SIJ Dysfunction: Distraction or Compression?

今日すごく小さな大発見をしました。
…いや、大したこと無いとは思うのですが、私にとってはちょっと衝撃だったので。
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さて、上に、SI joint dysfunctionを調べるためのこんなふたつのSpecial Testがあるのですが、皆さんはどう呼んでいますか?私は、左のほうを“Distraction Test”、右を“Compression Test”と習って、今までずっとそう呼んでいました。左のほうは両手をクロスしてPelvisの双方を引き離すようなdistraction forceをかけるのでDistraction Test、右はまっすぐに患者さんのPelvisをcompressするので、Compression Test。なんて分かりやすい名前だろうと、そう思っていたんです。

…ですが、今日授業の準備をしていてこれらのテストを教える手筈だったので、
あれこれ調べていて、あれ?と引っかかったことが。
使っていたテキストのひとつで、名前が逆に表記されている。
左がSI Compression Test、右がSI Distraction Testと書かれてる。
いやだわ、思いっきりミスプリじゃないの、と思いつつ、
たまたま目を通したもう一つの本でも、やっぱり逆に載っている。
あれ?2冊も同じとこミスプリってあるんだろうか?と不安になり、
Upperclassmanの生徒に“あのさ、このテストって、名前なんて習った?”と聞いてみました。
聞けば彼も、私の考える“逆”で習った、とのこと。

あれあれあれ。
私の中にあった自信が音を立てて崩れていきます。
あれれ、間違ってるのは私のほうなのかな、思い違いだったろうか?
いやいやそんなはずは、と、更に調べてみると、
Maggee(←私の愛読書)や大学院時代に使ったテキスト等では
私が理解している通りに記述がされている。
読む教科書によって名前があっちになったりこっちになったり?
ますます混乱。どっちがどっちなの?

で、更に更に調べてみて、ようやく原因がはっきりしました。
要は、Examinerがかけるチカラに注目するのか、SIにかかっているチカラに注目するのか、
ということみたいなのです。この説明だけでは分かりにくいかと思うので図解します。
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まずは左の図(↑)から解説します。Examinerは両手を使って両ASISを引き離すような、Distraction forceを骨盤の前面にかけるわけですが、骨盤はリング状の形をしているため、そのチカラは後方へtransferされ、結果的にSI joints同士をcompressするチカラに変わります。つまり、Distraction force on the anterior pelvis will turn into the compression force on SI jointsになるわけです。
その逆もまた然り、です。今度は右を見てみましょう。両ASISがapproximate(近接)するようにかけた圧迫は、そのままリングをつたってSI Jointsを引き離すような、distraction forceに姿を変えます。結果的に、“ExaminerがかけたのはCompressionだけど、骨盤の構造上、それがDistraction forceになってSI jointにかかった”ということになるわけです。

改めて。つまり、これらのテストに名前を付けるとき、
1) Examinerがかけたチカラに注目するのか、
2) それともターゲットとなるSI jointにかかったチカラに注目するのか、
によって名前が変わってくる、というわけです!

私が今まで習った名前は1)のみに着目したものと思われます。
単純に見た目どおり、左がDistraction Test、右がCompression Test。
が、しかし!2)に重きをおく場合、名前は見た目と逆になります。
左はSI Compression Test、右はSI Distraction Test、と呼ばれるべきだ、ということです。
つまり、SIがつくかつかないかで、名前がまるっきり入れ替わっちゃうんじゃないかって、
そういう発見なんです!目からウロコです!
私、これから2)の名前で呼ぼうと思います!こっちのほうがmake senseするようになってきた。

そんなわけで、皆さんがundergrad時にどちらで習っていたかは分かりませんが、
両方の呼び名を耳にしても、これさえ知ってればびっくりしないんじゃないかなー、
なんて思っています。ちょっと役に立ち…ませんか?

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ところで、mixiやtwitterでものっけたのですが、
Joint mobilization、もしくはmuscle energy techniqueについての専門書で、
お勧めがある方いらっしゃいますか?
来学期に備えてパワーアップするため、夏に一冊、がっつり読破したいと思ってます。
アマゾンで幾つか当たりを付けたものがあり、どれもreview評価は高いのですが、
実際に開いて見たわけではないので、決定打が無くどうしようかなぁなんて悩んでいたのです。
こういうときに頼りになるケニー氏からちょっとアドバイスをもらったので、
時間もあるしまだまだもうちょっとじっくり探してみようと思っています。
その他にも、お手元に“これ読んだことあって良かったよ!”というものがあれば、
是非教えていただけると幸いです!

