教育者の立場からATEPを見る。初めての経験。

うちの大学の子達は決して賢い子達の集団ではないから…
と、現地面接のときから言われてきた。覚悟はしていた。
最悪の状況を想定していったので、賢い子達を見てびっくりしたりもして、
最初数週間は、何だ、思っていたほどひどくはないじゃないか、
と思ったりもしたものなんですけど…

じわじわ来てます。It's slowly eating me、という感じです。
言われたとおり、うちのATEPの学生たち、総じて賢くないのです。
賢くない、というのは単純に学力だけという意味ではない、
生きていく力が低いような気がする。のほほんとしてて、楽観的で、他力本願。
この仕事が、勉強が楽しくてたまらない!毎日ここに来られて嬉しい!もっと学びたい!という
エネルギーを感じられる生徒が少ないのです。本当に良い子達なんだけれど、
一流の職人になれるようなまっすぐさとがむしゃらさが足りないんだよー。
おばかだっていいのにな、多少要領悪くたって、それさえあれば。

ここに限ったことではないのかもしれません。
私自身がundergradの学部生だったときも、周りのアメリカ人の同級生たちは、
人間としてはとっても良い子たちだったけれど、学生としてはひどかった。
勉強もせず、悪い点を取っては先生にばかり文句を言って。
真面目に勉強している人を捕まえては、やれOverachieverだ、
You are making us look badだと言って足を引っ張ろうとする始末。

皆は地元の大学に進んで何となくPTやMDになるにはアタマが足りないから、と、
この職業を選んでるのかもしれないけど、私はこれをやりに日本からやってきたんだ、
これに飲み込まれてはいけない、私は私のペースで進んでいかなくては、と、
結果的には私にとってはこれがいいモチベーションになったのですけれど。
でも話の合う、同じレベルの情熱を持った同級生に出会えなかったのはちょっと寂しかった。

毎日じわじわきりきりとアタマが胃が痛くなります。
今、朝9時の授業に毎回寝坊して遅れてくるようでは、
将来、朝5時6時出勤のスポーツに就いたときに一体どうするのか。
たった1-2時間の練習でもすぐ疲れたと良い、
上司の私が立って練習を見ているその目の前で、
椅子に腰掛け、しまいにゃ床に寝転がっているような空気の読めない子達が、
将来どうやってコーチのニーズを理解し、お互い歩み寄るようなアプローチを取れるというのか。
提出物を期限日に出さず、それをまるで当たり前のことのように言い訳すらしない子達が、
将来どう選手に治療やリハビリの“継続”、“日々の努力の積み重ね”の大切さが教えられるというのか。
あぁ、心配だ。心配だ。

でも、心配しててもキリがないし何も生まれない。
どうせ脳みそ使うなら良いほう、ポジティブなほうに使うに限ります。
私はこの生徒たちのためにこれをここからどう変えられるんだろうと、日々模索中です。
最初はいちいち、“私が学生だった頃はこうだったのに、何でこの子たちはそんな当たり前のこともできないんだろう?”と考えてしまったりもしたけれど、そもそも私自身がしていたことを、そっくりそのまま彼らに要求するのはナンセンス。“当たり前”もひとりひとり違うんです。まずは、私と彼らは違うんだ、というところから認めなくちゃいけない。そうでないと第一歩すら踏み出せません。

今までは、頑張らない人たちなど、気にしなければよかった。
それを反面教師にして、自分のエネルギーに変えればよかった。
それはそれは、シンプルで単純でした。
でも、今は違う。
頑張らない人たちだって、見ない振りをするわけにはいかない。
背中を押して、手を差し出して、優しい言葉と、時には発破をかけて。
自分だけが彼らを置いて先に行くことを、ではなく、
みんなで一丸となって進んでいくにはどうしたらいいか、を考えていかなければいけないのです。
みんな、ATEPのメンバーの一員なのだから。

