの?まだ?”なんてことになりかねません。“この日はテーピングやストレッチはAT Roomに来てね!”と口すっぱく一週間くらい前から言っておかないと(高校生は一回言ったくらいじゃすぐ忘れるので何度も言っておかないと)、致命的な時間的ロスを生みます。前準備はこの段階から始まっているわけです。

さて、準備も終わっていよいよ試合開始。とりあえずカラダはひとつしかないので、AD、それぞれのコーチと相談してこの日は観客の多いバスケットの試合のほうにいることにしていました。
サッカーのコーチには、試合で何かあったら電話で連絡ください、という感じで。

無事に試合が始まっても、のんびり観戦していられるわけじゃありません。
バスケットの試合だけでも3試合あるわけですから、バスケットの第1試合・JV Boysの第1Qが終わる頃には第2試合・Varsity Girlsのコたちを捕まえて、“そろそろテーピング&ストレッチするぞっ”とAT Roomに引っ張っていかないといけません。コドモたちは試合をぽけっと見ていたりして時間を気にしていない場合が多く、ギリギリにならないと現れなかったりするので、テーピングなりストレッチなりが必要なコはこっちが把握して声をかけないと私が後手後手になって後で慌てることになります。何事も先読み先読みです。

で。そんな中、バスケットの試合中に鳴り響く私の携帯。サッカーの試合で怪我発生。
ちょっと行ってきます、とサッカーフィールドまで運転していって、あれこれと選手の世話。
結構大変な怪我だったので、選手の親御さんともお話しして、それでもやっと何とか一息、
というところでバスケットのコーチから電話。バスケットの試合で怪我発生です。
体育館まで急いで運転して戻って、また怪我の評価。アイスバッグを作って、今度こそ一息…
と思ったら、その頃にはVarsity Boysの選手が“Syー、テープして!” “ストレッチして!”とわいわい来るわけです。Varsity Boysが一番手が掛かるので、念入りに皆面倒を見てあげないといけません。それだけではありません、相手チームの面倒だって見ないといけないのです。相手コーチには試合前に“初めまして、HawthorneのAthletic TrainerのSyと申します、何か必要だったらいつでも声をかけてください”と挨拶しないといけないし、相手チームの選手が怪我をしたらそれも処置しなければいけません。まー、まさにスプラッタ事件のときがそうでしたが。

もう、正直半泣きでした。この日は(笑)。
10時近くに全ての試合が終了したときは、さすがにお疲れ、自分、と思いました。

●1にコミュニケーション、2にコミュニケーション。
自分の練ったスケジュールを正確にこなすためにも、コミュニケーションが大事になってきます。
例えば、選手に前もって“この日はフィールドに行けないからトリートメントはAT Roomに来て”と伝えること。コーチに前もって“この日は体育館にいますから何かあったらすぐに電話を下さい”と伝えること。一回言ったからいいや、と思わないで何回も伝えること。コミュニケーションはキーです。サボろうと思えば簡単にサボれてしまうだけに、面倒くさくてもしっかりやっておくと、今ちょっとの時間を費やすだけで後に山のような時間をsaveできるようになります。

コーチや選手だけじゃありません。高校のトレーナーは沢山の人々の間に立っています。
高校での私の上司となるのはAD。月曜日には彼のオフィスに行って一週間のスケジュールを確認するのが私のルーティーンになってました。それから、高校の理事長、フロントオフィスの事務の人や清掃のおじさんおばさんとも仲良くなっておくと細かいところで救われます。

そして。中でも一番大事なのは親御さん!高校生は皆未成年ですから、大きな怪我をした選手には必ず親御さんと連絡を取るようにして、どういう症状がこれから起こりうるか、家でどんな処置をすべきなのかということを直接伝えないといけません。こういうときに選手を信用して“両親に伝えて”と言うのは不十分だというのは早くに学びました。“今夜腫れるかも知れませんが、なるべく最小限に抑えましょう。compression wrapをアイス時とシャワー時以外は常につけていてください。アイシングは今夜少なくともあと2回はするように、それぞれ20分ずつ。それと寝るとき、ソファに座っているときなんかは心臓より足を高く上げるようにしてくださいね。”…という私たちにATとってはもう“当たり前”になってしまっていることも、いちいち言葉にしてきちんと説明する必要があります。ボクらの常識が世界の常識じゃないですからね。知識の共有も私たちの大事な仕事です。こういうことは起こるかも知れないですけどびっくりしないでくださいね、でもこういう症状が見られたり、異常に悪化したりすることがあれば夜中でもいーんでいつでも電話くださいね、と言うとfreak outしてるおとーさんおかーさんもほっとするみたいです。

それから例えばですけど、金曜日の夜のFootballの試合でちょっと大きめな怪我をした選手がいたとします。ERに行くほどではないけれど、週明けを待って病院に行く必要があるかな…と思う場合は、その日のうちに選手本人と親御さんにその旨を伝えなければいけません。週末に家に電話を入れて“調子どう?”と確認したりして、その経過によっては親御さんと話して“じゃあ月曜の朝イチに病院に電話を入れてアポを取りますね。いつだったら彼を連れて行ってあげられますか?”と話を進めなければいけません。
だって、病院のアポを取るのは私なのです!これが意外に面倒くさいんです!
月曜の朝8時には病院に電話し、“こういう症状の選手がいて、こういう疑いがあるのでMRIが必要かと思うんです。診察お願いします。親御さんはこの時間だったら行けると言ってるんですが…”と説明。病院も予約枠にそんなに余裕がないので、こっちの希望する時間に毎回合うわけでもありません。“一番早くて、この日のこの時間しか空いてないんだけど…”と言われた日には、“すいません、じゃあちょっと聞いてみます”と保留してもらって、“これでも大丈夫ですか?”と親御さんに確認を取らないといけません。“分かった、じゃあその日は仕事を午前中休むわ!”と言ってもらえれば私はあと一回病院に電話を入れて“OK出ましたー、アポその時間でお願いします”と言うだけでいいのですが、“その日はどうしても行けない”と親御さんに言われた日はまた病院と親御さんの間で電話を行ったり来たりさせないといけません。
アポをひとつ取るのに数時間かかるのもザラではありません。
私が高校の仕事を“エグい”と表現する理由のひとつがこういうところにあります(泣)。
(※アメリカでは、未成年が病院で診察を受けるには、Legal guardian(法律上正当な保護者)が同伴していなければいけません。成人したおにーさんに連れて行ってもらう、じゃダメなんです、legalでなければいけないので。これが毎回両親であれば話はシンプルですが、離婚に伴いおばあちゃんがlegal guardianになっているコもいれば、両親が離婚しておばあちゃんと住んでいるけどlegal guardianは両親なので、離れたところに住んでいる両親を捕まえて診察に行かないといけない、なんていう複雑なケースも…)

まだまだ高校で学んだことや重要だと思うことは多いのですが、
すっかり長くなってしまったので今日はこのへんでやめておきます。
でも、はっきり言えることは高校の現実は複雑極まりなく、とにかく臨機応変に且つ迅速に対応できるチカラが求められるということです。これだけ言うと、どんだけひん曲がってんだ、と皆さん思うかも知れませんが、普段のコミュニケーションさえしっかりしていればいざという時の負担はたいぶ楽になります。選手の中でも、このコなら信用して物事を伝えられる、と思えるコも今は沢山いますし、親御さんの中でも私の対応に“うちのコの面倒を見てくれてありがとう!”と感謝の言葉をわざわざ伝えに来てくれて、以来すっかり信頼を寄せてくれている方々も沢山います。普段のWork Ethic、見てくれている人はちゃーんと見てくれてるんです。

