2017年 02月 03日 ( 1 )

 

Dream Big, and I mean it ― 若者よ、年寄りのいうことを聞くな。

今回のブログはただの備忘録のようなものなので、偏見と主観でしか書かれていません。読み流していただけるとありがたいのですが…
b0112009_02294206.png
教職についていると、学生が「夢」を語るのに触れる機会が多くあります。例えば、ATプログラムに入れるか入れないかを決める一年に一度の選考面接で、「あなたの5年後、10年後の将来の夢はなんですか」という質問を毎年受験者全員に尋ねるのですが、半数以上の学生が「プロスポーツで働きたいです!」と元気よく返してきます。それらの返事への私の反応はというと、ついついほぼ反射的に(心の中で)顔をしかめてしまうんですよね。プロスポーツで働く、というのがどういうことかわかっているのかな…、どんなに狭き門か(プロで働くATは、全米NATAメンバーのたった2%と言われています1)、実力以上にタイミングとネットワーキングが必要だということとか、考えたことあるのかな…、だったらうちじゃなくてプロと直接繋がりのあるもっと大きくて有名な大学に行った方がいいのに…、プロスポーツの医療現場は決して華やかなことだけではないし、高校・大学などの他のどのsettingよりも政治的・経済的なチカラが大きく加わるので理想的な医療環境は作りにくいよ…、プライベートは無いくらいの激務だし、今の実習・授業量で音を上げているようではとても無理だよ…。ネチネチと彼らに説教したくなる気持ちをぐっとこらえて、「なるほど、そうですか、では次の質問です」と返しますが、頭の中で「この子は業界のリサーチが足りない、見通しがちょっと甘い子かな」と判断してしまっていたりもします。

しかし、ふと手を止めて辺りを見回してみると、自分の周りにはアメリカのプロの現場で働くATの知り合いが山のようにいます。メジャーリーグサッカー(MLS)、NBA、NFL、MLB…それぞれの分野で輝いている友人知人らを見ながら、改めて自分の中にある偏見に気が付きます。「彼らは『2%』というオッズに勝ち、しっかり夢を実現させているじゃないか」「きっと彼らも学生の時に『プロで働きたい』と宣言し、一度は他人に笑われた経験があるだろう」「しかし、彼らの信念をrespectし、支える周りの人がいて、それに見合う以上の努力を彼ら自身が積み重ねて…最終的に彼らは目的地に立つことができている」「はて、私は教育者として学生の夢を笑う立場にあるのか?彼らに何を『夢』見るのが正しくて何が正しくない、と教えるような立場にあるのか?」「熱心な教育者のフリをして、学生を一番信頼していないのは私なんじゃないか?」…と少し立ち止まって考える機会があり、私は自分の「反射的な嘲笑(例えそれが物理的でなく、心の中だけのものであっても)」を大きく反省しました。学生は彼らが見たいだけの大きな夢を見て、それを語る資格がある。彼らができること、できないことを定義するのは私ではない、彼らと彼ら自身の行動です。"Dream big (夢は大きく持て)"と言いますが、何がtoo bigでtoo smallかは彼ら自身がこれから人生を歩み進める中で決めればいいことで、私が私の今の物差しを使ってやいやいというようなことではありません。いやー、歳を取る、経験を積むというのは恐ろしい。独りで勝手に「分かった気」になって、若い子に「分かったつもり」で説教をしたくなってしまうのです。私が「分かって」いるのはあくまで「私の人生」と「業界の過去」であり、「他人の人生」と「業界の未来」は私の想像できる範疇を超えている…という実に当たり前のことを、私は私自身に強くしつこく言い聞かせなければなりません。例え女の子の学生が「(土地柄熱心なファンの多い)サンアントニオ・スパーズで働きたいです!」と言って、「あそこは女性ATは雇わない」と私が見聞きして「知って」いるとしても、「それは無理だよ」と断言し、彼女の夢を摘んでしまってはそれこそ「無理」になる。女性でも同じ土俵で働けるはずだ、と信じてやまない女性ATがこれからの弛みなく努力を重ね、波となってうねりとなってプロの世界にぶつかっていくことで新たな道が拓けるんだと思います。私の尊敬する磯AT(女性初のNFLアスレティックトレーナー)もそうして道を切り開いていったんでしょう。先のことなど誰にもわからない。教育者として、学生の夢を広げる使命こそあれ、狭めるような心持で仕事をしていたのは本当に反省すべき点でした。

夢のある若者は、その存在だけでも大きな財産であり、宝なのだということを、業界そのものが受け入れないといけませんね。

そんなわけで若者よ、「無理だ」という年寄りの言葉になど耳を傾けるな!夢を大きく大きく持ってください。そしてそれらを語るのをやめないでください。「これをやりとげるのだ」という夢を声に出して宣言するというのは「しおりを挟む」「再確認・再認識する」という意味も持つ、見た目以上に重要な行為です。「夢」を多角的にリサーチし、分析し、必要なものを集め、目標に向かって一歩一歩進んでいってください。周りの景色も楽しみながら、知らぬにも触れながら、見聞も広めながら…自分の中の芯を太く太く、根を深く深く生やしていけば、「無理」と言われた夢を実現できることなどいくらでもありえます。
b0112009_03460279.png
"You can do anything when you are young and stupid (若くてバカだと、なんでもできる)."と私は自分の身の上話をするときによく言うのですが、私も17歳の時「アメリカへ留学をしたいと思っています」と言って多くの大人に笑われました。英語も喋れないのに成功するわけがないと言われました。でもやってみなきゃわからないよね、という若さと浅はかさ、そして盲目的なまでの情熱があったからここまで来ることができたのかもと思っています。

若者よ、バカであれ。若者よ、盲目であれ。貴方たちの若く青いお尻はまぎれもなく貴方たちの武器である。そのお尻をふりふり、前に進むのです。我々のような年寄りに足を引っ張られ、歩みを止めないでください。「へーそういう見方もあるんすね」とするりとかわし、地面を蹴ってそのマントで空高く高く飛んでいってください。我々の手の届かないところまで。貴方たちこそがこの業界の未来。君たちの活躍を心から楽しみにしています。

1. NATA. Where ATs Work. http://www.nata.org/about/athletic-training/job/settings. Accessed on February 2, 2017.


[PR]

  by supersy | 2017-02-03 17:00 | Athletic Training | Comments(2)

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE

AX