どうしたら一丸となって進めるのでしょ。
大きな大きな課題です。
しかし、私には答えを見つける義務がある。

同時に、色々考えていく中で、気づくこともあります。
1) ガンガン前に進んでいくタイプの子達のペースを遅らせたくない
2) 下の子たちにレベルを合わせバーを下げることで、
  このプログラム自体のレベルを下げてしまえば、プログラム自体の存続にも関わる。
3) 手を差し出しても、相手に取る気がなきゃ結局意味が無い。
うーん、これらもまたジレンマ。
分からないことがあったら何でも聞きに来なさい、オフィスはいつでも開けとくから、
と言っても、遊びに/質問しに来るのは賢い子達ばかり。
やる気が無い子には思い切って引導を渡すのも、私の仕事なのかも知れない。
ATCのレベル低下が騒がれるようになって久しい、それに一役買うのだけは絶対に勘弁!
そもそもこのままいったってBOCだって危うい子達も少なくないのだ。
うん。厳しさが必要なのは分かる。うちの大学がちょっと過保護なのも、分かる。
でも君には無理だろうからやめときな、なんて言うのは、できることを全部やってからにしたい。
エゴかもしれないけど、そうじゃないととても私がやり切れない。
きっとまだ変えられる。まだ気づかせられる。
ATEPの大きな責任を担う者として、どうやったら彼らが大いに自ら学び、楽しみ、
成長する機会を創っていけるのか、試行錯誤の毎日です。

そして4) 教授やプログラムディレクターたちが、私たち学生のためを思って、
これだけの時間とエネルギーを費やしてくれていたなんて!
改めて、感謝の念でいっぱいです、Dr. Patton、Dr. Ransoneありがとう!


そんなわけで新米Clinical Coordinatorは今日も色々考えています。
毎日毎日、一日の終わりには脳みそがパンクしそうになってます。もう若くないぞ。
さて、明日に疲れを引きずらないよう、早めに寝ようかな。
ホットミルクでも入れよう。今日は熟睡したい。
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  by supersy | 2010-09-27 22:30 | Athletic Training | Comments(5)

Commented by yoshi@元ISU at 2010-09-28 13:30 x
>皆は地元の大学に進んで何となくPTやMDになるにはアタマが足りないから、と、
この職業を選んでるのかもしれないけど、私はこれをやりに日本からやってきたんだ、

これは俺もずっと思ってました!なんかモチベーション違うよなぁ。。。みたいなのとか。「お前勉強しすぎ」みたいにいわれたりとか。しょうがないといえばしょうがないんでしょうね。。。

連絡が遅くなってしまいましたが、春にISUを卒業後、今月頭に富山大学の医学部から編入合格の通知をいただきました。これから5年間となかなか長いですが、日本の現場医療、現場医療者普及に一役かえれば、と思って精進していきます。

そういえば合格決まる前からちょくちょく西高アメフト部のトレーナーとして部活に参加してきました。超シーソーゲームの末の初戦勝利や、次戦の日大三高の前に破れて男泣きしてる選手を見ていると、高校時代が懐かしくなるのと同時に、やっぱり現場っていいなぁ。。と思いました。

長々とすいません!これからもブログ楽しみにしてます!
Commented by daichi at 2010-09-29 00:28 x
やはり地域やプログラムによってその生徒の特質も変わって来るのかな。ここの学生はレベルがかなり高くて逆に凄くいい刺激を受けてます。知識は然る事ながら、やる気もあるし献身的だし困ってるとすぐに飛んで来て助けようとしてくれます。俺は「おばかでもがむしゃらで一直線」なタイプだけどそんな良い子達のsupervisorの一人として切磋琢磨しちょります。残念ながらSyの生徒の中にはちょっと緊張感の足りない子がいるみたいだけどSyの熱い想いは周りにいる人間を突き動かす力みたいなものがあるからきっと大丈夫だよ!当たって砕け!
Commented by さゆり at 2010-09-29 13:47 x
>yoshiくん
そうそう、今までは他人は他人、自分は自分で良かったんだけどね。医学部合格おめでとう!ATから日本に帰って医学部挑戦、というのは何回か聞いたことがあるけど、実際に合格した話は初めて聞きます。すごいね!違う分野になるけれど、お互い切磋琢磨していきましょう。私はもう少し現場で揉まれてきます。

>daichi
UFは結構良かったな、UNFはひどかったよー、やっぱり学校にだいぶ左右されるね。でもみんな根は良い子たちだから、根気強く接していればいつか向こうの心に響くと信じて頑張ります!
Commented at 2010-09-30 15:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by さゆり at 2010-10-01 08:44 x
メールを送らせて頂きました。ご確認ください!

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