でも、正直この高校での最初の一年間、簡単なものではありませんでした。
初めてひとりで全ての責任を背負って働く、というだけでも充分な恐怖だったのに、その緊張感の中でのこういったcomplicationとの戦いというか何と言うか…。予想もしなかったことが次々に起こりましたし、要領を掴むまでは本当に厳しかったです。唯一のトレーナーだからこそ現場で愚痴を分かち合える人間はいないし、家に帰って泣いたことも一度や二度ではありません。Blogだけ読んでいたら順風満帆だと思われていたかもしれませんが、本当は文字通り歯を食い縛って毎日生活していました。
だからこそ、2年目に自分が何が出来るのか、というのは自分にとっても楽しみなところであります。個人的な見解ですが、高校のAthletic Trainerというのは大学やプロに比べて最も一番キツい仕事だと思います。だからこそ、GAとしてやるには最適な場所だと思う。高校のGAを馬鹿にしているというか、下に見ているというか、そういう人は多いけれど、私はここでの一年一年は非常に深いものであり、学んでいることも他の比ではないと思うんです。私がこの一年で学んだことは私のこれからのAthletic Trainerとしての土台になり、基盤になり、いざというときの底力になってくれるはずです。この一年間で私は比べ物にならないくらい成長した。それはもう胸を張って言えます。2年目の自分にはどういった新しいことができるのか、それを自分の目で見ていくためにも、ここで学んだことは自分の血と肉に変えていかなければいけないし、また、あと2週間半をしっかり締めくくらなければいけませんね。

なりたいAthletic Trainerに、ちょっとずつでも、近づけているかなぁ。
頼むよぉ、自分。もうちょっとだから、自分に嘘つかないで頑張ってこうぜ。
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  by supersy | 2008-05-10 23:59 | Athletic Training | Comments(2)

肘について考察してみる。

どうもどうも。Finalや課題が全て木曜日に終了し、日本のゴールデンウィークに
合わせたかのように私の頭もゴールデンウィークになってしまいました。
今、キーボードでごーるでんうぃーくと打とうとしてごーるどぇん(dwe)うぃーくと打ってしまったのですが、何かこっちのほうがGWのバカ明るさが出ていいような気もしますがどうでしょう。
日本の皆さんは休日明けですっきり仕事や学校に向かってらっしゃる頃だったりするのかしら。
とはいえ、アメリカでは普通この時期Finalラッシュとか卒業式とかゴールデンでも何でもない、
いやむしろ普段に輪をかけて忙しい&慌しい時期なので、ゴールデンウィークとはもう5年も無縁の生活を送っています。今年はUFの学期終了が早かったから一応正式にはもう夏休みのはずなんですけどね。5月いっぱいまではSpring Footballがあるので仕事は続行します。

あ、そう、またちょっと愚痴ってもいいですか。
契約のワナ?の話をもうずっと前に書きましたが、それについては他とも掛け合ってみたのですが結局状況は何も変えられず(County単位の契約なので、うちの高校だけ内容を変えるわけにはいかないらしいんですよね)、自己消化というカタチで決着を付けてここまでやってきたんですけども。
またもね、ちょっとだけ、ちょっとだけですけど納得がいかないことがあるんです。
高校との契約が正式に切れるのは5月15日。
でも、Hawthorne High SchoolのSpring Football Gameがあるのは5月29日。
コドモたちをほっぽって、“じゃあ契約切れたんでっ、さよならっ”とここを去るわけにもいきません。
つまり、契約が切れてから29日までの14日間は、実質ボランティアのタダ働きになるわけです。
一応大学側の言い訳としては、“冬休みの間、皆が実家に帰っている間も給料が払われていたのだから、まぁイーブンになるということで…”みたいな感じなんですけど、えぇ確かに私以外のクラスメートは冬休みになるやいなや実家にすっ飛んで帰ってましたけど、私は冬休みもここに残ってバスケットボールのトーナメントに飛び回っていましたが…。
まぁ、冬休みにうちの男子バスケットチームが色んなトーナメントに参加して忙しかったというのはしょうがないし、うちの高校のSpring Football Gameが他の高校に比べて格段に遅い時期にスケジュールされてしまったのもまぁ運の問題だし、要はたまたま私にとって色んなことが悪いほうに重なってしまっただけなんですけども。
真面目に働く人間が馬鹿を見るという社会はなんだか悲しい気もします。
たまーにですけど、アメリカ人の“手を抜く”上手さが羨ましくなるときもあります。
そのくらいじゃ自分の性格を変えようとは思いませんが。
仕方ない、おねーさんこうなったらとことんまで面倒見てやるよ、コドモタチ。

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さて。話はすっきり変わりまして。
以前にちょろっと“解剖のテストの問題でちょっと気になったことがあって…”というハナシを書いたことがありましたが、せっかく時間ができたので今回はそれについてまとめてみようと思います。
その問題というのは、
“肘がfull extensionされているとき、UCLのどのパートがtaut(ぴんと張っている)か?”
というモノだったんですけれども、そういえば、どのパートがどのくらいのflexionのとき張っているのかとか詳しく知らないなぁ。3つもあるんだからそれぞれ密かに別れた役割があるんじゃないか、と調べてみたのが今回の内容です。
じゃじゃん、では、まず、肘のUlnar Collateral Ligament(内側側副靭帯)の簡単な説明から。
b0112009_11165757.jpg
UCLは図にある通り、Anterior Bundle, Posterior Bundle (別名:Bardinet's ligament), Transverse Bundle (別名:Cooper's ligament)の3つの異なるパートから構成されています。
Anteriorだけ別名がないようです。仲間はずれ。
Cooper's ligamentというと私は別のモノを想像してしまうのですが、人体にCooper's ligamentと呼ばれる靭帯は数箇所あるようです。胸にあるのもそうですし、Pectineal ligamentも別名はCooper's ligamentだそう。ややこしい。どれも違うCooperさんが見つけたのかな。

・Anterior Bundle…Medial EpicondyleからCoronoid Processにかけて
・Posterior Bundle…Medial EpicondyleからややOlecranonの内側にかけて
・Transverse Bundle…Coronoid ProcessとOlecranonの間にあるNotchの上に広がる

というようにそれぞれ違う方向へ走っているのが見て取れますよね。
まず私が調べてみて驚いたのは、このTransverse Bundleというのは実はほとんど肘関節のstabilityには貢献していないそうなんです。まぁよく考えたらCoronoidからOlecranonに走ってたら確かに、言い方はおかしいかも知れませんけれどintrinsicな靭帯というか何と言うか、関節にはほとんど影響していないですよね。解剖してみても、たまにしっかりと判別できるときもあれば、もう他の組織と混ざって何が何だか、つまり、存在してるんだかしてないんだかみたいな場合も多いみたいです。なので、ここの議題からはちょっと外します。

さて、ということは比較すべきはAnteriorとPosterior。
過去の文献を調べると意外なことにかなりこのふたつのBundleのfunctionに関して議論が別れており、“このbundleはflexion時にtautだ!” “いやいやextensionだ!”何てことを延々とやっていたりするみたいなんですよね。でも、過去の研究者の間でほぼ満場一致で納得されているのが、“Posterior bundleはmaximal flexion時にtautだ”という事実のようです。

