肘について考察してみる。

どうもどうも。Finalや課題が全て木曜日に終了し、日本のゴールデンウィークに
合わせたかのように私の頭もゴールデンウィークになってしまいました。
今、キーボードでごーるでんうぃーくと打とうとしてごーるどぇん(dwe)うぃーくと打ってしまったのですが、何かこっちのほうがGWのバカ明るさが出ていいような気もしますがどうでしょう。
日本の皆さんは休日明けですっきり仕事や学校に向かってらっしゃる頃だったりするのかしら。
とはいえ、アメリカでは普通この時期Finalラッシュとか卒業式とかゴールデンでも何でもない、
いやむしろ普段に輪をかけて忙しい&慌しい時期なので、ゴールデンウィークとはもう5年も無縁の生活を送っています。今年はUFの学期終了が早かったから一応正式にはもう夏休みのはずなんですけどね。5月いっぱいまではSpring Footballがあるので仕事は続行します。

あ、そう、またちょっと愚痴ってもいいですか。
契約のワナ?の話をもうずっと前に書きましたが、それについては他とも掛け合ってみたのですが結局状況は何も変えられず(County単位の契約なので、うちの高校だけ内容を変えるわけにはいかないらしいんですよね)、自己消化というカタチで決着を付けてここまでやってきたんですけども。
またもね、ちょっとだけ、ちょっとだけですけど納得がいかないことがあるんです。
高校との契約が正式に切れるのは5月15日。
でも、Hawthorne High SchoolのSpring Football Gameがあるのは5月29日。
コドモたちをほっぽって、“じゃあ契約切れたんでっ、さよならっ”とここを去るわけにもいきません。
つまり、契約が切れてから29日までの14日間は、実質ボランティアのタダ働きになるわけです。
一応大学側の言い訳としては、“冬休みの間、皆が実家に帰っている間も給料が払われていたのだから、まぁイーブンになるということで…”みたいな感じなんですけど、えぇ確かに私以外のクラスメートは冬休みになるやいなや実家にすっ飛んで帰ってましたけど、私は冬休みもここに残ってバスケットボールのトーナメントに飛び回っていましたが…。
まぁ、冬休みにうちの男子バスケットチームが色んなトーナメントに参加して忙しかったというのはしょうがないし、うちの高校のSpring Football Gameが他の高校に比べて格段に遅い時期にスケジュールされてしまったのもまぁ運の問題だし、要はたまたま私にとって色んなことが悪いほうに重なってしまっただけなんですけども。
真面目に働く人間が馬鹿を見るという社会はなんだか悲しい気もします。
たまーにですけど、アメリカ人の“手を抜く”上手さが羨ましくなるときもあります。
そのくらいじゃ自分の性格を変えようとは思いませんが。
仕方ない、おねーさんこうなったらとことんまで面倒見てやるよ、コドモタチ。

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さて。話はすっきり変わりまして。
以前にちょろっと“解剖のテストの問題でちょっと気になったことがあって…”というハナシを書いたことがありましたが、せっかく時間ができたので今回はそれについてまとめてみようと思います。
その問題というのは、
“肘がfull extensionされているとき、UCLのどのパートがtaut(ぴんと張っている)か?”
というモノだったんですけれども、そういえば、どのパートがどのくらいのflexionのとき張っているのかとか詳しく知らないなぁ。3つもあるんだからそれぞれ密かに別れた役割があるんじゃないか、と調べてみたのが今回の内容です。
じゃじゃん、では、まず、肘のUlnar Collateral Ligament(内側側副靭帯)の簡単な説明から。
b0112009_11165757.jpg
UCLは図にある通り、Anterior Bundle, Posterior Bundle (別名:Bardinet's ligament), Transverse Bundle (別名:Cooper's ligament)の3つの異なるパートから構成されています。
Anteriorだけ別名がないようです。仲間はずれ。
Cooper's ligamentというと私は別のモノを想像してしまうのですが、人体にCooper's ligamentと呼ばれる靭帯は数箇所あるようです。胸にあるのもそうですし、Pectineal ligamentも別名はCooper's ligamentだそう。ややこしい。どれも違うCooperさんが見つけたのかな。

・Anterior Bundle…Medial EpicondyleからCoronoid Processにかけて
・Posterior Bundle…Medial EpicondyleからややOlecranonの内側にかけて
・Transverse Bundle…Coronoid ProcessとOlecranonの間にあるNotchの上に広がる

