Sacroiliac Joint Dysfunction。

最近続けて更新をしているので、
mixiと、このBlogのカウンターが異様な勢いで回り続けています。
ちょっと面白いです。皆さんご訪問ありがとうございます。

さて、どんだけ遊んでばっかなんじゃ!と怒られそうなので、
今日はちょっと真面目な更新をしたいと思います。
先学期、EBMのクラスでGroup Projectというか何というか、2-3人のグループで、身体の部位をひとつ担当し、授業2-3回を丸々クラスメートの前でレクチャーする、という課題があったのですが
(ええ、つまり教授は一切この授業を教えません。学期を通して私たち学生の教え合いです)、
私はそのときSacroiliac Joint(以下SIJ、日本語では仙腸関節)を担当していました。
グループパートナーが忙しいこともありパートナーとして全く機能しなかったので、
基本的に全部私が調べ私が発表することになったのですが、
そのお陰で、苦手だったSIJにかなり強くなれました。
今回は、そのSIJ Dysfunctionについてちょっと、何回かにわけて書ければと思っています。

さて、ではそもそも、SIJって何なのか?
足首、膝、肘、肩、股関節 等は一般の方も耳にしたことがあると思いますが、
仙腸関節って、その専門でなければなかなか聞くことがないと思います。
b0112009_1151858.jpg
上(↑)は人間の骨盤(Pelvic Girdle)の図です。
私のノートからスキャンしたものなので見難くてごめんなさい。クリックで拡大できます。
上部の背骨から追って見ていきましょう。まず腰椎が並び、その基にSacrum(仙骨)、その下にCoccyx(尾骨)があります。それから多くのbulkを占めるInnominate Bone(無名骨)と呼ばれる部分、大きなirregular shapeをしたこの骨は、実は3つの異なる骨から構成されています。Ilium(腸骨)、Pubis(恥骨)と、それからIschium(坐骨)です。実際はこれらはfusedしてぴったりくっついているため、明確な区別は無いのですが、定義上、一応、ゾウの耳のように丸く大きく膨らんだ部分がIlium、それか正面から見てドーナッツのような円形に見える部分の上部をPubis、下部をIschiumという風に呼び分けています。

全体的に、漏斗のような形をしているのが分かりますよね。
女性は出産のために、元々男性よりこのPelvic ringが広くなっています。
赤ちゃんはこのRingの部分をにょにょにょっと通って出てくるわけですからね。
実際の出産時にはさらにホルモンも手伝って、身体が柔らかくなりexpandするんですよ。

…まぁそんな余談はいいとして。
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注目していただきたいのが、Sacroiliac Jointというこの名前。日本語で言うと仙腸関節。
Sacro=Sacrum(仙骨)、iliac=Ilium(腸骨)だから、そうなんです、
仙骨と腸骨の間の関節なんです。図でいうと、右の図の赤い線が入ってる部分がそれです。
もちろん、左右にひとつずつありますので、合計ふたつ、有ることになります。

さて、これでもうすぐにでもSIJ biomechanicsの説明に入りたいのですが、
よりMechanicsを深く知るには、Anatomyを知るのが一番の近道!
ということでもう少しAnatomyの解説を。
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まずはSacrumをもっと掘り下げてみていきましょう。
Sacrumってのは本当に面白い形をしていて、穴がポコポコ開いていたりします。
これらの穴は一体何のため?というと、この穴を通過して、神経達がわーっと下肢に広がっていったりするんですね。まさに神経の通り道・トンネルなんです。この図(↑)の左が正面から見た図、右が後ろから見た図になりますが、正面は滑らかで緩やかなカーブを描いているのに対し、後部はぼこぼこで凹凸がひどく、Median/Lateral/Intermediate Sacral Crestと呼ばれる垂直に走る稜(りょう)が合計5つあります。何のことは無い、元々Sacrumは5つのSacral Vertebrae(仙椎)がfuseして造られているものなので、Median CrestはSpinous Processが、Lateral CrestはTransverse Processが、IntermediateはSup/inf Articular Processが、それぞれ連なって出来たものなんですね。

ちなみにここで面白いのが、Sacral Vertebrae(5つの仙椎)がSacrum(一つの骨)として
完全にfuseするのは成人してからで、年齢にして20歳頃なんだそうです。随分遅いと思いません?
へぇぇ、結構遅いんだぁぁ、とびっくりしてプレゼンにも入れて授業で言ってみたら、
思いっきりそこからテストが出ました(笑)。だから皆さん、覚えておいて損はないですよ!

さて、ここからちょっと皆さんに難しいことを要求するので付いてきてください。
頭の中でSacrumを片手に、Iliumをもう片手に持って、SIJのJoint lineでパキっと割ってみましょう。
本来はそう簡単に割れるもんじゃないんですが、まぁイメージです、イメージ。
そしてその関節面を覗いてみようではありませんか。
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左がSacrum、右がIliumというのは大きさの違いから皆さん分かりますよね。
青い色で囲んである部分が関節面になります。つまり、このふたつが本来くっついていた部分、ということ。この関節面はC-shapeともL-shapeとも言われますが、どっちのアルファベットであるにせよ、三日月のように、くにゅ、と曲がった形をしていて、その表面積は約17.5cm²と極小さいです。
Joint space(関節面の間のスペース)は1-2mmともっと僅かです。微々たるもんです。
(もっとマニアックな話をすると、関節面の軟骨は当然hyaline cartilageでできていますが、
 SIJではiliac側は気持ち軟骨が薄くなっており、more fibrocartilaginousなんだそうです)