で、残るはAnterior。これが全てのbundleの中でstrongest・stiffestであり、平均のfailure loadは260N。Primary stabilizer against valgus stressという重要な役割を果たすのですが、どうやらこの機能の分類が厄介なようなんです。
色々な説がありますが、とりあえず私が一番“らしい”んじゃないかと思ったものをご紹介します。
それは、Anterior bundleには、機能的に分けて3つのタイプが混在しているという説。
 1. Extreme、つまりmaximal extension時にのみtautなコたち
 2. 中間(0~145°の中間ですから恐らく約70°くらい)からfull flexionにかけてtautなコたち
 3. ずっとtautなコたち
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上の図はFuss氏による実験の結果なのですが、彼はcadaverを観察しまくった結果、何とAnterior bundleだけで9つのsub-bundlesを発見したんです。それがこの図の12345,KLMXになります。
(※・この写真は骨を黒く、靭帯の起始停止地点を白く染めたものなんですけれど、左上がoriginのanterior view、右上がmedial view、右下がposterior viewになっていて、左下がinsertionです。つまり、左上、右上、右下から起始したものが左下に停止するというわけです。関節全体を3Dに想像しながら見てみてください)
この9つのうち、K, L, MType 1・つまりfull extensionでのみtautになるbundle
1, 2, 3, 4, 5Type 2・つまり約70°~full flexionでtautになるbundle
XType 3・常にtautな特殊なbundle。  …ということになるわけです。分かります?
Bundle XはGuiding bundleと呼ばれ、その名の通り関節に対してコンスタントにテンションをかけることによって動きをスムーズにguideする役割を果たしています。常にtautなので、逆に言うと0~約70°まではtautなのはコイツしかいないってことにもなりますね。これはちょっと面白い。

つまり、しっかりまとめなおすとこういうコトになります。
(分かりやすくFull extensionは0°、Full flexionは145°で統一させて頂きます)
Transverse…特に機能は無し
Posterior…145°(Full Flexion)でtaut
Anterior…3 Types
  1. 0°(Full Extension)でtaut
  2. 70~145°(Mid~Full Flexion)でtaut
  3. 0~145°のfull ROMで常にtaut (=Guiding Bundle)

む。ということは、先のテスト問題の正解はどれになるのでしょう?
“肘がfull extensionされているとき、UCLのどのパートがtautか?”
というものですから、正解はAnterior、ということになりますね。
これがFull flexionだったらなかなかトリッキーな問題ですね。一般的にはPosteriorでagreeされているのでしょうけれど、でもAnteriorのType 2&3 BundleもFull flexion時にtautになってますからね。まぁ今更こんなこと心配しなくてもいいんですけれども。

というわけで、ちょっとした興味本位から調べ物をしていたら意外に面白いことを多々発見したので忘れたくなくてまとめてみました!途中に載せてある、各Origin&Insertionのでっかい写真はなかなか面白いので、お時間があれば是非ゆっくりじっくり見てみてください!

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成績が今日になって出たのですが、しっかりした内容で今学期を締めくくることができました。
うぃっす!これも皆さんのお陰です!あーざーます!終わりがいいと気分がいいです。
これで大学院生活の半分が終わり。後半も頑張っていくぞー。
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  by supersy | 2008-05-05 23:59 | Athletic Training | Comments(3)

Orlando Predators vs Tampa Bay Storm。

さて。はぎさんしのちゃんと合流してOrlandoのホテルで更に一泊。
今日は現在はぎさんがお仕事をされているOrlando Predatorsの試合を見学兼お手伝いさせてもらいました。あー、Arena Footballに戻ってくるのは久しぶり。やっぱりいいなぁこの雰囲気!
下はテツさんがスタンドから撮ってくれたなかなか珍しい仕事中のショット。しかもはぎさんと一緒!
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b0112009_7211565.jpgPredatorsのQB・Shaneが先週のGeorgia戦でsackを喰らったときにヘルメットが外れ、相手のchin strap buckleが首と耳にぶつかってそれぞれ切り傷を作ってしまったというエピソードがあるのですが(耳は縫合しなければならなかった程で、右の写真がその傷跡です)、Staff一同冗談で耳と首に左写真のようなバンドエイドをして試合に臨みました。それを見たShaneは“まじかよ…やめてくれよ”と笑ってましたけど。

やっぱりArenaの試合の緊張感はいいですね!高校にはなかなかない(笑)。
ここのスタッフの人たちは本当に良い人たちばかりで、選手もHead ATCのKevinもChiropractorのScottもMassage TherapistのMikeもすんなり部外者なはずの私を迎え入れてくれて、
試合後に至ってはKevinが、今日は本当にありがとう!またいつでも来て!Tampaでやる次のTampa戦も都合が合えば是非来てくれ!とまで言ってくださいました。
いやいや、ありがとうございます!
所が変わればチームも変わるというか、Wranglers時代はGame dayなんてある意味ボクらstaffにとって戦場でしたけれど(普段の練習場所と試合会場が30-40分離れていたので道具の運び込みとかset upで慌しく、とにかく休みがなかったんです)、Predatorsは終始穏やかで皆のびのび仕事をしていたのが印象的でした。会場もOrlando Magicのホームなので立派!

  ↓写真は左から試合前のArena、試合中のBox、試合後のArena外観。
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去年Austin Wranglersで一緒だった選手にも何人か会うことができ、
久しぶりー、最近どうしてた!?なんてハナシをすることができました。
いやぁ、こういう懐かしい選手との再会って意外に嬉しいもので、あーこのコも頑張っているんだなぁ、負けてられないなぁととっても良い刺激になります。現在PredatorsでプレーしているSchroederは私と同い年でめちゃくちゃ真面目で努力家なlineman、そういえば一緒に写真を撮ったことがなかったので再会記念に撮ってみました。ははは、やっぱりでっかいや。
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進路について悩むことが多いこの頃でしたが、久しぶりにArenaの舞台に戻ってちょっと目の前が開けたような気がしました。このあとはホテルに戻ってはぎさんしのちゃんテツさんと朝まで宴会だったわけですが、日本人同業者と飲むのは実にThanks giving以来だったのでこれまた楽しかったです。なかなか贅沢な思いをした週末でした!遊んでくれた皆さん、ありがとうございました!
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  by supersy | 2008-04-26 23:59 | Athletic Training | Comments(4)

ACLについて考察してみる。

ATの方ならきっとACLについては嫌ってほどレクチャーされてきてるだろうと思いますし、
実際に怪我の現場に居合わせたり手術を見学に行ったりリハビリをしてきたりしている中で
学ぶことも多いですよね。私もACLの手術だけでも多分3つくらい見たことがありますが、
最初に見たときはなかなか衝撃だったなぁ。手術ってか工作みたいだなぁ、と思って。
そんなわけでありきたりなトピックではありますが、ちょっと違う切り口の講義を
とある先生がしてくださったので、それをベースにちょっとまとめてみたいと思います。
b0112009_11173214.jpg
ACL、正式名称はAnterior Cruciate Ligament、日本語では前十字靭帯。
これは膝の靭帯の中でももっとも怪我のincidentが多い靭帯です。

皆さん今座ってますか?もし90°に膝を曲げて椅子に座っている状態なのであれば、
両手で、それぞれ右と左の膝っ小僧をぐわしっ、と思い切り掴んで見てください。
大まかに、アナタの親指があるのがMCL(内側側副靭帯)、小指がLCL(外側側副靭帯)がある位置になります。真ん中、中指がpatellar tendon、人差し指が大体Pes Anserineあたり、そして薬指がなんとGerdy's tubercleになっちゃうんです。ねっ。便利でしょ。
しかーし。これでびっくりしないでください。
それでは人差し指と中指をえんがちょするみたいにクロスさせてみましょう。
(普通ヒトは中指を上に組みますよね?人差し指が上なんてあまのじゃくさんはいませんよね?)
LateralからMedialに向いている中指が前十字、逆向きの人差し指が後十字になります。
前十字と後十字がどの向きでどうクロスしているのかを忘れたらこれが一番です。

これ、Undergrad時代に習って便利だなぁと関心して、
ATSなら全員知ってるもんだと思ったら意外に知らない方も多かったので書いてみました。
ちょっと目からウロコ落ちません?

