Moving the ATEPs to Post-Baccalaureate Level??

自分の中では勝手にシリーズもの、として書いてきました(前々回のAT離れと前回のNPI)、
Athletic training educationも今回で一区切りにします。
今回の話題は知る人ぞ知る、Athletic Training (以下AT)はPost-baccalaureate degreeに
するべきなんじゃないか?という最近アツいトピックです。
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これは私が読んだこのトピックに関する最新のArticleで、色々と多角的に意見が集約されていたので、ちょっとここでもまとめさせてもらおうかな、と思います。
ちなみにfull-textへのリンクはこちら

まず、このArticleの著者であるDr. William Pitney氏は、
「もう20年もATはPost-baccalaureate levelに動くべきか、動かざるべきか、という討論はなされてきているが、私はそれにずっと反対してきた。しかし今、正直言ってどちらが好ましいのか自分でも分からなくなってきている。」と書き出しています。
現状を正しく理解するためにも、この記事にまとめてあるPros & consをここでも紹介します。
(以下、Post-Baccalaureate Professional Education ProgramをEntry-Level Masters (ELM)と表記します)

Positive Considerations
- Improving the Professional Preparation of Students
Baccalaureate levelの学生は、一般教養など履修しなければならない授業が多数あり、
履修できる単位にも制限があります。なので、多くのHealth care professionsではこの時間を「準備期間」として使い、一般教養に加えて専門の必修科目(化学とか物理とか)をみっちり学ばせて基礎力を付けた後、ELMでそれらを応用した知識や技術の習得に時間を費やす、という構図を採用しています。
さらに、大学院レベルでは学生は「研究」とも様々なレベルで結びつくことができ、より研究への理解を深めたり、研究の消費者のみでなく生産者としての経験も得ることも可能です。

- Selecting More Highly Qualified Students to Enter the Profession
全てのATEPでは「プログラムに入る・残留するためには2.5~3.0のGPAを維持しなければならない」という規定があります(詳しい数字はプログラムによって異なります)。2.5や3.0なんて余裕だろーと思っていたのですが、これがなかなかどうしてひっかかる学生が多いんです。GPAが指定の数値を下回れば、学生をProbation(仮及第期間)状態に置いて、勉強に集中させるように指導。それでもGPAが上がらなければ、現在ATEPを管理する立場にある者として、悲しいけれど除籍処分…とか、毎学期私もわーわーやっております。
プログラムをELMに動かすとこれがどう影響されるのか?大学院に入学を認められるには、一般的にGPAが3.0以上であることが最低条件。なので、プログラムに入る前にふるいにかけられた状態で、競争に残った学生が入ってくる。GPAで言うと、お勉強の仕方を理解している優秀な学生のみが大学院入学を認められるので、ATEPとしてはちょっと楽になります。
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ここで面白いArgumentが。Pitney氏曰く、
「よく同僚や同業車に『GPAが高い生徒なんてただの“book smart(ガリ勉)”で、hands-on skillsに乏しかったりするじゃないか』と言う者たちがいるが、私は聞きたい。『両方持っている学生の方が良いに決まっていないか?』と。」つまり、学業に長けた学生を取る自体は何の問題も無い、むしろ好ましいことじゃないかと思う、と述べています。これに関しては納得ですね。勉強できるかできないかだったら、できるほうが良いに決まってます。
大学院生は大学生に比べて精神的にも成熟しているケースが多く、ATこそが私の夢!と断固とした決意を持っている傾向も。教える側としては、こういう要素は重要です。

- Aligning Athletic Training Professional Programs with Peer Health Care Professions
我々のpeer達はPost-baccalaureate(例:PT)に移行した、が、我々はまだ。
別に皆がしてるから私達もしなきゃいけない!ということはありませんが、世間から見れば「医療従事者全体を眺めてみると、ATってあんまり進んでないんだ・ちゃんとした教育を受けてないんだね」という印象を与えかねません。こういった“Perception”を甘く見ていると、ヘルスケア市場での私たちの株は大いに傷つき、将来の可能性が限られてくることも有り得ます。

