Diagnosing the Discoid Meniscus ― 円盤状半月板を診断するには。

以前「Discoid Meniscus。」という記事を書かせていただいたことがありましたが、
(うわ、もう3年も前になるのか…と日付を見て一人びっくり)
今回それについてさらに色々とArticleを読む機会があったのでまとめておきます。

前回、Discoid Meniscusというのは何なのか、どれだけの頻度で見られるものなのか、
そしてWatanabe Classificationについてもまとめさせていただきましたが、
実はMonllau et alがこれについてmodificationを提唱していたのを完全に見逃していました。彼らが提唱した新しいタイプ―Type 4は、Ring-shaped (リング状)のdiscoid meniscus。これは特にincomplete typeやBucklet -handle tearと誤診されるもこともよくあり、診断が特に難しいそうです。
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さて、本題です。今回はこのDiscoid Meniscusをどう診断すればいいのか?という観点から見ていきたいと思います。
もちろん、通常のMeniscal tear同様、最終的にはMRI/Arthroscopy、という流れになるのが自然ですが、それではどういった要素が私たちにDiscoid meniscusの可能性を考えさせるのでしょう?(なんか英語っぽい日本語。。。)

文献を漁るうちに幾つかDiagnostic Criteriaと呼べるものが見えてきたのですが、
1) No history of trauma (insidious onset)
  私が読んだ研究の中には、traumaをreportした患者数はゼロという記述がありました。
  全員が「(特に思い出すような原因も無く)だんだんと症状が出始めた」んだそうです。

2) Common Signs & Symptoms
  Diffuse/anterior knee pain (66%)
  Joint line tenderness (42-61%)
  Recurrent swelling (50%)
  Limp (25-48%)  等が割合からしてよくある症状。
  少数でLocking、Giving way, Clunk等もあったのですが、
  これらは決め手になると言っていいほどの数の患者さんには見られなかったそうです。
  役に立ちそうなMcMurray's Testもあら残念。Discoid持ちの患者さん308人中、
  たった28人(14%)の患者さんしか、Discoid Meniscusの有を正しく言い当てることが
  できませんでした。まぁ、このテストのSensitivity/Specificityを知っている人なら
  予想がつく結果でしょうけれども…。
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3) レントゲンは補助的に使うことが可能(↑)。
  Discoidがあってもレントゲンに全く異常が見られない(44%)こともあれば、
  Widening of lateral joint space (25%)
  Squaring of the lateral femoral condyle (11%)
  Cupping of lateral tibial condyle (9%) などがpredictive signになることも。
  ちなみに上のX-ray(↑)ではlateral joint spaceのwideningが確認できます。
  medialに比べて確実に広いし、骨のflatteningも見られる。
  まぁでも、メインのdiagnostic toolとして使うというよりは、
  Supplementalな意味で使う、という方が正しいですね。

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4) MRIのほうがMeniscusそのものを見られるため、より正確と言えば正確ですが、
  それでも31%のfalse-positive or negative resultsがAsikの研究では確認されました。
  うーむ、単純なMeniscal tearならともかく、DiscoidはわりかしMRIでも見難いのか??
  ちなみに、上のMRI(↑)ではdiscoid meniscusがはっきりと見えます。
  右側(medial)がきれいな三角なのに対し(これが普通)、
  左側(lateral)のほうが明らかに分厚く伸びており、三角形を成していないでしょ?

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5) それでは一番確実な診断方法は?…もちろん、Arthroscopy(内視鏡)ですね。
  もちろん、だからといってコスト的にも時間的にも、全ての患者の膝に
  内視鏡を突っ込むわけにはいかないですが、やっぱり診断としてはこれが一番正確です。
  なんたって、肉眼で半月板を確認できるんですからね。

ちなみに、私は今までDiscoid meniscusを抱えた選手を2人見てきましたが、
ひとりは韓国系カナダ人、もうひとりはCaucasianでした。…あまり参考にならないか。
MRIまでもが結構使えないかも、というのは良い情報。
常にこの(Discoid meniscus)可能性を忘れず、症状の出方がイマイチ自分の中でmake senseしないときには、いつでもdiscoidを疑えるよう引き出しの上に入れておきたいもんです。
まずは、suspectしないことには始まりませんからね!
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  by supersy | 2012-01-15 23:30 | Athletic Training | Comments(4)

Commented by りゅうじ at 2012-02-10 12:05 x
ちょっと遅めのコメントだけど・・・。
話が少しずれるけど、イギリスで人から聞いた話・・・
McMurryテストに関すること。Discoidに関わらず、半月板のテストとしてはSensitivity/Specificityも低いというのは承知の事実ですが。面白い話。ある学会で、McMurryテストを発表して、半月板にはこういうテストがあるんですよっと話していた発表者がいたそうです。で講義中に参加者から質問がでたそうです。「このテストは、本当に信用性の高いテストなんですか?」と。で発表者は、「これは教科書にも書いてあるし、そのはず」。で質問者「それは間違いだと思います」。発表者「ところであなたはどなたですか?」「私は、McMurryです。」そんなことがあったそうです。まあ聞いた話なので、信じるかどうかはあなた次第ってやつですねw
Commented by さゆり at 2012-02-11 12:38 x
ははは、面白いですね!でも、自分が作ったテストが良いテストでない、とちゃんと認められるのはなかなかできたものではないと思います。少なくともO'Brien先生よりは偉いのかも…??
でも、McMurrayのSpecificityはそこまで悪くないと思いますよ。患者の膝に十分なROMがなくて、performできないという経験は何度もあり、結局applyとthessaly、joint line testにお世話になることが多いですけどね。でも、EBPを重視すると「だって教科書に書いてあるもん」とは言えなくなるのが教師やプレゼンターの辛いところ。ちゃんと裏付けがないと滅多なこと言えませんね~。
Commented by くし at 2015-08-28 01:39 x
すみません。Discoidの文献を探しているものなのですが、分類のところの文献はどこのものなのか教えていただきたいです。
探しても見当たらなくて、申し訳ございません。
Commented by さゆり at 2015-08-28 07:50 x
くしさん、お探しの文献はRing-shapeを含めたもののことでしょうか?こちらにありますよ。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9681543

オリジナルのWatanabe Classificationの引用は本からですね。
Watanabe M, Takeda S, Ikeuchi H. Atlas of Arthroscopy. Tokyo, Japan: Igaku-Shoin; 1978

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