さて、そのACLですが、ちょっとマニアックに掘り下げていくと、
長さが35mm、太さが10~11mmと数字にしてみると案外小さいんですね。
ただ、これだけの小さなstructureで、1725~2500Nもの負荷を支えられるというのだからすごい。これ、重量ポンドに直すと約398~562lbsの重さに、えーと、私の計算が間違っていなければなると思います。
ACLは微妙に捩じれながらinsertしており、full extensionではposterolateral partが、flexionではanteromedialがそれぞれtautになって、その中間のintermediateは基本的にthrough out ROMでtightといういわゆるguiding bandの役割を果たしています。
●Primary Restraint...Anterior translation of the tibia
●Major Secondary Restraint...Internal tibial rotation
●Minor Secondary Restraint...Varus-Valgus (in full extension only)
                  External rotation (greater at full ext)
VarusとValgusのstabilityはfull extensionでしか出ないとこの先生には教わりました。
MOIにはInternal tibial rotationとvalgusのコンビネーションもあると習ったことがあるのですけど、まぁでもチカラの組み合わせを考え出すとキリがないのかなぁ。ねじれてるし。

このあとはACLの手術のあれこれの話をしていたのですが、内視鏡の映像もたいぶ訳が分かるようになってきたなぁと実感しました。最初に見たときはどれがどれだか、というか、どこに何があるかも分かってなかったので、“これがTorn ACLの内視鏡の映像で…”って無くなっているモノを説明されても全然有り難味が分からなかったんですよね(笑)。
b0112009_2229325.jpg
例えばコレ、左がTorn ACLで右がReconstructedの映像なんですけども、
今だから“あーこれはFemoral notchだな、あるはずのACLが無くなっていてscar tissueがいっぱいだ”って読めますけど、最初はこうして比較でもしないとね、わっかんないですよね。
一生懸命読もうとしていたら映像が上下ひっくり返ってたりすることもありますし。

Meniscal Tear(半月版損傷)の手術のハナシにもなったのですが、これも少しだけ。
Meniscal surgeryには基本的に2種類あります。
RepairとMenisectomy。切れたところを縫合してくっつけるか、その欠片を取ってしまうか。
ご存知の通りMeniscusの外側は厚みがあり、vascularになっていますが、内側になればなるほど薄くなり、avascularになります。血液の循環があれば損傷を起こしていても栄養が行き渡るので自然治癒が可能ですが、内側の血管が無い部分はそれが不可能になります。つまり、治癒が起こらないわけです。だから、Meniscal tearの患者に手術をするときには、損傷の箇所が内側であればもうその欠片を取って、関節がロックしないようにするしかない(=つまりMenisectomyをするしかない)、というわけなんですが…。
だからね、外側だったらじゃあほぼrepairが可能なのかなと思ってたんですよ。
でも、先生曰く、非常に特殊な条件が揃ったときにしかRepairはしないのだそう。
それは、Vertical tear in the thickest portionのみなんだそうです。
つまり例えoutermostなところに損傷が起こっていたとしても、そのキズの向きがobliqueだったりhorizontalだったりしたら、それは縫い合わせても自然治癒できないということです。
キズの向きも重要な決め手になってくるのか!とびっくりしました。
先生によれば、これは全体の半月版手術の5%くらいでしかないそうで、
repairって意外にできないもんなんですね。知りませんでした。

講義の終わりに、コドモ相手だったらACLの手術するんですか?という質問も出ました。
コドモだとまだgrowth plateがあるので、つまり成長の最中でまだまだ骨が伸びているので、
手術をしてしまうとこのgrowth plateが閉じてしまい、骨の成長が止まってしまう危険性があります。ACLのreconstructionはMeniscucの手術と違って大掛かりで、骨にドリルで穴を開けますからね。閉じてしまっては一大事。片足だけ早く閉じてしまったりすると左右の足の長さがガタガタになり、後々体中に多大な影響を与えてしまいます。なので、若い選手を扱うときはまずX-rayを取ってGrowth plateのopen具合を調べるのだそう。すっごくopenだったら、例えばMeniscal surgeryとかgrowth plateに影響の無い程度の手術に留めておく。時期を待ってまたX-rayを取り、ほどよく閉じてきた頃にACL手術をするのだそうです。
意外に、気に留めておかなければいけないことって多いですね!

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面白いと思ったことだけを書き並べたので読みにくくなってしまってすいません。
さて、急ですが、明日から数日間ちょっとOrlandoに出かけてきます。
帰ってくるのは日曜日かな?
一応パソコンも持って行きますが、更新ができるかはちょっと分かりません。
まぁどっちにしても、書き溜めておくので後で一気に更新します。
それではちょっと早いですが皆さん良い週末を!
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  by supersy | 2008-04-23 23:59 | Athletic Training | Comments(1)

お絵かきとMotion Analysis。

>hiroさん、賀屋先生
私信になりますが。とりあえずDr. Borsaに答えてもらったところによれば、piaもdura, arachnoid同様、やっぱりspinal cordの終わりまでカバーしているそうです。Borsa曰く、Spinal cordが終わってCauda equinaになるところで終わりだよ、レベルでいうとT-12くらい。だそうです。これが厳密に言ってL1なのかT12なのかは個人差もありそうですが、Meningesのオワリの定義はやっぱりSpinal cordの終わるところなのかなと理解していました…賀屋先生のコメントを読むまでは。そうだここにもいたー、解剖マニア!賀屋先生!Piaがligamentになってるんですか?知らなかった!それをまだpiaと見るかもはやpiaではないものと見るかでも理解が変わってきそうですね…。あぁますます混乱してきています(笑)。
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さて、月曜火曜と連続でFinalがあったので週末はがっつり勉強をしておりました。
大学院に入ってからは、長時間ぶっ続けで勉強するというよりも、空き時間を見つけてちょこちょこ勉強するというスタイルになっていたので、久しぶりにこうして猛勉強すると頭痛がする…。

