Stener Lesion。

ふはー。やっと留学生への500の質問が終わりました。
軽い気持ちで始めてみたものの、500は多すぎました、途中で後悔しましたもん(笑)。
そもそもどうしてこれを始めたかというと、どうやって見つけてもらってるのか分かりませんが、
mixi経由やこのBlog経由で留学に関する質問を頂くことが多々あり、
だったらまとめて聞かれそうな質問を全部答えちゃえー、と思ったからなんです。
“留学をしたいと思ってるんですがどうしたらいいですか?”という質問にも広すぎて答えにくいので、これを見てもらえればアイデアが掴めるかもしれないし、質問ももうちょっと具体的になってくるかなと。そんなわけで、留学に興味のある方は是非こちらを先に目を通して頂けると助かります!リンクは→12345678910

ちなみに一ヶ月以上前に書いて何故かupしていなかったTampa Tripの記事も更新しました。
興味のある方は是非どうぞ。→11/10

さて。以前ちょっとだけ自分がやったcase studyについて書き始めて途中で止まっていたのですが、
まとめて更新ついでにこれもこの機会に全部書いてしまおうと思います。
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今回のテーマは「手」です。
実際このcase studyをやってみるまで、手って細かすぎて好きな分野じゃなかったんですよね。
頭でイメージしきれない小さな部位って、もう、うにゃーーーとなってしまうというか。
でもこの勉強を通してHand Doctor(手の専門医)さんと話す機会もあったりして、
うわ、実は手って面白い!と見方が変わったのです。
b0112009_7393137.jpg
しかしまぁアレです。ニンゲンの手と言うのは実に良く出来ているのです。
考えてみればヒトって手で本当に複雑なコトをしていると思いませんか?
小さなものを掴んだり、文字を書くといったようなTaskをこなすには、
微妙な力加減の調節が必要ですし、構造そのものも非常にFlexibleでないといけません。
b0112009_843864.jpg
それを可能にするベースとなっているのが、まずこの特殊な手の骨の構造。
手首の根元にあるのが、小石のようにころころした細かい8個のcarpal bones(手根骨)。
それからmetacarpal(中手骨)、distal・middle・proximal phalanges(指骨…基節骨・中節骨・末節骨)。
metacarpalがそれぞれの指に伸びているので5本、
それからphalangesは親指のみmiddle phalanxがないので、3×5-1で14本、
ざっと数えて27個もの骨で形成されています。すごい数ですよね!
(sesamoid boneを入れるともっと多くなりますが、sesamoid boneの数は個人差があります。
 5個~3個存在し、最低でも親指のMCPに2個・IPに1個はほとんどの人があるようです)

さて、ここで注目して欲しいのが親指
親指と言うのは他の指と構造が大きく違っているんです。
まずは前述したように、5本の指の中で唯一middle phalanxが欠けているという点。
他の指と比べて短いのはそのためです。
それから、親指は2nd-5th fingersに比べてはるかに多彩な動きが可能です。
他の指が単純に、
   ●flexion・extension(屈曲・伸展)
   ●abduction・adduction(外転・内転)
なのに比べて、親指はそれに、
   ●opposition・reposition(対立・復位)
が加わり(↓下図参照、クリックで拡大)、mode degrees of freedom、
つまり言い換えれば、より多くの異なるplane上で動くことが可能というわけです。
b0112009_8371580.jpg

さて、この動きの秘密はcarpometacarpal (CMC) jointにあります。
親指のCMC jointは、1st metacarpal (第一中手骨)とtrapezium(大菱形骨)がmeetするところにあり、その関節が生み出す広い可動域からuniversal jointと呼ばれることもあります。
2nd-5th CMC jointがplane joint(平面関節)に分類される一方で、
1st CMCはsaddle joint(鞍関節)に属します。
b0112009_10223957.jpg
Plane jointは関節面が両方とも平らで、non-axialのglindingのみがmotionなのに対し、
Saddle jointは名前の通り対向する関節面が共に馬の鞍のような双曲面をしており、
biaxialに動かすことが可能です。つまり、plane jointが擦れるようにスライドしかしない
(=あまり動かない)のに対して、saddle jointは互いの凹凸を利用して滑らかに動く
(=沢山動ける)ことが可能というわけです。

親指のmotionをCMC & MCP joint総じてまとめると、 
   ●CMC joint of the thumb
    type…saddle joint
    movement…flexion(15°)、extension(20°)、abd(70°)、add(0°)

   ●MCP joint of the thumb
    type…condyloid joint (ちなみにコレは他4指も同様)
    movements…flexion(50°)、extension(0°)
という感じになります。
さて、親指の構造が他と違う、より多彩な動きが可能、というところを分かって頂けたところで、
長くなってしまったのでStener Lesionの詳しい話はまた次回!
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  by supersy | 2008-12-27 18:30 | Athletic Training | Comments(2)

Commented by かや at 2008-12-29 13:40 x
Texasに戻ってたのね。 久々の古巣っていいよね。
Blog更新のないMOMO氏も元気そうで・・・。

ところで,久々のAnatomy。やっぱいいねぇ。解説と画。更新楽しみにしてます。 っとここでオヤジの小言・・・ Oppositionは「対立」と訳してます。Repositionは「復位」らしいです(これは知らんかった)。
Commented by さゆり at 2008-12-30 09:12 x
あーごめんなさい!調べたつもりだったんですが直しておきます。
repositionは英語でもほとんど使いません。。。

MOMO氏が今横で賀屋先生によろしくと言っています(笑)。
あんまりこういう話題に反応が無いので時々自信を無くし掛けますが、楽しみにしてくれる方がいる以上&自分が楽しいと思えるうちは頑張りたいと思います!

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