この年になっても知らないことは山のようにありますな。
死ぬまで勉強だ。終わりは無いぞ。
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  by supersy | 2011-04-04 21:30 | Athletic Training | Comments(9)

Commented by Dr.Greenman at 2011-04-05 12:12 x
Principles of Manual Medicine 4th ed
Commented by かや at 2011-04-06 11:03 x
同じ内容なのに違う名前(呼び名)があるのを知ったときはホントびっくりするよね。
焦って,いろいろと調べましたよ・・・
僕の記憶にあるのは,
恥骨体の場所が寛骨臼のところor恥骨結合のところ
手根管を通る筋腱に橈側手根屈筋をいれるorいれない
かな?(マニアックなところではありますが・・)
Commented by さゆり at 2011-04-06 11:37 x
>どなたが存じませんが有難うございます!リストのトップでもあったこの本、他の人にも薦められたし挑戦してみようと思います。

>賀屋先生
す、すごいですね、日本語で言われると全然わからないです、外国語喋られてるみたい(笑)!調べました、body of pubisがacetabulumの一部とされるのか、それともpubic symphysisか, carpal tunnelを通るtendonの中にflexor carpi radialisが含まれるかどうか、ということですね。前者はpubisの中央部に当たるので≠pubic symphysisではないにしても、そこに繋がる部分であり、同時にacetabulumを構成する一部でもある、後者は含まれないと理解してました。でも前にも書きましたけどヒトの身体って個人差ありますしね、何が“普通”かわかんないですよね。patrick'sとFABERみたいに、同じテストにも色々名前があるというのは知っていましたが、まさかアタマにSIが在るか無いかだけで名前が正反対になることもありえる、というのはびっくりでした。こないだPiriformis Testを調べたら、同じ名前で5個くらい異なるやり方が出てきて閉口しちゃいました…もうちょっとスッキリしてくれると、教えるほうとしてはありがたいんですけど(苦笑)。
Commented by かや at 2011-04-06 20:30 x
ごめんなさい(英語が苦手なもので・・,それとマニアックな例を出して)
前者に関して,body of pubisをacetabulumの部位にするか,pubic symphysisの部位にするかは,ドイツ系かアメリカ系か・・・の考え方みたいです(どっちがどっちかはちょっと忘れました。acetabulumのところにするのがドイツ系だったかな?)
後者(carpal tunnelのこと)に関しては,flexor carpi radialisを囲んでいるcompartmentをcarpal tunnelの一部と見なすか否か・・で,こっちは柔道整復と鍼灸とで解剖学の教科書での取扱いが違ってたのでちょっと苦労しました。
いろんな言い方があるのを知ってて・・だったら対処も楽だけど,知らない状態で別の言い方なんかで質問されたり、別表記を見つけたときは結構焦りますよね。
でもSyの体験した呼び名の違いはホンットに冷や汗もんですね。
Commented by さゆり at 2011-04-07 11:28 x
あーなるほど!そういうことですか、面白い…!そういえば賀屋先生、今度5月中旬~6月中旬にかけて久しぶりに日本に帰りますが、結構長く滞在するので、賀屋先生にもまた会いにいけたらな、なんて思っています。いかがでしょう?
Commented by かや at 2011-04-07 12:48 x
!!!
5月末から6月4日頃までACSMという学会でDenverですが
Syの日本滞在の方が長いので,ぜひ合いたいです!!
日程調整します。
Commented by サニーカリフォルニア at 2011-04-09 13:57 x
Muscle Energy Techniques
Leon Chaitow ND DO
Commented by さゆり at 2011-04-11 03:05 x
>賀屋先生
じゃあ、なんとなくですが、6月上旬、賀屋先生が帰国された後あたりに遊びに行こうかなー、という感じでいかがでしょう。今先生神戸ですよね?

>サニーカリフォルニアさん
ありがとうございます、その本も別の友人に勧められました。ちょっと調べてみます。
Commented by かや at 2011-04-11 10:58 x
(土曜日がすべて埋まっちゃっていますが)
OKデス。
楽しみにしてます!!

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