月曜日のテストは解剖で、特に気合を入れて時間をかけて勉強していました。
もうこれは私の習性と言うかクセというか、気合を入れて勉強しだすと止まらなくなるんですよね。他の授業中だろうがなんだろうがとにかくその科目の勉強をしたくてしょうがない。
でそんな熱心さが高じて、別の授業中に退屈だったので描いていた絵がコレ。
b0112009_8194089.jpg
こういうことばっかりしてるのでヒトからは関心されるか“お前アホじゃないの?”と言われるか
どっちかですが、私が何でもとにかく絵を描くのには理由があります。
ヒトにはそれぞれに合った勉強のタイプがあるといいますが、私は完全にVisualタイプなんです。
アメリカではよく耳にする話題なんですが(個人的に日本にいるときには聞いたことがなかったのでそう思うだけかも知れませんが)、ヒトには主に3種類のLearning styleがあって、visual, auditory, kinestheticに分けられるそうなんです。噛み砕いて言えば、見て覚えるヒト、聞いて覚えるヒト、実際に自分の体を使ってみて動いて覚えるヒト、の3つです。私は何事もvisualizeしないと入ってこないので、特に解剖の授業ともなれば実物を見て、そしてその後は絵を描きまくって覚えます。Visualizeと言っても教科書を見てるだけじゃダメで、やっぱ自分の手で描かないとお互いの位置関係とかtissueのtextureとかがしっかり入ってこないんですよね。Cranial nerveの絵とかBrachial plexusの絵なんかもう20回は描いてきてるんじゃないかな…。
この解剖のテスト問題のひとつに関して気になったことを調べていたらなかなか面白い発見ができたので、これについては後日またまとめたいと思います。

今日は今日でOrthoのテストがあったのですが、
その中で、Prehabに関するBiomechanics Evaluationも範囲になっていました。
これに関しては専門家さんが2回に渡って講義をしてくれたあと、
次の授業では私たちGAがそれぞれFLGのBiomechanics labに行って、
マーカーを実際に装着してBiomechanics ayalysisをする、ということをやってみたのです。
クラス全体を4つのグループに分け、それじゃあ各グループひとりモデルを出して、
と、Dr. Doverが言うので、是非体験してみたくて私をモデルにやってもらうことにしました。
b0112009_8293446.jpgマーカー(←)と呼ばれる電球のような形をした丸いモノを、他のメンバーに体中至る所にテープでくっつけてもらい、準備完了。ちょっとうろ覚えですが、AC joint, Greater trochanter, Lateral femoral epicondyle, lateral mareollus, calcaneous, head of 5th metatarsalがランドマークだったような気がします。今回は下半身のexerciseのみだったのですが、もちろん肩をターゲットにしたような運動をanalysisするときは肘や手首にもくっつけます。
うーん、カラダ中にまるまるがいっぱい。
b0112009_8441280.jpg
本当はPrehabでやっていた全てのexerciseを経験してみたかったのですが、残念ながらそんな時間もないので、バーを頭上に上げてそのままスクワットをするOverhead squat(左上)と、それから台の上に片足で乗って、膝を曲げていきもう片方の足の踵で床に触れるというHeel tap(右上)のふたつのexercseをdemonstrateすることに。あ、厳密にはLateral heel tapなので写真とは微妙に違うんですけども、いいのが見つからなかったのでまぁ参考に。

このマーカーの他に、Force plateと呼ばれるスペシャルな器具もこの施設には装備されていて、このPlate、床にはめ込まれているんですけど、そのプレートの上に誰かが立ったりしてチカラが加わると、それがどのくらいの大きさでどこを向いていて、ということを一瞬で分析できるようになっているんですね。

これらを全て組み合わせた結果、カーテンで囲まれた真っ白の床が張られている、
“Motion analysis area”に立つと、コンピューター上でヒトはこんな風に見えます。b0112009_8471556.jpg
この写真は私たちが実際に行なったものではないのでマーカーのついているランドマークポイントは多少異なりますが、イメージとしてはまさにこんな感じ。こんな風にマーカーは点として、カラダのラインはマーカー間を繋げた線で表され、棒人間のようになって見えるわけです。

床が灰色になっている部分がForce plateのあるところで、ちょっと見えにくいんですけれども赤い矢印が床から上に向かって伸びているのが見えますか?これがまさに、どの方向にどれくらいのチカラが掛かっているかをベクトルのように表しているのです。

motionをdetectするカメラは部屋の至る所に配置されているので、コンピューターで
このexerciseをviewするときにはマトリックスのようにくるくる角度を変えながら再生できます。
うわぁぁぁ、出たぞ技術の最先端!!!でもないのかもしれないけど!

…。
で。
今日あったテストでは、まさにボクらのこの写真がテストに出され、
“これはクラスメートのひとりがoverhead squatをしているところです。
 trunk, knee, ankleのinitiation, terminationの角度はそれぞれ表の通りです。
 このヒトの各関節の角度はnormalかabnormalか、Biomechanics的問題は何か、
 それに関係し得る改善すべき問題は何なのかを書きなさい”
みたいな問題になっていました。

こういう問題は結構好きなのでわいわい解いていたのですが、Heel tapの問題になって、むむ、結構kneeをvalgusにしちゃうヒトが多いのにコイツはむしろvarusになってるなぁ。forceも真っ直ぐブレずに上に伸びてる。ちょっと足がexternal rotationしててtrunkが前にleanしているからsoleusが硬いのとlimited DFがあるようだけど、それ以外は特に問題ないじゃないか、誰だろコレ、やるなぁ、…とか思いながらせっせと文章を書いていたんですよ。
そして提出するときになってDr. Doverが、“あのHeel tapの写真はSyの写真だよ”とこっそり教えてくれたので、あ、そうなんですか!とびっくり。特に女の子はvalgusになりやすいのに、いいフォームだねぇというので、あーざまーすとお礼を言っておきました。いやいや、自分がテスト問題になる日が来るとは思わなかった。そして良かった、恥ずかしいフォームじゃなくて(笑)。
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  by supersy | 2008-04-22 23:59 | Athletic Training | Comments(10)

KT-2000。

大学院生は一学期3つの授業・9単位を取ることになるわけですが、
解剖以外に私が取っているもうひとつのクラスがOrthopaedic Considerations in Athletic Training。略してOrtho。
この授業もとっても面白くて、毎回何らかのスペシャリストをゲストスピーカーに招いて
レクチャーやhands-onのラボを行なう、というものです。だから、授業をする場所も時には病院のリハビリ施設、会議室、プールの中、教室、Biomechanics labなどと様々。例えばPilatesとかAquatic Rehab、X-rayとMRIの読み方、Prehab、customizedの靴底の作り方など、毎回違ったテーマで授業が行なわれるんです。この構成、ナイス!!!!

で。
ちょっと前の話なんですけれども、KT-2000のレクチャーをしてくれたPTの方がいました。
KT-1000は話にだけ聞いて知っていたものの、Texas Stateにはひとつもなかったし、
TibiaのAnterior translationを測るものでしょ、くらいにしか理解してなかったので、
知らないうちにKT-2000に進化してたのね!とびっくり。
b0112009_926952.jpg
ご存知の方も多いでしょうが、どどん、これがKT-2000です(↑)。
この機械何に使うかというと、Anterior tibial translation on femurのdegreeをmm(ミリメーター)で測るものなんですが、もっと詳しく言うと、どれくらいのforceでどれくらいのtranslationが起こるのか、をmeasureすることができます。これ、後になって大事になってきます。
あ、anterior tibial translationを測るんだからターゲットにしているpopulationはACL patientなのは、いいですよね。Eval processに使うことも可能ですが、主にACL reconstructionの手術をした患者のリハビリ経過の確認に使われます。

b0112009_9433235.jpgさて、その使い方ですが、
細かく書くとキリがないので、
至って簡略に説明したいと思います。

→まずは患者を寝かせ、膝を20-35°曲げた状態でブロックで固定します。下のブロックはLat. malleoliを、上のブロックは膝の少し上に位置するようにし、hamstringがリラックスするようにしましょう。KT-2000を脛に置き、Joint lineと機械の矢印が一致するように調節します。

