勝つために。

長い遠征も終わりです。
今日は移動日で、TulsaからCorpus Christiに6時間ほどかけて飛行機で帰ります。

さて、昨日は遠征の二試合目が控えていました。
「遠征先では、一勝一敗出来れば文句なし」
…というのがうちのコーチ達の口癖。
逆に言うと、遠征先で勝つのはなかなか難しい。
移動移動で疲労も貯まるし、審判の笛もホームよりになることも多い。
ホームコートアドバンテージなんて言葉があるけど、
やっぱりホームのほうが勝ちやすいのは統計的に見てもそうなんですよね。

カンファレンスゲームの開幕戦、Central Arkansas相手に接戦の末一敗した私達は、
どうしてもこのOral Robertsとの試合に勝っておきたかった。
相手も稀に見る粘り強く、時に迷わず肘を振るい荒くるしいプレーを連発する、うちの数倍背の高いチームでしたが、なんとか今回は接戦をモノにすることができました。58-53で勝利!
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試合後、コーチが「このagendaの無い試合を勝てたのはコーチのチカラじゃない。お前たち自身のチカラだ。よくやった!」と手放しで褒めていたのですが、その時にロッカールームの一人ひとりを指しながら、「俺のお陰じゃない、Roxanneのお陰でもない(他のコーチを順々に指しながら)、Brunsonのお陰でもない、Geoffのお陰でもない。…Syのお陰っていうのは、大いにある。しかしそれ以外は、お前たちの手柄なんだよ」と。

●勝ちに、貢献する。
コーチがこう言ったのは、恐らく、私が毎日の選手の細々とした面倒を見ているというのもありますが、今回の遠征では特に、選手をひとりを怪我から復帰させ、無事にスターターとして各試合それぞれ30分以上のプレータイムで活躍することができたからかも知れません。

このスターター、12月30日の試合で怪我。
今回の遠征出発直前(元旦)に「今の所、遠征で一つ目の試合に出られる可能性は55%くらい、二試合目は75~80%程です。でも、遠征先でも毎日治療を続け、なるべくその可能性を高いものにできるよう最大限の努力はします」と伝えてあったのですが、選手の性格も考慮して、正直かなり厳しいなぁと思っていました。
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シーズン中、必ず怪我は起きます。大小あれど、怪我のないシーズンなどありません。
控えの子が怪我をすることもあります。
スターターのキープレイヤーが怪我をすることもあります。
怪我そのもののnatureはもちろん、シーズンのどのくらいの時期なのか、選手がどのくらいプレーすると期待されているのか、私は全て考慮に入れた上で、その怪我をどれだけアグレッシブに治療するか決めます。「選手がほとんどプレーしない下級生でも、スター選手でも、シーズンの序盤でもPlayoff中でも怪我は怪我。治療のアプローチは同じはずだ」という人もいますが、はっきり言います。そういう人は大学、プロレベルでのスポーツがどういったものが分かっていないのだと思います。アスレティックトレーナーはスポーツチームで働く以上、urgencyを肌で感じ、その場その場で最善の選択を出来るようでなければなりません。踏み込む勇気も、引き下がる勇気も持てなければいけません。正しい決断は、contextによって変わると思います。状況全てが決断に必要な大事な要素です。

もちろん、私が一人で決断するわけではありません。選手ともとことん話します。
自分の経験をシェアし、選手自身がどれだけwillingnessがあるか、リスクを理解しているか、どこまでが無理で、どこからが無茶かしっかり理解しているか、時間を使って同じビジョンを持てるようになるまでしっかりと対話し、お互い納得した上で最終的決断を下します。(でも、責任は私に全てあります)
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押すのか、引くのか?プロになったばかりの頃は線引きに困ることが多かったのですが、
今年は不思議と迷わずやるべきことが見えてきます。
ATCになってなんだかんだで7年経つ経験からでしょうか。
今回の怪我も、ホテルでスキあらば治療を重ね、当日は恐らく怪我をしたことを
知らない人にはバレないくらいまでの状態に戻すことができました。
活躍もしてくれたし、私もほっと一息。選手は本当によくやってくれた。

私は、アスレティックトレーナーはチームが本気で勝つことを目指すから必要になる存在なんだと思います。
怪我をすると、本来のレベルでのパフォーマンスが出来なくなる。
怪我から一刻も早く正しく復帰するために、もしくは怪我を予防するために、ATが要る。
勝つために私達が要る。私自身が高校生の時、アスレティックトレーナーになろうと決心した時から、その信念は今でも変わりません。
(今では、もちろん、「選手の命を守る」という明確な使命感もありますが)
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アスレティックトレーナーが最高の仕事をしても勝てないこともあるでしょう。
でも、勝てるチームには良いアスレティックトレーナーがいるという事実は変わらないんじゃないかと思います。少なくとも私はそう信じて、勝っても負けても同じだけの最高の仕事を毎日するようにしています。勝ち負けで仕事の質が左右されるATにだけは、絶対になるまい。毎日、「良い仕事」を少しずつ積み上げて行くのです。



…でもひとつだけ言わせて!
勝つって、やっぱり素晴らしい!!!
ここ3年負けシーズンばかりだったから、ようやく今年になって勝てるようになって、
やっぱり勝つと小さなゴタゴタやモヤモヤもすっきり報われるなぁと実感してます。
しかも、こうして「Syがいるから勝てるんだ」とチーム、メディアの前で豪語してくれるコーチもいるなんて。自分の仕事が勝ちにつながるひとつの要素になっているんだっていうこと、実感できるなんて恵まれているなぁ。
アスレティックトレーナーとしてこうして現場で仕事をするのも、今年が最後かも知れない。
私情を交えて申し訳ないけど、私自身悔いのないよう、これからも更に毎日「良い仕事」、積み重ねていきたいなと思っています。報われるかも知れない、報われないかも知れない。でも努力がなければ、報われることもありません。今日も、明日も、勝つために。あと二ヶ月半、頑張ります!
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  by supersy | 2014-01-05 09:00 | Athletic Training | Comments(0)

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