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Austin3日目・The Texas Capitol見学。

今回、こんなホテルに泊まっています。キッチン付きの、キングベッド!
Habitat Suitesというホテルなのですが、自然共存型のちょっと変わったホテルです。
ホテル内は木々に覆われていて、ハーブが育てられている区画があったり、
部屋の中にもいくつも観葉植物があります。癒される。朝ごはんは無料で食べ放題、
夕方(5~7pm)はHappy Hourで無料でスナック(軽食)とお酒が出たりと、サービスも素晴らしい。
プールとジャグジーも夜10時まで開いているので、宿泊した2晩ともゆっくり遊ばせて頂きました。
初めて宿泊したホテルでしたが、大正解!
Austinに来ることがあれば、皆様是非。オススメです。

そして今日はAustinの観光名所・The Texas Capitol(テキサス州会議事堂)に行って来ました!
ちょうど5年前にも父を連れて一度来たことがあったのですが、いやー、やっぱり建物がキレイですねぇ。外から見たドーム状の構造(↑)の中に入って上を見上げると、こんな感じ(↓写真中央)。ちなみにドームを上まで上がって下を見下ろすと、こんな感じ(↓写真右)。
至る所にテキサスの州旗、紋章が掘られていて、例えばドアノブやドアのちょうつがいにも…。このちょうつがい、州会議事堂建設当初(124年前)からあるオリジナルのものらしく、
重さはひとつ8 pounds(約3.6kg)もするのだとか。
面白かったのはSenate Chamber(上院議事堂・写真左)とHouse Chamber(下院議事堂・同右)。
ここ(↓)にある椅子や机の全てが歴史的財産なので(同じく124年物)、さすがに座ったり触ったりはできませんが、中まで入って間近で見ることができます。今でも使われているので、会議がある場合は入れないこともあるそう。今日はお休みの日だったので、わー、と見渡させてもらいました。造りも席の数もだいぶ違う…。


ご飯も美味しいもの食べてきましたよ。お昼ごはんは、ダウンタウン周辺のお寿司屋さんで、
Bar Chi Sushiというところでちらし寿司を頂きました。アメリカの色んなお寿司屋さんで
ちらし寿司を食べているけど、ここのは格別豪華。
美味しいお魚で、お腹いっぱい!夕ごはんは、ホテル近くの韓国料理屋さんへ。
Cho Sun Gal Bi Korean BBQ & Grillというところで、メニューも全て韓国語で書いてある本格韓国料理屋さん!スタッフも全員韓国人です。焼肉はもちろん、鍋、豆腐各種、冷麺にユッケと、なんでもあり。私は石焼き海鮮ビビンバを注文して、美味しくいただきました。韓国料理屋さんは、お通しも充実しているのがいいですね!

久しぶりのAustinも満喫したので、明日でCorpus Christiに帰ります。
途中、San Marcosにも寄ろうかな、どうしようかなー。

  # by supersy | 2012-05-25 23:30 | Fun | Trackback | Comments(0)

ビバ・バケーション!

今週は、一週間の休みを頂いています。
Thanksgivingやクリスマス、Spring breakにもまとまった休暇はもらえないので、
夏の間に唯一取れる休みです。わーいわーい。

…とはいえ、Workshopも近くて溜まっている仕事も多く、Articleや本を読んだり、パワポ作ったり、勉強は欠かせない毎日ですが…。なかなか進まないよぅ。

でも、せっかくなので気分転換も大事!ということで、昨日からAustinに来ています。
Corpus ChristiからAustinまでは、車で4時間ほど。近くはありませんが、スムーズに到着。
昨晩はTexas State時代からのお付き合いであるTonyさんのおうちにお邪魔して、
豪勢なBBQで歓迎していただきました。ほくほくの焼き芋から始まり、アラスカから取り寄せたカニ、サーロインにリブ・アイ、イカにエビ…。ウズラの(卵ではなく)肉を食べたものも初めてでした。
身が締まっていて美味しかった!
こんな豪華な食事は2~3年に一度です!堪能させて頂きました。

途中、NCAA West Regional Track & Field MeetのためにAustinに来ていた、
J姐さん、Nobuさん、アキも合流して、懐かしいメンバーともわいわい。陸上って楽しそうでいいなー、Meet(大会)のたびに似たような大学が集まるから、知り合いに再会する機会がいっぱい。
ATの道具まで貸し借りする仲だという皆さんがちょっとうらやましかったです。