というようにそれぞれ違う方向へ走っているのが見て取れますよね。
まず私が調べてみて驚いたのは、このTransverse Bundleというのは実はほとんど肘関節のstabilityには貢献していないそうなんです。まぁよく考えたらCoronoidからOlecranonに走ってたら確かに、言い方はおかしいかも知れませんけれどintrinsicな靭帯というか何と言うか、関節にはほとんど影響していないですよね。解剖してみても、たまにしっかりと判別できるときもあれば、もう他の組織と混ざって何が何だか、つまり、存在してるんだかしてないんだかみたいな場合も多いみたいです。なので、ここの議題からはちょっと外します。

さて、ということは比較すべきはAnteriorとPosterior。
過去の文献を調べると意外なことにかなりこのふたつのBundleのfunctionに関して議論が別れており、“このbundleはflexion時にtautだ!” “いやいやextensionだ!”何てことを延々とやっていたりするみたいなんですよね。でも、過去の研究者の間でほぼ満場一致で納得されているのが、“Posterior bundleはmaximal flexion時にtautだ”という事実のようです。

で、残るはAnterior。これが全てのbundleの中でstrongest・stiffestであり、平均のfailure loadは260N。Primary stabilizer against valgus stressという重要な役割を果たすのですが、どうやらこの機能の分類が厄介なようなんです。
色々な説がありますが、とりあえず私が一番“らしい”んじゃないかと思ったものをご紹介します。
それは、Anterior bundleには、機能的に分けて3つのタイプが混在しているという説。
 1. Extreme、つまりmaximal extension時にのみtautなコたち
 2. 中間(0~145°の中間ですから恐らく約70°くらい)からfull flexionにかけてtautなコたち
 3. ずっとtautなコたち
b0112009_11472727.jpg
上の図はFuss氏による実験の結果なのですが、彼はcadaverを観察しまくった結果、何とAnterior bundleだけで9つのsub-bundlesを発見したんです。それがこの図の12345,KLMXになります。
(※・この写真は骨を黒く、靭帯の起始停止地点を白く染めたものなんですけれど、左上がoriginのanterior view、右上がmedial view、右下がposterior viewになっていて、左下がinsertionです。つまり、左上、右上、右下から起始したものが左下に停止するというわけです。関節全体を3Dに想像しながら見てみてください)
この9つのうち、K, L, MType 1・つまりfull extensionでのみtautになるbundle
1, 2, 3, 4, 5Type 2・つまり約70°~full flexionでtautになるbundle
XType 3・常にtautな特殊なbundle。  …ということになるわけです。分かります?
Bundle XはGuiding bundleと呼ばれ、その名の通り関節に対してコンスタントにテンションをかけることによって動きをスムーズにguideする役割を果たしています。常にtautなので、逆に言うと0~約70°まではtautなのはコイツしかいないってことにもなりますね。これはちょっと面白い。

つまり、しっかりまとめなおすとこういうコトになります。
(分かりやすくFull extensionは0°、Full flexionは145°で統一させて頂きます)
Transverse…特に機能は無し
Posterior…145°(Full Flexion)でtaut
Anterior…3 Types
  1. 0°(Full Extension)でtaut
  2. 70~145°(Mid~Full Flexion)でtaut
  3. 0~145°のfull ROMで常にtaut (=Guiding Bundle)

む。ということは、先のテスト問題の正解はどれになるのでしょう?
“肘がfull extensionされているとき、UCLのどのパートがtautか?”
というものですから、正解はAnterior、ということになりますね。
これがFull flexionだったらなかなかトリッキーな問題ですね。一般的にはPosteriorでagreeされているのでしょうけれど、でもAnteriorのType 2&3 BundleもFull flexion時にtautになってますからね。まぁ今更こんなこと心配しなくてもいいんですけれども。

というわけで、ちょっとした興味本位から調べ物をしていたら意外に面白いことを多々発見したので忘れたくなくてまとめてみました!途中に載せてある、各Origin&Insertionのでっかい写真はなかなか面白いので、お時間があれば是非ゆっくりじっくり見てみてください!

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成績が今日になって出たのですが、しっかりした内容で今学期を締めくくることができました。
うぃっす!これも皆さんのお陰です!あーざーます!終わりがいいと気分がいいです。
これで大学院生活の半分が終わり。後半も頑張っていくぞー。
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  by supersy | 2008-05-05 23:59 | Athletic Training | Comments(3)

Commented by カツ at 2008-05-08 06:24 x
おっ、この写真、どっかでみたことあるぞ(笑)
Commented by まさ@ころんばす at 2008-05-12 01:27 x
さゆりさん、ちーっす。今週フロリダ行きます!Fort Lauderdaleってとこ近いっすか?
Commented by さゆり at 2008-05-12 06:39 x
>カツさん
ははは、画像を取り込む技、お陰様で習得しました!
これから役立てられそうです。

>まさ
Miamiのほうじゃん!めちゃめちゃ遠いよ。
Gainesvilleはフロリダでも北のほうなのよー。

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