“呼吸”をふかくふかくふかーく考える。

呼吸、が、ここ数年静かなマイブームなのです。

誰でもできる、考えなくてもしている、呼吸。
それを敢えて考えてみることが大事なんじゃないかなーと思いまして。
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元々呼吸法に興味を持ったのは心理学の勉強をしていたとき。
Undergrad時代、スポーツ心理学副専攻だったので、緊張をほぐすために深呼吸をするということの科学的な証明等、色々習って少し興味が出まして。ヨガなんかも長い腹式呼吸でリラクゼーションをpromoteしながら…、みたいなコンセプトですよね。
そんなことに気づき始めて以来、色々と考えてみていたのです。
呼吸ってなんだろう、呼吸を上手く出来ている人と出来ていない人、Mechanicsとしての違いは何なんだろう、そして、その結果、どういう風にカラダに影響を及ぼすのだろう、と。

b0112009_12392428.gifで、数年かけてちょっとずつ独学で勉強しているわけですが、現在Greenmanから浮気をして今読んでいるのがこの本、その名も“Anatomy of Breathing”(←)。まさに、呼吸とは、ということをとことんまで掘り下げた一冊です。この出版社、Eastland Press社はオリエンタルだったりオステオパシーだったりなマニアックな本ばかりを出していて大好きなのですが、この本もその期待を裏切らずなかなか良い感じです。イラストが多くて、イメージがしやすいところが好きです。
この本を読んで、私達が“呼吸筋”として習うよりもはるかに多くの筋肉たちが、実は呼吸に関わっているのだと実感。さらに、個々の筋肉の呼吸における役割も、随分アタマの中で明確になってきました。くそぅ、面白いぜ!

例えば、空気を吸うときに、鼻から吸った場合と口から吸った場合の違い。
Diaphragmatic Inhalation vs Costal Inhalation vs Paradoxical Breathing、
そしてThoracic Exhalation vs Abdominal ExhalationのAdvantages & Disadvantages…。
あんまりこういうことをin depthで教わる機会もなかったもので、なかなか新鮮です!
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でも私が一番衝撃を受けたのは、もっと単純な最低限の呼吸をしているときのMechanics。
(Forceful inhalation & exhalationでなく、Tidal volumeのみを吸ったり吐いたりする場合)
私は単純に、“横隔膜が収縮するから肺にnegative pressureがかかり空気が入る。リラックスして元の形に戻ると肺から空気は押し出される(↑)”と思っていましたが、それが実は大間違いだったことが発覚!横隔膜は胸部と腹部を隔てる壁(=どーんとして動かないもの)として独立して動く筋肉、と考えるよりも、実際は肺と内臓と組織としてくっついて、連動して動き、まるで綱引きのツナのように胸部と腹部にそれぞれ引っ張られるものと考えたほうが感覚として正しいのかも知れません。もちろんだからこそ筋肉としても非常に重要な役割を果たすのですけれど、胸部・腹部からの影響もかなり受け、上手く行けばそれらに助けられ、下手をするとそちらの影響から最大限にチカラを発揮できない、なんてこともあるわけです。肺の組織そのもののelasticityが実は空気を吐き出すメインの原動力になっている、そしてそのチカラがなかなかに強いため、横隔膜はむしろ逆にeccentric contractionを起こしてそれをslow downさせるのも、forceful exhalation時においては非常に大切な役割というのも初めて耳にしました。呼吸って、横隔膜だけが頑張っているわけではない、もっと広く言うと、筋肉だけが呼吸を起こすチカラになっているわけではない。もっと他の、他組織のelasticity(元に戻ろうとする力)や、骨格そのものが動くことによって変形する空間等のぜーんぶあわせて、呼吸なのです。

Thorasic Cavityはその含まれているものの大半は肺の中にある空気であり、空気はdeformable(=変形可能)だしelastic(=伸び縮みが可能)。一方でAbdominal Cavityを構成しているのは中身がぎゅっと詰まった臓器たち。deformableだが圧縮はできないので、“水風船”と考えたほうが良い(=水は変幻自在に形を変えられるが、圧縮はできない、ということから)、という記述も私にとって新しいものでした。むむむ、面白いではないか。