こういった様々な利点がある中で、問題も浮き彫りになってきます。

Concerns
- Lack of Qualified Faculty
- Impact on Faculty from the Reduction of Programs
Higher educationの施設に於いて、「授業を教えるFacultyは、学生がenrollしている学位よりもひとつ上の学位を修得していなければならない」という決まりがあります。例えば、私が現在Bachelors Degree (学士号)である現在のTAMUCC ATEPの授業を教えることができているのは、私がMasters (修士号)を持っているからです。ELMを教えるとなると、Doctors Degree (博士号)を持っていないといけない。つまり、私はunderqualifiedということになります。
これは私だけでなく、現在ATEPに携わっている多くの教師陣に当てはまり、多くの現役教師達が異動を余儀なくされるでしょう。逆に、博士号を持った教師の数も足らずに、多くのプログラムの存続が危ぶまれるかも知れません。そもそもGraduate degreeをオファーしていない大学もあるだろうし…、新たに作るとなれば時間も労力も人員もお金もかかりますもんね。もしそうして、プログラムそのものが幾つか無くなることになれば、そのプログラムで働いていた人員が全て解雇され、職を失うことにもなりかねません。

- Economic Impact on Students
今まで、4年生の大学を出ればすんでいたものが、これからは4年生の大学+2年の大学院かかる、となれば、学生には多大なる出費です。基本的に大学院の授業料ってundergradより格段に高いですしね。ATそのものお給料が他のHealth care professional並みに上がっていかないならば、多くの学生達はより長い学生ローンの返済に苦しむことになるでしょう。

このあと、このArticleでは更に、Dr. Jolene Henning氏(賛成派)とDr. John Hauth氏(反対派)を招いて、それぞれの主張をまとめていますが、正直言って反対派のargumentは矛盾が多いかなぁと思います。興味のある方は是非読んでみて、気が向いたら意見を聞かせて下さい。個人的には、Dr. Henning氏の言う「多くのAT学生たちは学生らしい生活―いわゆる『楽しいこと』を一切できず、こういう生活は続けられません、と辞めていく。もし近年のAT離れを我々が懸念し、改善したいと思うならば、齢19年くらいの学生たちに人生をcommitteしろというのは酷なことなのかも知れない。ELMに進もうという決意のある学生はその断固たるCommitmentを持った者たちで、そういった学生たちは、私の経験から言ってAT離れをする確率はかなり低い」というのは、これまでの私の書いた内容とも繋がるところが多いかなと思いましたが。

個人的な意見を少しだけ書くと、これから10-15年くらいでATEPはほぼ完全にELMに移行するのではないかと思っています。そしてそれは、実に労力と時間とお金をかけた大移動になるわけですが、その価値はあると言って良いと思っています。Hauth氏の言う、「Where's our cheese?」という主張は最もですが、逆に言うとこのまま指を咥えて待っていても誰もチーズをくれないだろうし、質の高い牛乳をより時間をかけて加工したほうが、世間も認める立派なチーズができるんじゃないかと思いますし。結局The chicken or the eggというargumentになってしまうのは不毛かなと。
まぁこの発言は自分の職のsecurityそのものを危ぶませることになるのかも知れないですが(苦笑)、職業そのものが成長し、進化していく過程ってこういうもんなんじゃないかな、と思っています。

まーでも何と言うか、PTが「カイロプラクターに負けてられるか!」とMSPTからDPTに移行して、
私達ATが「PTやOTを見よ!」とBachelorからMasterに動こうとしていて、
ちょっとイタチごっこなのと、ATが出遅れている感は否めない。
ぶっちゃけて言うと、Doctor of Chiropractor (DC)ってカイロプラクターをDoctorに設定しちゃったのがそもそもの間違いだったのでは、なんて気がしますが、それを言っても仕方ないんで、ね。

これを読んでいる皆さんはもう大学・大学院を卒業して、ATEPがどうなろうと関係ないやー、なんて思っている方も多いかも知れませんが…。これはATEPのみでなく、ATという職業そのもの、そしてあなた方の人生そのものにも関わってくることだと思います。賛成!とか反対!でなく、まずは考えてほしいなぁって勝手に思っています。私たちの行く末ですからね。

ちなみに個人的には、GAとして授業料全額免除+(スズメの涙程度だったけど)お給料ももらえて、
学ぶだけでなく思いっ切り高校のHead ATとして経験も積ませてもらって、
ELMになってしまったら、そういう「win-win situation」は無くなってしまうんだなぁ、
と思うとちょっと悲しく思います。非アメリカ人だった私にとって、授業料免除は大きかった。
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  by supersy | 2012-05-14 17:00 | Athletic Training | Comments(0)

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