…で、Tonyさん宅に一泊させてもらい、翌日である今日は昼前にブランチへ。
連れて行っていただいたのは、ブランチというには不釣り合いなくらい豪勢な、Ho Ho Chinese BBQという、本格中華を出すレストラン。入ってすぐに生け簀があり(←アメリカではかなり珍しい)、魚に詳しい相方が「あっ、オコゼだ!」と駆け寄ると、2匹の立派なオコゼが水槽からむすっとこっちを見ていました。立派なエビやカニも沢山いますし、横では北京ダックもゆっくりと回っています。
このお店の常連のTonyさんは、メニューを見ずにササッと注文。出てきたのは生け簀にいたエビにオコゼに、北京ダックに(↑)…。オコゼは姿煮(↑)にして、更にアラをスープにしてもらいました。
さっぱりしていたけどコクがあって、ため息が出るほど美味しかった!
店を出るときに、帰りに生け簀を覗くと、当たり前なんですが2匹いたオコゼが1匹になっていて、
「わー、いなくなっちゃった、なんかすまんかった!」 「しかし美味しかった!」 
「ここに入っちゃったね(お腹をさすりながら)」と何故か皆で大爆笑。
美味しく頂かせてもらってありがとう。お腹いっぱいで幸せいっぱい。

Tonyさんのお宅をお暇させていただいて、相方と向かったのは、Mozart'sというカフェ。
ここは学生時代によく勉強するのに使っていたカフェで、湖のほとりにあって、夕日が沈んでいくのなんか、それはそれはキレイなんです。コーヒーもおかわり自由だし、Free wi-fiもあるし。
ケーキも色々な種類があって美味しいのですが、中華でお腹がふくれていたので、
大人しくコーヒーだけをもらって、私は仕事、相方は試験勉強にしばし集中。
いやー。優雅な時間でした。やっぱりここは落ち着くなぁ。
ちなみに営業時間は、曜日にもよりますが、平日は基本7am-12am。朝早くから遅くまでやっています。試験期間中は深夜までUTの学生で溢れかえったりします。
ライトアップ(↓)なんかもされて、とてもキレイ。

一仕事したあとホテルに移動&チェックインして、7時間越しでようやくすいてきたお腹を満たすために、ホテル近くのイタリアンレストラン、Verona Ristorante Italianoへ。
初めて入ったお店でしたが、丁寧な接客と本格イタリアンでこれも大満足!
油が苦手な私が、初めてオリーブオイルを美味しいと思いました。
エスカルゴにワインも頂いて、ふわふわ良い気分。ペスカトーレも美味しかった!相方の頼んだラザニアも最高。ラザニアが美味しいイタリアンレストランって、なんか本物って感じする(偏見大)。

ホテルに帰って、プールとジャグジーでたんまり泳いでくつろいで、
心もお腹も完璧に満たされて今に至ります。はー、バケーション最高。
仕事もぼちぼちやりつつ、あと2日の滞在を楽しもうと思います。
これが終わればまた来年の5月までノンストップ。羽もそれなりに伸ばさないとね!

  # by supersy | 2012-05-24 22:30 | Fun | Trackback | Comments(0)

Camelback SignとPatella alta。

PT Schoolを卒業し、晴れてDPTとなった相方が、
7月のBoard exam(国家資格受験)に向けて、色々と勉強をしています。
AT界では卒業前に受験するのが当たり前になっていますが(例えば5月卒業なら2月や4月に受験可能)、PT界では今年から5月卒業で最も早くて7月受験、という風に変わったようです(相方が横で面倒臭いんだよ、と何やら色々文句を言っています)。

で、Ortho(整形外科)の復習をしている相方が、
「Camelback signが云々」と言っていたので、それ何?と教えてもらいました。
直訳すると、Camel = ラクダ、Back = 背中なので、ラクダの背中サイン。
どういうもんかというと、Patella altaのある患者は、膝を約30度に屈曲した状態だと、
PatellaとInfrapatellar fat padがprominentになり、
まるでフタコブラクダのように、コブになってふたつ並んで見える(↓)、ということみたいです。

私はこれを習ったこともなければ、文献や本で見かけたこともなかったので、びっくり!
私自身Patella alta持ちだったので、ほうほう、こうなるのか!と自分の膝を観察してみましたが…
ん~、見え…ます?言われてみれば?言われてみても?イマイチ、ひとつにも見えるように…。あんまり…かな?と思うのですが、こちらが実際のCamelback signのある患者の写真らしいです。
こっち(↑)は、ちょっと見え…る?あんまり無いように思うのは私だけでしょうか?
まぁこれがはっきり見えたところで、Patella altaがあると分かるだけで、
あまりusefulな情報ではありませんが、一度も聞いたことがなかったので、面白くて、
他にも知っている人がいるかな?と思ったのでついつい書いてみました。

