水分補給/脱水指針101。

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暑いですねぇ。夏ですねぇ。これからもっと暑くなっちゃうんでしょうねぇ。
テキサスからフロリダという、南部→南部の移動をした私。
5年以上もの南部生活で暑さには大部慣れてきたとはいえ、やっぱり暑いとは感じます。
でもやっぱりテキサスの暑さとフロリダの暑さは違いますね!
テキサスは日差しの強さがもうやばい。炎天下の中立っていると、肌が焦げて死んでいく
感じがするんです。あー、細胞が今またひとつその命を失っていく…っていうのが分かる(笑)。
一方フロリダは、日差しはテキサスに比べてmildなんですが、やっぱり湿気がありますね。
汗をかいてもじとっと肌の上に留まるので、べとべとします。

さて、この間テニスをしているとき、友人に、
“そういえばスポーツをしているときにはどういう飲み物を飲むのがいいの?” と質問されて、

 ・炭酸とカフェインは避ける
 ・小一時間くらいわいわいレクリエーション目的でスポーツする程度だったら水で充分
 ・でも2時間3時間も例えば炎天下でintenseな運動をするときには発汗によって失われる
  electrolytes(電解質)を補給するためにスポーツドリンクを飲むと良い

なんて話をしてました。

●カフェインはダメ
意外に知らない方が多いんですが、カフェインには利尿作用があるので、
これをスポーツ中に飲んでいると、給水しながら脱水してることになります。
何て言うんでしょう、水分がカラダに吸収されずに、そのまま流れていっちゃう、って感じ。
これじゃー意味ありませんし、運動中トイレに何度も行きたくもないでしょう?
お茶類にはカフェインが入ってます。高校の部活に久しぶりに顔を出したら、選手がパックで緑茶や玄米茶を飲んでいてびっくりしたことがありました。麦茶はカフェインレス、ほうじ茶もかなりカフェイン少なめですので、お茶を飲むのが好きな人はそっちにしましょう。
コーラやDr. Pepperなどの炭酸類にも大量にカフェインが含まれています。
pump upしたいからとenergy drink飲む人もいるかも知れませんが、
これもカフェインが大量に入っているのでもってのほか!Red Bullのカフェイン量とかやばいですよ、今度ラベル見てみてください。試合前に飲んでるathletes見たことありますけどね。

●糖分摂りすぎに注意
Gatorageはスポーツドリンクとしては一般的に良いと言われています。
別にUFびいきしてるんじゃなくて、CMで言われてるみたいに最も研究されているスポーツドリンクですからね。Research-based、Research-approvedという信頼性はこの世界では強い盾です。一方でPowerageは研究が圧倒的に少ないほか、糖分が多すぎると言われていて、水で2倍くらいに薄めて飲むと丁度良いくらいです。
あんまり糖分の高いものを飲んでしまうと一気に血糖値が上がり(hyperglycemia)、
その後一気に血糖値が下がる(hypoglycemia)ので良くないです、気分が悪くなっちゃったりします。アメリカでも最近ほんのり味のドリンク増えてきてますから、糖分は控えめのものを選びましょう。

●飲み物の温度
冷たすぎるものを飲むとカラダがびっくりしちゃいますけど、適度に冷たいことも体温調節には重要。40~50°F(4.5~10℃)くらいが良いと言われています。冷蔵庫くらいの温度ですね。

●喉渇いてないから…
と運動中でもあまり水分を取らない人がいますが、喉が渇いたら飲む、では遅いんです!
この世界では“Thirst is NOT an indication of when to drink”と煩く言われますが、
これは、人は喉が渇いたと感じる時点で既に軽い脱水状態にあるからです。
喉の渇きを感じる→体重の1-2%に相当する水分が失われている、ってことなんですね。
1-2%なんて大したことなく聞こえるかもしれませんが、3%でcaution、
5%で命に関わりうるserious dehydrationと言われるくらいですから結構な数字です。
75kgの成人と考えたら1-2%って0.75~1.5Lもありますしね。
喉が渇く前に未然に水分補給するのが一番、それでも万が一喉の渇きを感じたら、
カラダが出してるサインに素早く対応して、速やかに水分を取るようにしてください。
水分を取りすぎることを心配する人も多いですが、あんまりそれって起こらないんじゃないかと思います。苦しくなるまで自主的に水飲む人って…私は少なくとも見たことありませんし。
汗で出た分と全く同じだけの水分を飲むことが理想なんですが、
それって実は、自分が“このくらいでいいかな”と思う量よりちょっと多いくらいなんです。
つまり何が言いたいかというと、水分補給に対して臆病にならないでくださいね、ってことです。

●Before, during, after...and proper rehydration
運動前、最中、そして終わった後にも、コンスタントに水分を取るようにしましょう。
運動前と運動後で体重を比べてみて、それが同じになるように水分補給できれば理想的です。
ダイエットしてる人って、運動前と後で体重測ったりして“やせてるー”って喜んでたりするでしょ。運動直後の体重の降下なんてアレは全部水分だから、減ってたらむしろダメなんですよ。ちゃんとrecoverしないと。カラダに余計な負担をかけないためにも、水分取って取り戻してください。心配しなくても、きちんと運動し続けていればちゃんと脂肪が燃えて徐々に体重が落ちてきます。

