Shortwave Diathermy(短波ジアテルミー療法) その2。

昨日の続きです。
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Capacitive Field Generator
これは、プレート(↑写真左)、もしくはパッド(↑写真右)を用い、患部をサンドイッチのように左右もしくは前後に挟むようにapplyします。下の図を見てください。ライトブルーの四角が挟んでいるプレートorパッド、中央の楕円形が挟まれている分子とします。このプレートの両面には電流が流れていて、(↓図左)片方のプレートをプラス(+)、もう片方をマイナス(-)としましょう。これに対し、当然プラスはマイナスを、マイナスはプラスを引き付けますから、挟まれた部位の二極分子はこのような位置(↓左)で安定します。
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しかし、ここで忘れてはならないのが、DiathermyはAC currentであるということ。AC = alternating current、つまり、このプレートの二極は猛スピードでくるくる入れ替わっているわけです。
二極の位置が入れ替わり、図右のようになった場合、挟まれた分子もそれに合わせて(↑)回転を起こします。交流電流が流れ、二極が入れ替わるたび、中央の分子はくるくるくるくる回り、この運動が熱を起こす原因となるのです。イオンの振動による摩擦熱であったInductiveとは異なるメカニズムで、熱が生み出されるのです。この二極分子の回転によって熱が起きるプロセスを、Dipole Effectと言います。


Inductive vs Capacitive
ここまでをちょっとまとめてみます。
●Inductive Field Generator
 - コイル状のケーブルが電磁場を生み出し、それによるイオンの振動で発熱。
 - Drum method & cable method

●Capacitive Field Generator
 - 二つのプレートもしくはパッドで部位を挟み、分子の回転であるDipole effectで発熱。
 - Plate method & pad method

b0112009_419244.jpgで、次に説明したいのが、
それぞれのapplicationで、異なる組織の熱がどう上がっていくのか、という話。
ここでは大きく分けて、fat, muscle, boneの3つに分類します。
人間の体で、最もsuperficialなのが皮膚。そして、いわゆる皮下脂肪、筋肉がすぐその下に存在します。で、身体の中心に骨が在り、そのあとまた筋肉、脂肪、皮膚…と人体が構成されている、という大前提はまずいいですよね?
上腕なんかを考えると分かりやすいと思います(←)。
Superficial→Deep(赤い矢印)で考えていくと、まず皮膚があり、脂肪。そして上腕二頭筋があり、上腕骨があり、上腕三頭筋…という。

これを踏まえて。InductiveとCapacitiveでは熱が起こるメカニズムが違うので、tissueの暖め方もかなり違ってくるのです。下のグラフ(↓)にご注目ください。
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Inductive Field(グラフ上部)では、熱は主にsuperficial muscleに吸収されます。ドラムを使用した場合、骨を介したその裏側にある筋肉にはその熱は伝わりません。
一方、Capacitive Field(グラフ下部)では身体の特定の部位を両面から同時に温めることが可能です。その熱の多くは、脂肪、そして骨に吸収されます。
つまり、Target tissueによって、application methodを選ぶべき、とも言えます。
筋肉をターゲットにしているならInductive、Bone healingをpromoteしたいならCapacitive、というように。脂肪は…あまり暖めることに意味を感じませんが…。まぁ、これを見る限り、Inductiveのほうがかなり私たちATの使用目的に合っているのではないか、という印象を受けます。

これをUS(超音波治療)と共に、熱を伝道できる部位をまとめてみると、
●Inductive SWD......Superficial muscle
●Capacitive SWD....Fat, bone
●Ultrasound ....Collagen rich structures such as tendons, ligaments, jt capsules, etc
という風に、使用用途がはっきりと分かれていることが見て取れると思います。
同じDeep heating modalityだからと、Availabilityや使いやすさでModalityを選ぶのではなく、何を治療しようとしているのか、しっかり見極めることが大事です。色々と違いはあるのです。

筋肉を暖められる、という利点だけではない。他にもUSに比べて優れている点はあります。
 1. 骨にぶつかってもreflectされない
 2. Hot spotsができる可能性が低い(火傷が起こりにくい)
 3. USよりも遥かに大きなサイズの部位を一気に治療可能
 4. セラピストが張り付いていなくても良い
 5. Mediumも要らないし、コットン100%等であれば服の上からでもapply可能
 6. 治療後、USによって上がった体内の熱は3分ほどしか保たれないが、
   SWDではその2-3倍の9-10分の“Stretching window”がある
中でもサイズの問題と、熱の保ちの良さ、Clinicianの手が空くというのはかなり良いですよね。

良い所もあれば悪い所もある、ということで、
私が学んだ上で、これが一番ネックなのでは?と思うのが、そのセットアップの面倒臭さ。
とにかく、この電磁場に影響があるものを全て排除しなければいけないので、
患者さん、セラピストが身に着けている金属類をまず治療前に全て外さなくてはいけません。
ピアス、ネックレス、ベルト、洋服のキラキラデコ、携帯電話も全てちょっと離した所に置かないといけません。患者さんの体内に金属がある場合(ボルトとかプレートとか)も使えません。
患者さんを治療する度にこれをやらなければいけないのは、ちょっと手間ですよね。
あと、少しだけ前述しましたが、水分もNG。水分があるとそこだけ熱を吸収しやすくなり、熱にムラが出来てしまい、Target tissueに思うように熱がいかない、もしくは水分がある部位に火傷を起こしやすくなる可能性もあります。そんなわけで、セットアップを終えるまでに、色々と注意を払わなければならない事柄が多いのです。

しかし、そのdisadvantageを持ってしても、
唯一筋肉を暖められるDeep heating modalityという点では、
私は個人的にやはりかなりの利用価値があるのではないかと思っています。
実際、自分でもかなりこのマシーンをいじって色々と試してみましたが、
結構あったまるんですよねぇ、これ。Capacitiveだと特に、中からじわじわあったまって、なんかすごく面白い感覚。今シーズンはチャンスがありませんでしたが、機会があれば是非自分の治療regimenにも加えてみたい。工夫のし甲斐はあると思います。


そんなわけでかなりさらっとですが、SWDについてまとめてみました。
最後の最後に改めてreview。

●SWD Inductive Field Generator
 - コイル状のケーブルが電磁場を生み出し、それによるイオンの振動で発熱。
 - Drum method & cable method
 - 温められるtissue: Superficial muscle

●SWD Capacitive Field Generator
 - 二つのプレートもしくはパッドで部位を挟み、分子の回転であるDipole effectで発熱。
 - Plate method & pad method
 - 温められるtissue: Fat & bone

●Ultrasound
 - 温められるtissue: Collagen rich structures
  such as ligaments, tendons, joint capsules, scar tissue, nerves, etc

Advantage (USと比較):
 - 骨にも浸透、跳ね返されない。
 - Hot spotsができにくく、火傷のリスクが低い。
 - 一度に治療できる部位が大きい。
 - Mediumが不必要。場合によっては服の上からでも使用可能。
 - Clinicianのconstant attentionが必要無い。
 - 熱のretainがUSの2-3倍長い。

Disadvantage:
 - セットアップが面倒。
  金属及び水分を治療開始前に排除する必要がある。
  (*ちなみにmetal implantがある患者にSWD治療を施し、怪我や火傷を誘発することなく、
    無事に、且つ効果的に治療を終えることが出来た、という研究結果も数件ありますが、
    完全に安全と言えるまで、この分野ではもう少し研究が必要と思われます)

うちの大学に遊びに来る機会のある方で、一度試してみたい!という方はお知らせ下さいませ。
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  by supersy | 2011-03-16 15:00 | Athletic Training | Comments(0)

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