個人的にはPatella altaのMesurementにはThe Insall ratio(↓)、もしくはThe Insall-Salvati ratioが使えれば十分なんじゃないかと思います。単純にPatellaの長さ(Pole⇔Pole)と、Patellar tendonの長さ(Inf Pole⇔Tibial Tub)を比べる、という。Patella:Patella tendonで、Normalは0.8~1.2、<0.8はPatella baja、>1.2はPatella alta、という決まりがありますが、最近はそれぞれ<0.74、>1.5でいいんじゃないか、という許容的な意見も出ています。
つまるところ、上の図(↑)でいうと、右(A)が「通常」、左(B)が「Patella alta」にあたるわけです。このとき、膝の角度はおよそ30度(Insall ratio)、もしくはAny degree of flexion(Insall-Salvati ratio)で良いので屈曲させておく、というのが唯一の注意点です。シンプルで、さくっとしたMeasurementなので、PFPSの評価時には知っておいて損はない数値だと思います。まぁ、Patella alta/bajaがあったからって、悪!というわけではなくて、もちろんそれが膝にどういった影響を及ぼしているのか、もしくはそんなにrelavantでないのか、というassessmentも重要になってきます。

  # by supersy | 2012-05-22 12:00 | Athletic Training | Trackback | Comments(6)

Isolated PCL tearをどう扱う? 完結編。

前回からの続きです。
Literature reviewによれば、PCLの単独損傷の場合、
 ●Grade1-2の損傷の場合は、Conservative treatmentが適切。
という揺るぎない結論が出ています。問題は、Grade 3 PCL tear (後十字靭帯完全断裂)の場合。
文献によれば、「患者のInstability、pain、機能障害が著しい場合、手術の必要性・可能性は話し合われるべきだ」とされています。手術そのもののガイドラインとしては:

1) アメリカの症例ではAchilles tendon allograftを用いたケースが最も多い。
  その他の国の統計ではHamstring(HT) autograftが一番commonであるが、
  short & mid-termの結果はどれも等しく良い。
  HT graftで言うと、4-strandより6 or 8-strandのほうが優れている結果が。
  しかし、全ての研究を合わせたoverall failure rateは215件中25件、と、全体の11.6%。
  ACLよりもかなり高い数字で、果たしてこれは胸を張って「良い結果」と言っていいものか…
  という疑問が残ります。

2) 献体を使ったlab settingの実験ではDouble-bandle(DB)のほうがSingle-bandle(SB)よりも、
  より本来のPCLの解剖学的機能を正確に再現している、という結果が出ているものの、
  人体を使った実際の手術の結果にそれは今のところ反映されていない。
  よって、現時点で、DBのほうがSBよりも優れている、と断言することはできない。

3) 同様に、献体を用いたlab settingでは、Tibial inlay technique(↓写真B)のほうが
  より忠実にPCLの機能をrestoreしている、と考えられていたが、
  人体に施された手術の結果としてはTranstibial tunnel technique(↓写真A)と
  違いは見られない、という研究結果が出ている。

しかし、全体の結果を色々と比較してみても、PCL reconstructionの結果は全体的にACL reconstructionと比べると劣るのだな、という実感です。ぶっちゃけ、11%のfailure rateはunacceptableですよね。術後の経過として、「機能回復は"Satisfactory”と言えるほど好ましい結果が出ていても、stabilityとpainに改善が見られないケースが多い」というのです。これにはもしかしたら、

 - 整形外科医の経験、故に技術が圧倒的に不足している。
 - PCLそのものの構造がACLに比べて非常に複雑。
 - 体育座りのような休憩の姿勢を取っている時に、重力によってgraftに常にストレスがかかり、
  failureに繋がり易い。(Posterior sag sign↓でもこの事実は確認できますよね。
  PCLがないと、重力でtibiaががくっと落ちるわけですから)
等の理由があるのかも知れません。
個人的に、今回様々な研究・論文を読んでみて、まだまだ「手術が(絶対的に)良い!」と断言できるだけのevidenceはないのかなぁと思います。もちろん、患者の症状にもよりますが、痛みや不安定感が残るという事実、それからgraft failureの高さ…まだ自分のアスリートに勧めたいレベルではないかなぁと。

一方で、手術をせずに、大腿四頭筋の強化に重点を置いたリハビリ+治療をする、というConservative treatmentでも十分に良い結果が、ほとんどの症例で確認されています。Conservative treatmentに関して文献で見つけて面白かったのが、

1) PCLの損傷というのは非常に興味深いことに、
  the amount of laxity ⇔ the severity of symptoms、それから、
  the amount of laxity ⇔ limitations in the functional ability間のcorrelation
  というのは存在しないのだそうです。つまり、Posterior drawerをしてみて、
  ぐらぐらめっちゃlaxityがあったからと言って、必ずしも痛みがひどいとか、運動に障害が出る、
  とか、そういうpredictionは全く出来ないぞ、と。面白いですね。

