Evidence-Based Practiceその2。

これからホワイトハウスに行って来ますー、が、
その前に、昨日の追記あれこれです。

●どう広めるか
どうEBPを広げていくべきか、という討論で、ターゲットは3つある、という話になりました。
Educate 1)future practitioners, 2)current practitioners, and 3)educators.
1は当然ですよね。未来のプラクティショナーを育てていく上で、現在Athletic trainerを志し勉強している若者たちの教育のカリキュラムにEBPをimplementしていくこと。中でもカリキュラムの早い段階でそれを導入し、日々の実習で“疑問”を抱く能力、そしてその答えを見つける情報収集能力を育てることを、誰もが主張していました。
そして、3、私たち教育者側も、当たり前ですが学生たちにEBPとは何たるかを教える前に、私自身がそれについて知る必要がある。こういったカンファレンスや勉強会に出席する、自分で勉強してみる、教育者同士で教え合う、やり方は色々あります。“教育者なら誰でも経験したことある感覚だとは思いますが”とはDr. Luzitaの弁、“生徒のギリギリ一歩を行っている、っていう感じでもいいんです。教える前に全てを知っておかなければと思うと圧倒されてまうことも。教えながら私たちも学んでいけばいいんです”。自分自身だけでなく、同じKinesiology学部の外の教師陣にも同じことが言えますね。ATEPに関わる全ての教育者が、EBPとは何ぞや、ということを理解していないと、組織として前に進むことは困難です。Make sure everybody is on the same page。
そして、2。これがきっと一番難しい。現場でバリバリ働いて、教育にCI/ACIとしてしかATEPに携わっていない場合(もしくはATEPに全く携わってすらない場合)、彼らにとって教育の優先順位はそれほど低くないこともあるでしょう。下手をするとデータベースのアクセス権もなかったりするので、こういったClinisianには最新の情報をkeep updatedするのはかなり無理がある、という現実もあるようです(統計曰く、特に高校や大学で働くフルタイムのATCたちは情報面で厳しい状況に置かれているのだとか)。これについては、学校単位でですが、ACI/CIに対する待遇の改善や教育に役立ててもらう支給金の配布等、色々対策が考えられています。あとは、単純に“さばかなければいけない患者がいるのに、そんな時間があるかい!”ってこともありますね。でも、母体の組織が大きな変革の時を迎えているんです。私たちだって変わらなければいけない。“今で十分上手く行っているのに”とcomfortable zoneを出たがらないold-schoolの人は“そんなの無理”で片付けようとするかもしれませんが、時間が無いのは皆同じ。患者さんはさばくものではない、一人ひとり接するもの。“変わることを受け入れられない教育者やクリニシャンは、こちらから変えていくしかない。残念だけれど、そういう人たちには去ってもらって、思い切って新しい人材を入れる必要がある”という言葉を聞いて、ちょっとはっとしました。あまりにreluctant to changeな人の末路は…やっぱりそういうことになってしまいますよね。

●CI, ACIの影響力は教師以上。
今回のカンファレンスに参加している人たちはもちろんATの世界の中でも教育側にいる人たちで、
(Educator's Conferenceなんだから当たり前ですが)
各大学のProgram Director、Clinical Coordinator級の人たちばかり。
服装も、Clinicianのドレスアップの仕方と違うし、立ち振る舞いも全然違う。
私はこの世界では50%アカデミック50%クリニカルのハーフ(笑)なので、
アカデミック色ばりばりな人たちのちょっと違った雰囲気も楽しませてもらいました。

まぁそんなことはどうでもいいんですが、
今回、Chad Clements氏のプレゼンの中に、こんなやりとりがありました。
“この中で100%アカデミックという方、挙手をお願いします。…なるほどこのくらいですか。
では、残りの方はClinicianも兼ねている、ということになりますね。
前者の教育者の皆様には悲しいお知らせですが、手を上げなかったClinicianの方々、
皆さんのほうが、遥かに生徒たちに慕われています。信頼されています。影響力があります。
僕自身(100%アカデミック)も気がついたときは残念な気持ちになりましたが、これが事実です。”
つまり、彼曰く、Clinicianの影響力は、非常に非常に多大である、ということなのです。
“教育者の皆さんなら一度は生徒がこういうのを聞いているでしょう、‘だってACIはこういってた’ ‘こうやってた’と。学生にとって、現場で見聞きする知識や技術は教室で得るそれに比べて、遥かにパワフルなものなのです。私たちは教育者として、それを理解しなければいけない。”だから今回の件で、AcademicがClinicalをtake overしようとしているような印象を受けた方がいるとしたら、それは明らかな間違い。この力構図は、きっとそう簡単には変わらないでしょう。でも、だからこそ、教室のみでEBPを学ぶのではなく、実際にクリニシャンがEBPを実践しているところを見ることが、生徒にとってとても大事なのです。クリニシャンの方々、改めて、“教育者が教えてくれればそれで十分なんじゃないの”という考えは捨てましょう。あなたの背中を見て、若い子達は育っているのです。Evidence-informed practitionerと、Evidence-based practitionerは違う。

