Strength & Conditioning Seminar。

今日は横浜まで、吉田修久氏の講習会に行ってきました。
そう、先日告知してたやつです。吉田夫妻には以前大変御世話になったので、
専門分野は違うんでアレですが、なんだったらお手伝いしますよー、と申し出ていたのです。
そんなわけでちなみに今日は受付をやっていましたー。
(私のブログを見てこれを知って参加しました!と仰ってくださった方もいました。
 わーい、宣伝効果ありです。嬉しい!)

今回の講習会のタイトルは「NCAA バスケットボールチーム コンディショニングプログラムの概要と実践」。UFのMen's Basketball TeamでStrength & Conditioning Coach Internとして働くノブさんから、全米トップレベルのトレーニング法を学ぼう!という企画です。
Short noticeだったにも関わらず、定員の15名を軽くオーバーする参加者っぷり!
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今回はレクチャー、実技、そして最後にディスカッションと質疑応答、という3部構成。
受付業務を終えて、私もちゃっかり参加させていただきました!
(↑写真は最後の“ディスカッション&質疑応答”。実技のあとでなのでそのまま床に座ってます)

講義の中でノブさんが仰ってた、“(選手に持って欲しいイメージとしては)自分の周りにbubbleがある感じ。で、それをどこまで広げられるかっていうところ”という感覚がとてもしっくり来て、良い表現だなぁと思いました。自分が選手のときに考えていたことでもあります。自分を中心に広がる、playable spaceをどこまでexpandできるか…身体の核(core)となる部分から、四肢へ、さらに空間へ、と広がるわけですが、しっかりがっしりとしたbaseがないとそのbubbleはしゅるるとしぼんでしまい、とても小さいものになります。選手としてそれは致命的な弱点になってしまいますよね。
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ん?その広がっていくイメージがイマイチ分からないって?
例えばビーチバレーと普通のバレーボールを比べてみてください。しっかりした体育館の床ならば高く強く飛べるけれど、砂の上ではそれも大変になるでしょ?それはしっかりした足場がないから、足元が滑ってしまって思うようにチカラを伝えていけない、ということですよね?それと同じで、自分の体幹をくっとstabilizeできれば、それを足場にして自分の腕も足もproximalからdistalへとチカラを無駄なく移行させ、力強く思い通り動くことが可能になるわけです。Core stabilityが大事、と言われるのはそういう背景があります。
Coreにはそれでは実際どんなものが含まれるのか、という点については今までも散々触れているので今回は割愛します。ただ、一般の方がよく持っている、Core = 腹筋(しかもRectus Abdominis)という印象は完全なるmisconceptionですのでご注意を!

実技では、一般的なエクササイズ(Squats, Lunges, Push-ups, Squat jumps, etc)に
いかにSFT(Sagittal, Frontal, Transverse)を取り入れてバリエーションを増やしていくか、
ということを中心に皆で身体を使って体感しながらわいわいと。
それにReachやLiftを加えて更にmulti-plane, multi-jointに。
でも私、膝と腰が悪いんでSquatできないんだった。ふふふ…(泣)。

さて。
最後のディスカッションの中で、“ATはerrorを一切許さないけどSCは許す”…けどどこまでなら許して良いのか云々という話になったのですが、私はそれを聞きながらちょっと違和感でした。確かに私たちATは身体のバランスを正し、身体が身体として自然に本来の機能を発揮できるように、ということは意識しています。でもじゃあ何を持って“これが正解のフォーム/身体の使い方”とするのか…。運動をさせていく中で、“あーお前そのやり方間違ってる!ダメ!直して!”と、何を基準に言うべきなのか…。私はそこに個性はあっていいと思ってるんですよね。だから、イメージとしては、本来の機能をrestoreさせる、というのであって、患者を術者好みにchangeしてやろうという意図とはまたちょっと、いやだいぶ違うのです。

もうちょっと詳しく言うと、絶対的なerrorなら指摘します。明らかなものならこの作業はとっても大事だと思います。ここまでちゃんとしたやり方を教わってきていない若い子なら尚更。だって、教えないと、何が正しくて何が間違ってるか、選手本人が理解してないんですもん。間違ったものが癖になってしまっているなら、それを一度de-programmingして、ATとして、必ずinterventionも間に入れる。で、新たなfiring patternをre-programmingする。反復反復で、感覚として、選手が内から掴んでくれるまで。そのとき大事なのは、過程において“ほら、こっちのやり方のほうが簡単/効率的でしょ?”ということを強引にではなく、本当に選手が納得できる形で体感させる、ということ。選手の感覚的自主的参加、というのが(ハチャメチャな日本語ですけど)大事じゃないかな、と思うのです。肉体的、でなく、感覚的、というのが大事。