2) 手術をしないからと言って、instabilityが悪化することはない。むしろ、限度はあるが、
  改善するケースも少なくない…というのは個人的に今回最も面白い!と思ったポイントでした。
  PCLは、どちらかと言うとACLよりもMCLと似ていて、
  比較的十分なblood supplyがあるため、損傷をしてもそれなりに治癒が可能なのです。
  Shelborne氏とJennings氏の、PCLの損傷を負った患者を対象に行った研究(↑)によれば、
  怪我発生直後のMRIでは完全に靭帯のbridging fibersが存在しないことが確認された
  (=PCLを疑いようもなく完全に断裂した)22人の患者のうち、19人が、およそ3年後のMRIで
  continuityをregainしたことがconfirmされています。
  同様のMRI studyは幾つか出版されていて、An injured PCL, even with a complete tear,
  can heal with some residual laxity through nonoperative treatment、というのが
  これらの研究の一貫した結論です。
  完全に断裂した状態からでも、繊維の一部に回復が見られる、というのは驚きです。
  
そんなわけで、今回色々調べてみた最終結論としては、
『完全断裂で、よほどひどい場合は整形外科医とconsult。条件が揃えば手術。
 そうでなければ、Nonoperative treatmentのほうが確実性が高い』
…というのがこれからの私の指針になりそうです。

幸い、今回のうちの選手にした決断は、偶然にも最善のものだったようです。
症状の悪化を防ぐべく、夏の間からみっちりメンテナンスして、最高の状態でシーズンを迎え・終えられるようコンディションを上げていければと思います。よーし、もっと調べるぞ!

  # by supersy | 2012-05-20 09:18 | Athletic Training | Trackback | Comments(3)

CEU Workshopをホストします!&Isolated PCL tearをどう扱う?

個人的な宣伝になりますが…。

Texas A&M University-Corpus Christi ATEPでは、
この夏に幾つかのWorkshopやCamp等のイベントを開催します!
第一弾は、Manual Therapy Workshopです。
日時: June 2, 2012
費用: $50 for certified professionals and $15 for students, lunch included
タイムテーブル:
  9:00-10:30am  Tensegrity and Scar Tissue Mobilization - Sayuri Hiraishi
  10:45-12:15pm An Introduction to Joint Mobilization Techniques - Dan Huffman
  12:15-1:00pm  Lunch
  1:00-3:00pm   Neuromuscular Inhibition and Corrective Techniques
             for Lower Extremities
- Brett McQueen
  3:00-4:30pm   Manual Therapy Implements - Dr. Chad Peters

(↑上は公式のFlyerです。クリックで拡大)

講義ももちろんですが、Hands-on sessionやInteracting labも交えて
アクティブに皆さんと交流しつつ充実したものにする所存です!
興味のある方は是非お気軽にSayuri.Hiraishi@tamucc.eduまでご連絡下さい!
その他のWorkshopも随時また宣伝させて頂きますが、詳しい情報はこちらから。

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ちなみに2週間ほど前の話になりますが、ATEPのニュースレター今年度最終号を刊行しました。
5月号です。な…長かった!殺人的なスケジュールの中、全号を無事に刊行できるか不安でもあったので、「休まず刊行!」という地味な目標を一人で達成できたことを嬉しく思っています。
今回のトピックに私が選んだのは、「How to treat an isolated PCL tear (後十字靭帯の単独損傷時の治療オプション)」というものでした。後十字靭帯を単独で損傷する、しかも断裂する、となればかなりレアですが、私自身その怪我を見る機会があり、Evidence-basedで見る最善の治療法ってどんなもんなんだろう?と興味が湧いたのです。
PCLを完全断裂したうちの子は、いわゆるFalling on the flexed knee(↑)っていう教科書通りのMOIをやってしまったわけですが、当時はposterior painが全く無く、膝を打った箇所のみの痛みを訴えたので、私は深く考えずにKnee (tibial bone) contusionとして扱っていました。同じ試合で別の選手がACLを断裂したこともあり(一試合で後十字と前十字断裂…。今思い返せばすごい試合だったわけです)、その選手の評価・治療・プランニングに私自身が時間を費やした一方で、PCLを断裂した子は痛みも症状もほとんど無く、その日も、翌日の試合も、ほとんど影響なくプレーできていたので、大したことないかな、大丈夫だろうと。ところが、それから2週間ほどして、ランダムにjoint effusionが出始め、膝全体のdiscomfortを彼女が訴え始めた時に「あれ?」と頭に大きなはてなマークが。整形外科医にreferしてPCL断裂が判明。後十字完全にいってます、と聞いたときはもう、ぶっとびそうになりましたよ。

