この夏、日本にてPRI講習やります!

公式PRIがこの夏、日本で全編日本語で講習会をすることになりました!
そんでもってぶっ飛ぶことに、私と、私の古い友人である石井健太郎が講師を務めます。
日程は下記の通りです。
 7月19-20日 履正社医療スポーツ専門学校(淀川区、大阪)さんにて
 7月25-26日 スポーツプログラムス(品川区、東京)さんにて

両日朝8時から夕方5時まで、丸二日かけた講習です。
詳細やお申し込みは公式ページ(こちら)からどうそ。ご質問や不明な点等ありましたら、
日本語対応しておりますのでお気軽にご連絡下さい。
ちなみに私、このウェブサイトで日本語ブログ担当もしております。

【追記】公式サイトの方で、お申込手続きをしないと受講料が分からないというご指摘を受けました!申し訳ありません。PRI側には情報を更新してもらえるようさっきお願いしましたが、反映まで少し時間がかかるかもしれません。お値段は、講習日4週間以上の事前申し込みの場合は$445、4週間未満の場合は$475という、アメリカでのお値段と全く同じ設定になっています。クレジットカードにて申込時に支払いをお願いする形になっておりますのでお手元に準備の上お申し込み下さい。

私にとってこのブログ(Innervate the World!)はあくまで自分用の勉強メモであり、
あまり私的な宣伝や広告はここではしないよーにと思っていましたが、
今回は本当にかなりの時間をかけたビッグプロジェクトなのでここでも書かせていただきます。
お目汚し失礼致しまする。
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私がPostural Restoration Institute (PRI)の下でここ数年勉強していることは
過去にも幾度かブログに書いたかなと思いますが、2014年一月にPRIの資格である
PRT (Postural Restoration Trained)を取得した際(↑上写真)に、PRIの教育・資格課ディレクターのJennifer Platt氏(写真前列右から二番目)から「日本からのHome Studyの申し込み、めちゃめちゃ多いわ…一ヶ月に数件は日本に発送してるもの。やり方詳しくなったわ!(キリッ)」と聞かされたのと、PRI創立者のRon Hruska氏(写真前列最右)から「日本人って勤勉で素晴らしいね…興味を持ってくれている人が多いなら是非日本でもface-to-faceの講習をやりたいね!」と言われたことから、日本で講習を実際にするならどういう形態が一番喜んでもらえるか、効果的に学んでもらえるかを一年以上かけて話し合ってきました。

結果、
 1. マニュアル本を完全翻訳し、日本語版・英語版の両方を提供する。
 2. DVDに日本語字幕を付けたり日本語版で撮り直すよりは、まず日本人講師による
  完全日本語という形で現地で講習をホストしてみる。
…という形が一番いいのでは、という結論に落ち着きました。
Ron氏やJames Anderson氏を日本に招いて彼らに(英語で)講習をしてもらう…
という可能性も考えたのですが、元々PRIがかなり独特の英語を使うのと、
通訳を介しての翻訳を挟むとどうしてもチョチョ切れ感が気になるのとで、
色々悩んだ上に、私自身と私の古い友人である石井健太郎が講師としてのトレーニングを積み、全編日本語で提供するのが一番質の高いものを提供できるのでは、ということに。

●PRI講習の種類
 - Primary Courses(基礎コース)
   Myokinematic Restoration, Postural Respiration, Pelvis Restoration
 - Secondary Courses(アドバンスコース *履修には特定基礎コースの修了が必須になります)
   Cervical Revolution, Impingement & Instability, Advanced Integration

PRIの講習には基礎コース(Primary Courses)とアドバンスコース(Secondary Courses)とがそれぞれ3つずつありますが、今回日本での講習が実現するのはPRIの基礎コースのひとつ、Myokinematic Restorationです。日本語ではそのままマイオキネマティック・リストレーションと呼ぶことにしました。長くて呼びにくいよー、という方は、愛称のMyokin(マイオキン)で、是非。
この講習で焦点となるのは、横隔膜が骨盤・下肢に及ぼす影響と、それらの作用で我々が生活習慣から陥りやすいパターン(L AIC)について。講義と手技の実践とを交互に繰り返す形で丸二日かけてこのPRIの核と言っても良いコンセプトをじっくり学びます。
*まだ計画段階ですが、将来的にここから他の基礎コースであるPostural Respiration(横隔膜と胸郭、R BC)と、Pelvis Restoration (骨盤のインレット・アウトレット、PEC)へと講習を広げていけたらと思ってます。

