自分の原点。

ご無沙汰どころではありませんが、ほんっっっとーーーにご無沙汰していました。
NATAから帰ってきて一気に人生の転機というか、色々と新しいことが決まり、
現在はGainesvilleから2時間ほど離れたJacksonvilleで生活をしています。
今年のNATA Conventionに行った一番の目的は就職活動!だったのですが、
Floridaに帰ってきてから一気に進展があり、結果、いくつかオファーを頂いたのですが、
悩んだ末に7月上旬にUniversity of North Floridaでの仕事を取ることに決めたのです。
担当はVolleyballとSwimming & Divingになります。
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7月末に大引越しを決行し、8月には仕事を開始。
8月10日からはPre-seasonの3-a-daysも始まり、文字通り朝から晩まで働いていて、
本当に落ち着いてパソコンに向かえる時間と精神的余裕がありませんでした。
仕事は楽しいんですけれども、新しい環境に慣れるのと、
あとはとにかく拘束時間が長いのとで、バタバタしていました。

今日から学校のほうも授業が始まるので、Pre-seasonは昨日で終了。
いや、まぁ、私は何も授業を取らないので不思議な感じですけどね。
これからは通常営業に入るというか、一日一回の練習になるので楽なもんです。
まぁ、うかうかしているとSwimming & Divingの練習も本格的に始まるので、
それにも備えて色々やっておかなければいけないんですけれども。
まぁでも、ちょっと一息つける余裕ができました、ということです。

今回の就職にあたって相談に乗ってくれた/協力して下さった/支えてくださった皆様、
個人的に報告をしましたが改めて、本当にありがとうございました!
UNFのことについては追々語っていくことにして、今日はちょっと書きたいと思うことがあります。

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引越しを目前に迎えた7月末、Gainesvilleから2時間ほど離れたStetsonという大学で、
高校のFootballのキャンプのお手伝いをさせてもらっていました。
3~4日間の日程で、7~9校ほどの高校のチームが入れ替わり立ち替わり
やってきては炎天下の中で過酷な練習をこなし帰っていくという、流れ作業的なお仕事でした。
私を含め4人のATがこのキャンプのために臨時に泊りがけで雇われ、練習場で随時待機し、
練習前のテーピングや練習中に時々起こる怪我の対応をする、という感じでした。

そんな中、とある高校の子で、脳震盪を起こした選手がいました。
BuchholzでのFootball Seasonで20件以上の脳震盪に遭遇するという経験をしたお陰で、
脳震盪の怖さ、及び、いかに侮ってはいけないかということについてはよく知っているつもりです。
本人も高校のコーチも、脳震盪に関して不慣れそうだったので、
その危険性、症状の出方等、色々と説明をしました。
少し良くなったからと言ってすぐに練習ができるわけではないんです、
と話すと彼らも非常に熱心に話を聞いてくれ、私の言うことを全て聞き入れてくれました。
こういうconservativeなことを言うと、典型的なフットボールコーチは、
たかだかConcussionくらいで大げさな!ちょっとくらい練習してもいいだろ!
という人も珍しくないんですけどね。

聞けば、その高校にはATCはひとりもいないのだとか。
大変ですねぇと言うと、
“本当に必要なんだけどねぇ。お偉いさんは死人でも出ないと分かってくれないんだよ”
とコーチも困ったように笑って返してくれました。
症状が良くなったり悪くなったりだった彼が少し心配だったので、
キャンプを終えて帰ろうとするチームに、
“質問があったり、症状が悪化したりしたときはいつでも電話してください”
と、私の携帯番号をヘッドコーチに渡すと、
ありがとう、本当にありがとう、と非常に感謝されました。

そんなことがあってから一週間ほど経ったころ、
コーチから携帯にメールが入り、彼が元気でやっていること、
それから送りたいものがあるから、住所を教えてくれと連絡が入りました。
良かった良かったと安心し、猫の首はやめてくださいねー、と冗談を返して、
それも忘れたころの昨日、差出人がコーチの名前の、一つの大きな封筒が届きました。

送られるにしてもThank you letterくらいかと思っていたので、
思ったよりも大きい荷物に何だろう?と開けてみると、
Tシャツが一枚と、それから手紙が出てきました。
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Miss Hiraishi,

Thanks so much for your attentiveness with our players. As the enclosed shirt indicates,
an image of "Class" is important to our players -- especially when it is generated by internally held
beliefs and a life spent living them. It was clearly evident during our brief time at camp that
you are a person of class -- someone who cares about doing a job the right way,
doing it to the best of her abilities, and who cares about others. The university that hired you is
very fortunate. I hope that someday our county will get it through their heads how valuable
a person like you would be to our student-athletes. Thanks, and good luck in your new position!