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※正しい位置にKT-2000を置かないと、全ての結果をskewすることになるので注意!
ここでPTの彼が、“External roration癖のあるヒトとかちょっと困るんだけど、なるべくそれがminimalになるように足を置いてね。Thighにストラップを巻いて(↓)制限する方法もあるよ。あと、Patella hypermobilityがあるヒトも厄介なんだけど…これはどうしようもないので、なるべく動かさないようにチカラを真っ直ぐかけるしかないね。”と言っていました。
b0112009_952574.jpg
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それからStrapを巻き、膝蓋骨を固定して目盛りを合わせ、
バー(一番最初の写真で銀色の棒のように見えるのがそうです)を掴んで徐々に上方に
引っ張り上げていきます。15lbs, 20lbs, 30lbsでのそれぞれのtranslationの値を記録し、
更にManual maxという、とにかく思いっきり引けるところまで引っ張り上げてどれだけ動くか見る、という数値も入手します。その後、それぞれの数値を比べ、injured sideがuninjuredに比べて3mm以上のexcessive translationがあるとマズイ、という目安になっています。

この一連のテストを、手術前、術後6週間、12週間、6ヶ月、12ヶ月で行い、
願わくば手術前の数値より手術後のほうがはるかに少ないtranslationでありますように、
そして左右対称に限りなく近い数値でありますように、というわけです。
ちなみに手術後6週間の段階ではmanual maxをするには早すぎるので、
partial testというカタチで行なうそうです。まぁ、言われてみればそりゃそうだ。

で、今回初めて実際KT-2000をお互いに使いあってみることになったのですが…。これ、使うの、めっちゃ難しい。練習相当しないと正確な数値が出せなさそう、というのが正直な感想。
実際Athletic Trainig Roomにコレを常備している、という学校の方いますか?
うちの大学病院のSports Medicine Rehabの施設では本当に頻繁に使っていて、クリニックとかでは確かに需要があるというか、使う目的が分かるなと思うのですが、ATRではどうなんだろう。
もちろんあったって良いとは思うんですけど、実際どれくらい用いられてるものなんでしょうね??

b0112009_1021595.jpgちなみにそのPTの彼が言うには、手術でAllograftを使ったかAutograftを使ったかでKT-2000の結果に異なる傾向が出るそうです。

この左のグラフは私が適当にイメージとして描いたものなのであくまでただの参考にしてほしいんですけれど、Autograftを使った患者の膝では、かけるチカラに比例してanterior translationがlinearに増えていくのに対し、Allograftではチカラが少ないうちはtranslationがあまり見られないのに対し、一定以上のチカラがかかると一気にtranslateしてしまう、という風になるのだそう。

手術後のTissue Failureを避けるにはAutograftとAlloのどちらがより好ましいのか?
どこの腱を使うのがベストなのか?
それとも夢の人工靭帯がついにそろそろ完成されるのか?
(↑これは一番可能性が低そうですけども、少なくとも近い将来では)
もう長いことこの分野でこういったことは議論されてきていて、
恐らく私たちの永遠のテーマになっていくんでしょうけども、
それを決めるひとつの要素にもなりかねない面白いデータだと思いました。

差し迫った需要はないかなぁとも思う一方で、とても興味深い機械です、KT-2000。
KT-2000の使い方を詳しく説明してるサイトをみつけました。興味のある方はこちら
KT-2000だけでなく、PCL ACL injuriesにおけるtibial translationを幅広くカバーしています。
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  by supersy | 2008-04-18 23:59 | Athletic Training | Comments(5)

続・Clinical Human Anatomy Lab。

さて、噂の(?)解剖の授業なんですが、もうなんつーか、とにかく今学期取ってる授業の中で一番面白くて、笑いとオドロキが耐えないクラスなのであります。教授のDr. Borsaもさることながら、TAのJenもGarrethもクラスメートも息ピッタリで最高のメンバーです。たくさんのエピソードが溜まっているのでご紹介します。

●骨を切る。
全身の解剖をだいたい終え、2nd Examを終えたのが2週間ほど前。
それからはもっとカラダをdeepに見ていこう!と、例えば脳や目や内臓や各関節など深いところに進んでいっていました。膝や足首、手首、肘などの関節を見るにはそれぞれの関節をカラダから切り離し、余分やtissueを取り除いて関節包や深くにある靭帯などをexposeする必要があります。
b0112009_1283595.jpgさて、関節を切り離す、とサラっと書きましたが、実際にやってみるとこれがなかなか大仕事。Autopsy Saw(左写真)という器具を用いて、骨ごと切断しなければなりません。例えば足首を見るのであれば脛の真ん中へんをばりばり切らなければいけないし、膝を見るには大腿骨ど真ん中をばりばり切らなければいけないし、そのためには欠かせない道具がコレなのであります。

やってみたーいやってみたーいと騒いでいたら、そいじゃあやってみろーいとこのsawを渡されました。そんなに大きくは無いけれど、なかなかずっしり重たいもんですこの機械。
ゴーグルをしてスイッチを入れるとものすごい振動。しっかり握って思い切って骨にえいやっと当ててみると、切断面の骨が細かい粉になって飛び散って、さらには摩擦で骨の焼けるようなニオイ。うむぅ、真っ直ぐ切るのは思ったより難しい!
私の切った大腿骨は体の中でも非常にしっかりした骨なので、sawだけでは奥まで切れずにトンカチとノミも用いて最後はポキッと折りました。膝関節をトレーに移してほっと一息。いやー、これだけの機械を使わないといけないんだから、ヒトの身体というのは本当に丈夫にできています。
それでもFemur fractureがスポーツで起こることもあるんだもんなぁ。どれだけの衝撃がかかってそーなるもんなんだろうとか考えを巡らすとなかなか恐ろしいですけど。

●Fecal Matter
b0112009_1511045.jpg解剖学に精通してる皆さんならGray matterやWhite matterという単語はもちろんご存知だとは思うのですが…。(Gray matterは文字通り、CNSの中でも灰色がかった部分を指し、主にNeuronで構成されています。Capillary blood vesselsやNeuronal cell bodiesを含むのでこんな色になるんですね。一方White matterは白い部分でCell Axonsから成っています)

これを踏まえて続きを読んでみてください。

さて、このクラスで再三面白単語が飛び出しているのは前述の通りですが、
またもこの日新しい単語が作り出されました。その名もFeco matter。
内臓をそれぞれ取り出すにあたって、ちと厄介だったのが小腸と大腸。これらは全長7mとも言われる長さがあり、折りたたまれるように人体に収まっていますが、なんていうか、スペース取りすぎてて邪魔、なんですよね。解剖を進めていく上で。どかさないと見えないものがあるし、どかしちゃうとトレーに収まらないので置くところに困るし。
なので、各structureをindentifyしたあとにDr. Borsaの指示の下、切り取って人体用ゴミ箱に廃棄してしまうことになりました。いわゆるボクら用語で言う“Appreciate it”です(笑)。
胃のすぐ下の小腸の始まりの部分はハサミですかっと切ってしまえば良いので簡単でしたが、問題は大腸の終わりの部分。言われるままに私ともうひとりのクラスメイトで紐で大腸をキュっと縛り、そのすぐ上の部分をBorsaがハサミでぱちっと切ったのですが…。
その瞬間、中から何やら柔らかそうなものがボトリ。
大腸のほぼ終わりに含まれているモノなんて限りなくアレに近いわけで…。
わひゃぁ、と反射的に声にならぬ悲鳴を上げる私と友人。
どうしたの、と寄ってくる他のクラスメイト。
そこでDr. Borsa、
“いやーFecal matterが飛び出したね”

