In Arlington, TX…と、あなたは「見られている」。

b0112009_215445.jpg
昨日の試合はすごかった…ジェットコースターのような試合でした。
相手が(時々文字通り)体当たりでくる、野性味溢れるチームだったので、
そういうチームに走り合い、ぶつかり合いで互角にやりあって、しかも技術で上を行けたというのは大きな収穫でした。相手のエースを完全にシャットアウトして、こちらは得意の3ポイントを軸に得点。相手が体格で優ることもあり、大量リードを終盤ひっくり返されましたが、最後の最後、残り一秒でブザービーターレイアップを決めたのはうちの4年生の選手。酸いも甘いも一緒に味わってきた子なので個人的にも感無量でした。大きくなりよって…。

さて、一日開けた今日はバスで5時間ほど移動して、ダラスへやってきました。
今日は移動日+練習ですが、明日にはUniversity of Texas at Arlingtonとの試合があります。
クリスマス前の最後の試合、勝って締めくくりたい!
私も私の仕事を頑張ります。

…ちなみに。
この大学、2011年と2012年にも試合で来たことがあるのですが(当時は同じカンファレンスだった)、そのときの会場はこんな、劇場の舞台の上(↓)でした。舞台の上にバスケットコートがあるんです。観客は劇場の椅子に座って舞台上の試合を見上げるんです。変でしょ!以前、この大学出身のコーチから聞いたのですが、「練習中はルーズボールを追わないとコーチにとんでもなく叱られた。舞台からでも飛ばないといけなかった」…そうで、私はこんなところのATじゃなくてよかったなぁと思ったり…。
b0112009_9573416.jpg
しかし、それも過去のこと!
今では立派なアリーナと練習施設が出来ていて、今回は初めてそこで練習をさせてもらいました。まるでUFのFacilityそっくりー。明日の会場になるアリーナを見るのも楽しみです。
b0112009_1001029.jpg

--------------------------------
さて。
知識的なことや技術的なことももちろんですが、
学生にはプロとしての心構えも意識して教えるようにしています。
実習に来ている子にはこういうこと、時間をかけてじっくりと教えらえるのですが、
教室で、となると難しいもんですよね。接する機会が限られているし。

その中でも特に今回の物理療法の授業で強調したのが、
「見られている」ことを意識しなさい、ということでした。

別に人目を気にしてこそこそしろと言っているのではなくて、誰にいつ見られても恥ずかしくないような、胸を張れる仕事をしなさいね、という意味。
b0112009_10174084.jpg
そしてその「誰」が最悪の場合も想定しておくこと。
あなたを「見て」いる目が好意的なものばかりとは限らない。
あなたがミスをする瞬間を今か今かと待っていて、
ここぞとばかりに大声で騒ぎ立てようって考えている人だっている。
それらを想定した上で、避けられる状況は前もって回避すること。
自分の身を守るのは自分しかいないわけだから。

例えば物理療法の授業で、マッサージの話をするときにこんな喩え話を毎年出します。
「あなたはクリニックで働く男性セラピスト。今日は患者さんとして若い女性が来ていて、太腿のマッサージを必要としているとする。ちょっと際どいエリアだ。患者さんがフランクで気にしないからと、他の患者さんもいる中、でっかい治療室のどまんなかでこういう治療をしたらどうなるかな?What's the worse way for people to interpret this situation?」
b0112009_1137476.jpg
タンプトップにホットパンツで治療に来ちゃう他の若い患者さんなんかは
別にこういった状況を何とも思わないかも知れませんね。
でも例えば、「あそこのセラピストさんってオンナの太腿弄ってんのよ!いやらしい!」
なんて、もうちょっとconservativeな、年齢層が少し高めの患者さんなんかは思う可能性は大いにあります。そんな噂が、回りに回って、「あそこは如何わしいクリニックだ」なんてレッテルを張られればビジネスとして大打撃だし、最悪の場合訴訟沙汰、ライセンス剥奪も有り得る。

よく「I didn't mean it = そんなつもりじゃなかったんだ」なんて謝罪の仕方がありますが、
「どういう意図だったかは時に関係無いんだよ」と授業では強調します。
「Perception is important! プロとしての自分の見せ方を覚えなさい。誤解なんてさせる余地を与えないようにね。治療をする前に患者さんにきちんと言葉で、何をするのか、どういう利益があるのか、治療中、どういう風なsensationがnormalで、何かabnormalなのか…患者さんに分かる言葉で時間を取って説明しなさい。説明した上で、何か質問はありませんか?と尋ねる。そして、患者さんがその治療を受けることに賛成か、了承をもらう。これは最低限の習慣になさいね」