結局この選手は、それでも症状がほとんど無く、普通にプレーができていたので、お医者さんに「なら続けて大丈夫です」と言われ、Custom knee braceをつけて、そのまま2010-11シーズン丸々プレーをし切りました。その後、彼女は事情があって去年の2011-12シーズン一年はチームから離れていて、いよいよ来年から正式に復帰します。

…で。3月末ポストシーズンから、一年ぶりに練習に参加し始めた彼女。痛みというほどでもないんですが、膝の違和感はまだあるようなんですよね。「不安定な感じはしないし、どこが痛いというわけでもない。でもなんかおかしい感じ」という彼女。定期的にメンテナンスの治療に来させているのですが、これ、シーズン始まったら悪化するのかなぁ、とか、もしや、手術をしておいたほうが正解だったのだろうか、とか、私も密かに色々と心配が膨らんできて。何か今のうちにできることがあったら是非知っておきたいしやっておきたい!と思ったのでこの機会に詳しく調べてみることにしたのです。
で、いよいよ本題です。
あんまりAnatomyについては細かい解説は省きます…が、ACLとPCLは膝の関節の中で十字を描くようにクロスしていて、ACLはAnterior knee stabilityを、PCLはPosterior knee stabilityを担っています。MCL(= provides medial stability)、LCL(= provides lateral stability)も含めたこれらは4方向を固める4 major ligaments in the kneeとよく分類されるわけですが、中でもPCLは最も強靭な膝の靭帯として知られています。
PCLは、よくblow-out knee injury(膝ぐっちゃぐっちゃになるような派手な怪我、例えば↑写真左)で見られますが、PCLを単独損傷するにはものすごく的確な力を的確なタイミングで受けないといけません。詳しく言うと、膝を約90度に曲げた状態で、膝の前方から後方に向けた強い力を腓骨上部に受けないといけないのです。よく言われるのが「Dashboard injury」というやつで、車に座っている状態で、例えば前方の車に追突事故を起こしたとします。車は衝撃で止まりますが、慣性の法則が働き、運転手自身の体は前方に動き続け、結果、膝を曲げた状態のままダッシュボードに激しくぶつける(↑写真右)ことがよくあるのです。なので、PCLの単独損傷は交通事故で見られることはそこそこ多いんですね。ただ、まぁ、スポーツとなると…こういう状況はなかなか起こりにくいので、ほとんど起こらない、というわけです。膝から地面に着地する(↓)くらいですかね。


ここで面白いのが、
1) PCL is responsible for 95% of the posterior knee stability.
なのに対して、
2) The signs and symptoms associated with a PCL tear could be subtle or even non-existent in some cases.
という事実です。なんだか矛盾しているようにも思えます…が、本当なのです。
興味深いのはParolie & Bergfeldによる研究で、NFL combineに参加する大学生フットボール選手達をexamineした結果、2%の選手にasymptomatic PCL injuryを発見したというのだから驚き。isolated PCL injuryは膝全体に起こる怪我の中で3%と極稀と言われていますが、知らないだけで、実はそれなりの数の選手が負っている怪我なのかも知れません。うちの選手の場合もそんな感じでしたし…。

そんな中で、がっつり症状が出てしまう患者さんもいます。
慢性的な痛みだったり、ぐらぐら感だったり、腫れが出たり引いたり、instabilityが原因で半月板損傷や関節面軟骨のdegenerationに繋がるケースも幾つか確認されています。機能障害にも同じことが言えます。生活に支障が出たり、アスリートにおいては以前のactivity levelに戻れなかったりと、弊害は色々とあるのです。

ここで大きく問題になってくるのは、PCL損傷はConservativeに扱うべきなのか?それとも、こういったchronic issuesを防ぐためには、手術してrepairやreconstructionをしたほうがベターなのか?ということです。
うちの選手に関しても、怪我から1年半ほど経過した今、症状が徐々に悪化しているように思えます。もしかして、「手術しない」は間違いだったのか?シーズンが終わった段階でするべきだったのか?はて。どちらが良かったのでしょう?
過去はもう変えられないけれど、もし似たようなケースが今後起こった場合、どう対応するのがベストなのでしょうか。

…ということをこれからまとめたかったのですが、
すでに長くなってしまったので、明日に続きます!

  # by supersy | 2012-05-18 13:00 | Athletic Training | Trackback | Comments(0)

春学期、終了!