Fecal=大便というボクら医療専門家独特のjokeなのですが、
もうコレが私たちのツボというツボにはまり、しばし大爆笑してしまいました。

●まさに鉄壁。
脳を取り出そう、ということになって頭蓋骨を眉の上辺りで水平に切り始めたのですが、
何しろ大事な大事な脳ですから、骨以外にも沢山の組織が脳を守り固めていて、
取り出すのは本当に至難の技。骨だけ切ればすぽーんと出てくるってもんじゃないんです。
b0112009_2293629.jpg
せっかくなんで脳をprotectしているstructureをざっと挙げてみましょう(↑)。
まず、skin。肌も大事なバリアのひとつです。身体の他の部位においてもそうですが、病原菌の進入を防ぎ、血管の膨張・収縮/Sweat gland等を通じて体温調節をし、伸び縮みして他の組織への負荷を逃がしてくれる重要な役割を果たします。たかが皮一枚とあなどってはいけません。
それからご存知Skull(頭蓋骨)とそのPeriosteum(骨膜)。
hard protectionとしてがっつり脳を囲んで衝撃から守っていますよね。
更に、その下には3重の脳膜が存在します。外側から順にDura mater、Arachnoid mater, Pia mater。このmaterはgray matterとかとは違ってtがひとつ。materはラテン語でmotherという意味で、Dura materは“Strong mother”という意味になります。その名の通りDura materは3つの中で最も丈夫にできており、伸縮性もほとんどありません。次のArachnoidは同じくラテン語でSpider=クモという意味。というのも、その膜がクモの巣状に張り巡らされているからです。Pia materはDuraの逆で、訳すと“Tender mother”。脳のすぐ表面に位置し、メッシュのような薄~い膜なので脳が簡単に透けて見えます。つまり、脳に近づけば近づくほど柔らかな膜になっていって、ふわふわほわほわ脳を守っているわけですね。
b0112009_2444255.jpg
さーて、それだけではありません。ArachnoidとPiaの間にはSubarachnoid spaceという空洞があるのですが、この空間はCerebrospial fluid(脳脊髄液↑)という液体で満たされています。つまり脳みそって、液体の中に浮いているような感じなんですよね。こうしておけば、万が一先に挙げた防護壁を突破して衝撃が脳に伝わってこようとしても、液体で吸収できるでしょ、ってことなんです。
(私としてはtwisting forceに関しては逆にこのfluidがマイナスに働くように思えるのですが…。まぁこのへんは割愛します)
あっぱれ。まさに鉄壁の守りです、脳みそ。

前置きが長くなっちゃいましたが。
友人のDewayneが頭蓋骨をsawでがりがり切っているのを横で見ていたんです、私。
そしたら、
いきなりどばばばばっと液体が出てきたんですよね。
血液のように濁ってもいない、それはそれはclearな液体が。で、あー、Cerebrospinal fluidだ!!と思って。Arachnoidの膜を切った瞬間だったんでしょうね、きっと。
何でそんなに驚いたかって、普通Cadaverというのは乾いています。もちろん薬品で保存はしているのでパリパリにはなってないですけど、血管の中の血液は凝固しているし、関節包の中の関節滑液はもう全てsynovial membraneを通じてdiffuseしてしまっているから、何かを切って液体がドバっと出てくる、っていうことは基本的に無いんです。死んでもなお今の今まで液体をcontainしていた膜の強さはある意味驚異的で、さっすが脳、よく守られてるなぁとまたも人体の神秘に打ちひしがれ感動すら覚えたのでした。
…マニアックすぎですって?

●脳とか目とか。
さて、何だかんだあってやっと取り出せたBrain。
Jenに、“Sy、脳みそ出たよー”と言われたので、やっていた他の仕事をほっぽってわーいと見に行きました。脳って本当に面白いですよね、皆さんがイメージするまさにそのとおり、しわしわ折り畳まれてるんですもん。誰がいつどうしてこういうカタチにしようと決定したんだろう、不思議だ。
b0112009_3113819.jpg
脳を丸ごと持ってみると、それは意外に軽くて両手にスポンと収まってしまうような大きさで。
でも、それをしみじみ見ながら、これに人一人分の人生が詰まってるんだよなぁと考えたら限りなく大切なモノのようにも思えて。これがその人らしさ、を構成するものであり、もう取り出すことは出来ないけれど沢山の思い出や記憶が詰まっていて、それは確かにヒトとして息づいていたわけであって…。それを両手に今持っているというのは、実に不思議な感覚です。

Cranial Nerve(脳神経)をindentifyしなさい、と言われてそれからいそいそ働いていたわけですが、すすっとJenが後ろから近づいてきたかと思うと、“Sy, look, eyeball”
ぎゃっ。このヒト目玉を手に持ってるっ。
ぎょっと固まった私を見て満足そうにわははと笑いながら去っていくJen。遊ばれすぎです、私。
いやでも目玉は反則ですって。さすがに気味が悪いですって。
b0112009_3394996.jpgちなみにeyeballには6つの小さな筋肉がくっついていて、上下左右、回転といった動きを可能にしているんですよ。もちろん瞼を動かしているのも筋肉です。アナタが本を読んでいるとき、きょろきょろ辺りを見回しているとき、意識していなくてもこれらの筋肉は常に微妙に収縮しあって1mmの誤差も無く目を動かし、“見る”という動作を可能にしてくれているわけです。ヒトのカラダって、実によくできているでしょ。


●おまけ
このエントリーを書くにあたって調べていたら、腸の長さ(小腸+大腸)は欧米人が平均で約7m、日本人は平均約9.2mという資料を発見しました。文献によって長さに多少の違いはあるものの、日本人の腸はアメリカ人のそれに比べて絶対的圧倒的に長いようです。これは何故なのか??
これは、古くからの食文化の違いにあるようです。欧米人は肉を沢山食べる一方で、日本人は米や野菜を多く摂取します。草食動物が肉食動物に比べて長い腸をもつのと同様で、食物繊維を多く取る日本人に置いてはより時間をかけて消化する必要が生まれたところから腸が長く進化していったんですかね。言うなれば日本人は草食動物、欧米人は肉食動物。だからあんなに肉大好きなのかアメリカ人。妙に納得。

もう春学期も架橋を迎えようとしてます。来週が最後の授業で、そのあとはFinalに突入。
というか、もうフライングで来週もFinalじみたテストがいっぱい。
早く終えたい授業も終わるのがもったいない授業もありますが、とりあえず学べるだけ最大限に学んで、Finalまでしっかり受けきりたいですね。クリスマス休みもほぼ返上で走り続けてきたので、ちょっと精神的に楽になるかな、これが終われば。学生の皆さん、あとちょっと頑張りましょう!
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  by supersy | 2008-04-17 23:59 | Athletic Training | Comments(7)

