In Huntsville, Texasと、Rebound Tendernessとか虫垂炎について考察してみる。

遠征でHuntsvilleに来ています。珍しく、明日は昼の時間帯に試合です。
ちょっと嬉しい。Corpus Chrisriには日付が変る前に帰れるかもっ。

さて、今回も宣伝です。
…といっても、友人の宣伝です。長い付き合いの石井健太郎こと、ケニー氏からの、
日本人限定サマーインターン募集のお知らせです。

『MLS Sporting Kansas City 日本人サマーインターンシッププログラム』

インターン先:Major League Soccer - Sporting Kansas City

概要:
このプログラムはアメリカの大学でAthletic Trainingを学ぶ日本人学生に対し、MLSの現場、及び関連医療施設を通して、アスレティックトレーニングの様々な形を経験してもらう事を目的とする。チーム活動の他に、ユースチームのサポート、手術見学、その他クリニック(PT/カイロプラクティック)でのローテーション等、多種多様な教育環境を学生に提供する。

対象:CAATE認定校Athletic Training Education Program在学中の日本人大学生3−4年生

期間:5月下旬から8月下旬を予定。開始・終了日は応相談。

定員:1名

場所:Kansas City, MO、Kansas City, KS

給与:無し

住居:個人負担、各自で手配。短期での紹介も可能。

衣服:仕事着支給

応募期間:3月31日まで

応募方法:
英文のCover Letter、Resume、Referenceを“(Candidate Name) Summer Internship 2012.doc”として1つのファイルにまとめ、kishii@sportingkc.comに送付。

質問があれば、上記のアドレスに直接ご確認ください。
ケニー氏は前述のように長い付き合いのある友人で、このプログラムも彼が頑張っている日本人学生のために何かできないかと考えて自分で提案&作り出したもの。そこから「せっかくだから手術見学とかもしてほしいっすよね」「クリニックにも話をしてみようと思ってるんです」と色々クリエイティブなアイデアを足してどんどん進化し、ここまで来ています。どうしたら楽しいだろう?とインターンの立場に立ってこれだけ練られたインターンプログラムも珍しいと思います(いや、インターンってのは下働きと考え、ひたすら肉体労働をやらせるところが多いですよ、他ではね)。楽しそうなので、私も応募しようと思っています…というのはウソですが、私もやってみたいなぁとうらやましく思うようなプログラムです。ちょっと厳しい選考になるかもしれませんが、条件に当てはまる方は是非ご応募してみてください!

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さて。話はガラっと変りまして。
Rebound Tendernessはindication of hollow organ ruptureだと、学生の頃習いました。
押したときには、Ruptured organから空気が押し出される。このプロセスは痛くない。
離したときにNegative pressureができて空気が戻ろうとする。そのときに痛みが出るのだと。
b0112009_7412992.jpg
しかし、今度腹部への怪我について講義するので色々調べていたんですが…
そんな記述がどこにも見つからないんですよね(汗)。あ、あれれ??

調べてみると、Rebound tendernessはPeritonitisと深い関係があるようで。
Appendicitis(盲腸)やUlcerative colitis(潰瘍性大腸炎)などが原因で
Peritonium(腹膜)のParietal layer(壁側腹膜)が炎症を起こしている状態だと。

ただ、このPeritonitis自体が「盲腸や腹部の損傷によるhollow organのruptureで起こることがある」という記述も見つけたため、Rebound TendernessとRuptured hollow organの関連性はゼロではないらしい。つまり、盲腸炎にせよ大腸炎にせよ、元々localizeされた炎症だったのが悪化して、腹膜まで炎症が広がっている状態ってことですよね?で、その過程として、内臓が破裂を起こしてバクテリアやfecal matterが拡散し、それによって腹膜が感染症を起こして炎症に至る可能性もあるっていうわけで…。うーむ。

でも、情報をよくよくまとめてみても、
Rebound Tenderness = Ruptured hollow organというわけではないみたい。
可能性としては大いにあるけれど、全くのイコールではない、と。
Negative pressureが云々というのはウソみたいですねー、どの文献にも載ってないし。
もうー、間違った情報教えないでよー。学生だから信じちゃったよー。
b0112009_12185156.jpg
RuptureしていなかったAppendicitisでもRebound Tendernessが見られた症例から考察するに、
Appendixなんかは特にぴよろと大腸から逸れるところにあるわけですから(↑写真参照)、
必ずしも穿孔していなくても突起した部位が腹膜に触れ、炎症が広がり、
Rebound tendernessが出る可能性はあると考えたほうが理に適っているのかな、と思います。
これは個人的な見解で裏づけはありませんが、つまるところ、虫垂でいうと、
ただのTenderness = 炎症は非常にLocalなもの。軽度&初期のAppendicitis。
Rebound Tenderness = 炎症が腹膜にまで広がっている。
              中度から重度のAppendicitis。Ruptureの可能性もアリ。
と言う風に考えてもいいのかな?と考えています。もし意見反論ありましたら教えてください…。

まぁ、見つけた文献(ちょっと古いものです、Liddington, MI & Thomson WHF, 1991 "Rebound Tenderness Test")によれば「Predictive valueは良くありません」という結論だそうなので、そもそもRebound Tenderness自体にどれほどの信頼性があるのかはナゾなんですけどね。この議論自体がそもそも的外れ、という可能性は大いに有り得る…。

ま、そこは結論を出すには十分な研究がなされていないので今回は敢えて考えないとして、
色々他にも記述を読んでみると、
 - ゆっくり優しく押して、素早く離す、というのがポイント。
 -Rebound tendernessがあった場合はテストをむやみに繰り返さないこと。
  一度押して痛ければ、もうやらない。やることで、悪化する可能性も大いにある。
  (炎症を広げることもあるし、破裂を起こす可能性も。
  既に破裂している場合、fecal matterを更に押し出してしまう可能性も…)
という項目があり、これらはちょっと勉強になりました。

ちなみに、Appendicitisは悪化して破裂した場合、
Fecal matter(うんちょ的なもの、という医学用語)が拡散してそこらじゅうに感染症を起こすので、生死に関わる事態になります。右腹部に鋭い痛みを感じたら、そしてそれに加えて熱まで出てきて吐き気がしたら、手遅れになる前に病院に直行するのが懸命です。ちなみにうちの周りには、「そんな風になって緊急手術をしたら、手術中に破裂した。もうちょっと遅かったら生きて無かったかもと言われた」なんて人間が結構いますよー。

ちなみにちなみに。
過去に選手でこの部位に痛みを訴え、検査の結果虫垂炎ではなくて卵巣嚢腫だった、というケースも何回かありました。ここは医者でも判別が難しいらしく、「McBurney'sに痛みが出たからって虫垂炎ってわけでもないのよね、このへんには色々な組織があるから…」と仰ってました。結局Imaging撮らないと分からない、ということが多いみたい。でももちろん、私たちは職業柄、常に最悪の自体を想定していないといけませんので、やっぱり医者に素早くreferするのが一番ですね。
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  by supersy | 2012-02-10 21:30 | Athletic Training | Comments(0)

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