「マッサージなんか特に気を使わなければいけない。手の使い方一つで、考えていることは伝わるものだよ。誤解をさせない指や手の使い方も練習するんだよ。例えば、Glute(臀部)周りでは指先よりもHeel of the handsやKnuckleを使う、とかね(↓左)」
b0112009_10343724.jpg
「Drape, drape, drape! とにかく無駄な肌の露出を避けること。治療していない部位はきちんとタオルでカバーする。例えばこのような状況(↑右)ならば私はタオルを一枚、(治療していない)左側の臀部から太腿にかける。何でって?そうだね、かけてもかけなくても治療の効果は変わらない。じゃあ必要ない?そうかもしれない。でも、この一枚のタオルは患者さんへのメッセージなんだ。『I will do anything I can do to protect you, and I want you to feel comfortable while getting treatment here』、というね。それだけのメッセージがタオル一枚で送れるなら、その価値は十分にあると思わない?」

「じゃあさっきの話に戻るけど」

「太腿のマッサージに来た若い女性の患者さんね。あまりに広いところは本人も嫌だというので、Closed private room(↓)に連れて行くことになった。こういう場合は女性セラピスト(=患者さんと同性)を一緒に連れて行くのが懸命。何か遭った時に証人になれるようにね」
b0112009_1058436.jpg
「じゃここで話をちょっとややこしくしよう。この若い女性の患者さん(例によってなかなかセクシーで魅力的だ)、何でだか『他の人が部屋に入ってくるのはイヤ』とのたまう。『あなたとふたりっきりがいいの』なんて言うんだ。なんだかキミのことが気に入っているみたい。『あなたは素晴らしいセラピストだし、信用しているから平気よ。さ、行きましょ』なんて言う。さてどうする?」
b0112009_11431281.jpg
困った顔をして、口々にえぇー!と騒ぐ生徒たち。
患者さんがイヤなら、ふたりっきりでやるしかないのかな?と言う子もいる。
ドアを半分だけ開けておくってのは?と提案する子も。

「患者さんとふたりで入っちゃうとさ、ドアを完全に閉めてても半分開けてても」
と続ける私。
「証言としては弱いよねぇ。例えば、この患者さんが本当にあなたのことを好きで、
携帯の番号を教えてとか、今度どこかにふたりでデートに行きましょうとか言われてさ、
あなたはそれはそれはプロフェッショナルに丁寧に断ったとする。
患者さんは面白くないよね、自分が若くて可愛い自覚があるならなおさら。
これで腹を立てちゃって『あの人、私にとんでもないことをしたんです!』と
有る事無い事でっち上げで、あなたを傷つけようとするかもしれない」
b0112009_1116680.jpg
「皆笑ってるけどさ、こういうケースって私達が思うよりもあるんだよ。
高校でATとして働いていて、女子高生のハムストリングをAthletic Training Centerのど真ん中でストレッチしていただけで解雇になってライセンスを失った知り合いの知り合いだっている。とんでもないだろう?」

「取らなくて良いリスクってのはこの世にいっぱいある。
もし患者さんがどうしても他の人が立ち会うのが嫌だっていうのならば、
それでは仕方ありません、マッサージは出来ませんので、別の治療法を考えましょう、
って言ってしまっていいんだ。Next best optionに行くしか無い」

「繰り返すけど、Perception is important! あなたの立ち振舞、仕草、言葉遣いから
にじみ出る人柄というものがある。チャーミングでユーモアがあるのは全く素敵なことだけれど、プロとしての線引きを忘れないように。善意で行動していればいいって程単純じゃない。自分の言動どこを切り取られても恥ずかしくないよう、見られているってことを忘れないようにね。
自らを世の中にどう投影しているのか、時々自分でも客観的に見てみるようにするんだよ。
特にあなたに敵意を持った人から、どう見えるかってこともね」
b0112009_11493446.jpg



これは実は毎日自分にも言い聞かせている言葉。
見られている、という事実。せっかくだから私はポジティブに使うようにしている。
面倒くさいことほど丁寧に。疲れている時こそ背筋を伸ばす。
このくらいいいや、と手を抜いた瞬間ほど、お偉いさんが後ろに立っていたりする
んだからね、この世の中。マーフィーの法則。
b0112009_1128246.jpg
何度かここでも書いているけど、マーフィーの法則のひとつ上を行く!
というのが私の仕事のモットーなので、少しでも学生にこういうことが伝わりますように、
大きな失敗をする前に、他人の失敗から学んでしまいなさい、という願いを込めて、
こんな話を一学期間使って強調してみました。
[PR]

  by supersy | 2013-12-20 20:30 | Athletic Training | Comments(0)

<< あなたは何のためにバスケをしますか? In Houston…と、学期... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE

AX