正式に今日で春学期が終了です。
…というのも、今日が教師の成績提出日締め切りだから、というだけで、
私は成績を早々と提出したのでだいぶ前に終わってたんですが。
いやー、学生・アスリートの数もぐっと減って、キャンパス内も静かなもんだ。
これから、プログラムに所属する学生の成績をチェックして、崖っぷちの子達の進退を決めて…、
とか、シビアな仕事はまだ残ってるんですけどね。

学期が終わるのを惜しむ暇がなかったけれど、
なんとなく、静かになったATRを見渡して、有意義な一年間だったなー、と思っています。
女バスでも、ゴルフでも色々あったし、AT学生とも色々ありました。

中でも色々あったのはSeniorのとあるAT学生。
鬱病になって以前大学を中退した経験のある彼女、やっぱりATをやりたい!と、TAMUCCに再入学したのが3年前。その後も本当に色々あって、また鬱になったり、学生生活も私生活も上手くいかなかったりで、プログラムディレクターとも揉めて、「もうこの生徒は御手上げ…。相手できるのはSyしかいないから」と、半ば押し付けられる形で女子バスケに回されてきた子でした。

私は一年の初めに自分の直属となる学生と短い個人面談の時間を設けるようにしているのですが、彼女に「どんな目標を持っている?」と聞いた時に、はっきりと、「もうATをやっていくつもりはないわ。引くに引けないところまで来たから卒業はするけど、その後は全く違う職に就くつもり」と、宣言されたときは、さすがに複雑な気分になりましたが…。今までの彼女の授業での態度を見る限り、情熱が無くなったようにどうしても思えなかった(優秀な学生だったし、基礎力も応用力もヒトよりあった。何より、私の授業を楽しんで聞いてくれた学生の一人でした)私は、今この子とコミュニケーションが取れるのは自分しかいないような気がして、根気強く付き合って来ました。
突き放すでも、べったりするでもなく、一人のプロとして尊敬の心を持ちながら、接してきました。そのうち、実習に臨む彼女の目に少しずつ光が宿り、進んで意見やアイデアを共有してくれるようになったり、積極性も出てきて。実習を初めて2ヶ月と少し経った頃、「ATなんてもうやめようと思っていたけど、今学期ここまでSyと一緒に働いて、情熱が帰ってきた感じ。Syと働くの楽しいし、ここ数ヶ月で今までにないくらい学べてるし、このチームも大好き。私やっぱりこれがやりたいみたい」と言ってくれたときは、ガッツポーズして飛び跳ねたい気分でした。

情熱を取り戻した彼女の成長っぷりは、贔屓目無しに見てもすごかった!
私のように考え、私のように動けるクリニシャンに大成長(そしてそれは良い事…だと思いたい)。試合中にも、選手がちょっと指を気にする仕草を見せると、無言でグローブとガーゼを用意、止血の準備を始め、彼女が交代してベンチに帰ってくるとさささっと処置。その後、下級生に「次のタイムアウトで他の選手のユニフォームに血がついていないか(NCAAのルールでは、ユニフォームに血が付いているとプレー続行できない)確認して、あったら落として」と手早く指示。次の30秒タイムアウトに間に下級生と協力して全員のユニフォームを確認し、案の定他の選手についていた血をささっと拭きとる。…ということを独りで自然と出来るようになったのです。すごい、私この間、何も言わなくてよかった。すごいすごい。最上級生だからって、これだけ先読みして動ける学生はそういない!「まるで私のコピーを見てるみたいだ。すごいな!私、いらんじゃんか」とがははと大笑いしたもんです。

実習でも、彼女はイキイキと仕事をするようになっていました。豊富な知識で、私を驚かすこともありました。ヒトってこんなに変わるもんかね!と私自身もびっくりでした。そしてこの春学期をもって、彼女は長い長い大学生活を終えることになったのです。そう、無事に卒業です!
そんな彼女が、つい昨日、「Syにプレゼントがあるの」と。オフィスにひょっこり遊びに来てくれました。「何買ったらいいか分からなかった、Syにプレゼントって難しいわ!」と言いながら、こんなもの(↑)をくれました。お手紙を添えて。日本酒が入ってるあたりが、私をよく知っているというか何というか(苦笑)。

お手紙には、「You really made an impact in my life」という一文がありました。
もうATなんてやめる!から、ATってやっぱり楽しい!に変わったのは、
私が何か特別なことをしたからじゃなくて、彼女の心の奥底に「ATが好き」という根っこがしっかりと眠っていたからだと思うけれど、それが芽を出して花が咲いて、というプロセスを間近で見られたのは私も光栄でした。教師として、なかなかこういう体験はできないと思います。
同時に、ATとしての仕事も改めて面白いものだなぁと実感しました。ATという仕事をしていると、色んなヒトと出会い、色んな方の人生にちょっとだけお邪魔させてもらう機会があります。そこから去るときに、お花を添えたり、落とし穴を掘ったり―つまり、ちょっとだけ素敵なことをして立ち去ったり、最後っ屁をして立ち去ったり、「印象」の残し方って色々あるし、それによって彼らの人生がちょっとだけ幸せになったり、潤ったり、逆にちょっとだけ惨めになったり、怒らせたり、色々なことが可能なんだなぁと思います。あくまでその人の人生の中で山のように起こる出来事のひとつで、とんでもなくでっかいことなんて出来ないけれど、やっぱり、どうせなら誰かのpositive influenceになりたいよなぁって、つくづく感じます。Pay it forwardなんて立派なことは別にしようって思わないんだけれどPass it forwardをしよう。私の先生たちが私にしてくれた分の御恩くらいは、ちゃんと下の子たちに返したいなぁ。あとどれだけ、こんな素敵なことに関われるかな。来年もきっと素敵な一年になるな。うん。今から楽しみだ。