Regional Teack Meet

に行ってきました、昨日。
ご存知のようにアメリカの高校はNational Levelでの試合、いわゆる全国大会みたいなものがありません。Disrict→Regional→Stateという風に勝ち抜いていって、State Champになれば終了です。やっぱり高校の数が多すぎるからですかね。で、先週Districtで良い記録を残してRegional出場の資格を得た9人の選手達と一緒に、昨日はRegionalの大会に出かけてきました。
場所はBolle High School Jacksonville。
b0112009_23181198.jpg
2Aとは思えないほどキレイででっかい学校で、プールや飛び込み施設もあり、テニスコートもあり、Football fieldも人工芝でちょっとTexas Stateを思い出しました。スポーツもどれも強いみたいでState Champの経歴がズラリ。はーこういうところもあるんだなぁ。

朝の8時Hawthorne出発。私は普段午前中はUFで授業があるんですけど、
たまたまその日は何もなかったし、陸上の子達はなかなかにHigh Maintenanceなので一緒に行くことにしたんです。それを話したら同級生には“あんた…よくやるね”と言われましたけど。
基本的に私たちはAwayについていく義務はFootball以外ないんですけど、
(しかも陸上の大会は朝から晩までですから余計に)
まぁね、せっかく頑張ってRegionalに行けるのだし、行けるのならば行ったっていいですよね。

さすがにRegionalはレベルが高くて、各種目Districtでは一位になったようなうちのコたちも苦戦していましたが、花形の4x400では2位に入る大健闘で、State出場が決定しました!
大学トップアスリート並みの体格をしている選手も多い中、背も小さくてskinnyなうちのコたちが爽快にバトンをつなげていくのはなかなか見応えがありました。Good job!
でも、家に帰ってきたのは朝の1:30…。ごめん、State私は行かないかも(笑)。
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  by supersy | 2008-04-16 23:54 | Athletic Training | Comments(2)

Moving on and moving up

日本では3月が別れの季節、4月が出会いの季節、って感じですけど、
アメリカは学期がズレてますから、そこらへんにもズレが生じますよね。
5月が別れの季節、夏を挟んで8月が出会いの季節、といった感じかな?
どっちにしても、別れの時期が段々と近づいてきています。
うちの直属の上司・Dr. Doverもこの5月でUFを去ることが決まっていて、
残されるほうとしては寂しいばかりです。

でも私も、状況が変われば残される側ばかりでもなく、去るほうでもあるんです。
もうここんとこずっとですけど、コドモタチによく聞かれるのがこんな質問。
“Sy, Are you gonna be here next year?(来年もここにいるの?)”
私は来年は別の高校での勤務を希望しているので答えはNo、なんですけど、でもまだ次の高校が正式に決まったわけではないし、その決定権は私ではなく上司のDr. DoverにあるのでHawthorneに残る可能性が完全に0%なわけでもないし、“I don't know yet.”と答えるようにしています。まだわかんないなぁ、うちの上司が決めるからなぁ、と言うと、“じゃあその上司に電話させて!!Syが残れるように頼んであげる!”なんて可愛いことを言ってくれるので、こいつら健気だなぁとその度おねいさんは涙がちょちょぎれるわけですが。

一応説明しておくと、私はHawthorneの子供たちもコーチたちも本当に好きだし、
同じところに残っていれば2年目は要領が分かっているぶんとっても楽になるだろうとは思うのですが、今の自分に必要なのはより新しい環境に身を置いてより新しいことを学んでいくことで、“居心地がいい場所に落ち着くこと”ではないんです。そんなの、20年くらい早いと思うんですよね。来年はUndergradの部下を持って“教える”という経験も積んでみたいし、そのためにも違った環境へ動きたい、と考えているわけです。

だから、申し訳ない、戻ってくるつもりはないんだとは思いつつ、そんな風に答えているわけです。でもこんな風に誤魔化していても、戻ってこないんだろうな、と何となく感じ始めているコも少なくないわけで。

Sy、どうせ戻ってきたくないんでしょ、と拗ねたように呟いた子がいました。
いや、戻ってきたいとかきたくない(want)とかだけじゃなくて、何が本当に自分に一番良いか、
何をすべきなのか(should)ということを考えて決めないといけないことなんだよ、と答えたのですが、
それじゃあ、Syはボクらには何が一番良いかは考えてないんでしょ、と返されました。
この一言、本当にココロにぐさりと刺さりました。
冷静に考えて、恐らく私のようにお人好しのATは珍しいでしょうし、これだけ選手のためを考えて働くATはそういないと思うんですよね。自分で言うなよと言われそうですが、選手ひとりひとりのニーズに合わせて仕事をadjustさせるのは私のphilosophyですし、自分がやるからには自分のできる最高のqualityのものを、と考えていつも仕事をしている自負はあります。そもそも私が当たり前と思ってやる最低限の仕事がアメリカ人ATにとっては“あんたそんなこともやってるの、偉いね!”と言われることも全く珍しくなく、Footballの2-a-days初日にウォーターボトルにキンキンに氷を入れておいたら、バレーボールや野球の練習初日に水持っていったら、選手やコーチに“前のトレーナーはこんなことしてくれなかった、本当に助かる、ありがとう!!”と感動してもらってこっちがびっくりしたこともありました(こういうときこそ本当に日本人に生まれて良かったと思います。心配りはやっぱり世界最高レベルです、日本人)。
そう考えたら、うーん、確かに来年は皆また苦労するのかな、私が残ったほうが彼らにとってはいいんだろうな。なんて思えてもしまうんですよね。

Deanにも同じ質問をされて、Syは違うところに行きたいかもしれないけど、同じヒトが長くいてくれたほうが子供のためにはいいのよね、とも言われました。うーむ、たしかにほぼ毎年Athletic trainerが入れ替わるというのは、子供にとっても目まぐるしいんだろうなぁ。

どれくらい戻ってくる確率がありそうなの?と聞かれて、
うーん、5%くらい?って言ったら、そんなの無いも同然じゃない!とコドモに怒られました。
いつもそうだ、友達ができたと思ったらいなくなっちゃうんだ、とこれまた拗ねながら言う
彼を見て、毎年こんな思いをしてるのかなぁこのコたち、と思ったり。
時間があったら試合とか見に来るからさ、って言ったのは、おねいさんのせめてもの本音ですよ。

ヒトのためを考えて動くのがこの仕事だけれど、でも夢ばかりは譲れないし、こういうときくらい我侭にならなければ。皆の残ってくれと言う気持ちはしっかり受け取りますが、I gotta move on and up、新しい一年を自分のためのものにしないと。

ともあれ、惜しまれるというのはありがたいことです。
フロリダに引っ越してきたときは、嫌われたらどうしようなんて不安満載でしたから。
だって田舎の小さな高校でしょ。日本人を見たことも無いような人たちの中に私が突っ込んでいったら、拒否反応を示す人もいるんじゃないかななんて思っていたんですよね。杞憂でしたけれど。
別れを考えると寂しいけれど、同時に未来にわくわくもするし、ここまで約8ヶ月ここで自分がやり遂げてきたことには誇りを感じます。もうHawthorneでも残り2ヶ月を切りました。最後までしっかり自分らしく仕事をやっていかねば、ここまで頑張ってきた自分に申し訳が立たない。ラストスパートという言葉はこういうときのためにあるのかな。今一度、初心に戻って気合を入れなおしたいと思います。ういっす!
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  by supersy | 2008-03-25 23:59 | Athletic Training | Comments(4)

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