他人を巻き込め!

まず最初に。
前回のエントリーに関して、Twitter上でRTしてくださった方々、
それから各方面で宣伝をしてくださった、同業者の小平さん、ヤスさん、ゆっけさん、Yamiちゃん、ジデン、しんご(確認した分でこれだけですが、漏れている方がいたら申し訳ありません)、
本当にありがとうございます!皆さんのご好意、しびれます!

今やAEDの普及があちこちで叫ばれていて、それはもちろんとっても重要なんですけれど、
日本にたまにしか帰らない私からしてみたら、ここ5年ほどで日本はAEDの普及は飛躍的に進んだと感じています。久しぶりに帰ってみたら、AEDという言葉が普通に使われるようになっていて、駅や空港でも見かけるようになっていて。おお!なんだ、アメリカっぽくなってるじゃん!ってかなり驚きましたもん。
だから、普及もそうですが、AEDそのものの数を増やすよりも、
AEDを効果的に使える人の数を増やす意味って相当あるんじゃないかなって思うわけです。
それで、AEDを使える人っていうのは、つまるところ(潜在的には)全員、なわけだから、
一般の人が使うことに対して抵抗がなくなればいいなって。そういう想いをこめて書きました。
それで救われる命はたくさんあるんじゃないかなって。

ちなみに今回私がこういう行動に至ったのは、こういう研究(↓)を目にする機会があったから、
というのもあります。今回の事件が悔しくて悔しくて、データベースひっくり返す勢いで
がむしゃらにAEDについての文献を色々読んでいた最中に見つけたものです。
Attitude toward Automated External Defibrillator in Japan by T Taniguchi (Abstract)”
この研究は、“非医療従事者はAEDの使い方やAEDがそもそもどんなものかを理解していないため、使用するのに非常に抵抗を感じるようだ。もっと知識と意識の底上げが必要だ”
という文章で締められています。意訳ですが。

ATの皆さん、医療従事者の皆さん、
私たちの全員が全員、とんでもなく大きいことなんてしなくてもいいんです。
小さなこと、できることから変えていきませんか。
命の消える瞬間のあの怖さを知っている私たちだから、
できることがあるはずです。

改めて、昨日のエントリー: AEDって知っていますか

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ちなみに誤解が無いよう、一応書いておきますが、
AEDはスポーツ界で働くATの「ひのきのぼう」的な初期装備であって欲しいと思っていますし、
どんなレベルのスポーツの試合でも(ex. プロ、アマ、大学、高校、中学、etc)
万が一のために現場に置いておくべきものだと思っています。
(選手層の年齢が低い場合、Heart attackの危険性はそんなに高くないし、必要になることはないんじゃないか=社会人レベルになるまでいらないんじゃないか、という議論もたまに聞きますが、選手のためはもちろん、チーム関係者や観客として見に来ていた人への使用例も時折耳にしますし、心臓震盪の危険性は十分考えられると思います)
もちろん、日本の現状はそれとは程遠いものですから、
改善はされて然るべきだと思っています。

それから、コメント欄にも少し書きましたが、
CPRの進化系がAEDなのではありませんし、AEDさえ使えばCPRは全く必要無い、
なんていう間違ったことを言うつもりもありません。
CPR(心肺蘇生)ができる人も、もっともっと増えたらいいなぁと思います。

今回のブログが皆さんの「第一歩」になって、
興味を持たれた方がそこから二歩三歩と踏み出せるようになっていけばいいなぁと
こっそり思っている次第です。
こういうのは、自発的でないと意味がありません。

ですので、ちゃんと読んでくれた方は分かってくださると思うのですが、
AEDは神!と言っているわけでも、CPRなんでどうでもいい!と言っているつもりもありません。
AEDはこういうものですよって伝えたかっただけです。念の為。

ちなみに私は、最初の町で敵をいっぱい倒してお金を稼いで、
「どうのつるぎ」を買うタイプの人間です。むふふ。
270Gくらいするんだよね。序盤には高価な買い物。

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なんか今回の件でもしかしたら分かってしまったかも知れませんが、
私が今年一年自分に課している標語は、他人を巻き込め!ってことです。
そんでね、いくつか種を蒔いているんですよ。
これが、とっても楽しいのです。

教師として学生に教えているとき、
ただ単純に黙々と事実や暗記項目を列挙するのではなく、
生徒の知的好奇心をくすぐるような授業をするのが理想なのです。
答えを全部教えてしまってはつまらない。
A=Bで、B=Cなんだけど、果たしてA=Cって言えるのかな?Why or Why not?
学生のうちは間違ったって良い。むしろ、学生にはいっつも、
「今のうちにいっぱい間違えておきなさい。間違った分だけ伸びるんだから」と言ってます。
一番大事なのは、How to defend the decisions、つまり、結論に対していかに正当化できるだけの根拠を持てているか、ということ。これができた生徒は、皆の前で思いっきり褒めてやります。
そうすると、うれしそうな顔をするんですよ、学生たちってば。
私が間違いに対して怒らないので、生徒たちは授業中にもわいわいよく喋るようになりました。時々うるさすぎるけど(苦笑)。答え探しが上手くならないと、良いATにはなれない。怪我の評価なんて意味が繋がらない発見の連続で、その中でも答えを導き出さなければならないのだから。これも練習です。
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あれ、話がそれちゃったかな。
つまるところ、学生を巻き込んで、お勉強大会をしているような気分です。
私だってまだまだ知らないことがいっぱい。いばれたもんじゃありません。
学生も私も一緒になって、学ぶのって楽しいねぇ!!とわいわいやっているわけです。
学生だと甘く見ていたら、時たまとても鋭いことを言ってきたりする子もいるので、
びっくり&うれしい気分になることも多くあります。