自主的、というもキーかな。こうやったらもっとパフォーマンスが上がるのになー、とSCやATが思ったって、それを選手に押し付けるのはちょっと違うと思うし。選手に説明して、本人のやる気があればいいけれど、抵抗があるなら無理強いはしない、ということです。前にも書いたけど、don't force it。例えば、今まで何人のコーチが若かりし頃のイチローのフォームを代えようとしたこととか。でも彼は彼の振り方を貫き、成功した。理由やリスクを十二分に説明して、それでも選手が今までのやり方を貫きたいと思うなら、その判断はこちらもrespectするべきじゃないでしょうか。

つまるところ、ある程度、“個性”ってものは認めてあげて良いと思うんです。
私はそこんとこ、かなり遊び幅も許します。指摘してすぐ直るもんでもないというのは分かってるし、自覚のあるミスならそれもいいと思います。

まーでもだから、そもそも許す許さない、っていう感覚じゃないんだな。そこが一番違和感なんだ。ちゃんと教えられれば、選手自身が何がマズくて何がイイのか分かってくる。私たちは、彼らが“あー、今のマズかったよね?こうなってたよね?”というのを“そうだねー、ちょっとズレたね” “でもこっちは良くなってるよ、今度は両方同時に意識してやってみる?”とconfirmやadviceする役だけに、そのうちなるんだと思う。Feedback providerというか。選手と一緒に良い身体を探って、創っていく、という感覚が一番自然かも。個人的な見解ですが。

じゃあどこまでが個性でどこからがerror?という新たな疑問も出てきますね。
この判断は難しいところですね。いや、ほんとに。
以前、“全てをneutralにすればいいってもんじゃないと思う”なんて話も書いたことがありますが。
選手の年齢、怪我のhistoryと動き・姿勢のdeviationの範囲と程度、自分がそのチームと過ごせる時間の制限(長期的で無いなら正直なところ難しい)…色々なものが加味された上で、完全にケースバイケースで決めるほかないですね。ここらへんはATとしての知識・経験がモノを言う!
ちなみに私は昨シーズン、シニアの子で動きに癖がありすぎる子がいて、すごく迷ったのですが走り方だけを直したくて指導しました。つま先走りをしていて、anterior knee painがあったので…。歩き方のトレーニングから徐々にスピードを上げていくのを、一ヶ月くらいほぼ毎日練習前に5-10分やっただけでフォームはすっかり改善され、膝の痛みも無くなりました。何しろ学生がシニアだったので、かなり冒険でした…本人も最初は“ココ(tibialis anterior)が疲れる!”と騒いでいましたが、慣れてくると“こっちのほうが楽だね”と納得してくれ、意識しながら努力してくれた成果です。

…はて。話が反れちゃいましたね。

ともあれ、私が今回一番収穫だと思ったのが、SCの立場から解剖学・運動学を考え、試し、工夫してみる、という体験を得られたことでした。ATとSCって、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出し、且つ怪我の予防をする、という大根底は一緒なので、お互いの知識を用いて協力して仕事をしていくということがとても大事だと思うんです。それぞれの高みを極め、お互いのspecialtyをrespectして、境界線を渡らないようにしつつ、でも歩み寄る、というか。私自身、過去にそれが全く無い職場にもいたし(いわゆるold schoolの、筋肉さえつけばいいと思ってるようなS&C Coach…あの職場はWeight roomでの怪我がとんでもなく多かった…そのコーチももうクビになったそうですが…)、ラッキーにも現在一緒に働いているTAMUCCのS&C CoachであるCoach Laurenは、とってもとっても働きやすい。怪我のことでもコミュニケーションが取りやすいし、Indian ClubsやJungle Gym TX(日本語ではRTXという名前で知られているようですが)など、トレーニングそのものも最先端の技術を取り入れ、常に変化を求めています。最高のパートナーです。

ええっと、つまり何が言いたいかというと、
こういうcreativityを持って仕事をしているSCと組んだら、かなり面白いことができるんじゃないか、とワクワクした、ということです。講演者のノブさんだけでなく、参加されていたような、刺激を求め、自らを高みへと追い込んでいくような方たちも含めて、です。
リハビリに応用できそうなアイデアも沢山頂きました!楽しかった!
本当にありがとうございました!
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  by supersy | 2011-06-12 23:50 | Athletic Training | Comments(0)

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