●なぜPRIなのか
医療の世界に足を踏み込んだからには、一生勉強し続けるのが我々の使命。しかし、プロとして働く皆さんは、その時間を割く/お金を費やすからには「価値が十二分にあった」と心から思えるものに出会いたいと思っていることと思います。もちろん私も例外ではありません。私はとりあえず何でも学んでみようと思うタイプなので、今までも様々な講習会に参加してきましたが、ふーん、こんな感じか、と納得すれば単発参加で終わることもありますし、なんじゃこれ、面白い!もっと掘り下げてみたい!と思えば続けて幾つもの講習に参加することもあります。

中でも私がPRIと関係を長く続けるようになったのには幾つか理由があります。
1. 内容ががっつり私好み
 私は大学院で勉強していたあたりから(このへんとかこのへん…)、
 『呼吸、肋骨の動き、横隔膜の機能が人体に齎す機能は多大なんではないか?』
 『つーかそもそも、人体って左右非対称じゃないか?そうだとしたら、
 我々は左右対称を理想として掲げることは正しいのか?』と疑問を持ち始め、
 その頃に石井健太郎氏に「さゆりさんきっと好きですよこういうの」とPRIを紹介
 されたのが一番初めのPRIとの出会いです。彼らが提唱していた
 『人体は左右非対称である。その非対称さをembraceしよう』という
 コンセプトがガツっと下っ腹に響いたので、PRIとのお付き合いはそれ以来になります。
 
2. 講師が変人
 私は自分でも十分マニアックな方かと思っていましたが、
 PRIの講師の方々、創設者のRon氏を始めとした全ての方が変人の域に達しています。
 *ワルグチではありません。私なりの究極の褒め言葉です。
 中でもRon氏は、本当に脳みそをぱっかり開けて見せてほしいくらい…。
 彼は、歯科学校を中退して理学療法学校に入りなおしたという面白い経歴の持ち主で、
 それ故か、歯や顎がもたらす身体への影響とか、そんなことを学生時代から考えていた
 そう。皆さん飾らず庶民的で親しみやすい方ばかりですが、一たび人体について
 口を開くと、魔界と言うか冥界と言うか、別世界に連れて行かれます。
 天才です。圧倒的知識と技術です。「こんな人たちのように
 人体を見ることができたら…!」と憧れ、尊敬の念を抱いております。

3. 様々なdisciplineと交流・発展し続けている
 私の個人的基本理念に、「患者は触らずに済むならそれが一番良い」と
 「万能の治療法など無し。引き出しの数は多い方が良い」というものがあります。

 前者は、患者がセラピストに寄りかかりきりではダメだと思うこと…特に、
 ATという仕事をしている以上、選手は数年単位で流動的に入れ替わっていくものだし、
 「貴方がいないとプレーできない」という選手を育ててはダメだと思っていること
 があります。選手自身が自分の身体と対話する能力を培って、
 自分でメンテナンスすることができるようになれば、
 その選手はどこに行っても通用する。引退しても自分の身体を健康に保てる。
 ATは良い意味で要らない存在になる。腕を組んでニコニコ皆を眺めていればいい
 という、そういう状況こそ一流のATが創るべきものだと思っています。
 PRIもPatient Educationに重きを置いており、non-manual techniqueと呼ばれる
 患者がactiveに行うエクササイズでのアプローチをまず一番に試し、
 それらが思うような効果を生まない場合に最後の手段として
 セラピストが自らの手を使って(= manual technique)患者の身体を導く、
 という順番には大いに共感できました。
 治療プランも患者・保険会社からお金を搾り取るようなビジネス主体のものではなく
 (悲しいかなアメリカだとこういうの多いんですよね)、徐々に患者を自立させ、
 最終的には自らの身体を自分でモニター・修正できるようになるような流れは
 私の目指すところでもあります。

 それから、「この治療法を使えば誰でもどんな怪我でもばっちり!」という謳い文句の
 講習やセミナーは私には胡散臭く思えます。現場で経験を積んだ人間なら、患者が
 どの治療にどう反応するかは大きく個人差がある、ということを知らないはずが
 ないからです。幅広い疾患や怪我を扱うATならば、それらの予測不可能な
 『個人差』を補うには、引き出しの数を増やすしかないのです。
 まずこれを試してみて、ダメならこれ、それもダメならこちら…と、
 とにかくtrial & errorで攻めるしかないのです。
 PRIは「私たちの知識は絶対だ!PRIさえあれば!」という言い方は絶対にしません。
 創設者のRon氏も、他の講師陣も、「こういう場合はちゃんとMyofascialなアプローチ
 しないとダメだよね」とか「こういうケースは専門歯科医に委託して…」などと
 他の治療アプローチや他分野の医療従事者と協力することでより治療を高みに
 持っていけると信じています。全員が「there's a time and place for everything
 (時と場合さえ適切ならどんな治療も効果的に成りうる)」という
 広い視野を持っており、PRI自身も他の文化から学び、発展していこうという
 非常にポジティブで暖かい雰囲気のある団体です。その結果、
 PRIxヨガのコラボレーション、PRIx眼科医のコラボレーション、
 野球に特化したPRIの独特の応用法など、お互いをいかに活かしながら磨き合えるか、
 日々試行錯誤しています。こういうところも好感が持てた理由のひとつです。
 今回の日本展開も、「日本の施術者さん達はまた人体に対して独自の見解を持っている
 んだろうね、色々学びたいなぁー」とRon氏なら言うと思います(Ron氏は、
 ほのぼのしたとっても親しみやすいおじさまです。
 皆様にも是非会っていただきたいです)。