●Accept to be challenged
“これは効かないって最新のリサーチで出てましたけど”、
“こないだ読んだリサーチでは、このほうがいいって言ってましたけど…”
教育者として、学生がこういった風にあなた(クリニシャン)にチャレンジすることを、
どどんと構えて受けて止めて欲しいなと思います。
前述したように、この業界での“正しいこと”は常に移り変わりつつあります。
昨日正しいと言われていたことが、明日は正しくなくなることだってある。他人の意見にオープンになり、“自分が間違っているかもしれない” “なるほど、この人の言うことも一理あるかもしれない”と認める勇気を全てのクリニシャンに持って欲しいなと思います。相手が上司でも、部下でも、見習いの学生でも。自分がまだ新米でも、どんなにベテランになっても、です。
私はもう、最初の授業等で自分の学生に堂々と言っちゃうようにしてるのですが、
“私はあなたたちに全てを教えられない。そもそも全てを知らないからね。私も知らないことがいっぱいあるの。もちろん全ての授業、全ての実習で、全力を尽くすつもりだけど、あなたたちが‘あれ、それって間違ってるんじゃないの?’ ‘このほうがいいんじゃないのかな?’って思うことがあればどんどん私にchallengeして欲しい。それであーでもないこーでもないって意見交換をして、切磋琢磨していくのよ。”
もちろんコミュニケーションの仕方や最低限の礼儀はあるべきだと思いますが、
(例えば患者さんの前で指摘するのは間違っていると思うし、他人を誹謗中傷するような言い方はもちろん不適切です。目標は、あくまで患者さんにベストのケアをprovideすること、なんだから)
基本的には誰もが誰に対してでもオープンにチャレンジすることが可能で、お互いがその意図を理解し、悪い後味を残さずにそれを実行できる、職場環境というのが理想かな、と思っています。

●Starkey氏に会う!
話は全く変わりますが、
この業界では超有名人、数々の著書を持つDr. Chad Starkeyが、
今回のカンファレンスのKeynote Speakerとして招待されていてびっくり!
わ、わ、わ、Dr. Starkeyだー!と、柄にも無くどきどきしてしまいました。
有名なアスリートとか見ても驚かなくなっているのに、有名な業界人でどきどきするあたりが、
我ながらマニアック。上司のMaryに、“教科書持ってきてるから、取ってこようかしら。
サインもらえるかな!”と冗談で言ったら笑われました。さすがに賢い喋りをする方でした。
授業中いつも、“there's a good diagram in Starkey('s textbook) on page 64...”
と、呼び捨てにしていたけど、今度からDr. Starkeyってちゃんと呼ぼう…と大反省。
Dr. Ingersollも来てました。お偉いさんがいっぱい。わいわい。
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  by supersy | 2011-02-27 08:00 | Athletic Training | Comments(4)

Commented by from-columbus at 2011-02-27 23:27
ご無沙汰しております。
1つ前の投稿と一緒に読ませて頂きました。
僕は、大学時代に現場と授業教育の衝突を幾度となく見てきました、、、。AT界にっとって、とてもおもしろいポイントですよね。
これからも、さゆりさんらしい角度からのブログ期待しています。
Commented by Jiden at 2011-02-28 05:32 x
Code of Ethics (principle 3)を考えれば、EBMがこれからのAT業界に重要な役割を果たしていくと思う。EBMによってeducatorならびresearcherとclinicianのギャップが少しでもうまればええんやけど。ちなみに、最近のresearchもpatient valueがEBMの一番重要なfeatureやからPatient Oriented Evidence色が少しずつ強くなってきている。
Commented by takeshi at 2011-02-28 11:50 x
お久しぶりです。けんたろうさんに大変お世話になってる たけしです。ブログ読ませいただきました。とても共感して 思わず身をのりだしました。このブログで書かれてることを 毎日のように痛感していました。アスレチックトレーニングに欠かすことができない この教育の視点を理解し行動するには、僕も さゆりさんのようにがんばっていかなきゃいかんと さらにやる気がでました。 今度 これについて、ぜひお会いして お話したいです。今後の ブログも楽しみにしております。
Commented by さゆり at 2011-02-28 15:30 x
>まさ
大きな大学だと特に現場では学生が煙たがられるね。自分も昔は学生で、ACIに面倒見て育ててもらった、っていうことを忘れちゃうのかな。

>Jiden
そうだね!Jidenのコメント読んで、EBPは3者を結びつける大事な要素になるんだって思った、これは新しいinsightだ!面白いことになるぞ。

>takeshiくん
お久しぶり!嬉しい意見ありがとう。私もでもここまでの内容は納得済みなんだけど、ここからが難しいところがあって…また今度まとめられたらと思います。コンベンションにもし来ることがあれば、一緒にお酒でも飲みながら色々お話しましょ。

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