それから、この波に今年はATEPの重要な構成員であるACI/CIも引き込んでやろうと思ってます。
そのための、前々回のニュースレターなのです。
ニュースレター刊行なんて追加業務、言ってしまえば私にとってはマイナス要素でしかない…そもそも3人分の仕事が課されている現状では、睡眠時間を削るもの以外の何者でもないのですが、せっかく書かなきゃいけないなら、楽しいものにしよう!とまず思いました。やっつけ仕事じゃなくて、クオリティーの高いものを作ろう!せっかくだからニュースレターという媒介を使って、何か面白いことをしてやろうじゃないか!と。
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ACI/CI(特に、高校で働いているATたち)は時間的、Recourse的制限で、
EBPを実践していくにはなかなか難しい環境であることは事実。
Old schoolで、今までやってきたことで十分通用するんだから新しいものに興味は無い!とか、
結構とんでもない人もいたりしますしね。
私、こういう拒絶反応示している人の、氷を割っていくのが好きなんです。
こんな面白そうな最新技術が出てきてますよー、とか、今までの根本をひっくり返しかねないぶっとんだ理論が出てきましたよー、とか目ぼしいものをこちらが選んで提供してあげて、彼らにとっつき易い言葉で紹介してあげる。こんなアーティクルも見つけましたよー、とくっつけたり、動画へリンク張ったりすると、意外に食いついてくるわけです。
だって結局は私達を取り巻く身近な話題なんですからね。
つっついて氷にヒビさえいれてあげれば、あとはその人自身が一気に氷を割って出てくるケースも少なくないような気がします。要は情報の提供の仕方、見せ方の問題なのです。

で。ようやく本題ですが、
今日はCIEとして初のACI Trainingがありました。
CIE(Clinical Instructor Educator)として、というのはつまり、ACI Trainingに今まではただ単純に参加するだけの立場だったのが、今年から主催する側に回った、ということ。
で、私が準備の段階で最初に思ったのは、「今まで参加してきたACI Trainingを楽しい!って思ったことないなぁ」ということでした。うむ、それじゃあせっかくだから、楽しいものにしてみよう!と。

そんなわけで、普通のACI Trainingの内容に加えて、
EBPとは、という短い講義や、
これから実技や実習にも深く関わってくる5th Editionの話題を織り交ぜて、
いかにこれらが私達のプロフェッションを高めるものになるのか、という話をしました。
遠い世界で起きている話じゃない、私たちはこれらを使って、私たちの存在意義そのものを高めていけるんですよ、っていう話し方をしたのです。

そしたら皆楽しんでくれたようで、
面白い情報が満載だった!と笑顔で会を終了することができました。
EBPにもう長いこと渋い顔をしていたうちのHead ATも、会が終わった後、
「今日は勉強になったよ。ニュースレターも、こういうことしてくれると本当に助かる。自分でリサーチ読んで勉強して…なんて、本当に時間がなくてできないと思ってたから。Syも時間かかるだろうに、ありがとう」と、そして更には「今日の講義のファイルを送ってもらえる?もうちょっと読んでみたい」と、言ってくれました。
やったー、私が面白いと思ったことを、面白いと思ってもらえた!
プレゼンとしては、これは大成功です。
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そんなわけで、今年はACI/CIと一緒になって、
このお勉強会の波を広げ、もっともっと多くの人を巻き込んでいけたら、と思っています。
誰もが持っている知的好奇心を、くすぐってくすぐってくすぐりまくってやりますよ。
そしてその波はどんどん自発さを増し、最後には大きなうねりになる…はず!

他にも2-3個、面白くなりそうな種を蒔いているのですが、
こちらももうちょっと具体的に形になりそうになったらまた報告します。
芽が出るように、毎日水を撒いておこうっと。
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  by supersy | 2011-08-06 23:30 | Athletic Training | Comments(2)

Commented by かや at 2011-08-08 16:56 x
学生自らが積極的に参加するようにしむけるのって,とっても大切なんだけど,とっても大変なんですよね。とくに根拠を探ろうとしない,疑問を持とうとしない,考えようとしない子たちが増えてきている昨今では。
Syの蒔いた種の一つが芽生え始めてよかったね。じっくりと成長させてください。

AEDは日本でも同様の問題があがっています。
設置数はここ数年で飛躍的に増加したものの使用率が2%程度・・って言う事が新聞記事にもでてました。講習会の大切さと,一歩前に出る勇気を持ってもらう事を伝える事の大切さを特に感じます。
Commented by さゆり at 2011-08-09 12:32 x
常に“当たり前”が変化/進化するこの職業、自分で自分を教え導く癖がついてない子をうちのプログラムから“プロ”として卒業させるわけにはいきません!学生の子達は卒業すること、資格を取ることしかアタマにないけれど、本当に大切なのはその後ですからね。こんな話も是非賀屋先生とまたしたいですね・・・。

今設置されているAEDが最大限に活用されれば、救われる命が一体いくつあるか!今日も試験更新しながら色々考えてしまいました。そして、未だに英語で数を数えるのが苦手なので(14あたりから口が追いつかなくなってくる)、ついつい日本語でやりたくなってしまいます。。。

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