ひとりじゃない。

一人で働いているのだけれど、一人じゃない、と思うことがよくある。
選手と話していて、“こういう説明のしかた、あの人がしてたよなぁ”とか、
“このテーピング、この人がしてたの見て盗んだんだっけ”とか、
“こういうアプローチの仕方はこの人が教えてくれたんだ”とか、
今までに関わってきたAT全ての人の痕跡を、自分の中に垣間見ることが本当に多いからだ。
全ての人の技術と知識と個性が自分の中にまだまだ鮮やかに息づいていて、
その人が横に立って見ててくれるような錯覚に陥ることもある。不思議なものだ。
全てを一人でやらなければいけない、という事実にどうしようもなく圧倒されるときもあるけれど、
私と言う一人のトレーナーが何人ものATに支えられて出来たものなのだと考えると、まるで自分の身体からむくむく何本もの手足が生えてくる気さえする。できちゃいそうな気がしてくるのだ。

この感覚は、きっとこれからも、大事だ。
取っておこう取っておこう。

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さて、今日は金曜日、つまり、今日を乗り越えれば週末オフ!
…だったのだけれど、大きな怪我が起きてしまった。
私のimpressionではそう大きくないのだけれど、でも大きい可能性も否定できない。
起きてしまったのが金曜日の夕方だったので、恐らく親御さんにERに連れて行ってもらうしかないだろう…。一応Shandsに電話して確認してみるも、やっぱり同じことを言われる。
親御さんに報告の手紙を書いて、選手にも帰宅後の処置を何度も確認する。
ひどいものでないことを願うけれど…。ここから先の判断は、お医者さんに任せるしかない。
初めてのこういう怪我は、ちょっとショックです。

私の仕事は皆をできるだけFieldに留めておくこと、でもそのためには、協力し合わないといけないんだよ。怪我がある人は、きちんと私に話しに来る、それがキミたちの仕事だよ。
…という話を昨日したら、今日のAT roomはてんやわんや。メモを取りながら次々とevaluation。ざっと10コ以上はしたでしょうか。SOAP noteに起こさなければっ。
怪我が大体把握できたら、身体の中で何が起こっているのかをしっかり説明すると彼らも非常に納得してくれます。絵を描いて見せたり、教科書を引っ張り出してきたり、机の上の膝の模型を使ったり。(恐らくこれが私のオフィスにあるものの中で一番高価じゃないかと思うんですが…)
だからこそ、Initial evaluationはとても大事、時間もたっぷり使いたいのですけれど…
なかなかそうもいかないですね。もっと上手くなりたいなぁ、色々。

体力的精神的に疲れる忙しい一日でしたけど、そんな中とっても嬉しいこともありました。
アメリカ人って、“家族を皆日本に残してアメリカに来た”という事実に皆結構びっくりするんですよね。私自身は夢を追った結果こうなった、って感じだし、周りにもそんな人ばかりなので、ある意味何てことないことなんですが。お昼休みももう終わりという頃にぱたぱたと、さっき診たばかりなのに、“もっかい診て”と遊びにやってきた2人の男の子。あれこれ雑談しているうちにその話になって、やっぱり“ええ、家族誰もこっちにいないの?”とびっくりされました。
そしたら彼らがとびきり真剣な顔で、“Sy、ここにいる間は僕らがSyの家族になってあげるからね!”と。私としては、選手やコーチとはやっぱり一線引いて付き合わないといけないわけですから、家族のような全てオープンな関係には到底なれないのですけれど、なるつもりもないのですけれど、でも、この気持ちが何だか暖かくて、素直に嬉しいと思ってしまいました。

スポーツチームの関係って特殊ですよね、沢山の時を共にして、ひとつの目標を共有して、涙も汗も勝利の喜びも全部分かち合う。皆のために自分が動く、自分のために皆が動いてくれる。絶対的な信頼感。それは、家族に匹敵するほどの固い絆で。

ねぇ、家族にはなれないかもしれないけど、そんな風になれたらとは、
48才のおねーさんも思っているのだよ、コドモたち。
僕らはやっぱり、ひとりじゃないのだねぇ。
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  by supersy | 2007-08-10 23:59 | Athletic Training | Comments(4)

Commented by はっしゃん at 2007-08-13 10:33 x
はじめまして。足跡からきました。
フロリダでトレーナーをされているようですね。遠い地で一人奮闘されている点、尊敬します。
私もトレーナーを奈良でしています。今は大学サッカー部で活動しております。また遊びにきますね。
Commented by さゆり at 2007-08-14 10:49 x
ごめんなさい、人を探して色んなところにあちこち足跡をぺたぺた着けていました。申し訳ないです。日本でお仕事されているんですね、日体協ATですか?宜しければまたご訪問下さい!
Commented by かける at 2007-09-03 14:32 x
久しぶりです!僕ももうSeniorになって、いろいろJuniorで経験したこととか思い出すと確かに一人じゃないなーって思いますわー!!><この感覚言葉にできそうでそうできるもんじゃないすわーと思いつつさゆりさんやっぱすげーなーと思ってコメントしました笑 Undergrad最後の1年なんで吸収できることをがっさー探してがっさー吸収してがんばります!
Commented by さゆり at 2007-09-04 02:57 x
おー、かけるくん。前に誰かにも言ったんだけど、Undergradってすごく貴重な時期だと思うんだ。長い(であろう)AT生活の最初の3年。深刻な責任もなく、のびのびと学びたいことを学べる時間でさ、授業でもイスに座っていれば新しい情報が毎日どんどん入ってくる。この学びの機会を逃さない手はないよ、ハングリーに最後の一年頑張ってね!

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