St. Louis 三日目 ---- Femoroacetabular Impingement。

今日は気合を入れて一日中Sessionに出席していました。
朝早く起きてホテルを出発したので、あとでConvention Centerでクラスメートに会ったときに、“一番遅く帰ってきて一番早く出てったけど、ちゃんと寝てるの?”と心配されましたが(笑)。
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最初に足を運んだのは定番J&J。大ホールでのAcute Hip Injuryに関する講義。
J. W. Thomas Byrd氏の講義が中でも特に面白かったのです。
今までUndergradで働いていたときにはHip joint(股関節)の怪我はほとんど見たことがありませんでした。以前にもここで何度か言及しましたが、Hip jointってカラダの中でも一番と言っていいくらい頑丈に作られている関節なので、あまり怪我をすることはないんですよね。
でも高校ではHip dislocationも見ましたし、それによるchronic instabilityのコもいましたし、もっと知っておかなければいけないと新たに最近興味が出てきた部位なんです、股関節。

肩のInstabilityに関してまとめたときに、肩関節と股関節は同じ球関節(Ball-and-Socket Joint)に分類されると書きましたが、この2つの決定的な違いはその彫りの深さにあるんでしたよね。
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以前にも載せたふたつの関節の違いですが、股関節ではacetabulum(寛骨臼)が深く作られているために大腿骨頭がしっかりその窪みに収まり、球は皿に包まれて安定しています(↑)。
加えて靭帯と関節包でその上を何重にも包まれているので造りは非常に丈夫になっていて、脱臼することは非常に稀です。一方で肩関節は、ティーに乗ったゴルフボール程度の浅さしかないため、その骨の造りの脆さから脱臼が非常に多くなっています。…なんて話をしたんでしたけれども。

ただ、この丈夫なHip jointに何らかのimpactがかかり損傷が発生したとき
この時にはこの溝の造りの深さが災いしてしまうことになります。というのも、
これだけ密接にball(=femoral head)とsocket(=acetabulum)が位置しているわけですから、
靭帯等では支えきれないようなabnormal forceがこの関節にかかるようなことがあれば、
必ず接触を起こしてしまい、labrumや関節軟骨面が損傷するという結果になってしまうんですね。
つまり、肩関節に比べて股関節のほうが怪我をすることは少ないけれども、ヒトタビ怪我が起きてしまえば、股関節のほうが関節内部に深刻な損傷が起こりやすい、というわけです。

そしてこのFemoral headとAcetabulumがガリガリ擦れあってしまう現象にはFemoroacetabular impingement(FAI)という名前が付いているらしいのです。肩にもimpingementがあるんだからHipにあっても何の不思議もないし、言われてみればなるほどどうして今まで考えなかったんだろうという怪我ですが、実は今回初めて耳にしました。
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FIAには2種類存在すると言われています。Pincer typeとCam typeです。
上の図はA→Dの順にNormal, Cam, Pincer, Combination (Cam & Pincer)なのですが、
Cam…Ballであるfemoral head/neckが完全な球形をしていない。
    一部bump(でっぱり)のようなものがあるため、socketとの摩擦が増えてしまう。
    先天的にも後天的にも起こり得る。
Pincer…Ballに対してsocketが深すぎるため、動きの中でどうしても
    ballとも接触が起きてしまう。典型的なのがacetabulumのfront-top部分。
    labral cartilageがsocketの縁とanterior femoral head-neck junctionとの間に
    pinchされてしまう。これにAcetabular retroversionが加わって起こることが多い。
つまり、もっと単純に分かりやすく言うと、CamはBallの奇形が原因、
PincerはSocketの奇形が原因で起こるimpingement、というわけです。
ただし、FAIの患者の80%以上が両方のコンビネーションだそうです。上の図のDにあたります。

こういったintraarticular disordersの中でもlabral pathologyは61%を占め
(続いてchondral damage 52%, ligamentum teres damage 25%)、
その治療法としてはやはり手術が定番です。Selective labral debridmentがstandard (yet not the golden standard)と言われており、Thomas氏の"Take bad, keep good, creat good transition zone."という言葉が耳に残りましたが、まぁしかしこの一言に尽きるのではないでしょうか。
ちなみに上で説明したようなImpingementが見られるときには、手術の際にこれらの骨のAbnormalityもがががって削ってしまうんだそうです。い、痛そう…。でもデリケートな関節なだけに“カタチが合わない”というのは致命的なんですね。

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そんなわけでこの他の講義もたっぷり聞いた後、夜はJATOのMeetingへ行ってきました。
この会合に関しては毎年色々な意見が聞かれますが、私は今年もまた素晴らしい出会いがここで沢山あったので満足してますし、毎年こういう機会を設けていただいていることに感謝しています!
ただ、人見知りな私は、JATOのMeetingが終わった瞬間に緊張が解けてものすごい安堵感を感じるのも事実なんですけれど…(笑)。これはこういう性格なのでしょうがないです。。

そのあとは例のごとくいつものメンバーを中心にダウンタウンへ繰り出しました。
ああ、毎晩3時4時就寝、7時起き。毎晩たっぷりのアルコールにフライ。
何て体に良いんでしょう、コンベンション…。Athletic trainersたるもの、これでいいんでしょうか(笑)。
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  by supersy | 2008-06-19 23:59 | Athletic Training | Comments(0)

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