  # by supersy | 2012-05-15 14:00 | Athletic Training | Trackback | Comments(0)

Moving the ATEPs to Post-Baccalaureate Level??

自分の中では勝手にシリーズもの、として書いてきました(前々回のAT離れと前回のNPI)、
Athletic training educationも今回で一区切りにします。
今回の話題は知る人ぞ知る、Athletic Training (以下AT)はPost-baccalaureate degreeに
するべきなんじゃないか?という最近アツいトピックです。
これは私が読んだこのトピックに関する最新のArticleで、色々と多角的に意見が集約されていたので、ちょっとここでもまとめさせてもらおうかな、と思います。
ちなみにfull-textへのリンクはこちら

まず、このArticleの著者であるDr. William Pitney氏は、
「もう20年もATはPost-baccalaureate levelに動くべきか、動かざるべきか、という討論はなされてきているが、私はそれにずっと反対してきた。しかし今、正直言ってどちらが好ましいのか自分でも分からなくなってきている。」と書き出しています。
現状を正しく理解するためにも、この記事にまとめてあるPros & consをここでも紹介します。
(以下、Post-Baccalaureate Professional Education ProgramをEntry-Level Masters (ELM)と表記します)

Positive Considerations
- Improving the Professional Preparation of Students
Baccalaureate levelの学生は、一般教養など履修しなければならない授業が多数あり、
履修できる単位にも制限があります。なので、多くのHealth care professionsではこの時間を「準備期間」として使い、一般教養に加えて専門の必修科目(化学とか物理とか)をみっちり学ばせて基礎力を付けた後、ELMでそれらを応用した知識や技術の習得に時間を費やす、という構図を採用しています。
さらに、大学院レベルでは学生は「研究」とも様々なレベルで結びつくことができ、より研究への理解を深めたり、研究の消費者のみでなく生産者としての経験も得ることも可能です。

- Selecting More Highly Qualified Students to Enter the Profession
全てのATEPでは「プログラムに入る・残留するためには2.5~3.0のGPAを維持しなければならない」という規定があります(詳しい数字はプログラムによって異なります)。2.5や3.0なんて余裕だろーと思っていたのですが、これがなかなかどうしてひっかかる学生が多いんです。GPAが指定の数値を下回れば、学生をProbation(仮及第期間)状態に置いて、勉強に集中させるように指導。それでもGPAが上がらなければ、現在ATEPを管理する立場にある者として、悲しいけれど除籍処分…とか、毎学期私もわーわーやっております。
プログラムをELMに動かすとこれがどう影響されるのか?大学院に入学を認められるには、一般的にGPAが3.0以上であることが最低条件。なので、プログラムに入る前にふるいにかけられた状態で、競争に残った学生が入ってくる。GPAで言うと、お勉強の仕方を理解している優秀な学生のみが大学院入学を認められるので、ATEPとしてはちょっと楽になります。
ここで面白いArgumentが。Pitney氏曰く、
「よく同僚や同業車に『GPAが高い生徒なんてただの“book smart(ガリ勉)”で、hands-on skillsに乏しかったりするじゃないか』と言う者たちがいるが、私は聞きたい。『両方持っている学生の方が良いに決まっていないか?』と。」つまり、学業に長けた学生を取る自体は何の問題も無い、むしろ好ましいことじゃないかと思う、と述べています。これに関しては納得ですね。勉強できるかできないかだったら、できるほうが良いに決まってます。
大学院生は大学生に比べて精神的にも成熟しているケースが多く、ATこそが私の夢!と断固とした決意を持っている傾向も。教える側としては、こういう要素は重要です。

- Aligning Athletic Training Professional Programs with Peer Health Care Professions
我々のpeer達はPost-baccalaureate(例:PT)に移行した、が、我々はまだ。
別に皆がしてるから私達もしなきゃいけない!ということはありませんが、世間から見れば「医療従事者全体を眺めてみると、ATってあんまり進んでないんだ・ちゃんとした教育を受けてないんだね」という印象を与えかねません。こういった“Perception”を甘く見ていると、ヘルスケア市場での私たちの株は大いに傷つき、将来の可能性が限られてくることも有り得ます。