この本、もう少しで読み終わるので、そしたらちょっとここでまとめてみたいと思います。
うーむ、こんな複雑な呼吸を、考えずに誰もがやっている、というところが、
まさに人体の神秘なのですよ!学ぶことだらけですな。

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さて、知り合いの告知になりますが、
University of FloridaでStrength & Conditioningのインターンをしていますノブさんが、
6月12日に横浜でセミナーを開催します。ここからはご本人のブログからの転載ですが、
“「NCAA バスケットボールチーム コンディショニングプログラムの概要と実践」と題して、フロリダ大学で行われている、バスケットボールでのムーブメントを獲得&向上を目的としたストレングスプログラムを実践を踏まえてご紹介します。急な告知ですが、お時間がありましたら参加よろしくお願いします。”とのことです。UF男子バスケットボールチームは今年エリート8にまで進出した、そして、2006&2007年に連続で全米チャンピオンにも輝いたこともある名門大学(…と、自分の母校のことを言うのもなんですが)。全米トップクラスのバスケットボールチームがどういったトレーニングを積んでいるのか、興味のある方は是非、私かノブさんに直接ご連絡ください!

日時: 6月12日 2:00pm~
場所: 横浜リゾート&スポーツ専門学校 5F
料金: 6,000円
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  by supersy | 2011-06-02 23:50 | Athletic Training | Comments(7)

Commented by れいら at 2011-06-04 02:43 x
ちょうど呼吸法や発声を習ってるところなので、続き楽しみにしてます!
ちなみにAlexander Techniqueをとりいれた先生についてます。
難しいけどこれもおもしろいです。
Commented by けに at 2011-06-04 04:26 x
ナイストピックっす!
横隔膜は解剖的にも面白いですよねー
Commented by さゆり at 2011-06-04 11:13 x
>れいら
習慣を変えるわけだから難しいし時間がかかるよね。姿勢もそうだし、呼吸なんて特に、考えなくてもできることだから逆に意識的に考えてみるという行為自体が難しい。でもだからこそ無駄をそぎ落とした姿勢・呼吸法が実践できれば、カラダの効率が上がるんではないか、局所的負担が減るんではないか、ということなんだよね。色々名前はあるけどさ。

>けにー
横隔膜について最近考えすぎて、目を瞑るとあの形がぼんやりとアタマに浮かんできます。もう重症ですね。
Commented by かや at 2011-06-04 15:56 x
最近は納得のいくような横隔膜の絵も描けなくなったなぁ〜
下から見た図を書いて,学生に???をいっぱい飛ばさせていたのに・・・
呼吸法は競技柄気にしてましたね。仕方そのものとか鼻/口とか・・・
Commented by さゆり at 2011-06-05 00:12 x
賀屋先生…やはり相変わらずマニアックですね(笑)。私もこの話の続きをupするときはそのviewを使うこともにもなると思います。ところで今先生はデンバーですよね?そちらはどうですか?楽しまれていることを願います(Hope you are having an awesome time)!…って日本語でいうと不自然ですね(苦笑)!
Commented by かや at 2011-06-05 18:26 x
先ほどデンバーから戻りました。
とても楽しみましたよ。短期間だったけど。
日本は蒸し暑い!(><)

呼吸と体動については,深呼吸(ラジオ体操第二の方)をさせたときに「「吸って,吐いて」を逆にしてみ!」とあえてうまくいかなくなるようにさせたりしますね。
臓器との関係としては,腹膜や胸膜で肝臓や心臓と連結させられていることからも,横隔膜の動きに周辺の臓器がすごく影響していることが伺えるよね。(確かにマニアックかも・・)
Commented by さゆり at 2011-06-06 23:01 x
長旅お疲れ様です!おかえりなさい!
肺と心臓と肝臓と胃と…肝臓や脾臓、すい臓に腹大動脈と大腸の一部も関わりがあるという記述も。姿勢によってそれらがどう横隔膜を引っ張り、機能に影響を与えるか…そこらへんは考えたことがありませんでした!もちろんvice versaで横隔膜を動かすとこれらも多少なりとも影響を受けることになります。単純ですがde-programが難しいですよね。

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