Sincerely,
選手たちに良くしてくれて本当にどうもありがとう。同封したTシャツにもあるように、「仲間」というイメージは我々にとって、非常に大切なものなのです。そしてそれは本来、私たちが信じるものや、人生そのものから自然と溢れ出てくるべきものです。あの短いキャンプの間で、あなたが「仲間」の一員の模範であったことは誰の目にも明らかで、正しいことを最大の能力を持ってやり遂げること、そして他人を心遣うことを私たちに示してくれました。あなたを雇った大学はとても幸運ですね。いつか私たちの地区のお偉い方々も、あなたのような人間がコドモたちにとってどれだけ価値があるものかを理解してくれる日が来てくれることを祈っています。
ありがとう、新しい仕事がいいものでありますように!

奇しくも昨日は私の誕生日。
思いがけないプレゼントをもらって、本当に心が温まりました。
自分はプロのATCとして当然のことをやったまでなんですけれども、
その価値を認めてくれて、あなたのしたことは素晴らしい有難い、と思って頂いただけでなく、
それをこうしてお礼として行動に移してくれて感謝の気持ちを伝えてくださったことが、
何ていうか、とっても嬉しかったんです。

同時に、自分の原点を思い出すことができました。
ATのいない高校日本のスポーツ。
その渦のど真ん中に自分が埋もれて、怪我と戦い精神的肉体的に苦しかった日々。
そういうアスリートを救うためなら人生を捧げる価値が十二分にあると決心して、
自分が何かチカラになれることはないのだろうかと考えた末Athletic Trainerを目指した8年前。
ATが日本より遥かに浸透しているはずのアメリカでさえ、フルタイムのATを雇うお金も無い田舎の小さな高校はまだまだ山のようにあります。そういう状況にある人たちの手助けに、今回少しだけでもなれたならば、それは自分の夢へのヒントをもらったような、そんな気にちょっとなるんです。

プロスポーツの華々しい世界もいい。
でも自分の原点はやっぱり、スポーツにそんなにチカラを入れているわけでもない、
ATなんてもちろんいない、そんなしがない都立高校の体育館なんです。
8年たってコドモからオトナへと成長した私は、練習も思うようにできない、
それでも勝ちたい、そういうコドモたちを肉体の面から支え、必要な知識を与え、本当の意味での
優秀なアスリートを育てる側にならなければならない。そうあるべきだと思うんです。

全ての公立高校にATを!
私の一生をかけてもとても実現できそうもない、どでかい夢ですが、
最終的に達成するのが自分じゃないとしても、その歯車のひとつになれるなら、
やっぱり私は最後はこの原点に帰ってきて尽力したい。心からそう思います。
それをこうして感謝してくれる方々がいるなら、なおさらです。
無我夢中で仕事をして毎日ぐったりするほど働いて、そんな生活を繰り返していると、
自分がATを目指した初心というものを忘れそうになるときもあるけれど、
そんなときには今回の手紙を思い出して、その度原点を思い出して、
自分の原動力にしていこうと思います。本当に、感謝の気持ちでいっぱいです!

