“You notice everything.”

“おはよー、昨日膝打ったでしょ、大丈夫だった?”
“あ、大丈夫。触るとちょっと痛いけど、腫れたりはしてない”
“そうかそうか!ならいいんだけど。練習後に、冷やしておけよー!って言うつもりで、ばたばたして(←リハビリで別室へいかなければならなかった)言いそびれちゃったから気になってたの”

いつもどおりの練習前の忙しないAthletic Training Room。
続々と現れる選手にひとりひとり声をかけていたときでした。
私にとってその日の選手の調子を確認するのは至極当たり前のこと。
何気ない会話のつもりだったのだけれど、彼女が急に神妙なトーンで
“...Sy, you notice everything (何でも気がつくんだね).”とつぶやきました。

“あのね、ただぼーっと立ってるわけじゃないのよ、
私が練習の場にいるのには理由があるんだから!”と笑って返したものの、
気がつくことに気がついてもらえた、というのは何だか良い気分でした。
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というのも、数いる私の直属となる学生達に(現時点で8人)、
最近どうすれば「どう練習を見るべきか」を教えらるのだろうかと考えていたところだったのです。
私達アスレティックトレーナーは練習の前後は治療にリハビリにとバタバタ大忙しですが、
練習中は(怪我さえ起こらなければ)ともすればヒマ。
学生はというと、ぽけーと練習を見ているだけの子がほとんどで、
中には退屈でおしゃべりを始めてしまう一年生もいたりします。


でも、この練習をどう見るかって、とっても大事だと思うんだな!

- 誰が自分を追い込むのが上手いか、誰がすぐに諦めちゃうのか。
  (= リハビリとかで重要になってきます)
- 誰が汗をどれくらいかくか、誰が水を(自主的に)どれくらい飲むか。
  故に、誰に水分補給をpushすべきか。
- 誰にどんな動きの癖があるのか。それが怪我につながっていないか。

などなど、練習を見ながら、私の脳は毎日常にフル回転中です。
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そんなわけで、コンディショニングの直前に生徒を集めては、
「今日、体調を考慮して、『要注意!たぶんinhalerが必要だろうな』って
私が予測している選手が2人いるんだけど、誰だと思う?」
とか、

コンディショニングの最中に、
「この中で走り方がしっちゃかめっちゃかで、それを直せばめちゃめちゃ早くなるだろうなー、
って選手が3人いるんだけど、誰だと思う?どういう怪我につながりやすい?どう直したらいい?」
とか、

練習の終盤で、
「今、練習が終わったら声をかけようって思ってる選手が2人いるんだけど、
誰だと思う?どうして?」
と、色々質問をしながら、自分の「今」の考えをshareするようにしています。
練習は漠然と見るもんじゃない、色々考えることはあるし、
見ているからこそできるようになることがいっぱいあるんだよ、って気がついてほしくて。



その甲斐あってか、生徒の中で数人がよく“気づく”ようになってきました。


選手が足を一瞬滑らせた、床が濡れているのかも?タオルを持って見にいってみよう!

あの選手、右足を庇って動いてる。捻挫でもしたのかな?次の水休憩に声をかけてみよう。

さっきから手の甲を気にして、ユニフォームでこすってる選手がいる。掠り傷かな?ユニフォームにもかすかに血が付いてる。gloveをはめて、血を落とす準備と絆創膏を用意しなきゃ!


ちょっと注意していれば、こんなにできることがあるのです。
私が何かを言う前に、ささっと率先して動けるようになってきた学生達を見て、
成長を感じて思わずにまりと笑みを浮かべてしまったりする。
戻ってきた生徒に、「よく気がついた!えらいぞ」とhigh five。
今年の子達は乾いたスポンジのよう。
きっとすくすくのびるぞぉ。
皆で毎日わいわいやりながら、私も一緒に成長させてもらってる感じです。

一日一日、頑張っていこう!
来週からはいよいよ、本格練習開始です!

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追記です。
Facebookやtwitterでも多くの人が宣伝していたので、ご存知の方も多いかと思いますが、
皆さんとshareしたい、Athletic Trainerという仕事をpromoteする動画があります。
Health Care Professionalの方々はもちろん、一般の方にも見ていただけたらなぁと思います。
あなたの今日の24時間のうち、5分間だけこれに使ってみませんか?
                      → “Advocates for Injured Athletes”
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  by supersy | 2011-09-29 18:30 | Athletic Training | Comments(5)

Commented by かや at 2011-09-30 17:30 x
「気づく」ってすごく大切だよね。

「気づく」ためには「継続的に見る」事も必要だし,「何を見る」かって事も大切だし・・・。


で,おっしゃる通りそれを教えるのってとっても難しい・・・
Commented by のり at 2011-10-03 10:21 x
ひとつ質問です。
僕は屋内の競技を見たことがないのですが、出血したときに血を流すのはどうやってやってるんですか?
コートに水をぶちまけるわけにもいかないだろうし。
ちょっと気になったので、時間があるときに(もしそんな余裕があれば)教えてください。
Commented by さゆり at 2011-10-03 10:45 x
>賀屋先生
自主性を刺激することこそが最高の教え、と思いますが、本当に難しいですよね。日本人に比べて、アメリカ人は総じて「見て学ぶ」ということが苦手なので、結構びしばし言ってあげないと通じません。

>のりさん
のりさんって、紀平さんでしょうか?違ったら申し訳ありません。
えーと、本来はATRの備品の清掃にも使うCavicideという消毒液を使うのですが、これで血液中の雑菌を全て殺そうと思うと1分放置しなければならないという、かなり実用性が欠けているんですよね。試合中や練習中のコート等、急がなければいけないときはPeroxideをかけて拭き取っちゃいます。
Commented by のり at 2011-10-07 00:32 x
そだよー。紀平ですー。
専門的な薬の名前はわからないけど、どちらにしても面倒なところなんですね、きっと。
ありがとうございます。勉強してみます。
日本の室内競技では、どうしてるんだろう。そもそも屋内競技よりも出血自体がレアケースなもかな。
Commented by さゆり at 2011-10-07 21:39 x
>紀平さん
そうですねー、屋内だとレスリングで鼻血とか、バスケットボールの試合で額を切って血が飛び散って、とかは経験ありますが数えるほどかなという感じです。Hydrogen Peroxideは日本語で言う応急消毒用オキシド−ルのこと、だそうです。これはユニフォームについた血を手早く落とすのにも使えます。アメリカでは規定が厳しく、ユニフォームについた血は落とさないと試合に戻れません(…って、日本もそうかな?)。

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