●Don't be old-school
私の昔の監督で、“私が選手だった頃は練習中水なんか飲ませてもらえなかったんだから!”
と私たち選手にまで水休憩をほとんど取ってくれなかった人がいましたが…
“我慢=美徳”なんて、21世紀にこんなold-schoolスタイルを引っ張るのはもうやめましょう。
ちゃんと水分取らなきゃ疲労たまるし、チカラは入らないし、performanceも落ちます。
それ以上に、選手の健康に関わることであり、命を失う危険性だって伴うわけです。
選手を危険にさらしてまで古いカタギを通すのはただの自己満足。
水休憩なしのぶっ続けの練習は今日の研究で悪いとハッキリ証明されていますからね。
水分補給の理想的な形は、選手がいつでも手を伸ばせるところに水がある、という環境。
ただ、そういうのを嫌うコーチさんもアメリカですら結構いますから、そこらへんはATとしてはコーチと上手くコミュニケーションを取って、一定の頻度で水休憩を取ってもらうようnegotiateしないといけません。こういうのも大事なATの仕事。Risk management能力です。

●Hydrateする習慣をつける
練習前、試合前に焦ってがぶがぶ水を飲んでみたって、
普段きちんと水分を取るクセがついていなければnon-effective。
カラダが水分をretainしておく習慣がないんですからそのままpeed outされて終わりです。
Athletic performanceと同じで、直前にああやろうこうやろうと工夫してみても練習してなきゃ本番でもできない。身体にhydrationする習慣を叩き込まなきゃダメなんです。
誰かさんみたいに、“あ、今日コーヒーしか飲んでない”なんて生活はとんでもない。
普段の生活から水分をきっちり取って、うるおわせてあげましょう。

●日常生活で、脱水かどうかを見極めるb0112009_1442315.gifには、幾つかの方法があります。
簡単なのは、自分の尿の色をチェックすること。左(←)が尿のカラーチャートですが、これは下に行くほど脱水していて、上に行くほど良いんです。つまり、明るい薄い色であればあるほど良くて、濃くて暗い色であるほど悪い、ってことです。1-3くらいまでならwell-hydratedですが、4あたりから怪しくなってきますね。
これは単純に尿の濃度に関係しています。脱水した状態だとカラダが少しでも多くの水分を身体の中に留めておこうとするので、尿として排出される水分が減らされ、老廃物はそのまま残りますから、尿の濃度が結果として上がるんです。だから濃い色=脱水、なんですね。
それから、水分を取ってからトイレに行きたくなるまでの時間、というのももうひとつの目安です。
(…トイレの話ばっかりでごめんなさい、でもとっても大事なんですコレ)
自分がトイレに行くときに、最後に水分を取ったのはいつだったかな?と自分に聞く癖をつけてみてください。これは非常に大事な質問なんです。これが“2時間以内”だったら合格です!
カラダが健康で適度に水分が体内にある状態で水分を取ると、当然余分になった水分は出さなきゃいけませんよね。約2時間でこのexcess waterはmetabolizedされ、尿として排出されます。
この“2時間”が自然な代謝のリズムによる数字なんです。
逆にこれが2時間たっても出てこないとなると、カラダがその水分を欲していたから排出せずに吸収した、ってことになります。つまり、カラダは脱水していた、ってことです。
もちろん2時間10分だったから不合格、とかそんなのではないんですけど、目安にね。でも、6時間も7時間もトイレに行かなくてもいい、っていうのは水分のリズムとしてはマズイんです。
こんな風に普段から自分が脱水しているのかどうか、見極める術は幾つかありますから、
皆さん普段からちょっと意識してみてくださいね。これから暑くなりますから、特に!

あ。話は戻るんですけど。
さっき長時間の激しい運動にはスポーツドリンクがただの水より効果的、と書きましたが、
スポーツドリンクの利点は他にもあります。それは、水だったら大して飲みたがらない選手もスポーツドリンクだったら飲む確率が上がる、ということ。これってつまり単に好き嫌いなわけですが、ATにとっては頭に入れておいて損はない重要なポイントです。アスリートが飲みたがってくれるならもうけもの、このチャンスを利用しない手はないじゃーありませんか。
働く施設のsupplyとbudgetと相談して、練習にスポーツドリンクを出す、
2倍に薄めて出す、試合の日限定で出すとか、工夫する余地は充分にあります。
その反動で水を更に飲まなくなるんじゃないかという指摘はご遠慮ください。
そこはcommunication&educateで何とかしましょう。

ああー、もうちょっと電解質の話をしたかったのですが、
例によって今日も長くなってしまったので、また今度へ続きます。
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  by supersy | 2007-07-31 23:59 | Athletic Training | Comments(2)

Commented by kon chan at 2007-08-02 22:05 x
うーん,勉強になります.
こういう説明はわかってないと書けないと思います.すばらしい.
Commented by さゆり at 2007-08-03 13:54 x
そう言って頂けると嬉しいです。テキサスでは水分補給は徹底されていますから、厳しい上司にがっつり叩き込んでもらいました!

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