●万人向けではないかも知れません
ここまで書いておいてなんですが、PRIは好き嫌いが分かれるかも、とも思います。
こんな正直に書いていいかな…、これは公式ブログじゃないし本心だからいいですよね。
まずは、PRIの基礎である、(ほぼ)全ての人間はL AICパターンに当てはまる、というStatementをどうしても飲み込めない人はそれ以上前に進めないと思うんですよね。いや、これは私自身も最初ちょっと苦労したので良く分かります。「一般的ニンゲンは全てひとつのパターンに当てはまる?なんじゃそら?」と抵抗を覚えた時に、それを「なんかよくわからんけどとりあえず最後まで聞いてみよう」と思える人はPRIを楽しめるだろうし(徐々にL AICから発展した様々な変化形があることを学び、最終的には納得できるかと思います)、「そんなのは絶対に認めない」と思ってしまったらその人はPRI向きではない、ということなのかもと思います。入り口がちょっと引っかかりやすいんです…。

あとは、内容がとにかく濃いところ。私は以前から解剖学が大好きで、それなりに知識があるつもりでしたが、PRIの一番最初の授業を取って(Myokinでした)その自信は見事に打ち砕かれました。PRIの講習ではObturatorとかL Pterygoidとか、今までほとんど習ったことの無いような筋肉にめっちゃ焦点が当てられる。生半可な解剖学の知識では脳みそパンクしそうになります(私、Myokinの講習の最初の30分は文字通りアタマからぷすぷす煙が出ていました)。もちろん講師として教える際に受講者さんたちの脳みそパンクさせないよう私も工夫・注意せねば!ということでもありますが、そんな解剖学のどーこーはいいから明日からすぐに使える技術だけ教えてくれないかな、というquick fixを求めている方には向かないかも知れません。施術者側が頭を使って考え、患者の身体を紐解いていく…という内容になっておりますので。

さて、長くなりましたが、要約すると公式ウェブサイトが開設しました!
興味のある方は是非この夏、講習会でお会いしましょう!…ということでした(笑)。
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  by supersy | 2015-03-17 17:00 | Athletic Training | Comments(5)

Commented by Satoru at 2015-03-18 08:25 x
お久しぶりです。
サンアントニオでのNATAコンベンションの時にお会いしました Satoruです。
今はカリフォルニアで鍼灸の勉強をしています。
PRIはノースカロライナ州にいた時のヘッドトレーナーのJason Robeyがやっていて、僕も凄く興味を持って、講習会も何個か取らせていただきました。
僕の兄が近々、銀座で院を開くんですが、兄に今回の講習会を勧めたので、参加すると思います。宜しくお願い致します!
Commented by さゆり at 2015-03-18 10:10 x
Satoruさん、ありがとうございます。PRIはNCの大学らではなかなか栄えていますよね。4月にNC State Univでの講習会にトレーニングを兼ねてお邪魔することになっています。お兄さまのご参加楽しみにしております!
Commented by Shun at 2015-03-20 19:01 x
さゆりさん
はじめまして、Shunと申します。
PRIセミナーの件でお伺いしたいのですが、日本のプログラムに参加しても、海外と同等の資格を得ることができるのでしょうか?
よろしくお願い致します。
Commented by さゆり at 2015-03-20 21:34 x
Shunさん、資格というのはこれからアドバンスコースを取ることなどを視野に入れた上で「このコースを履修した」とちゃんと見なされるのか、ということでしょうか?PRIではPRIの日本での講習もアメリカでの講習もMyokinはMyokin、というシンプルな考えですので、修了さえしていれば講習の場所や言語で区別はしないです。
Commented by Shun at 2015-03-20 21:42 x
さゆりさん
「このコースを履修した」ということで間違いありません。
よく分かりました、ありがとうございました。

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