IMAGINATION...it doesn't cost.

前回の更新のあとメールやメッセージを下さった方、本当にありがとうございます。
苦労自慢をしようと思ったわけではなくて、高校の現実ってこんな感じなんですよ、ってことを伝えたかったのですが、それでも頑張ったねと言ってもらえると何だかほっとします。

そうそう、ひとつだけ書き足しておきたいというか、前回の続きというか、
高校で働くということについてちょっと書いておこうかな、と思うことがもうひとつあります。
それはですね、高校で働き始めてめっちゃめちゃ上達したことがひとつあるんです。
ヒント1。Undergrad時代にはほとんどやらなかったことです。
ヒント2。想像力がキーです。
ヒント3。この能力、高校トレーナーだからこそ必要になってきます。
ヒント4。小さい頃ハサミで折り紙をちょきちょき切って遊んでいたのがこんな所で役に立つとは…。

どどん、答え言っちゃいましょう。
それは、素材を加工してお手製のpadを作ること!
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私がHawthorne High Schoolに初めて出向いた日に、そのAthletic Training Roomで目に付いたのが沢山のFoam Padding(↑)やフェルト生地。厚さや硬さがそれぞれ異なり、色々な種類があります。Tx Stateやプロでインターンした時にはほとんど見たことが無いものたちだったので、コレはどういう風に有効活用するもんなんだろう?Padなんてそんなに要るのかな?と疑問に思ったのですが、その謎はすぐに解けました。

うちの高校はお金があるほうではありません。
つまり、例えば、選手がカラダを強打して派手なアザが出来たりぼっこり腫れたりしたとしましょう。
大学やプロのチームなら、“はい、コレ”とクッションの入ったサポーターをストックの中から引っ張り出して選手にあげればいい。でも、ここにはそんなものはありません。自分で選手に合うパッドを数ある素材の中から選んで、加工して、テープで固定して、言うなればお手製サポーターを作ってあげないといけないわけです。

Bone bruise、親指のUCL sprain、Turf toe、Elbow bursitis、etc etc...
動きをがっつり制限したいけどテープのみでは強度が足りないときとか、衝撃を吸収するクッションがどうしても必要なときにこのFoamたちを引っ張り出してきて、むー、こうしたらいいかな?と試行錯誤してちょきちょき切って、部位に当ててみて、よし、これでどうじゃー!と選手を送り出したことがこの一年間で多々ありました。結構作るもの皆選手は気に入ってくれて、こういうのって教わらなくても想像力で何とかなるもんなのね、と思っています。何ていうか、作り方知らなくても理屈で考えればいいんです。解剖学的に考えて、この動きを制限したいんだからこのへんに邪魔があればいいんじゃない、とか、この部位に変なpressureが掛からないようにしたいんだから、この周りをfoamで持ち上げてやればいいんじゃない、とか。

例えば、つい最近ですが、足が痛い、と来た選手がいて。
足の裏の、丁度2nd metatarsal headくらいがcallus(タコ)のできかけのように厚くなりはじめていて、とにかくそこに体重をかけると痛いというんです。幸いmetatarsalgiaとか神経系ではなかったので、単純にこの部位にかかるストレスを減らさないといけない。とにかく充分なクッションが必要だなー、何でこんなことになったのかしら?と靴や靴底をよく見てみると、靴は本人も覚えていないくらい長く使って柔らかくなっているし、insoleもbig toeから1st metatarsal headにかけてがかなり磨り減っていて無いも同然、全体的にも随分傷んでいる。
“こりゃー新しいcleats買った方がいいよー。せめてinsoleは変えないと。”
と言ってみても、そんなお金ないもん…としょんぼり言われてしまうとどうしようもありません。
むむ、これは何とかしてやるしかないじゃないか。Foamで何とかできるかな?
比較的薄めのFoamをドーナツ型に切って、その上から更にスポンジを切って当ててやり、
2層のpadを作ってくるくる足の裏にテープで巻いてやりました。
それまで、“今日は練習できないよぅ”とぶーぶー言っていたコも、“あ、良くなった”としっかりした顔付きになり、練習に飛び出していきました。このpaddingはこれからこのコのルーティーンになりそうです…彼が新しいスパイクを手に入れるまでは(苦笑)。

あるもので何とかしなきゃいけない。
どこに行ってもこれは変えられない事実ですが、特にBig Budgetの無い高校ではこれが現実です。医者に診せなきゃいけないと思う怪我だって、親御さんが“保険がないから連れて行けない”と言えばそれはもう私が何とかするしかない。サポーターを買うのを勧めたって、新しい靴が必要だって、それを選手が買えないなら私があるモノで何とかするしかない。今何が手元にある?これでどんなことができそう?とにかく色々想像してみる。Imaginationがモノを言います。

Hawthorneに初めて出向いた日。それまで大学でぬくぬく育ってきた私は、高校の小さなAT roomを見て、何のmodalityもないのを見て、とにかくその全てにががんと衝撃を受けました。
ほ、本当にここでやっていくの?一年も?頼むから冗談だと言って、とすら思いましたもん。
でもね、まだ昨日のことのように覚えています。
その帰り道、運転しながら、いや、これはきっと冗談じゃないよなぁ、とゆっくり噛み締めて、
ここで何が出来るかが問われているんじゃないか。
ここで何が出来るかが自分のAthletic trainerとしての本当の真価なんじゃないか。
E-stimが無きゃトリートメント出来ません、Taping tableがなきゃテープできません、
Swiss ballがなきゃリハビリできません、ゴルフカートがなきゃ練習のセットアップできません、
そんなAthletic trainerになったところでどうしようもないじゃないか、と思ったんです。
自分のトレーナー像がそんなものじゃないってこと、これから一年かけて、
他でもないHawthorneで証明しよう、と帰り道に強く強く決意したんです。

Foam padding作りが上手くなったのも、その決心の賜物と言うか何というか。新しいtape jobも幾つか開発しましたし、ストレッチやリハビリもここに来てから色々とヒネリを加えました。
持てる知識と持てる物理的道具を最大限に混ぜ合わせてImaginationで膨らませていけば、
結構乗り切れる状況って多いもんです。全ては自分次第です。ひとりで働いてりゃある意味
好きなことできちゃうんですから。無責任にやっていいって意味じゃもちろんないですけれども。
何コレちょっと面倒見切れない!無理!と赤旗を上げる前に、アナタの想像力にちょっと問いかけてみて下さい。常識も必要ならば取っ払いましょう。突破口は意外なところにあるかも知れませんよ?
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  by supersy | 2008-05-11 23:59 | Athletic Training | Comments(0)

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