こういった様々な利点がある中で、問題も浮き彫りになってきます。

Concerns
- Lack of Qualified Faculty
- Impact on Faculty from the Reduction of Programs
Higher educationの施設に於いて、「授業を教えるFacultyは、学生がenrollしている学位よりもひとつ上の学位を修得していなければならない」という決まりがあります。例えば、私が現在Bachelors Degree (学士号)である現在のTAMUCC ATEPの授業を教えることができているのは、私がMasters (修士号)を持っているからです。ELMを教えるとなると、Doctors Degree (博士号)を持っていないといけない。つまり、私はunderqualifiedということになります。
これは私だけでなく、現在ATEPに携わっている多くの教師陣に当てはまり、多くの現役教師達が異動を余儀なくされるでしょう。逆に、博士号を持った教師の数も足らずに、多くのプログラムの存続が危ぶまれるかも知れません。そもそもGraduate degreeをオファーしていない大学もあるだろうし…、新たに作るとなれば時間も労力も人員もお金もかかりますもんね。もしそうして、プログラムそのものが幾つか無くなることになれば、そのプログラムで働いていた人員が全て解雇され、職を失うことにもなりかねません。

- Economic Impact on Students
今まで、4年生の大学を出ればすんでいたものが、これからは4年生の大学+2年の大学院かかる、となれば、学生には多大なる出費です。基本的に大学院の授業料ってundergradより格段に高いですしね。ATそのものお給料が他のHealth care professional並みに上がっていかないならば、多くの学生達はより長い学生ローンの返済に苦しむことになるでしょう。

このあと、このArticleでは更に、Dr. Jolene Henning氏(賛成派)とDr. John Hauth氏(反対派)を招いて、それぞれの主張をまとめていますが、正直言って反対派のargumentは矛盾が多いかなぁと思います。興味のある方は是非読んでみて、気が向いたら意見を聞かせて下さい。個人的には、Dr. Henning氏の言う「多くのAT学生たちは学生らしい生活―いわゆる『楽しいこと』を一切できず、こういう生活は続けられません、と辞めていく。もし近年のAT離れを我々が懸念し、改善したいと思うならば、齢19年くらいの学生たちに人生をcommitteしろというのは酷なことなのかも知れない。ELMに進もうという決意のある学生はその断固たるCommitmentを持った者たちで、そういった学生たちは、私の経験から言ってAT離れをする確率はかなり低い」というのは、これまでの私の書いた内容とも繋がるところが多いかなと思いましたが。

個人的な意見を少しだけ書くと、これから10-15年くらいでATEPはほぼ完全にELMに移行するのではないかと思っています。そしてそれは、実に労力と時間とお金をかけた大移動になるわけですが、その価値はあると言って良いと思っています。Hauth氏の言う、「Where's our cheese?」という主張は最もですが、逆に言うとこのまま指を咥えて待っていても誰もチーズをくれないだろうし、質の高い牛乳をより時間をかけて加工したほうが、世間も認める立派なチーズができるんじゃないかと思いますし。結局The chicken or the eggというargumentになってしまうのは不毛かなと。
まぁこの発言は自分の職のsecurityそのものを危ぶませることになるのかも知れないですが(苦笑)、職業そのものが成長し、進化していく過程ってこういうもんなんじゃないかな、と思っています。

まーでも何と言うか、PTが「カイロプラクターに負けてられるか!」とMSPTからDPTに移行して、
私達ATが「PTやOTを見よ!」とBachelorからMasterに動こうとしていて、
ちょっとイタチごっこなのと、ATが出遅れている感は否めない。
ぶっちゃけて言うと、Doctor of Chiropractor (DC)ってカイロプラクターをDoctorに設定しちゃったのがそもそもの間違いだったのでは、なんて気がしますが、それを言っても仕方ないんで、ね。

これを読んでいる皆さんはもう大学・大学院を卒業して、ATEPがどうなろうと関係ないやー、なんて思っている方も多いかも知れませんが…。これはATEPのみでなく、ATという職業そのもの、そしてあなた方の人生そのものにも関わってくることだと思います。賛成!とか反対!でなく、まずは考えてほしいなぁって勝手に思っています。私たちの行く末ですからね。

ちなみに個人的には、GAとして授業料全額免除+(スズメの涙程度だったけど)お給料ももらえて、
学ぶだけでなく思いっ切り高校のHead ATとして経験も積ませてもらって、
ELMになってしまったら、そういう「win-win situation」は無くなってしまうんだなぁ、
と思うとちょっと悲しく思います。非アメリカ人だった私にとって、授業料免除は大きかった。

  # by supersy | 2012-05-14 17:00 | Athletic Training | Trackback | Comments(0)

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