さらに面白いこの図(↓)をご覧下さい。これは、SIJのcrosssectional。
分かりやすく言うと、SIJを地面と平行にスパっと切ったときの図です。
図の下が身体の正面(coccyxがあるのが見えますよね)、上部が後方になります。b0112009_12422927.jpgb0112009_1249569.jpg







右の図は便宜上色分けしてみただけの、左と全く同じ絵なんですけれども。
まずは赤い部分をご覧下さい。SIJでも前方にあたるこの部分は、関節面が適度に密着し、丁度ピッタリ噛み合っているように見えます。一方で、黄色い部分にご注目下さい。後方に行けば行くほどSacrumとIliumは離れていき、隙間がどんどん広がっています。そして、まるでそれらを何とかそれでもくっつけようとするかのように、繊維が縦横無尽に走り、結果、ガチガチに固められている様子が左の絵から伺えます。

なんでしょうコレ、つまりはどういうことなんでしょう?

ご説明しましょう。つまり、関節の前方と後方で造りが全く異なっているため、
機能にも大きく違いが出てくる、ということなんです!
前方は関節面同士が近い。後方は離れている。…というこの造りの違い、
実はこういう機能的違い(↓)を生む原因になるんです。さらっとまとめると、こんな感じです。
  ●Anterior 1/3 = true synovial joint (plane)
  ●Posterior 2/3 = syndesmosis (fibrosis connective tissue)
キレイにフィットする前方1/3はごく一般的な関節と同じように機能します。
関節包が存在し、程よいスペースがあることで、Joint Movementも生まれます。
後方2/3はというと、スペースが広すぎるが故にinterosseous ligamentsでガチガチに固められており、posterior capsule(関節包後部)はabsent/rudimentary。
当然ほとんど動きません。

前は動くけど、後ろはそんなでもない。
ひとつの関節で、そんな複雑な状況が生まれてしまうのです。

さらにさらに。関節を構成するものに、他に、靭帯というものもあります。
靭帯は、関節の過度な動きを防ぐために、文字通り全身の全ての関節に存在し、その回りを
ガッツリ固めています。この図(↓)でいうと、白く関節を取り囲むようにして走っているのがそれです。
SIJは、他の関節に比べても特に念入りに、数々の靭帯でこれでもかというくらい固められ、
ありとあらゆる方向への動きを制限しています。
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つまり、今回見てきたSIJってこういうことになります。
 ①Small joint surface, small joint space.
   (関節面積は小さく、そのスペースも狭い)

 ②~75% of joint surface is NOT synovial (syndesmosis)
   (関節面の約75%は繊維で固められており所謂通常の関節のカタチを踏んでいない)

 ③Strong ligaments hold the joint together, limiting movement in all planes
   (トドメに靭帯でガチガチに、全ての方向の動きを制限されている)

ここまで踏まえて、“じゃあ、SIJでほとんど動かないんじゃないの?”って思ったりしません?
これは、半分正解で半分不正解!
いや、厳密に言うと、あんまり動かない、というのは正解なのですが、
あんまり動かないとはいえ少しだけ動き、その少しの動きが実は非常に大事!
というのが実は大正解なのです。
というのも、驚く無かれ、SIJは前述したとおり、関節面の約75%がsynovialでは無いにも関わらず、
分類としては堂々とsynovial jointのカテゴリーに入ってしまうんです。
これは、そうなんです、つまりは“その僅かな動きが人体にとってcriticalなため、
synovialってことにしとこう!”と、多分、その昔お偉いさんが決めたんじゃないでしょうか。
(完全な推測ですが)

なので、次回はSIJではどういった動きが生まれるのか?
それがどうして私たちにとってそんなにも重要なのか?
ということについて書いていきたいと思います。
とりあえず、これを書くのにもう2時間以上かかっているので、今日はもう寝ます!
オヤスミナサイ。
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  by supersy | 2009-05-11 22:15 | Athletic Training | Comments(2)

Commented by KUNI at 2009-05-17 15:34 x
What's up, man??卒業オメデトウだメーン(もう古いな)

やはりManual Physical Therapistを自称している私としてはSIはもちろん好きなところでもあります、そしてなかなか難しいところでもあります。まだまだ俺は修行中で完全に分かり切っていない部分もあるけど、そこは勘弁してください。

リサーチではだいたい30%のLBPの原因がSIだとも言われていて。ある人はSIは原因になるともいうし、他の人達は全く原因にはならないとも言っている。

Evidence baseではSIのmotion testのreliabilityはもの凄く低く、あてにならないと言われているのサユリも知っているとは思うけど。
どのくらいの力量のExaminerがテストをしたかによって全然違ってくるというのがMTI(Manual Therapy Institute)のボス、PieterとTimの見解です。彼らはFAAOMPTで何十年ものキャリアがあります。Trainedされたexaminerがwhat to look forをしっかりと分かっていればreliabilityも決して低くはならないはず。実際にcervicalのjoint mobilityのテストのreliabilityを測ったリサーチがあって、結果は90%以上、examiner達はTrainedされたPTだったと思う。
Commented by KUNI at 2009-05-17 15:35 x
字数が多すぎると言われてしまったので以下が続きです、

俺の知っている限りでは8 degree rotation & 8 mm translationがSIで可能だと言われていると思うけど。
LEの動きをSpineに伝える唯一の場所がSIなんでSI joint dysfunction(Hypo/Hypermobile) そしてunderlying movement impairmentを見つけ出す事はとても重要だと思う

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