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追加です。
リクエストが多かったので、例の私の絵が載ったDr. Ransoneの本ですが、
こちらから購入が可能だそうです。もしなにか不具合等ありましたらご連絡下さい!
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  by supersy | 2009-08-24 09:00 | Athletic Training | Comments(9)

Commented by カツ at 2009-08-25 12:15 x
おお~、すっかり忘れてた。昨日誕生日だったよね、そういえば。
誕生日おめでとう(*^^)/。・:*:・°★,。・:*:・°☆

Jacksonvilleで仕事見つかってよかったね。
やっぱり世の中うまく行くようにできてるんだよ。
これからもこの調子で頑張ってね。
大陸の反対側から応援してます。
Commented by Makiko at 2009-08-25 13:09 x
さすが!心からおめでとう。新たな環境、新たな人たちに囲まれて、いっそうの活躍を!!私も遅ればせながら新天地でがんばってきます。
Commented by yoshi@ISU at 2009-08-25 13:28 x
”ATなんてもちろんいない、そんなしがない都立高校”
そうなんですよね、「もちろん」いないんですよね。
西のアメフト部は週末にPTのOBOGの方が来てくれるので少しはいいのかもしれませんが、それでも専任のATはいないんですよね。
どうにかしないといけないと思うんですが。。
ともかく、ポジションゲットおめでとうございます!
これからもブログ楽しみに見させていただきます。
Commented by Katsu@Hawaii at 2009-08-25 15:58 x
「全ての高校にATを」実現する夢をさゆりさんももっているのを聞いて、ここにも同じように思っている方がいたと勝手に喜んでいます。人生をかけても実現できそうにないことであっても、どうしても実現したい環境。同じ志を持っている人の繋がりから変化として起こしていけたらいいですよね。そして、形はどうであれそういった環境は必ず実現されるべきですよね。いつかお会いできた時にお話できるのを楽しみに!
Commented by メグ at 2009-08-26 12:07 x
stetson私実はチョット母校です(笑)UFに来る前に6ヶ月ほど通っておりました。
頑張ってるみたいだね。夢に向けて検討祈ります。
Commented by かや at 2009-08-26 12:51 x
就職,本当におめでとうございます。
そして誕生日おめでとう!

今回のようなうれしい出来事は,自分の仕事にかなりプラスのモチベーションをもたらすよね。そして,今回したような「普通」の「あたりまえ」の仕事の積み重ねが,Syの夢の実現につながっていくことをでしょう。
また,今始まった新しい場所でATS達にSyの背中を見せていけば,きっとSyイズムも浸透するだろうし,それによって夢が現実なものに一歩ずつ近づいていくと思います。
応援しています。 がんばって!

それと,本の情報ありがとう。
Commented by まさ@おーばーん at 2009-08-27 13:11 x
就職決定おめでとうございます!
さゆりさんの快進撃これからも楽しみにしています!!

高校でさゆりさんの元で働いてた子と職場一緒になりましたよっ。
Commented by さゆり at 2009-12-18 08:33 x
>カツさん
ありがとうございます!
よりによって同じ学校なんて本当に面白いもんだと思っています。カリフォルニア、遊びに行きたいです。生活はいかがですか?

>まっきー
同僚もボスもみんな良い人たちだよ。
担当のチームの女の子たちも元気で騒がしいっす(笑)。
新生活はどうですか?British Englishしゃべるの??
かっけぇぇぇぇ。

>Yoshiくん
以前、西高校のテニス部?だったかな?で働いてるっていうATの人に会ったことあるよ。お金のある部活はそうしてるのかな?少しずつ認知されるようになってきたとはいえ、学校として雇うには公務員でないといけないとか、規制がまだまだ多いんだよね。超えるべき壁は多い…。
Commented by さゆり at 2009-12-18 09:19 x
>Katsuさん
お金があるところがそれなりの設備と環境を整えられるのは当たり前だと思っていますが、そんな風に恵まれた環境じゃないところでも、死に物狂いでうまくなりたい勝ちたいと日々努力しているアスリートがいるのは知っていますからね。「全ての」と「高校に」は両方とも自分にとって意味ある目標です。

>メグさん
あ、そうなんですか!?
後から気がついたのですが、UNFとStetsonはカンファレンスが同じで。Volleyballの試合でも一回行きました。Hattersって…すごいですよね。

>賀屋先生
ありがとうございます!
自分がアスリートだったとき、どういうことが知りたかったのか、どういう存在が必要だと思ったのか、これからも自分に問いながら経験を積んでいきたいと思います。

>まさ
あ、Lexiのことだよね?彼女からも聞きました。
軍隊なんだっけ?具体的にはどういうことをしてるの?

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