Vanishing Twin - あなたにもいたかもしれない、双子の片割れ?

こんにちはー。今週末はとある講習会に参加しにポートランドはオレゴンに来ています。講習の合間を縫って、新しくできた友人らと色々街を回ったりもしていました。楽しかったー!
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今回の講習は過去の出来事によって凝り固まってしまった感情をどう解き放つかという、言葉にすればするほど怪しい内容なんですが(苦笑)、ココロに巻き起こる感情は化学物質となって脳内を駆け巡る、というコンセプトは決して信じがたいものではないし、自分でも気づかないうちに特定の出来事が「しこり」のようにぎゅぎゅっと固まって、そこから雪玉のようにどんどんカサを増していくことってあるでしょう?何層にも重なって溶けにくくなってしまった雪玉をひとつひとつその層を剥がしていって、「核」となった小さな小さな雪の塊を解かす作業って、バカにできないと思うんですよ。

まーセミナーの内容やその背景にあるエビデンスはいつか気が向いたら書くとして、今回はこの講習の中で出てきたと「Vanishing Twin (消えてゆく双子の片割れ)」というコンセプトについて書きたいと思います。


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出産において、双子が生まれる確率は3.2%と報告されています…1が、実際に双子が命として宿る可能性はそれよりももっと高いのではとも言われているんです。2 どれくらい高いのかって?新旧様々な論文を見てみると、本当は双胎妊娠そのものはその約1.25~1.67倍頻繁に起こるのではないか(つまり3.2%ではなく、約4~5.4%まで確率が上がる)という指摘があります。3 言い換えると、双胎妊娠が起きても、約20~40%ほどの確率でその片割れが成長せず何らかの理由で自然死してしまう、"Vanishing Twin"という現象が起こるんだそうです。2,3
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Vanishing Twinが起こる理由は明らかになってはいませんが、単胎妊娠でも自然流産が起こる可能性は確率は15%程と言われていますから、「2名のうちどちらかが死亡する確率」と考えると、Vanishing Twinの約20~40%という数字もそこからそう遠くもないのかもしれません。狭い子宮の中で命の競争が行われ、強いほうが生き残るという自然な流れもきっとあるのでしょう。4 動物界では、「全員は生き残らない」前提で、多く子供を産んでおくことは当たり前でもありますしね。
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Vanishing Twinsの真のPrevalenceはわかっていません。2,3 過去に研究によって報告された数字は先に述べた通りですが、いやきっともっと高い、60-70%程の確率で起こるのでは、と主張する人たちもいるようです。2 なぜならば、胎児の死亡が起こりやすいのは、心拍がはっきりと確認できるようになる以前の1~8週目。もしこの期間の間に双胎一児死亡が起これば、そもそも双胎妊娠であったことが医師や母親にも認識されない、つまり、母親も生まれてくる子も「妊娠時には双子だった」と知らない、ということになるのでは?というわけ。最近は超音波の画像診断の技術も上がり、より初期妊娠診断ができるようになって、Vanishing Twinの実情もよりはっきりと見えてき始めてきているのだとか。ふーーーむ。



なぜこんな話になったかというと、今回の講習で「ひとりぼっちは寂しい」という深層心理がある人1名、「生きることに罪悪感を感じる」と言う別の人1名に、それぞれ「貴方にはVanishing Twinがいた」という診断結果が出たんですよ…。本人にその記憶がなくても、生理学的な反応でそれが見えてきたりするんです…。言われた本人らは、その瞬間に堰を切ったように泣きだしたりするんだからもう鳥肌ものです…。ひー。

ちなみに、悲しい話ではありますが、妊娠初期に死亡したVanishing Twinはそのまま子宮に吸収されて消えていなくなる場合がほとんど。その場合後遺症など無く、生き残った胎児の成長は「正常」に進むケースが多いそうですが、妊娠中期や後期に死亡が起こると生き残った赤ちゃんや母体に影響・障害がでることもあるのだとか。そして、稀に双子の片割れが、もう一人の胎児の身体を飲み込むようにして成長する"Fetus-in-Fetu (封入奇形胎児)"という症例もあるようです。4 香港で生まれた赤ちゃんの身体の中(肝臓と腎臓の間)からもう一人の大事が出てきた症例や、「普通に」生まれ育った36歳のインド人男性の身体の中で、もうひとりの胎児がそれに寄生するように成長を続けていた(生まれてこの方、妙なお腹のでっぱりがあったそうですが、36歳になって息苦しいなどの症状が出始め、病院へ。医者は最初は大きな腫瘍かと思ったそうな…)症例などが今までにニュースになっていたりします。画像検索をすることは…あまりオススメしません。

別に怖い話をするつもりはなかったのですが、改めて人体って不思議に満ち満ちているなぁ…と思ったのと、もしかしたら私にも双子がいたりして?と妄想を膨らませてみたりしたので、ここに書き記しておきます。あっ、明日朝早い飛行機に乗るんだった、そろそろ寝なくてはです!

1. Chauhan SP, Scardo JA, Hayes E, Abuhamad AZ, Berghella V. Twins: prevalence, problems, and preterm births. Am J Obstet Gynecol. 2010;203(4):305-315. doi:10.1016/j.ajog.2010.04.031.
2. Landy HJ1, Keith LG. The vanishing twin: a review. Hum Reprod Update. 1998;4(2):177-183.
3. Márton V, Zádori J, Kozinszky Z, Keresztúri A. Prevalences and pregnancy outcome of vanishing twin pregnancies achieved by in vitro fertilization versus natural conception. Fertil Steril. 2016;106(6):1399-1406. doi:10.1016/j.fertnstert.2016.07.1098.
4. Mawhiney RB. Fetal absorption: no effect without a cause - case study. Am Chiroprac. 1993.

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  by supersy | 2017-08-12 23:30 | Athletic Training | Comments(1)

Commented at 2017-08-14 07:46 x
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